事業会社から投資会社に移行しつつあるソフトバンク。
その代表、孫正義氏。
ご存知ソフトバンクを率いる、日本を代表するベンチャー企業経営者です。
今回はソフトバンクと孫正義の軌跡、そして孫正義が成功する秘訣についてお伝えします。
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以前、私はアリババ(阿里巴巴)の代表、ジャック・マー(馬雲、Jack Ma)氏の講演会に参加したことがあります。
ご存知、アリババは中国のベンチャー企業です。
企業と企業をつなぐネットサービスの会社から急成長を遂げ、今ではネット業界の投資事業を主体にさらに基盤を広げている、中国屈指の企業です。
今や、あの米国アマゾン(Amazon)の時価総額に肉薄し、時価総額は52兆円越え!
個人向けECモールも展開しているのですが、この流通額は年間51兆円以上、世界最大、米国ウォルマート・ストアーズの流通額を上回る金額となっています。
11月11日に開催される有名な「独身の日セール」では、1日で2.8兆円を売り上げました。
1日で2.8兆円!
すごいですね。
このジャックマー氏の講演会では、ソフトバンクの孫正義氏もご来場していました。
そうです、あの孫正義。
ソフトバンクは、アリババの大株主なんですね。
まだ、2000年、名もないアリババに、設立間もないタイミングで投資していた、孫正義氏の先見の明は驚かれます。
ソフトバンクは日本屈指のベンチャー企業と言っても過言ではないでしょう。
ベンチャー企業というより、すでに日本を代表する大企業になったとも言えます。
その代表孫正義率いるソフトバンクグループの軌跡についてみてみましょう。
孫正義氏が中心となって、パソコン用パッケージソフトの販売会社として、日本ソフトバンクが設立。
その後、Microsoft社の日本国内販売権を獲得。
アメリカ国内中心としたベンチャーキャピタル、ソフトバンクキャピタルを設立。
米Yahoo!創業と同時に出資。
アメリカのYahoo!incと共同出資で、日本国内でヤフーを設立。インターネット企業として本格始動。
同年、ソフトバンク・インベストメント(現SBIインベストメント)を設立、ベンチャーキャピタルファンド等の運用・管理を開始。
中国アリババに20億円の出資し、同社株式の30%以上を保有。
通信サービスに参入。「Yahoo!BB」ブロードバンドサービスを開始。
日本テレコムを子会社化、固定通信事業開始。
元福岡ダイエーホークスを買収、福岡ソフトバンクホークスとなる。
ボーダフォン日本法人を子会社化、移動通信事業開始。
「iPhone」日本国内独占販売開始。
アメリカのスプリントを子会社化し、アメリカ通信市場へ進出する。
サウジアラビアなどと共同で、10兆円規模の投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を発足。
ソフトバンクはもともとPCパッケージソフト販売会社に過ぎない企業でした。
特筆すべき点は、PCパッケージ販売会社からネット通信会社となる以前に、投資事業をアメリカで進めていたことです。
ソフトバンクは、その本質は投資事業、ではないでしょうか。
海外の様々な情報を収集し、ネットワークを構築したこと、そして、何といっても「孫正義氏の先見の明」、これがソフトバンクの真骨頂かもしれません。
結果、日本の「Yahoo!」を生み出し、のちの「iPhone」日本国内独占販売契約のきっかけになったのだと思います。
そして、前述したアリババ。
そう、ソフトバンクとは、その本質は、携帯会社ではなく、通信事業者でもなく、野球球団企業でもなく、「投資会社」なのかもしれません。
世界中が驚いた、巨大ファンド。
欧米の著名な投資家にもインパクトを与えたと言われています。
その名も「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」。
2017年5月、サウジアラビアなどと共同で930億ドル(約10兆4,000億円)規模の投資ファンドとして発足しました。
もともと、ソフトバンクとしての投資事業はアメリカでのアーリーベンチャー向けベンチャーキャピタル、ソフトバンクキャピタルと、日本国内のベンチャーキャピタルSBIインベストメントをグループ企業で投資事業を行ってきました。
しかし、この「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」では10兆円規模。
大型投資を可能とし、全世界をターゲットに、ベンチャー企業・大手企業に関わらずに投資することを可能としたところが、今までの投資事業と大きな違いではないでしょうか。
「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」運営トップにはラジーブ・ミスラ氏が就任で、もともとドイツ銀行で債券部門の責任者を長く務めた人物。
もちろん、孫正義氏も積極的に関与、既存の事業領域にシナジーがあるテクノロジー分野、次世代を形成するテクノロジー分野を中心に、全世界で投資していくことでしょう。
具体的な投資先はIoT(Internet of Things)、人工知能(AI)、ロボティクス、モバイルアプリケーションやコンピューティング、通信インフラと通信事業、計算生物学、その他データ活用ビジネス、クラウドテクノロジー、ソフトウェア、消費者向けインターネットビジネス、金融テクノロジーなどを中心に投資を進め、広範囲のテクノロジー分野をカバーしていく方針とのことです。
世界的大ヒット「iPhone」。
日本人の3人に1人は持っていると言われています。
ご存知「iPhone」は故スティーブジョブズ氏のアップル社から、2007年に発売されました。
ソフトバンクの孫正義氏は「iPod」の素晴らしさを認めており、すでに、この以前からスティーブジョブズ氏と面識を持ち、友人関係にまで発展させていました。
「iPhone」の発売2年ほど前の2005年頃から、すでに日本国内独占販売の交渉を始めていました。
2006年、ボーダフォン日本法人を買収し、正式に「iPhone」の日本国内独占販売を勝ち取り、日本国内の「iPhone」ブームを作り上げました。
この革命的大ヒット「iPhone」という製品が生まれる前に、「iPad」から想像できていたこと、孫正義の真骨頂ではないでしょうか。
孫正義氏の先見の明はAppleの「iPhone」だけではありません。
あのMicrosoftビルゲイツも人脈の一人です。
孫正義氏はソフトバンクの名もなき創業当時、マイクロソフトのビルゲイツ氏とも面識の機会を得、日本国内の販売権を獲得しています。
通常、日本の名もなき起業家が、世界の大富豪ビルゲイツと簡単に会うことはできません。
それを実現させています。
さらに、1995年、米Yahoo!が創業する前に、すでに共同創設者ジェリー・ヤン氏とも面識を既に持ち、創業と同時に投資を実行しています。
冒頭に登場した中国のアリババは、ソフトバンクが投資した2000年当時、全く無名ベンチャー企業でした。
孫正義氏は、ジャックマー氏と面談し、言葉と目のやり取りだけで投資を決断したと言われています。
孫正義氏の先見の明、まさに動物的“カン”とも言える、神業です。
そして、孫正義氏のすごいところは、その意思決定者と面談し、人的関係を構築している点です。
つまり、「先見の明」+「行動力」+「人的魅力」と言えるのではないでしょうか。
今や日本を代表する経営者、孫正義氏。
しかし、今の座を獲得するまでに様々な困難、批判もありました。
孫正義氏はもともと在日韓国人で佐賀県鳥栖市の朝鮮人集落に出生します。
父親がパチンコ店をチェーン展開し、その事業を拡大しようとして挫折も経験しています。
パチンコチェーン店が成功していたころ、高級住宅や高級車を買い集め、散財し、単なるお金目当ての成功者ともいわれました。
失敗や挫折も味わっています。
しかし、今は違います。
それは様々な人との出会いが、孫正義氏の考え方を変えさせたのかもしれません。
孫正義氏は創業前、日本マクドナルド創業者、藤田田氏とも面談しています。
無名だった孫正義氏は何度も訪ね、面談に漕ぎつけています。
シャープ元副社長の佐々木正氏にも会いました。
佐々木正氏は無名だった孫正義から自動翻訳機技術を1億円で買い取っています。
そして世界の名だたる経営者たち。
孫正義氏は、創業当時にMicrosoftのビルゲイツ氏に会い、1995年には米Yahoo!のジェリー・ヤン氏、2000年にはアリババのジャックマー氏、2005年以前にはappleのスティーブジョブズ氏と出会いを繰り返してきました。
孫正義氏の今を形成しているのは、その名だたる経営者たちの「理念・考え方」ではないでしょうか。
最後に、孫正義氏の名言をお伝えします。
難事に突き当たった時に眼をそらす人は、リーダーになってはならない。
自分自身を説得できるかどうかが、成功の第一条件。
最初にあったのは夢と、そして根拠のない自信だけ。そこからすべてがはじまった。
孫正義
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