鼻ぺちゃで垂れ耳、かわいいシーズー!~シーズーの歴史・特徴・性格・飼い方のコツ・かかりやすい病気について~

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鼻ぺちゃで垂れ耳、かわいいシーズー!~シーズーの歴史・特徴・性格・飼い方のコツ・かかりやすい病気について~

 

鼻ぺちゃで垂れ耳、かわいいシーズー。
落ち着いた足取りで、わずかに体を揺らしながら機嫌良さそうに歩きます。

1963年頃に日本に入ってきてから現在まで家庭犬として安定の人気を持ち、ワンちゃん人気ランキングでは常にTOP10入りしています。

 

 

 

シーズーの歴史

 

 

シーズーの祖先を探ると、チベット地方で飼育されていた「ラサ・アプソ」に行きつきます。

中国とチベットは仏教を通じて古くから交流があり、チベットの僧院から中国の王侯貴族へ、聖なる動物としてラサアプソなど短頭種が贈られてきました。

チベット僧院で飼育されていたこの犬種は「幸運を招き寄せる魔除けの犬」と称され、当時近隣諸国への貢ぎ物として雄のみが献上されていました。

シーズーはラサアプソとペキニーズを交配して作出された犬種とされています。

 

いずれも現存する犬種であり、両国においてそれぞれが神の使いとされていました。

歴史的順序としては、8世紀ごろにチベットから贈られたチベタン・スパニエルを中国王宮内で繁殖固定したのがペキニーズ、同じくチベットから16世紀頃に贈られたラサアプソとペキニーズを交配し、固定化されたのがシーズーという形です。

3犬種の中ではシーズーの作出が最も新しく、19世紀に誕生したと推定されています。

日本語では「シーズー」はカタカナ表記ですが、中国語では「獅子狗」と書き、獅子はライオン、狗は犬という意味を表し「ライオンのような風貌の犬」と例えられます。

 

宗教を司る僧院から王宮に贈られた犬たちは、神仏から与えられた聖なる力の象徴として、門外不出とされていました。そのため、繁殖の際にも王宮外の犬と混血することなく、王室の伝統と共に長い時間をかけて固定化されていましたが、その長い歴史は戦争により一度は断たれることになります。

しかし、19世紀後半に起きたイギリスとの第二次アヘン戦争(アロー戦争)で中国は惨敗し、その際、中国王宮に残っていた犬たちはイギリス軍に略奪されたり殺傷されたりしてしまい、生き残った犬たちはその後イギリス軍によってイギリス王室へと手渡され保護されました。

 

イギリス王室へ連れてこられたラサ・アプソ、ペキニーズなどの犬がイギリスで繁殖を繰り返し、そこで、新たにイギリス生まれのシーズー犬が数を増やしました。
こうして、シーズーはイギリス王室から一般の家庭犬として広まっていったといわれています。

チベットが中国宮廷に聖なる犬として短頭種たちを贈ったのと同様に、アヘン戦争以前には、中国からも英国の王侯貴族に対して聖なる犬たちが贈られていました。

中国皇室の厳しい規則と異なり、イギリスではこれらの聖なる犬たちも、家庭犬として少しずつ一般家庭にも広まっていたと推定されています。

これらの生き残った犬たちを土台として、シーズーは改めて繁殖の道をたどることになりました。

時代は移り、20世紀前半の1920~30年頃になってようやく、それぞれの犬種の特徴で分類された犬たちにより計画繁殖されることになり、1935年、イギリスにシーズークラブが設立され、犬種として公認されました。

 

アメリカでは1969年に登録され、日本には少し早く1963年頃に入ったとされています。

 

 

 

 

 

シーズーの特徴

 

 

シーズーはマズルの短い短頭種で、少し下顎が前に出るアンダーバイトが特徴です。

通常、体長は体高よりやや長く、しっかりとした体格と大きめの頭をしています。

マズルは短く、わずかにアンダーショットという咬合をしている犬もいます。

1頭は丸く、大きな目をしています。

 

尾は背中の上にくるりと巻き上がっています。

まっすぐに伸びた長く豊かな被毛で覆われています。

この犬のコートのケアには手間をかける必要があり、とくに地面に届くほど長く伸ばしている場合は、日常的にコートのラッピングが必要です。

 

アンダーバイトな犬種は食事の際にフードを捉えるのが苦手なので、器を置く高さを調節してあげたり食べやすい形状のドッグフードにするなどサポートをしてあげましょう。

体型・体質
体高:26.7cm以下
体重:4.5kg~7.3kgが理想とされています。

 

小柄ですが決して華奢ではなく、しっかりした胴体と太くたくましい四肢を持っています。

体長は体高より少し長く、短めの脚でちょこちょこ歩く姿が可愛らしい犬種です。

シーズーの毛色はどのカラーでも認められ、パーティーカラーにおいては前頭部や尾の先が白いことが好ましいとされています。

被毛は長毛のダブルコートです。

 

上毛は綺麗なストレートで密生していますが、下毛は程よい量で羊毛状にはなりません。

下毛が密集していないため換毛期の抜け毛はそこまで多くないですが、上毛の状態を綺麗に保つためにも定期的なブラッシングは必要です。

 

 

 

 

 

 

シーズーの性格

 

 

シーズーは、とても飼育しやすい犬種です。

性格はとても優しく穏やかな性格をしています。

元気に走り回ることもあれば、落ち着いて状況を眺めていることもあり、自分でオンオフを使い分けられる安定した気質といえるでしょう。

小さなお子さんのいるご家庭やご高齢のご家庭にも向いているといわれています。

 

お家ではゆったりのんびり過ごすことが多く、穏やかな性格はとても家庭犬に向いている犬種と言えるでしょう。

好奇心が旺盛なので、初めて合った人や犬にも抵抗なく興味を示すところがあります。

友好的な性格は愛玩犬として生まれたシーズーの特徴でもあります。

シーズーは新しい環境でも動じないように見えますが、それは冷静に状況を見て判断しているという意味でもあります。

 

飼い始めてすぐはシーズーとの間に少し距離を感じるかもしれませんが、様子を見て信頼できると判断すればたちまち人懐こい犬に変わるでしょう。

しかしながら、幼犬の時にしつけを怠るとわがままな子に育ってしまいますから、根気強くしつけやトレーニングをしておきましょう。

家族以外の人や犬に会わせずに飼育していると排他的な犬になってしまい、吠えや攻撃性が出る可能性があります。

シーズーの友好的な性格を消さないためにも、定期的に人や犬と接する機会を作りましょう。

 

 

 

 

 

シーズーの飼い方、育て方

 

 

基本的には穏やかで優しい性格をしているシーズーですが、警戒心や頑固さといった面を出さないような育て方も必要となってきます。

シーズーに適した環境を用意し、性格を考えたしつけを行いましょう。

シーズーは愛玩犬として生まれた犬種なので、飼育は室内飼いが基本です。

家族が大好きで一緒の空間にいる事を好むので、シーズーの居場所はリビングなど人が集まる場所に作ってあげましょう。

 

日当たりが良い場所が良いですが、シーズーはマズルが短く暑さには弱い犬種なので、直射日光が常に当たるような場所は避けてくださいね。

また、たくましい四肢を持っているとはいえ脚が短いので、生活範囲内の段差は少なくしておきましょう。

段差が多い場所で生活していると椎間板ヘルニアにかかりやすくなってしまうので注意しましょう。

シーズーは小型犬としては大変がっちりとした体を持っていますので、運動をしないと太りやすくなってしまいます。

 

夏季以外は毎日20~30分ほどの散歩と、室内運動の時間をとってあげましょう。

犬にとって散歩に行くことは様々な臭いを嗅ぐことでストレス発散になりますし、歩くことは健康維持にも繋がります。

ドッグランに遊びに行けば他の犬と仲良く遊ぶことが出来る社交性もありますが、無理に走らせすぎると気管虚脱や椎間板ヘルニアを発症してしまうこともあるので、適度なところで終わるようにしましょう。

 

シーズーはしつけやすい犬種として有名ですが、個体いよっては少し頑固な一面を持っていることがあります。

人懐っこく聞き分けは良いものの、頑固でプライドが高い面があるため、特に叱り方には工夫が必要です。

仔犬から飼うのであれば、早い時期から主従関係を作ってしまうことをおすすめします。

頑固な部分をそのままにしておくと、自分の意志を貫くために問題行動を起こすパターンもあるので注意してください。

 

しつけをする際は、家族全員が一貫した言葉を使うようにしましょう。頭がよく覚えが良いので、しつけ方が統一されていないと自分で判断して行動する犬になってしまいます。

好奇心も旺盛なのでイタズラをすることがあるかもしれませんが、飼い主さんの気分で許したり注意したりと対応を変えないことも大切です。

 

シーズーは長毛のダブルコートですが、下毛が特に厚い犬種です。

その毛量の割には抜け毛が少ないとされていますが、毛が長く皮膚にとどまることで絡みやすく、また汚れやすくなります。
ブラッシングはできるだけ毎日もしくは週に3回以上は行ってあげましょう。

日本の高温多湿の気候に、厚い下毛は辛いものです。

夏はサマーカットをする場合も多くありますが、高齢になると毛の再生ペースが落ちてきますので、年齢によってトリミングの程度を考慮してあげたいものです。

 

抜け毛は少ないですが、毛量が多く汚れがつきやすいので毎日ブラッシングしてあげましょう。

ブラッシングは被毛の状態を良くするだけではなく、皮膚を刺激して血流を良くする効果があります。

また、ブラッシング時に体のチェックを行うことで皮膚病や病気の早期発見にも繋がります。

シーズーは食欲旺盛な犬種です。

 

太ると動きが鈍くなるので散歩を嫌がることもあり、運動量と食事の量のアンバランスから肥満を招きやすくなります。

肥満体型になってしまうと、心臓病、糖尿病、関節炎、免疫力の低下といった病気を招くリスクが高くなります。

また、7~8歳ごろになるとシニアと呼ばれる老犬時期に入り、運動量もどんどん減るため、肥満になる割合がグーンと増えるので気を付ける必要があります。

 

 

 

 

 

 

シーズーの気をつけたい病気

 

 

シーズーの寿命は平均15歳と言われていますが、飼育環境や遺伝などによっては更に長生きすす場合もあるので、20歳のシーズーも珍しくはありません。

乾燥した気候のチベットや中国で作出された祖先をもつシーズーの皮膚は、日本の高温多湿には特に弱いです。

厚いアンダーコートによって湿気を含んでマラセチアなどの菌が繁殖しやすくなっています。

 

これが脂漏性皮膚炎の原因の1つとされ、シーズーでは加齢に従って特に多くなるとされています。

アトピー性皮膚炎も気を付けましょう。

体力があり、暑さそのものはしのげている場合も多いため、春~秋は被毛のケアを十分に行いましょう。

また、シーズーがかかりやすい病気に気管虚脱があります。

 

気管虚脱という病気は喉の器官が狭くなるなど変形してしまう病気です。乾いた咳をする・苦しそうに呼吸をするなどの症状が見られたら気管虚脱かもしれません。

この病気は主にシーズーを含む短頭種が発症しやすい傾向にあり、原因は遺伝的なものより犬種特性や肥満などが関係すると言われています。

予防方法としては肥満を避けること、無駄吠えや激しい運動など、喉に負担がかかるような行動を避けることが挙げられます。

もしも気管虚脱にかかってしまった場合、軽度であれば咳止めや器官を広げる薬を飲ませることで症状を緩和させることが可能です。

 

重度になると手術が必要になる場合があるので、出来る限り予防や早期発見することが望ましいでしょう。

さらに、シーズーはクリクリとしたかわいい瞳が印象的ですが、その一方で目にまつわる病気や怪我が多いことでも知られています。

角膜炎や白内障も気を付けましょう。

 

 

 

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