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【東京都東村山市・東大和市・武蔵村山市・西東京市】「多摩湖梨」と「保谷梨」~東京北多摩スポット・観光・イベント・公園・大学など~
都内の梨栽培といえば稲城が有名です。
稲城をはじめとする日野や神奈川県川崎市で栽培される梨は多摩川梨と呼ばれています。
一方、東村山・東大和・武蔵村山地域で栽培されているのが「多摩湖梨」です。
この地域で採れる梨を総称して『多摩湖梨』と呼びます。
そのため、『多摩湖梨』という品種はありません。
主に品種は幸水や豊水、秀玉、稲城、新高などが栽培されています。
多摩湖周辺の自然が育んだ味と言えそうです。
多摩湖梨は4月の開花から8月には実を結びます。
主な販売時期は、その年によっても異なりますが、おおよそ7月下旬~10月下旬と短い期間となります。
多摩湖梨の歴史は戦後すぐに始まります。
昭和26年に東村山町の有志が会を作り、稲城から梨の苗木を取り寄せて、梨の果樹栽培が始まったそうです。
その後、昭和33年の農林省の大奨励措置により、町の産業課の音頭取りで大増殖が始まり、本格的に梨栽培を始めました。
翌年の6月に待望の果樹研究会が発足し、その年の秋に東大和市、武蔵村山市、砂川と組んで「多摩湖果実連合会」が誕生し、「多摩湖梨」の名前が生まれました。
この時より、この地で生産するすべての梨の総称として、多摩湖梨ブランドができました。
多摩湖梨同様、ブランド梨として保谷地域にある梨は、「保谷梨」と呼ばれています。
程よい甘みとジューシーな果肉、爽やかな食感が特徴的な梨です。
保谷梨は、木になったまま完熟させる「木成り完熟」方法で栽培しています。
大きな梨を木にぶら下げたまま完熟させることは木にも負担がかかりますが、程よい甘みとジューシーな果肉、爽やかな食感を持ち合わせた梨に育ちます。
また、五月頃から良いものだけを残す「摘果」を繰り返し、玉の大きなものを厳選して育てています。
江戸時代から伝わる栽培方法です。
そのため、安定した栽培が難しいため品種登録されず、一部の梨農家しか育てていません。
あまり流通していないことから「幻の梨」とも呼ばれています。
毎年8月から9月を中心に一部の限られた流通経路で販売されています。