胴長短足がかわいい!「ミニチュア・ダックスフンド」~ミニチュア・ダックスフンドの歴史・特徴・性格・飼い方のコツ・かかりやすい病気について~

ワンちゃん

足が短く、胴長なフォルムが愛らしいミニチュア・ダックスフンド。

狩猟犬として誕生し、現在は愛玩犬として多くの人気を集めいています。

今回はミニチュア・ダックスフンドについてまとめました。

 

 

 

 

ミニチュア・ダックスフンドの歴史

 

 

ミニチュアダックスフンドはドイツ原産の犬種です。

先祖と考えられている犬はスイス地方の獣猟犬である「ジュラハウンド」や「ピンシェル」だとされていますが、詳しいことはよく分かっていません。

また、エジプトが歴史のルーツであるという説もあります。

これは、4000年前のエジプトの壁画にミニチュアダックスフンドらしき犬が刻まれているためです。

 

ドイツ語の「アナグマ(ダックス)」から名づけられたとても用途の広い、有用な狩猟犬です。

スイスの山岳地帯のジュラ・ハウンドとドイツからオーストリアにかけての山岳地帯のピンシャーとの交雑で作られたという説が有力です。

アナグマ猟のために12~13世紀ごろにスタンダード・ダックスフンドが誕生し、より小型化されたミニチュア・ダックスフンドは19世紀に生まれました。

中世の頃に作出されたとされるダックスフンドは、原産国のドイツでは3つのサイズにわけられています。

 

ほかのダックス同様、ミニチュアダックスも猟犬であり、嗅覚を使って獲物を探索し追い詰めるハウンドドッグです。

「ダックスフンド」は、サイズのバリエーション(大きさ)によって、3つに分けられており、中間サイズにあたるのが、「ミニチュア・ダックスフンド」です。

ミニチュアダックスは3つのサイズの中間ということもあり、自分の体より大きいアナグマ猟から小さなウサギ狩りまで、猟の場面で幅広く働いてきました。

 

あくまでもダックスフンドの中で3サイズあるということで、ミニチュアダックスフンドという犬種があるわけではありません。

3サイズのダックスフンドそれぞれに違いはないとされていますが、ミニチュアダックスフンドはスタンダードダックスフンドより身軽なことから、ドッグスポーツに挑戦させるなど、この犬種本来の活発さを発揮する機会が多くあるようです。

また、訓練性能の良さを生かし、2013年には警察犬試験に全国で初めて合格したミニチュアダックスフンドが、熊本県警察に採用されて話題となりました。

 

 

 

 

 

 

ミニチュア・ダックスフンドの特徴

 

 

ミニチュア・ダックスフンドの体長と体高の比率は、ほぼ2:1です。

「胴長短足」の体型は、キュートな愛玩犬という表現がピッタリ当てはまりますが、実は、元来、小さな穴での猟ができるように改良された狩猟犬であったため、筋肉質な体格をしています。

ミニチュアダックスフンドは、体長は体高の2倍の長さという短足胴長の体型で、垂れ耳で中くらいの長さのマズルを持つ小型犬です。

胸囲30~35cm。体重5kg以下。

 

ダックスフンドのサイズは生後15ヶ月を経過した時点で胸囲を計測して決定します。

この時胸囲35㎝を超えていたらミニチュア・ダックスフンドも「スタンダード・ダックスフンド」に犬種変更可能です。

足が短く胴が長い、胴長短足の容姿がいちばんの特徴。

足は短いですが、とても太くてがっちりとしています。

 

頭は上から見ても横から見ても細長く、鼻の先に向かって先細りになっています。

大きすぎない卵形の目が、人なつっこく友好的な表情に欠かせないチャームポイントです。

被毛はスムース(短い)、ロング(柔らかく長い)、ワイアー(硬毛で長い)の3種類です。

毛質はなめらかで光沢のあるロングヘアード、短く密集した被毛のスムースヘアード、針金状のトップコートをもつワイアーヘアードの3種類。

 

毛色はレッド、イエロー、ブラック&タン、ブラウン&タン、レディッシュ・イエロー、ワイルドボアなどがあり、二色以上の混色の犬もいます。

狭い穴に入って効率的に動けるように、あまり尻尾を高く上げないことも外見上の特徴です。

 

 

 

 

 

 

ミニチュア・ダックスフンドの性格

 

 

ミニチュアダックスフンドは陽気で好奇心が強く、非常に活発です。

短い肢で明るく振舞い、人の指示をよく理解し、喜んで従ってくれます。

やや頑固なところがありますが、賢く順応性が高いため、しつけや訓練は受け入れやすい性格です。

自立心のある猟犬ですので、甘やかしすぎると扱いにくくなります。

 

ミニチュア・ダックスフンドは、アナグマの巣穴に潜り込んで狩立て、巣穴から出てきたアナグマに向かって吠えながら、ハンターの射程圏内に追い込むという仕事で活躍してきた勇敢な犬です。

狩りの様々な場面で活躍する中で、その都度の状況判断を繰り返し、自立心が養われてきました。

また、時として、大きなアナグマに果敢に闘いを挑む勝ち気さを備え、狭い穴の中や水中などの様々な場面で安全に闘い抜くためには、警戒心の強さも要求されました。

 

狩猟犬として活躍していた犬種なので反応性が高く、初めて会う相手やドアホンなどの物音に興奮して吠えやすい性質をもっています。

都市部で飼育するにあたっては、吠えをコントロールできるようにトレーニングすることが大切です。

 

 

 

 

 

 

 

ミニチュア・ダックスフンドの飼い方、育て方

 

 

ミニチュア・ダックスフンドは、初心者でも飼いやすく、愛犬家の良きパートナーや家族の一員として、楽しく一緒に暮らしていくことができる犬種です。

元気いっぱいで好奇心旺盛、賢く順応性が高く、自立心が強く粘り強く性格をしています。

その反面、散歩などの十分な運動が確保できずストレスが溜ってくると、警戒心が強く勝ち気な一面が現れてしまい、「ムダ吠え」や「噛み癖(かむぐせ)」が習慣化してしまう場合もあります。

 

また、甘やかしすぎるとワガママに育ってしまい、飼い主の言うことをきかなくなってしまいます。

「ムダ吠え」や「噛み癖(かむぐせ)」などの問題行動を止めさせるには、愛犬の気持ち(理由)を理解し、その原因に応じた対処法を知ることが大切です。

小型犬は室内の運動で十分と思われがちですが、ミニチュアダックスフンドは1日に2回は散歩にいってあげてください。

1回の散歩は30分程度が理想です。

 

なかには体力のない子もいるので、犬の様子をみて散歩の量を調節してくださいね。

多頭飼育の場合、集団で外に出たとたんに気が強くなり、騒がしくなることがあります。

多頭飼育の場合は特に飼い主のリーダーシップが問われます。

ロングヘアードは、獣毛ブラシで毎日ブラッシングを。

 

散歩後はしっぽの長い毛にゴミや病害虫がつきやすいので、お手入れをしながらよく観察しましょう。

また、換毛期には下毛が大量に抜けるので、シャンプーやトリミングを行いましょう。

スムースヘアードは、定期的なブラッシングのほか、散歩後などには濡らしたタオルを固く絞って体全体を拭き、皮膚・被毛を清潔に保ちましょう。

ワイアーヘアードは、定期的にスリッカー・ブラシでブラッシングをするほか、定期的にシャンプーとブラッシングを行いましょう。

口ひげのような被毛に食べかすがつきやすいので、食事のあとは軽く拭き取りましょう。

ミニチュア・ダックスフンドは胴長短足な形態的特徴から、背骨への負担がかかりやすい犬種です。

 

ソファや膝の上からジャンプしておりたり、抱っこしてほしくて飼い主さんにピョンピョン飛びつくような、背骨のトラブルにつながるような行為を避けるようにしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

ミニチュア・ダックスフンドの気をつけたい病気

 

 

 

 

椎間板ヘルニア

 

ダックスフンドが椎間板ヘルニアの好発犬種であることはよく知られています。

椎間板(ついかんばん)は、背柱(背骨)を構成している一つ一つの骨と骨の間でクッション材の役割りを果たしている線維軟骨(せんいなんこつ)です。

椎間板ヘルニアは、椎間板が変形し、本来ある位置から飛び出してしまうことで、体内にある臓器が本来あるべき位置から脱出してしまい、脳からの指示を全身に伝えたり、逆に、感覚などの情報を脳に伝える役割を果たしている脊髄が圧迫されて、激しい痛みや麻痺を発症してしまう病気です。

 

ミニチュア・ダックスフンドは、遺伝的に椎間板ヘルニアを発症しやすい「軟骨異栄養性犬種」です。

3から6歳の間に最初の発症をし、その後、繰り返し発症するたびに、重症化していく可能性が高いとされています。

また、痛みが激しくなると、背中を丸め、運動を避けるようになってしまい、肥満による悪循環に陥ってしまう場合もあります。

「転倒」や階段などからの「転落」につながらない「バリアフリーな生活環境」を用意してあげることが大切です。

 

 

 

 

歯肉炎(しにくえん)

 

歯垢が歯と歯茎の間に溜まってくると炎症を起こし、歯茎から出血したり、腫れたりします。

歯肉炎とは、この炎症が起きている状態のことで、歯周病の初期段階になります。

歯肉炎の発症原因は、口の中に住んでいる細菌である「プラーク」の量が増えることによるものです。

歯肉炎が進むと、「歯周ポケット」と呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなって、歯を支えている歯槽骨が溶けて歯がグラグラになってしまう歯周病となります。

 

そして、更に重度になると、歯槽膿漏になり、歯が抜けてしまいます。

歯肉炎の場合は痛みがありませんので、犬自身には自覚症状がないため、飼い主であるあなたが気を付けてくことが大切です。

歯肉炎に気が付かず、放置していたために、歯周病、そして歯槽膿漏に発展するケースが多いのです。

歯と骨を結びつけている組織にまで影響していない歯肉炎の段階で、早期発見を心掛けましょう。

 

ミニチュア・ダックスフンドの場合は、犬歯の裏側が重症化しやすいため、特に、気を付けておきましょう。

 

 

 

 

クッシング症候群(くっしんぐしょうこうぐん)

 

 

この病気は、腎臓の上にある副腎と呼ばれる小さな分泌器官で生成されるホルモンが過剰になって、多尿、多水、腹部の膨満、脱毛や毛色の褪色など、糖尿病と類似したさまざまな症状を発症します。

そして、糖尿病や甲状腺機能低下症などの合併症を発症して、更に、悪化してしまう場合があります。

脳内の腫瘍、副腎と呼ばれている腎臓の上にある小さな分泌器官の腫瘍、薬の副作用などが原因と考えてられています。

この病気の治療は、外科手術や投薬治療を続けることになりますが、一番の対抗策は早期発見・早期治療です。

そのため、あなたが、愛犬のちょっとした体の変化や異常に早く気づいてあげることが大切です。

 

また、ホルモンに異常を来す病気の予防には、日頃からの栄養バランスがとれた食生活と、できる限りストレスフリーな生活環境を整えてあげることが大切だとも言われています。

 

 

 

 

 

アレルギー性皮膚炎

 

ミニチュア・ダックスフンドには、アレルギーも多くみられます。

アレルギー性皮膚炎には、花粉、ノミやダニなどの外部寄生虫などの外部要因のほか、免疫力の低下といった内部要因が関係しています。

たとえば、腸が元気でないときに、身体の中の老廃物や消化不良で溜まっている毒素が体内で処理しきれなくなり、皮膚から強制的に排出しようとして、アレルギーが発症する場合などがあります。

 

アレルギー性皮膚炎の予防として、免疫力を高めておくことが大切だと考えられています。

特に、「皮膚は腸を映す鏡」と言われているように、腸内環境を整えておくことが有効だと考えられています。

 

 

 

 

 

その他

 

 

ダックスフンドは脚が短く地面に近いため、夏季は熱中症にかかりやすくなります。

散歩は朝晩の涼しい時を選んで、短く済ませましょう。

ダブルダップルやブルーは進行性網膜萎縮(PRA)やてんかんを比較的起こしやすいとされていますので、注意が必要です。

 

 

 

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