企業運営で「一番重要なもの」「絶対に必要なもの」それは?!


企業運営において一番重要なものは何でしょうか。

人材も重要です。

顧客も重要です。

資金もなくてはなりません。

取引先も不可欠です。

でも、それ以上に重要なものがあります。

ベンチャー企業、大企業、中小企業問わず、企業には必ずと言っていいほど、あるものです。

今回は企業組織運営に欠かせないものについてお伝えします!



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Contents

日本最北端の動物園

上野動物園のパンダ「シャンシャン」が話題ですね。

この春、入園者も急増しそうです。

動物園と言えば、旭山動物園って知っていますか?

北海道旭川にある、日本最北にある動物園です。

TVドラマにもなった有名な動物園で、知っている方も多いかと思います。

奇跡の復活を遂げた動物園として、一時期話題になりました。

有名になってから約10年。

その後、入園者数は減少しているそうですが、それでも依然として高い数値は維持しているようです。

以下、動物園入場者ランキング(2016年)です。

1,恩賜上野動物園 384万人
2,名古屋市東山動植物園 241万人
3,天王寺動物園 167万人
4,旭山動物園 143万人
5,東武動物公園 117万人
6,よこはま動物園ズーラシア 109万人
7,アドベンチャーワールド 102万人
8,神戸市立王子動物園 100万人
9,京都市動物園 95万人
10,多摩動物公園 92万人

2016年度動物園入場者数ランキング(出典:レジャー産業資料など)

さすが恩師上野動物園は圧倒的1位ですね。

旭山動物園は4位につけています。

全盛期は年間300万人以上の来園者があったそうですが、現在は概ね140万人前後を維持しています。

人口の少ない北海道、日本最北端の動物園。

人口の多い関東の東部動物公園やよこはま動物園ズーラシア、多摩動物公園などよりも上位につけています。

依然として善戦していると言ってもよいのではないでしょうか。

奇跡の14枚のスケッチ

旭山動物園の奇跡の復活劇。

ご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんので、少しご説明いたします。

旭山動物園は、昭和42年開園した旭川市役所の施設。

高度成長期の好景気もあり、ピークは昭和50年代、60万人近くの来園者を記録します。

しかし、昭和60年代に入り、多くのレジャー施設が登場するなど、年間来場者数は26万人にまで減少してしまいます。

赤字に転落した結果、閉園の危機に直面しました。

このとき、改革を推進したのが、小菅正夫氏。

その後園長に就任し、名誉園長となっている方です。

当時の最大の課題は、公共組織にありがちな危機感の欠如。

飼育係の多くは改革に無関心でした。

しかし、危機感を持った数人は、まず何を改革するべきか、来園者にアンケートを実施します。

「動物が動かない」「ただ見ているだけじゃ物足りない」「いつも同じ」など、アンケート結果はひどい結果でした。

まずは職員数人だけでしたが、お客様の要望に応える動物園の改革・改善をスタートします。

まずはできることから。

当時珍しかった、本当の動物の生態を伝える「ワンポイントガイド」や「親子動物園」「クイズ大会」「絵本の読み聞かせ」など、来園者へしっかりと向き合う施策を実行します。

でも、当時は市役職員として、新たな試みは周りの風当たりは強かったそうです。

それでも、小菅氏を中心として一部職員は「あるべき動物園」「理想の動物園」「動物園の存在意義」を語り続けます。

どん底の中、希望は失わずに、徹夜してまでも話し合いました。

どうあるべきか。

動物園としての存在意義とは。

園長を巻き込み、あるべき動物園像をイメージし、スケッチに書いてみました。

それが「14枚のスケッチ」。

一つ一つのあるべき施設を具体的に表現します。

あざらしやペンギンの泳ぐ姿が見れる!

シロクマの遊泳ダイビングが見れる!

サルやチンパンジーが飛び回っている姿が見れる!

夜間行動する、その姿が見れる!

動物と触れ合えるこども牧場!

生き生きとした動物本来の行動が見ることができる、理想の動物園。

生きていることは何か、本能とは何か。

命を伝える、理想的な動物園像が見え始めました。

小菅さんたちがあるべき理想像をイメージした「14枚のスケッチ」。

これが後の「行動展示」と呼ばれる、全国の動物園に革命を起こしたものとなります。

転機は平成8年。市長が交代。

新旭川市長へ「14枚のスケッチ」を持参し、その熱い想いを訴え続けます。

そして、ついに予算がおりました。

「行動展示」が現実のものとなります。

結果、当時26万人の来園者が、300万人にまで急成長を遂げます。

「14枚のスケッチ」。

そのビジョンは、最北端の動物園に奇跡を起こしました。

強い企業の条件!

「たねや」という和菓子の会社をご存知でしょうか。

バームクーヘンで有名な「クラブハリエ」もグループ企業です。

大手百貨店などにも出店しているので、ご存知の方も多いかと思います。

その本店は滋賀県近江八幡。

創業は明治5年!

いわゆる近江商人の「魂」を引き継いでいる会社なんです。

近江商人と言えば「三方よし」が有名ですね。

「売り手良し、買い手良し、世間良し」

売る側だけではなく、買い手や世間が良くなる商売をしなければならない、という近江商人が大切にしている考え方です。

この「たねや」も近江商人の考え方を徹底的に大切にしている会社。

社長は先代の山本徳次さんから継いだ山本昌仁さん。

この「たねや」はお客様への真摯な対応はもちろんのこと、社員に対する考え方も素晴らしいのです。

その一つ「おにぎり保育園」

すでに2004年には他社に先駆けて社内保育園を立ち上げています。

その他、地域貢献にも積極的。

たねやアカデミー(職業訓練校)では職人育成機関を立ち上げ、株式会社たねや農藝では地元食材を活用すべくオーガニック農園も立ち上げています。

洋菓子「クラブハリエ」も順調に成長を続け、グループ全体で今でも売上は伸び続けています。

一つ一つ積み重ねている、そんな優良企業です。

たねやの経営理念がこちらです。

「天秤道」(てんびんどう)商道は人道である。ひたすら人間性を磨くことを通じてお菓子をつくりあげお届けする道です。

「黄熟行」(あきない)手塩にかけること。お菓子は元来、秋に実り熟す果物から生れたもの。

「商魂」(しょうこん)今日如何にお客様によろこんで頂けたかの心。

すばらしいですね。

理念からもその考え方が見出されます。

大切なことをしっかり理解し、それを全社で徹底していく。

経営理念は組織運営に欠かせないもの。

一緒に働く社員すべてが、どこを向いて進めばいいのか、何を大切にして頑張ればいいのか、迷うことがありません。

本当に強い組織は「経営理念」が徹底している、そんな気がします。

「経営理念」と「ビジョン」の違いとは?

経営理念とビジョンの違いはご存知でしょうか。

多くの人は漠然と何となく使用していると思います。

経営理念とは「企業の存在する意義」「果たすべき役割」「根本的な考え方」といった、普遍的に変わらないものです。

企業の根幹を支える考え方にあたります。

一方、「ビジョン」は英語で『vision』。

直訳すると、映像、画像、視覚、未来像といった意味です。

つまり、具体的にイメージできるものです。

10年後、20年後、どんな姿なのか、イメージできるものがビジョンと呼ばれるものです。

未来を映し出すもの。

経営理念、そしてビジョン。

いずれも企業にとって必要なものです。

企業運営において最も大切なものとは?

企業運営において、一番大切なものは何でしょうか。

私はこの「経営理念」と「ビジョン」だと思っています。

あるべき姿、そして形となる夢。

この両輪が、関わる全ての人に浸透した時、企業組織は力強く前に進むのではないでしょうか。

優れた組織には、必ず、この両輪が生き生きと輝いている、そう言えるかもしれません。

最後に

様々な企業の経営理念、ビジョンをご紹介します。

■DeNA

【ミッション】

世界に喜びと驚きを

【ビジョン】

インターネットやAIを活用し、永久ベンチャーとして世の中にデライトを届ける

■ソフトバンクグループ

【経営理念】

情報革命で人々を幸せに

【ビジョン】

世界の人々から最も必要とされる企業グループ

・300年間成長し続ける企業グループ
・戦略的シナジーグループ
・次の時代を担う後継者の育成

■ニトリ

【ロマン】

住まいの豊かさを世界の人々に提供する。

「ロマン」を原点に、「ビジョン」の実現をめざし続けます。

【ビジョン】

2022年
1,000店舗 売上高 1兆円へ
世界でドミナントエイリアを拡大し、暮らしの変革へ
2032年
3,000店舗 売上高 3兆円へ
世界の人々に豊かな暮らしを提案する企業へ

■学習研究社

【グループ企業理念】

私たち学研グループはすべての人が心ゆたかに生きることを願い今日の感動・満足・安心と明日への夢・希望を提供します。

【グループビジョン】

ずっと、いっしょに“まなび”をたのしく!
ワクワク☆ドキドキ 創造企業

■SBIホールディングス

【経営理念】

・正しい倫理的価値観を持つ
・金融イノベーターたれ
・新産業クリエーターを目指す
・セルフエボリューションの継続
・社会的責任を全うする

【ビジョン】

金融サービス事業、アセットマネジメント事業ならぶにバイオ関連事業の税引き前利益の構成が3年後に6・3・1に、5年後に6・2・2となるよう各事業の育成を図る
これにより連結税引き前利益は2~3年後に1,000億円の達成を目指す
ROEは10%以上の水準を安定的に達成できるよう資本効率にも配慮
年間配当金は1株当たり100円の水準へ
存在的な企業の顕在化を図ることで、現在3,300億円程度の時価総額の倍増を目指す

■味の素

【グループミッション】

私たちは地球的な視野にたち、「食」と「健康」そして、「いのち」のために働き、明日のよりよい生活に貢献します。

【グループビジョン】

先進バイオ・ファイン技術が先導する
豊かなグローバル・スペシャリティ
食品企業グループを目指す

■ローソン

【企業理念】

私たちは「みんなと暮らすマチ」を幸せにします。

【ビジョン】

実行一流企業へ。
全員でお客さまのニーズと変化を考えぬき、スピードを持って実行し、
マチの暮らしにとって、なくてはならない存在になります。

■グリー

【Mission(存在意義)】

インターネットを通じて、世界をより良くする。

【Vision(目指す姿)】

毎日を楽しく幸せに、社会を自由で効率的に。
新しいサービスをより早く、より多くの人へ。
素晴らしいサービスを生み出すために素晴らしい会社を作る。

■モスフードサービス

【経営理念】

人間貢献・社会貢献

お客さまや地域社会と深く結びつき、真心をこめたサービスを提供することを通じて社会に貢献しよう。

【経営ビジョン】

「食を通じて人を幸せにすること」

■カルチュア・コンビニエンス・クラブ

【ブランドステートメント】

「カルチュア・インフラ」を、つくっていくカンパニー。

【ビジョン】

世界一の企画会社

【ミッション】

私をおもしろくする会社

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