組織における落ちこぼれ。
厄介者というレッテルを貼られている方もいらっしゃいます。
「筋肉質な組織を作る!」という名目でリストラする経営者も後を絶ちません。
今回は組織を支える重要な存在についてお伝えします!
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二八(ニッパチ)の法則というのはご存知でしょうか。
小売業界では、2月と8月の売上が落ちる、と言われています。
なぜ2月と8月が、売上が下がるのでしょうか。
2月に関しては、多くの消費者が正月などで1月に出費が重なり、その反動で2月は売上が下がる、また2月は一年中で一番寒い時期であることから外出を控え、2月は売り上げが落ちると言われています。
また8月はお盆休みがあるうえ、消費者は暑いため外出を控えるなどの理由で、小売業は売上が下がると言われています。
小売業を営んでいる方々には、聞いたことがあると思います。
さて、ここからが本題。
同じ、二八(ニッパチ)の法則として、もう一つ知られている法則があります。
それが、20:80の法則。
別名、パレートの法則とも呼ばれています。
聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
パレートの法則とは、一般に経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成する内の一部の要素が生み出しているという、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見したとされる法則です。
「大勢は少数の要因によって決定される」という経験則です。
例えば、ある店舗で「売上の8割は、全顧客の上位2割が占めている」、「売上の8割は、全商品の内の2割の品目によって作られている」などです。
小売りだけではありません。
様々な場面で使われています。
例えばですが、
「上位2割の営業マンが、売上げ全体の8割を上げている」
「仕事の成果の8割は、費やした全時間の内の2割の時間の中で生み出されている」
「故障の8割は、部品の2割に原因がある」
「離婚件数の8割を、離婚経験者2割が占めている」
「試験問題の8割が、その学科に関する2割の知識で答えられる」
「文章で使われる単語の8割は、全単語数の2割に当たる数の単語である」
「ソフトウェア利用者のうち8割は、全機能のうち2割しか使わない」
「交通量の8割は、道路の2割に集中している」
「じゅうたんのスリ切れの8割は、2割の面積で起きる」
「所得税の8割は、課税対象者全体の上位2割が担っている」
「全所得の8割は、人口の2割の富裕層が持つ」
「物事の本質の8割は、2割を見ればわかる」
など、多くの場面で使われています。
このような2対8の経験則を「20:80の法則」または「パレートの法則」と呼ばれています。
この「20:80の法則」。
応用例としては、「選択と集中」に良く使われます。
例えば、取り扱い商品数の多い企業の場合、効率化を実現するために、主力商品への注力シフトなどに、この理論が使われています。
できる限り商品を「売れ筋に絞ろう」という議論で有効な考え方となります。
このように「20:80の法則」は、経営や経済、そして私たちの生活における部分でさえ、様々な場面で使うことができそうですね。
もう一つ。
「働きアリの法則」はご存知でしょうか。
別名「2:6:2の法則」とも呼ばれています。
働きアリは、一見すべてのアリが一生懸命働いている、そんな印象があると思います。
しかし、実際によく観察してみると、実際は大きく異なっているそうです。
一般的には、アリの約20%が良く働き、約60%が普通に働き、残りの約20%は全く働いていないそうです。
この2割:6割:2割と分かれている働きアリの状態が、「働きアリの法則」(「2:6:2の法則」)と呼ばれているものです。
よく議論に出されるのは、この「2:6:2の法則」が、会社組織の社員を例える際に、使われたりします。
社員の中で「優秀な社員が2割、普通の社員が6割、あまり働かない社員が2割」というように言われます。
この「2:6:2の法則」、面白いのがこのあとです。
上位2割のアリだけを集めてみると、今度はその上位2割の中でも、2割の働くアリと、6割の普通のアリと、働かない2割のアリに分かれてしまうそうです。
なんと、働かないアリが出てきてしまうのです。
またその逆もしかり。
働かない下位の2割のアリだけを集めて観察すると、同じように「2:6:2」に分かれ、優秀な2割のアリが生み出されていくそうなのです!
いきなり優秀なアリが創り出される?!
面白いですね。
働きアリの法則は、人間の組織でも同じことがあると言われています。
上位2割、普通の6割、下位の2割。
様々なビジネス書を読むと、この「2:6:2の法則」について、様々な応用例があります。
上位2割が残りの8割を引っ張っていく、だから上位2割を大切にしよう!
であったり、
全体の60%のボリュームゾーンを教育強化することで、全体の組織能力が向上する!
などです。
一理ありそうです。
でも、そもそもなぜ、「2:6:2の法則」のようなヒエラルキー(階層構造、上下関係など)が存在するのでしょうか。
私たち人間は、この地球上に君臨し、繁栄をもたらしました。
これは他の生物からの人間の生命のリスクを減らすために進化してきた結果かもしれません。
強者が繁栄する。
このような視点は、私たち人間の生きる力が、ある意味ヒエラルキーを生み出している、生物としての大前提としてみることもできます。
弱肉強食の自然の摂理。
上か下か。
それが、ヒエラルキーの本質かもしれません。
生きとし生けるもの、ヒエラルキーなしでは語れないのではないでしょうか。
とは言えども、私たち人間社会。
単なる殺し合いする動物ではありません。
そもそも、この「2:6:2の法則」というヒエラルキー。
「環境」が生み出した幻想とも言えないでしょうか。
上位2割だけを集めた組織は、その中で「新たな下位2割」が生み出されてしまいます。
何故でしょうか。
上位2割の集団が新たに作られても、全員がリーダーにはなれないからかもしれません。
ある意味、誰かが、6割を演じ、誰かが、下位2割を演じなければならないからではないでしょうか。
つまり、下位2割は「下位2割を演じているに過ぎない」とも言えそうです。
もし、演者であるならば。
それは上位2割、そして普通6割を支えている、重要な2割であると考えることもできるかもしれません。
そう、貴重な2割なんですね。
下位2割が、上位2割を、上位2割たらしめている。
「下位2割」が、組織を支えている、そう言えるのかもしれません。
素晴らしい映画や舞台には、素晴らしいバイプレイヤー(脇役、助演者)が存在しています。
もし、組織が全員演者と例えるならば。
素晴らしい組織、素晴らしい事業には、素晴らしい演者が必要ではないでしょうか。
特にバイプレイヤー。
演出家や監督は、その貴重なバイプレイヤーをどう生かすのか。
バイプレイヤーを活かす環境作り、視点、重要ではないでしょうか。
歴史を刻む名作、それは、バイプレイヤーが生み出している、そういえるのかもしれません。
名言を贈ります。
僕はどちらかといえばバイプレーヤー(脇役)ですが、サッカーはJ1が主役でJ2が脇役というわけではない。J2でも主演的な試合がある。試合への挑み方や姿勢の問題。人間の肉と肉との戦い、気持ちと気持ちのぶつかり合い。そういうものが見え隠れする試合があるんです。
大杉漣
映画というのは、実は力のある脇役が主役なんだよ
小津安二郎
競争心で、がんばる効力よりも、分かち合い、助け合う方が、その効力は何十倍にもなります。分かち合うと、うれしさは倍になり、悲しさは半分になります。助け合うと、何倍もの「幸せ」が生み出されます。分かち合い、助け合って、上手に生きましょう
船井幸雄
人生の目的は、人に勝つことなどではない。成長し分かち合うことである。あなたが自分の人生を振り返った時、誰に勝ったかなどよりも、どれだけ人々の役に立つことが出来たかが、あなたに喜びや満足感を与えてくれるはずだ。
ハロルド・サムエル・クシュナー/神学者、著述家
人間の生きがいとは、自分が誰かの役に立ち、誰かを一瞬でも幸福に出来ると感じることに尽きると私は思います。
瀬戸内寂聴(『人生道しるべ』)
君はそのままで素晴らしい存在なんだ。まずなによりも、君が存在していることにおめでとう!
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