マジョリティが現在を作り、マイノリティが未来を創る!~ファーストペンギンとは~


新しく挑戦する、新しいことにチャレンジする人にとって、不安はつきものです。

人は安定した状態を好み、人より常に上にいる状態を維持したい、誰もがそう思うはずです。

「あいつ、あんなことして大丈夫か?」

「どうせ成功するはずないよなあ!」

「失敗したら笑ってやろうぜ!」

新しいことに挑戦するとき、人の目も気になる人も多いのではないでしょうか。

特に新しい分野に挑戦するベンチャー企業は、失敗する可能性は高くなります。

今回は新しいことに挑戦することの大切さについてお伝えします。



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Contents

「空気を読め!」という衰退

「KY」って知っていますか?

もちろん、「空気が読めない」という批判めいた言葉です。

大多数派から個人一人へ向けた言葉でよく使われたりします。

阿吽の呼吸で感じろ!というまさに日本独特の文化の一つです。

この「KY」(空気読め)という、一種いじめに近い発言、レベルの低い発想、横並びの日本を象徴するような言葉には、違和感を感じています。

たしかに、周囲の流れを読むことは学校や官公庁、大企業などの組織の中では欠かせない技量の一つです。

空気を読み、その流れに逆らわなければ、「現状維持」という意味では大きな損失はないかもしれません。

でも、「空気を読む」ことが本当に重要なのでしょうか?

激変しているグローバル社会に属している私たちは、革命的スピードで世の中は変化しています。

AI(人工知能)、仮想通貨、ブロックチェーン、Iot、フィンテック…、これらは私たちの日常の生活をすべて変えていきます。

そしてすべての産業にも影響してきます。

1秒前の考え方はすでに「過去」です。

つまり、空気を読め!ということは、過去の慣習に準じろという意味に等しいことなのです。

「Noise」(ノイズ)という価値

最新の技術やニュースに敏感なベンチャー経営者の方々は、新しい価値観の重要性を理解しています。

今までと違う価値観、考え方を持っている人は、旧来の人材と違う感覚を持っています。

以前、東証一部上場企業の経営コンサルタントと一緒に仕事をしていました。

ある投資案件に対し、マーケティング市場調査を進めていました。

当然、ある程度、調査の結論には仮説を持って、その調査を進めていたのですが、その結論とは違う調査結果が散見されました。

もちろん、大多数は仮説通りの調査結果です。

ただ、数件、全く異なったノイズ(noise)のような調査結果があったことも事実でした。

このノイズとも言える、マーケティング結果について再度深堀調査したところ、ある事実が分かりました。

新しい購買行動をしている層なのです。

私たちはこのノイズ購買層が今後の購買行動の主流になると確信し、クライアントに対し、このノイズ層向けのチャネル形成を提案しました。

結果、その層が新しい重要購買層に成長していきました。

このノイズ(noise)を単なる「雑草」と処理するのか、新しい「可能性」と取り上げるのか、成長を目指す組織では重要な分岐点となります。

ファーストペンギンとは

「ファーストペンギン」ってご存知でしょうか。

集団で行動するペンギンの群れの中から、天敵がいるかもしれない冷たい氷の海へ、魚を求めて最初に飛びこむ1羽のペンギンのことです。

みんなと同じ安全な場所で過ごすこともできます。

でも、今いる場所は餌が多くはありません。

安全だけど、少ない餌を取り合う環境にとどまることとなります。

場合によっては、「変われない」群れ全体が生き残ることができないことにもつながっていきます。

しかし、ファーストペンギンは違います。

自ら考え、行動し、周りのペンギン達にその姿勢を示すことができるのです。

冷たい氷の海に飛び込むというリスクを負うことで、たくさんの美味しい魚たちに出会えるのです。

ファーストペンギンはセカンドペンギン、サードペンギンを生み出します。

結果として、自分のみならず、多くのペンギンの群れを救うことができるのです。

希少性、そのものが「価値」だ!

ファーストペンギンといえば、生物の進化も同じです。

生物の進化とは、今までのDNAと違う「遺伝子突然変異」が、その環境に沿うように発生することから変異が生じるものだと言われています。

つまり、進化とは、進歩とは、「普通」でないものが、新しい世界を創造しているのです。

しかし、日本は異質のものを排除する傾向が強い社会であるため、似たような発想の人が多く、似たような会社や事業が大半です。

これはもともと日本がもつ農耕民族のDNAが同じ考え方をもつ人を好み、かつそのような人達が実権を握り、異質なものを排除してきた歴史がそうさせているのかもしれません。

多数派が、少数派を排除してしまう。

しかし、違う。

これでは日本に未来はありません。

電気自動車が世界的に急拡大している昨今、最強と言われる日本の自動車メーカーも、いつ日本の電機メーカーと同じような衰退が起こるかわかりません。

新しい分野を生み出し、新しい価値観を創造する力が必要です。

全く異質なものを、異質なプロセスで生み出せる力。

希少性、そのものが「価値」となる時代ではないでしょうか。

最後に

新しいことに挑戦する人へ、「自分」という存在そのものの価値に自信を持って頂けるような名言を贈ります!

自分が自分にならないで、だれが自分になる 
相田みつを

信念のためには、たとえ敗れるとわかっていても、おのれを貫く、そういう精神の高貴さがなくて、何が人間ぞとぼくはいいたいんだ 
岡本太郎

マジョリティ(多数派)が現在を作り、マイノリティ(少数派)が未来を創る 
諸井貫一(日経連初代会長、経済同友会初代代表幹事)



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