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【東京都府中市】「萩のトンネル」と川崎平右衛門広場~東京北多摩スポット・観光・イベント・公園・大学など~
府中市郷土の森博物館では、例年9月中旬になるとミヤギノハギが鮮やかに咲き広がります。
園内の平右衛門広場では、萩のトンネルがあり、そこに約120株の萩が咲き誇ります。
その長さは30mにおよび、「萩のトンネル」として親しまれています。
このほか、園内にはヒガンバナ・コギクをはじめとする秋の花々が咲き、ヤマハギ、シロバナハギなども咲き広がります。
府中市郷土の森博物館の萩の見頃は、例年9月上旬から10月上旬頃です。
萩のトンネルがあるのが「川崎平右衛門広場」です。
川崎平右衛門という方はご存じでしょうか。
少しご紹介いたします。
川崎平右衛門定孝は、元禄7年(1694)に押立村(現府中市押立町)に生まれました。
同村の名主として積極的に新田開発や多摩川の治水に取り組む一方で、私財を投じて近郷の窮民を救ったといわれています。
特に、地元府中周辺の多摩川大洪水の後の治水工事や六所宮(大國魂神社)の東照宮の修理などに尽力するとともに、多摩地域の発展の礎となった武蔵野新田の安定化や新田村々の救済・復興の立役者となりました。
この功績に対し幕府より大岡越前守を通じて下賜されたサンシュユの苗木を新田村の名主等に分け与えたと伝えられます。
後に平右衛門は幕府代官として、岐阜での治水事業や島根県石見銀山の採鉱事業に大きな業績を残し、各地で人々から敬慕されました。
一介の農民から幕府財政をつかさどる勘定所の要職にまで昇進を果たし、明和4年(1767)に江戸で73歳の生涯を終えました。
なお、名勝小金井桜は玉川上水の改修の際に川崎平右衛門が小金井橋を中心に堤防に吉野から取り寄せた山桜を植えたもので、江戸から桜見物に訪れるようになり浮世絵にもなっています。
郷土の森博物館の平右衛門広場には、平成3年、平右衛門を顕彰するために制作された銅像があります(府中とはゆかりの深い、彫刻家で画家でもある、関頑亭氏の作)。
その銅像の右手が指している方向は、遠くは赴任地である岐阜県瑞穂市や島根県大田市です。
そして、すぐそばには水田があります。
農民のことを第一に考え、農民と協働で新田開発を行った平右衛が最も大事にしていたものなのかもしれません。