【ほっこり感動のお話】ネコの日本昔話2選!~猫が登場する昔話「猫の恩返し」と「猫とネズミ」~

ネコちゃん

【ほっこり感動のお話】ネコの日本昔話2選!~猫が登場する昔話「猫の恩返し」と「猫とネズミ」~

ネコちゃんが登場する日本の昔話。

なんとなくほっこりしますよね。

 

今回は「猫の恩返し」と「猫とネズミ」のお話をご紹介いたします。

 

 

 

猫の恩返し

 

むかしむかし、世間から忘れられたような貧しい山寺に、たいへん年を取った和尚さんが細々と暮らしていて、たいへん年を取ったトラ猫を我が子のように可愛がっておりました。

秋の終わりのある日、とうとう山寺には食べる物が何もなくなり、和尚さんは最後の食べ物をトラに与えた後、うつらうつらと居眠りをしていました。

すると「和尚さん、和尚さん。」と呼ぶ声がします。

なんとそれはトラが和尚さんに話しかけているのでした。

トラは近々長者どんの一人娘が死ぬことを告げ、これまで世話になった恩返しに、山寺をもう一度繁盛させる方法を和尚さんに教えたのでした。

そうしてトラは、話し終えるとどこへともなく去って行きました。

しばらくしてトラの言葉どおり長者どんの娘が死にました。

 

長者どんはあらゆる寺から偉いお坊さんをたくさん招いて、それは立派な葬式を出しましたが、山寺の和尚さんだけは誰からも忘れられていて招かれませんでした。

その葬式の列が墓の近くまで来た時、突然娘のお棺が浮かび上がり、天の高い所まで登って降りて来なくなってしまいました。

偉いお坊さん達は慌ててお経を唱えお棺を降ろそうとしましたが、お棺は天にかかったままぴくりとも動きません。

困り果てた長者どんは山寺の和尚さんを呼び出しましたが、偉いお坊さん達は山寺の耄碌和尚にお棺が下ろせる訳がないとせせら笑っておりました。

ところが和尚 さんがトラに教わったとおり「南無、トラにゃ~にゃ、トラにゃ~にゃ!」と呪文を唱えると、お棺が天からゆっくりと降りてきたのでした。

こうして無事葬式を済ませることが出来た長者どんは、和尚さんに感謝して、山寺を新しく作り変え、食べ物を毎日届けさせ、身の回りの世話をする寺男まで手配 してくれたのでした。

 

こうして和尚さんと再び山寺に戻って来たトラとは、それからは縁側で一日中居眠りをしながら幸せに暮らしたということです。

 

 

 

 

猫とネズミ

 

 

むかし、ある所におばあさんとおじいさんが住んでいました。

ある雨の日、おじいさんは家の前の小さな畑のそばで、子猫が鳴いているのを見つけます。

おじいさんは、子猫を家に連れて帰り、あったかいお粥を食べさせてあげました。

そして、おじいさんとおばあさんは、子猫を自分の子のように大事に育てます。

 

ある日、おじいさんが納屋に鍬を取りに行くと、なにやら納屋の奥のほうからシャリシャリという何かをこするような音が聞こえます。

そして次の日も、やはりシャリシャリという音が納屋の方から聞こえました。

猫が納屋へ行って見ると、音は納屋の床にあいた穴の下から聞こえてくるようです。

また次の日、猫が納屋に行ってみると、豆を持ったねずみがいたので、ねずみを捕まえます。

 

ところが、捕まえたねずみはこう言いいました。

「オラたちねずみは、雨が降るとねずみのお宝を磨かねばならないのです。これは大変な仕事で、疲れがたまったせいか、おっかさんが寝込んでしまいました。それで、おっかさんに栄養を付けさせるため、この豆が必要なんです。おっかさんが元気になったときには、必ず猫さんに食われます。」

猫は可哀想に思い、ねずみを逃がしてやりました。

そして家に戻ると、何を思ったのか、戸棚に飛び乗り、豆の袋やら壷やらを倒してしまいます。

 

おじいさんとおばあさんが、これはどうした事かと見ていると、猫は納屋へ行き、床の穴からねずみの巣穴に豆をたくさん落としていました。

その頃、ねずみの巣穴では、子ねずみが持ってきた豆のおかげで、おっかさんの具合はだいぶ良くなったものの、子ねずみが猫に食われてしまうと大騒ぎになっていいました。

すると上から豆粒がたくさん降ってきます。

子ねずみが上を見ると、猫が豆をたくさん落としてくれていました。

 

子ねずみは、これでもう思い残すことはないと言い、穴から出てきました。

「猫さんありがとう、約束どおりオラを食べてください。」

しかし、猫は何も言わずに家の中に帰ってしまいます。

それからしばらくして、チャリンチャリンという音が納屋から聞こえてきました。

 

ねずみの巣穴から大判、小判がたくさん出てきたのです。

おじいさんとおばあさんが驚いていると、ねずみが一族で穴から出て来て、お礼を述べます。

「おかげさまで、おっかさんの具合もよくなり、無事ねずみのお宝を磨き上げることが出来ました。これはほんのお礼です。」

その後、おじいさんとおばあさんはねずみのお宝のおかげで何不自由なく暮らし、猫もねずみもかわいがったそうです。

 

 

 

 

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