普段、意識して「考える」ことってありますでしょうか?
それは、「いつでも考えているよ!」って答えますよね。
ある意味、無意識に「考えている」のかもしれません。
なかには「考えること自体が面倒!」と言ってしまう方も見受けられます。
でも、「考えること」って、生きるうえでも、そしてリスク回避においても、さらには起業やビジネスの現場でも非常に重要ではないでしょうか。
今回は「思考法のヒント」から、「自分の頭で考える」とはどういうことか、考えることの重要性についてお伝えします!
Contents
先日、高校時代の友人と久しぶりに会う機会がありました。
久しぶり会った友人は、地方の中堅会社の管理職。
居酒屋での話が咲き、離れているがゆえに、いろいろお互い相談しあい、楽しい時間を過ごしました。
友人も会社で大きな仕事を任される立場。
色々な決断もあり、多忙を極めています。
ブラック企業ではないのですが、退社時間も日にちを跨ぐこともあるそうです。
その友人が今、管理職において一番気を付けているのが「考える時間」の確保だと言っていました。
入社したてのときは「実務」や「単純作業」の毎日。
上司に言われるがまま、そのタスクをひたすらつぶしていたそうです。
ところが、今や管理職。
仕事内容がほとんどすべて「考える時間」に費やされるとのこと。
会社全体のこと、市場未来予測など、さまざまな課題について「考える時間」がまさに業務そのものだそうです。
当然といえば、当然かもしれません。
会社を担う立場。
仕事は「思考」すること。
思考力は、今やビジネスマンにとって非常に重要なスキルの一つかもしれません。
こちらの名言ご存知でしょうか。
「我思う、ゆえに我あり」
ルネ・デカルト著作「方法序説」より
「人間は考える葦である」
ブレーズ・パスカル著作「パンセ」より
いずれも有名な言葉で、聞いたことがあると思います。
デカルトも、パスカルもフランスの哲学者。
いずれも数学者としても活躍していました。
デカルトはパスカルより27歳ほど年上。
1647年、二人は実際にパリで面会、実際に面識があります。
当時数学少年だったパスカルは、のちに先輩デカルトの理論に反論したりもしています。
哲学者と言えば、思考する力。
ブレーズ・パスカルは、代表作『パンセ』の冒頭で、「人間は自然のなかでもっとも弱い一茎(ひとくき)の葦にすぎない。だが、それは考える葦である」と述べています。
広大無辺な宇宙に比べれば、人間は無に等しく脆弱な存在にすぎません。
一方、「考える」ことができる人間に尊厳と偉大さを見出している言葉ではないでしょうか。
時代背景として、宗教、とりわけ神の存在について深い思考を巡らせていた時代かもしれません。
思考する職業「哲学者」。
真理を追究するためには、深く深く考え抜くことが求められるのかもしれません。
自らの独特な深い思想をぶつけ合う哲学者たち。
自らの主張を信じ、貫く力を持っているような気がします。
現代においても、海外の方々は、自らのオリジナルな思考、考え方を表現できているような気がします。
一方、日本で教育を受けた人が考え抜く術を知らない、と言われることがあります。
そもそも、日本の学校教育は、いわゆる「正解主義」に重きを置いています。
学校では皆と一緒の「答え」、「正解」をもって教育されています。
学校での「問い」には「正解」があって、その正解の大半は「1つ」に限られています。
つまり、「正解」以外は「不正解」なのです。
学生は、常に「正解」を暗記し、正解以外を排除する「思考」が身についてしまうのかもしれません。
ところが、一歩社会に出れば、学校ではほとんど訓練を受けてこなかった「正解のない問い」や「複数正解のある問い」が、当然のように求められるようになります。
答えだけではありません。
「問いそのものを見出す力」をも、求められてしまいます。
自ら考える力、日本人の弱点かもしれません。
今まで、日本社会で高く評価されてきたのは「知識」でした。
学生時代には知識の多寡を試験で問われ、偏差値という物差しで序列をつけます。
暗記力があり、計算力に長けている、いわゆる「地頭」が良い方が優秀な学生でした。
そして会社に入れば、上司や顧客に頼まれたことに疑問も持たず、それを効率的にこなす人間が評価されてきました。
しかし、人工知能(AI)の飛躍的な進歩によって、その前提が崩れつつあります。
定型的な仕事は徐々に人間からAIに置き換えられつつあります。
では、こうした時代に求められる能力とは何でしょうか。
それは、「問題そのものの意味」や、「答えのない問題」について、「自分の頭を使って考える」ことではないでしょうか。
AI、グローバル化の時代。
自分の頭で考えることが重要な時代に突入してきました。
しかし、簡単に「自分の頭で考える」といっても、どのようにすればよいのでしょうか。
少しヒントとなる思考法7つお伝えします。
昨今、様々な情報が簡単に手に入るようになった半面、真偽不明の情報も多数出回っています。
目の前の情報をむやみに信じ込むことはとても危険とも言えそうです。
物事の「正しい」「間違い」といった意見は絶対的なものではなく、状況によって変化します。
情報発信者の立場によりけり。
「その情報は本当に正しいのか」まず疑ってみることも有効です。
「常識」もそうです。
その業界の「常識」は、他の業界では「非常識」ということも珍しくありません。
違う立場になって考えてみることも新しい視点を得られる思考法の一つです。
よく使われるのが「相手の立場」。
顧客、取引先、社員、株主、同業他社、それぞれの立場になって考えてみてはいかがでしょうか。
一番効果的なのは、実際にその立場になって体験してみることです。
例えば、インターンで働いてみる、同業他社の商品を購入してみるなどです。
立場が変わると、それぞれの利害関係が見えてくるかもしれません。
物事には必ず「理由」があるものです。
「理由」があって、「結果」があるものではないでしょうか。
なぜ、同業他社のサービスが優れているのか。
なぜ、アクセスアップできないのか。
なぜ、社員が退職してしまうのか。
偶然ではなく、必ず「理由」があるものです。
何故なのか、その奥にある「背景」は何があるのか。
「なぜ」を何度も繰り返してみると、表面的な「理由」とその奥にある「真の理由」が見えてくることもあるはずです。
忙しい毎日。
一つ一つの事象に考える時間がない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
とはいえ、大事なことには、その1つの問題に対し、意識的に時間をかけて考えてみることも有効です。
敢えて、時間を設定して時間を確保するのも一つです。
トイレの時間、移動の時間、お風呂の時間など、この時間は、このことだけを考える時間にする、と敢えて設定することで時間を確保することもできます。
そのことだけを常に考えることで、思ってもみなかったところにそのヒントがあったり、突然ひらめいたりするものです。
「自分の頭で考えること」と、「すべてを批判すること」は違います。
反骨精神旺盛な方が陥りやすいことの一つに、すべての物事に対し批判してしまう方もいらっしゃいます。
何でも常に反論することで、かえって無思考となっている方も見受けられます。
「自分の頭で考えた結果」、同じ考え方ということも多いのではないでしょうか。
アグリーも十分、自分の意見の一つです。
人は感情の生き物です。
思考や意見が人間関係の感情でブレてしまう方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
上司や社長の意向、好きな部下や嫌いな部下の意見など。
家族や友人知人たちの意見、好きなメディア、嫌いなメディア。
「好き」「嫌い」や「上下関係」、他人の意見などに振り回されてしまいがちです。
今一度立ち止まって、その思考は人間の感情部分で発生しているかどうか、考えてみることも有効です。
「嫌いな人」に、実は貴重な意見が含まれているものです。
客観的・俯瞰的視点で自らの考えを今一度振り返ってみてはいかがでしょうか。
一つの事象が、そのまま永続的に繰り返した場合どうなるのか?
想像してみてはいかがでしょうか。
この傾向がそのまま半永久的に続いたと仮定してみると、その先の「未来」が見えてくるかもしれません。
人間でいえば「死の瞬間」を想像してみると、その最後の瞬間、このままの状態であれば、こうなる。
会社では10年後、30年後、100年後の未来。
事業、商品やサービスもそうです。
このままいけば、どうなるのか、行き着く先を想像することで、最高の結果が見えるのか、最悪の結果が見えてくるのか。
「結論」から逆算しつつ、思考を巡らすことで、新たな視点が獲得できるかもしれません。
一方、「自分の頭で考える」ためには、前提があると思っています。
それは、一定以上のインプット。
インプットなければ、アウトプットはあり得ません。
インプットとは、知識もそうですが、経験も含まれます。
新入社員がいきなり会社全体の長期方針に関する意見は持てないことが多いはずです。
インプットの質と量、その一定以上がまずもって、前提ではないでしょうか。
もちろん、斬新な素人目線も重要です。
とはいえ、まずもって数多くのインプットが重要。
特におすすめは「マネ」です。
過去の成功事例や、様々な業界、他分野での成功事例。
出来る人や実績を出している人のマネもそう。
業界や市場を超えた、数多くの成功事例ラインナップ、参照数の数が、多くの答えのヒントに結び付きます。
質と量のインプット。
その際、できるだけ幅広い分野を意識することもオススメです。
例えば、芸術や音楽、歴史や文学、あらゆる分野の成功事例、高品質な「本物」のインプットが多くのヒントに結び付きます。
日本史や世界史もそう。
どのような人物が、どのように成功し、どのように失脚していったのか。
海外での成功ビジネス例もそうです。
日本の国土や慣習には馴染まないことも多いですが、日本人のトレンドが変化することで受け入れやすくなることは多々あることです。
様々な分野、様々な業界やエリア、過去の成功事例など、様々な「質と量のインプット」。
そのラインナップ、その組み合わせが「オリジナル」な思考に役立つのではないでしょうか。
私たちが毎日利用している検索サイト。
検索サイトのエンジンは、日本の場合、「Yahoo!」と「Google」が有名ですよね。
しかし、「Yahoo!」と「Google」の検索エンジンが同一なものだといことはご存知でしょうか。
Yahoo!JAPANは、2010年12月1日に正式にGoogleの検索テクノロジーの導入を実施、実際私たちが使っている、「Yahoo!」と「Google」エンジンは同一なものです。
つまり、私たち日本人は、実際検索サイトは「Google」1社独占に近い状態を余儀なくされています。
これによって、一つのリスクが生じます。
仮に「Google」の検索結果が、意図的に使われた場合、検索上位表示が「特定の意向」に沿ってしまうことも考えられます。
もし、仮に日本人の調べるという行為、「知識」の源泉が検索サイトに偏っていたとしたら、「一つの価値観」へ意図的に流れてしまうことも不可能ではありませんよね?
あくまで仮説ですが、このようなリスクはあり得ます。
「百度」(バイドゥ)ってご存知でしょうか。
これは中国の有名な検索サイト。
中国政府は「Google」を国内から排除し、自国「百度」(バイドゥ)という国内検索会社を中心に育成しています。
これも一つの洗脳かもしれませんが、自国以外のコントロール下に国民知識を委ねることを懸念してのことかもしれません。
人間の生活がIT化するうえで、思考そのものがITの世界に染まってしまう可能性はあります。
一つのリスクかもしれません。
ITリスクと言えば、「クラウドコンピューティング」も同じかもしれません。
仮想上のインターネットの中(「雲」クラウド)で多くのデータを保有し、膨大な企業のデータを保管し、提供するサービス。
企業は自前のサーバを保有せず、自らの企業データを欲しいときに、欲しいだけ取り出すことができる仕組みの一つで、「安価」で利用できることが最大のメリットです。
しかし、「クラウドコンピューティング」も大半が、米国のIT大手。
別の視点で考えてみると、大量のデータを管理してもらうことですよね。
もし、仮にこのデータを閲覧、利用することが可能であった場合、どうなるでしょうか。
「クラウドコンピューティング」という便利なサービスの背景に悪意があったとしたら?
「SNS」もそうかもしれません。
TwitterやFacebook、Instagramのつぶやきやコメント結果をAIで検索解析することで、あらゆる性別、年齢別の属性、「日本人そのものを理解する」ことも可能です。
日本人の趣味嗜好、トレンドが、特定企業によって日本人以上に把握される、そんな時代に突入しているのかもしれません。
自ら考えることは、自己防衛、リスク回避にもつながります。
考えなくなることは「洗脳」されることにもつながりかねません。
「自分の頭で考える」。
現代社会を生き抜くうえでも重要なことかもしれません。
多くの優れたインプットを組み合せ、自らの経験や生い立ちというフィルターが加わることで、「オリジナルな思考」が身につくのではないでしょうか。
自ら歩んできた道、多様なインプット。
あとは、自信をもつだけです。
自分の頭で考えた「オリジナルな思考」は大きな価値かもしれません。
ビジネス社会もそうですね。
特に起業家、ベンチャー企業経営者は特にそうかもしれません。
新事業、新商品、新サービス。
斬新な視点でのマーケティングなどなど。
「オリジナルな思考」のメリット、ベンチャー企業にとって最大のメリットは「未来創造」かもしれません。
旧来市場は、既存の大企業が多くを占めているはずです。
でも。
新しい時代、新しいテクノロジー、ユーザーのトレンド、趣味嗜好の変化。
大企業の常識を打ち破る「オリジナルな思考」は、新しい時代を創るのかもしれません。
「自分の頭で考える」ことは、「未来創造」そのものではないでしょうか。
名言を贈ります。
先日、日本のある学校の授業を見学に行って驚きました。せっかく自由と平等について授業をやっているのに、先生が「こういう理由で、こっちの考え方がいい」と答えを押しつけていました。これじゃ生徒は自分の頭で考える力が身につかないでしょう。
福原正大/IGS(Institution for a Global Society)設立者
思考力を高めることが読書の目的なら、本に「賛成」「反対」のマークをつけながら読むといいでしょう。著者が示す考えや提案に対し、同意するなら○、違うと思ったら×をそれぞれの個所に書き込むのです。さらに、なぜ賛成・反対なのかという理由を考え、反対については自分だったらこう考えるという代替案とその根拠まで考えます。この作業は、著者と議論をしているのと同じことなので、コミュニケーション力を高める下地づくりにも役立ちます。
吉永賢一/『東大家庭教師の結果が出るノート術』著者
これから私たちに問われるのは、人としての基礎力でしょう。では、どうすれば基礎力を鍛えられるのか。残念ながら、哲学書を読んでも答えは書いてありません。大切なのは、その先です。本を読むだけでなく、それをきっかけに自分の頭で考えるのです。日本のエリートは、記憶力勝負の、答えのある問題には強いですが、それでは地頭は良くならず、答えのない問題に対応できません。
竹中平蔵
賢明な投資家であるためには、自分自身で経験し、自分の頭で考えることです。だから私はテレビを観ません。若い人はインターネットに依存していますが、ネット上の情報で世の中を理解したと感じている人の視野は狭い。投資で成功したいのなら、それを心にとどめて、自分の眼力を磨いてください。
ジム・ロジャーズ/投資家
最新の科学情報を得ると、その情報通りに従いたくなります。でも、それにとらわれると、選手の泳ぎの良さが失われる場合だってある。情報を最大限に活用するためには、思考の柔軟さが必要です。そのためにも「自分の頭で考える」という習慣が大事。
平井伯昌/水泳元日本代表コーチ
最近は考える前にインターネットで調べてしまう人が多いようですが、考える前に調べてしまえば、調べた内容に囚われてしまい、自分のオリジナリティを生み出せなくなります。まずは自分の頭で考え、その考えを確認したり、補足したりするために調べる。そうすることで知識が身についていきます。
坂根正弘/コマツ会長
人によって教え方が異なりますから、すべてをそのまま受け取っていると、わけがわからなくなってしまう場合もあります。そこで混乱したまま放置せず、しっかりと自分の頭で考えることで、自分なりの剣道、自分なりのビジネスのノウハウを構築できるのではないでしょうか。まずはしっかり受け止め、そこから独自色を出していく。
長榮周作/パナソニック会長
【なぜ日本の食の安全基準だけが…
1985年日航機墜落事故!日本…
【日本会議と統一教会、そして勝…
【えっ!選挙に出るのに必要な供…