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【東京都東久留米市】「幻の小麦」柳久保小麦~東京北多摩スポット・観光・イベント・公園・大学など~
背丈は一般的な小麦より高く、取れる粉は粘り気があり、香りが豊かという特徴があります。
他の小麦と食べ比べると、その芳醇な香りが強いのが分かります。
また、他の品種に比べ、タンパク質と水分量が多いのも特徴。
料理にした時に粘りが出やすく、しっとりもっちりとした食感を楽しめます。
地元の飲食店でも広く愛され、うどんをはじめ、パンやラーメン、パスタなど、その味わいを楽しめるお店も増えてきました。
地域の人たちにも支えられ、その知名度は確実に上がってきています。
小麦の品種「柳久保」は寛永4年(1851)現在の東久留米市柳窪の奥住又右衛門が旅先から持ち帰った一穂の麦から生まれたといわれています。
優良な小麦だったので評判になり「又右衛門種」、あるいは「柳久保小麦」と呼ばれ、東京各地や神奈川県など近隣県でも栽培されました。
この麦からは良質の粉ができ、うどん用として大変人気がありました。
また、麦の草丈が長いので麦藁は農家の「わら屋根」にも利用された重要な品種でした。
(普通の麦の高さは約75cm、柳久保小麦は約115cmです)
こうしてこの麦は長い間栽培が続けられていましたが、戦時中の食糧増産の中で、元来収穫量が少ないことに加え、草丈が長く倒れやすいので量産が困難なことなどから、昭和17年でその姿は消えてしまいました。
昭和の終わりに、奥住又右衛門の四代目にあたる子孫、奥住和夫氏が熱意をもって、農水省生物資源研究所に保存されていたタネを300粒譲り受けて、栽培を復活します。
東久留米市では地域シンボルとして特産化を目ざし、行政、JA、生産者、手打ちうどんの会、食改善リーダー、加工業者などが協力して、うどん・まんじゅう・かりんとう・おやき・パンなどをつくって普及する運動を展開。
現在では17軒の農家が栽培し、年間約5トンを収穫しています。
味や香りがよくコシが強い柳久保小麦は、うどんに最適です。
柳久保小麦を使用した手打ちうどんのレシピも用意されており、家庭で手打ちうどんを楽しめます。
柳久保小麦は一般的な小麦に比べ水分量が多いため、通常の小麦の感覚で水を加えると麺が切れてしまうので、加える水を減らします。
茹で上がった麺は黄色味がかっているのが特徴で、冷水で締めて温かい肉汁につけ麺で食べれば、柳久保小麦独特の歯応えを堪能できます。
お菓子にこの小麦を用いれば、パサパサせずしっとりして、シフォンケーキ、ふすまを使用したマドレーヌにも合います。
柳久保小麦は風味が強く、他とブレンドしても負けないため、使い方によって様々な可能性を秘めています。
柳久保小麦を使用したうどん、ラーメン、パン、ピザ、お菓子(かりんとう、まんじゅう、クッキー、ケーキ)、小麦ふすまを配合した石けんなど様々な商品が開発されており、東久留米市内の各所にある店舗で購入することができます。
また、柳久保小麦の乾麺うどん、柳久保ラーメンも販売されおり、東久留米の名産としてお土産に活用されています。