【えっ!G7でマイナンバーを義務付けているのは日本だけ?!】庶民がターゲット!マイナンバー制の本当の目的は増税、財産税?~ヒトラーと同じ!共謀罪、盗聴法、マイナンバーのセットで「超監視社会」実現~
■マイナンバーで企業に大きな負担、個人資産は丸裸に!?
週刊ダイヤモンド 2015年07月11日
https://dw.diamond.ne.jp/articles/-/14157
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マイナンバーをめぐっては、行政手続きの簡素化や、将来的にはさまざまな民間サービスが受けられるメリットがある半面、個人資産が丸裸にされ課税が強化されることや、万一の情報流出による悪用の懸念など、デメリットも指摘されている。
いったいどんな“不都合”があるのだろうか。
「小さく生んで大きく育てる」──。
マイナンバー制度について語るときに、政府関係者や関係省庁、立ち上げに携わってきた人々の間で、合言葉のようになっているセリフだ。
まずは、社会保障や税金に関する最低限の行政手続きに利用するものとして、マイナンバーという制度を〝生む〟。
そして、ゆくゆくは国民の理解を得ながら世の中に浸透させていき、その他の行政手続きや民間利用にまで範囲を広げて利便性を高め、〝育てる〟ことを思い描いているのだ。
ただ、その〝育て方〟には、よく目を凝らしておいた方がよさそうだ。
多くの国民が、この10月から個人番号の通知カードが配られ始めることや、来年1月から制度が開始することをよく知らない。
そんな中で、制度開始前からマイナンバーに関する改正法案を国会で議論し、早くも利用範囲の拡大を図ろうとしているからだ。
中でもその動きが気になる〝育ての親〟といえば、何といっても国税庁だろう。
番号制度とは、国税庁にとって税金の取りっぱぐれを防ぐための最強の武器。
その導入は宿願といわれてきた。
導入当初の仕組みでは、まったくもって不完全な代物にすぎない。
しかし、最終的には「国税庁は番号を使って、国民の資産のフローとストック、両方の情報を全て押さえにかかるつもりだろう」と、ある税理士業界の関係者は見立てを語る。
制度の導入当初は、給料に加えて銀行の投資信託口座や証券口座、積立型・年金型保険、死亡保険などに番号がひも付くことが決まっている。
100万円以上の国内入金・海外送金も同様だ。
これを第1段階とすると、ある程度のお金の流れは見えても、資産のストックは見えてこないので、国税庁が思い描く最終形には程遠い。
そこで、第2段階として構想が練られているのが、銀行の預金口座とのひも付けだ。番号と預金口座のひも付けが進んでいくと、精緻にお金の流れを追い掛けることができるようになる。
例えば、これまで使われてきた税金逃れの〝隠れみの〟も、マイナンバーにかかればその意味を失う。
自宅から遠く離れた場所につくった銀行口座は「遠隔地預金」などと呼ばれ、これまでは税務調査官の目も届きにくかった。
しかし、それも番号で照会をかければ、すぐにたどり着くことができるようになるのだ。
あなたの資産が丸裸にされる日も、そう遠くはないかもしれない。
一方、番号制度は、全国約400万社の事業者すべてに大きな負担を強いている。
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マイナンバーで企業に大きな負担、個人資産は丸裸に!?
週刊ダイヤモンド 2015年07月11日
https://dw.diamond.ne.jp/articles/-/14157
■マイナンバー制の本当の目的は「お国のための財産拠出」の準備
PHPオンライン衆知 2015年11月04日 榊原正幸(青山学院大学教授)
https://shuchi.php.co.jp/article/2612
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・そもそもマイナンバー制とは
マイナンバー制の本当の目的は、財産税課税(=「お国のための財産拠出」)の準備ということにあります。
また、通常の所得税や消費税の課税強化(課税の捕捉率の向上)ということも目的のひとつです。
マイナンバー制の議論になると、必ず出てくるのは「個人情報漏洩に対する対策は万全なのか? それが確認できる前にマイナンバー制を実施するのは問題だ」という意見ですが、これは技術的なことを懸念しているわけです。
「個人情報漏洩が心配だから、マイナンバー制には反対」といった意見は、本質的な議論ではありません。
本質は、「なぜ今、マイナンバー制なのか」という目的論にあるのです。
マイナンバー制というのは、「納税者番号制度導入の是非」という論題で、少なくとも30年以上前から議論されていたのですが、昔は技術的な限界がありましたし、富裕層からの根強い反対があり、導入されずに今日に至っているのです。
それが、2015年に入って、いきなりというか、にわかにというか、粛々とマイナンバー制の導入が進められ、国民的な是非の議論を行なわず、導入ありきになってしまっています。
日本政府は現在、アベクロ体制によってインフレ政策を推し進めています。
比較的高めのインフレが実現すれば、国家の債務はインフレ率の分だけ棒引きにできますから、それを政府は狙っているわけです。
そして、もしこの一連のインフレ政策の舵取りを失敗して、ハイパーインフレになってしまったら、国民に財産税を課してハイパーインフレを収束させなければなりません。
そのため、政府は慌てて、マイナンバー制を導入することにしたのです。
マイナンバー制を導入することによって、国民一人ひとりの財布の中身は、国に対して丸裸にされます。
所得税・法人税・相続税・消費税といった国税は徴収が非常に厳格になるでしょうし、国民に財産税を課すための基礎資料を国がしっかり把握することができるようになります。
国家による管理経済ですね。
マイナンバー制導入後には、徐々に国民の保有資産がマイナンバーに登録されていくわけです。
個人の資産というのは、会計学上、概ね次のような項目が挙げられます。
主なものは、現金・預金・有価証券・貸付金・建物・土地・車両です。
それぞれ次のようにしてマイナンバーに登録されていくと思われます。
現時点ではマイナンバーの登録事項ではないものも徐々に範囲が拡大され、最終的にはこうなるだろうという予想に基づいて述べていきます。
・現金
新円切り替えを行ない、タンス預金をあぶり出します。現行のお札は旧札となり、交換比率は1対1とするが、切り替え後、旧札は無価値とすることにすれば、タンス預金は一旦すべて銀行預金にせざるを得ません。
手元の旧札を銀行に持っていって、預金してから新札で現金を引き出すと、一旦、現金の有り高が通帳に記帳されるわけですから、現金の有り高は把握できてしまいます。
しかも、新円切り換えの期間を、たとえば2018年6月1日から同年の8月末日までといった短い期間に設定してしまうでしょう。
そして、その期間の通帳残高をチェックすれば、タンス預金がいくらあったのかを把握できるわけです。
・預金
銀行預金にはマイナンバーがふられて、金額がすべて把握されます。
・有価証券
証券会社の口座にもマイナンバーがふられて、保有する有価証券や預託金の金額がすべて把握されます。
・貸付金
貸付証書にもマイナンバーがふられて、金額がすべて把握されます。
「マイナンバーがふられていないものは債権としては無効」とされれば、貸付金を持っている人は必死になってマイナンバーを割り付けるでしょう。
・建物と土地
登記簿から情報を集約して、マイナンバーの登録事項にされます。
・車両
車検証から情報を集約して、マイナンバーの登録事項にされます。
以上のように、現金以外は、マイナンバー制を導入すれば、国は、比較的簡単に国民の財産や保有資産を一括で把握することが可能になります。
マイナンバー制を導入したうえで、新円切り替えを行なえば主だった個人資産はすべて国に把握されてしまうわけです。
もちろん、納税申告書にもマイナンバーがふられることは言うまでもありません。
なお、社会保険や年金もマイナンバー制の下で一元管理されることになるでしょうけれども、政府としてはそれらのものはどうでもよくて、オマケみたいなものだと思います。
とにかく、マイナンバー制の本音の目的は 「国民の保有資産額を把握すること」 なのです。
そして、個人の負債(住宅ローン・車のローン・その他の借入金)を申告させれば、国民各人の「純資産」が明らかになります。
この「純資産」こそが、財産税課税(=「お国のための財産拠出」)の対象額となるのだろうと予想されます。
マイナンバー制によって、国民が保有する総資産の額は丸裸にされ、国に把握されてしまいます。
負債の多い人は納税原資がありません。極端に言えば、「1億円の家を持っているけど、全額ローンで買った人」は、総資産は1億円ですが、「純資産」はゼロです。
総資産に対して課税すると、この1億円の家を全額ローンで買った人には、支払えないほどの重たい負担がかかってしまうので、純資産をベースに課税するしか方法はないはずです。
ちなみに、政府は、最悪の場合 このように、負債の部分も把握してもらわないことには適正な課税はできないはずです。
家を全額ローンで買ったとしても、固定資産税は減免されません。
そこにさらに、財産税を総資産ベースで課税してしまうと、さすがに国民が悲鳴を上げて、暴動になるかもしれません。
ですから、財産税の課税は「純資産」に対する課税ということになるだろうと予想されます。
「純資産税」という名前になるのかもしれません。
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マイナンバー制の本当の目的は「お国のための財産拠出」の準備
PHPオンライン衆知 2015年11月04日 榊原正幸(青山学院大学教授)
https://shuchi.php.co.jp/article/2612
■マイナンバーカードは、いつか来た道「財産税」取り立てが目的か?
危険な公金受け取り、健康保険と紐づけ
現代ビジネス 2022.11.09
https://gendai.media/articles/-/101968
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・真の目的は「国民の資産を奪う」ことである?
「住基カード(住民基本台帳カード)」なるものを記憶している読者はどれほどいるであろうか。
2003年8月に開始され、マイナンバーカードの交付開始に伴い2015年12月限りで発行が停止されている(既に発行されたカードは、券面有効期限若しくはマイナンバーカード交付時まで利用可能)。
この住基カードの開始から11年後の2014年の累計枚数は800万枚あまりである。
赤ん坊まで含めた日本の総人口約1億2500万人の1%をはるかに下回る数であるから、「大失敗」に終わったといえよう。
しかし、それにもかかわらず、2016年1月にマイナンバーカードの交付を開始した。
過去を振り返る限り、日本政府は「国民にプラスになること」にはあまり興味が無いが、「政府に都合が良いこと」には熱心になるのが通例だ。いわゆる「国民総背番号制」に執着するのも、後者の理由だと考えられる。
「マイナンバーカード」に対しても、最初国民は警戒していたのだが、ペイペイ並みの大盤振る舞い(ただしその費用は我々の血税で賄われる)の「ポイントキャンペーン」のおかげもあってかなり普及してきた。
日本経済新聞8月23日の記事「マイナカード、普及率100%でなくても『ほぼ全員』」によれば、マイナポイントの約1年半の第1弾期間中にカード交付数は3000万枚近く増加し、普及率は40%を超えた。
さらに、今回のマイナポイント第2弾でも同じくらいの上乗せ効果があると仮定した場合、今年6月はじめにおいて交付枚数5660万枚(普及率45%)なので3000万枚分が加わると8660万枚(普及率は68%)になるとのことだ。
しかも、ポイント事業が好調であることに気をよくしたのか、マイナポイントを受け取れる申請期間を9月末から12月末まで延長したのでもっと増えるかもしれない。
16歳以上の運転免許証の普及率が7割だそうだから、「保有しているのが普通」となり、マイナンバーカードは住基カードとは違って後戻りすることはないであろう。
だが、政府がばら撒く「飴」によって普及したマイナンバーカードが、国民に対する「鞭」になることはないであろうか。大変心配である。
もっとも懸念されるのが、昨年10月25日公開「日本は外国に借金していないからデフォルトしないというのは本当か?」、1月15日公開「親方日の丸の巨大産業・医療-年金だけでなく健康保険も破綻はある」、2019年7月22日公開「年金は巨大な『国営ねずみ講』だから、負の所得税に一本化すべきワケ」などで述べた、財政、年金、健康保険が破綻した際に政府に「悪用」されるリスクである。
・外国に借金なし、国民から取り立てるしかない
前記「日本は外国に借金していないからデフォルトしないというのは本当か?」でも述べたように、「日本がデフォルトしない」というのは詭弁である。
外国から多額の借金をしている場合、支払いができなければデフォルトとなり対外的な信用を失う。
だが、(直接的に)投資をした資金が戻らずに損をするのは外国人であり日本国民ではない。
それに対して、外国に借金をしていなければ、破綻(デフォルト)となった場合損をするのは日本国民である。
国内で破綻を解決するには大きく分けて2つのやり方がある。
1.不足した金額を「財産税」などの苛烈な税金で国民から徴収する
2.(ハイパー)インフレで、政府の借金の実質的金額を減らす
である。
いずれにおいても日本国民が犠牲になるしかない。
第2次世界大戦敗戦直後は、1と2の2つとも実行されたといえよう。
深刻なインフレが進む中で、「新円切り替え」、「財産税」が1946年に大日本帝国憲法の下で実行された。
・再び行われるのか?
1946年当時の日本は米国の占領下にあり、大日本帝国憲法も有効であった。
したがって、日本国民の財産権を侵害するような強権的な政策もまかり通った。
しかし、現在の日本国憲法の下では、国民の代表(議員)によって構成される国会の議決を経なければ法律を制定できないことになっている。
したがって、その可能性はそれほど高くない(希望的観測かもしれないが)。
また、戦後、ほとんどの国民は焼け出されたり、日々の食事もままならなかったりする状態であったから、財産税のターゲットは絞られていた。
(旧)華族と財閥(創業家など)である。
戦前の財閥一族や華族は、現代日本では想像もつかないほどの資産を保有していたのだ。
さらに、財閥は戦前の日本の象徴として解体されたし、華族も身分制のシンボルとして民主主義にふさわしくないと考えられていたから、彼らに財産税を負担させることは(少なくとも当時は)合理的だと判断されたのであろう。
だが、それ以来、最高税率55%の相続税、同じく45%の所得税(現在)などによって、日本では超富裕層がほとんど生まれなくなっている。
なお、所得税と住民税のおおよそ10%を合わせると最高55%ほどになる。また、復興特別所得税も別途かかる。
・今度は庶民がターゲットだ
その代わり、終戦直後は鍋や茶わんくらいしか資産が無かった一般日本人の金融資産(2人以上世帯平均)は約1500万円に増えた。
また、戦前の庶民は借家が当然(住宅ローンが普及していなかったことなどから)であったものが、現在の持ち家比率は60%前後である。
したがって、今回「財産税」で政府のしりぬぐいをさせられる場合は、広く庶民に課税することが容易に想像できる。
例えば、現在の相続税の基礎控除は3000万円(プラス600万円×法定相続人数)だが、これを「ニュー財産税」の基準としてみよう。
1946年の事例を見れば、「すべての資産」に課税されるのが原則であるから、預金、株式、不動産はもちろん、資産運用型の生命保険、自動車、美術品なども対象になるはずだ。
都心の自宅だけで軽く基準を超える人もいるであろうし、世帯の色々な資産を合算すれば超えてしまうことが多いのではないかと思う。
もちろん、状況によっては、2000万円、1000万円が線引きの基準になるかもしれない。
終戦直後の財産税においては「徴税コスト」という問題があったが、ほぼすべての資産がオンラインで管理されるようになった現在は、「徴税コスト」は劇的に低下しているからだ。
コンピュータのボタンを押せば、国民の口座の資産を凍結するのは簡単なことである。
結局、国民の資産が政府の管理下に置かれるというのは、とても恐ろしいことだといえる。
・危険なのは預金との紐づけだ
もちろん、マイナンバーカードを取得しただけで我々の財産が把握されるわけではない。
また、すでに証券口座ではマイナンバーが必須であるため、保有株や預け金がいつ政府によって恣意的に凍結されるのかわからない状態であるのも事実だ。
だが、政府がマイナンバーカード普及を必死になって推進する背景には、「預金口座情報」の取得という「本丸」の存在がある。
マイナポイントの資料を見ると、マイナンバーカードの取得そのものには5000ポイント(キャッシュレス決済でのチャージ支払いが前提)しかつかないが、「公金受け取り用の預貯金口座」の登録を行えば7500ポイントが付く。政府でも営業マンでも「お勧め」するのは顧客に有利な商品ではなく、自分(会社、政府)が得をする商品である。
預金口座というのは、様々な資産の売却、購入等に使われるから、国民の資産を把握する上で重要なのだ。
したがって、安易に日常的に使用する口座を登録するのは危険である。
新規に専用口座を開設するか、それが難しければ休眠に近い口座を活用すべきであろう。
また、この制度が、「すべての銀行口座とマイナンバーを紐づけ」する恐ろしいシステムの導火線の役割をはたすことも懸念される。
(中略)
・日銀の低金利政策は、ハイパーインフレ誘導のため?
だが、国民に苛烈な税金をかけても解決できないかもしれない。
あるいは、国民が選んだ議員が頑張って官僚の暴走を抑えるかもしれない。
その時には、ハイパーインフレを起こすしかない。
それを想定しているのか、日本政府は終戦後と同じように、冒頭で述べた1と2の政策を併用する腹積もりであるようにも思える。
2月26日公開「強烈インフレを目の前にして黒田日銀は日本をトルコにするつもりか」で述べた内容が、いまだに「超金融緩和」を続けていることによって、現実のものとなりつつある。
来年4月の黒田総裁の退任後に方針を変更してももはや手遅れかもしれない。
だが、このような無能にも思える金融政策も、2のハイパーインフレによって、国家の借金をチャラにするのが目的であるとすれば合点がいく。
平時には日本政府は概ね頼もしいが、危機においては「国民」を犠牲にして「国体」を維持してきたのは歴史的に明らかだ。
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マイナンバーカードは、いつか来た道「財産税」取り立てが目的か?
危険な公金受け取り、健康保険と紐づけ
現代ビジネス 2022.11.09
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■「先進国は全てマイナンバーのような制度を入れている」のウソ (1)
黒田充(大阪経済大学非常勤講師)2015年4月22日
http://blog.jjseisakuken.jp/blog/2015/04/post-d673.html
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・NHKは「先進国で番号制度がないのは日本だけ」と言うが
2015年4月21日、NHKは「NEWS WEB」の「深知り」のコーナーにて「マイナンバー制度 準備どこまで?」と題してマイナンバー制度を扱った。
その中でNHKの解説委員は「番号制度が先進国の中で入っていないのは日本ぐらいのもの」との発言をした。
解説委員が言った番号制度は、マイナンバーのように税や社会保障など他分野で共通に使う番号を利用する制度のことであろう。
しかし、これは間違いだ。
そもそも番号制度にも色々ある。
1つは、税だけに使う番号や、社会保障だけに使う番号など用途を限定した番号制度。
もう1つは、1つの番号を税や社会保障など様々な分野に共通に使うもの。
日本の住民票コードや基礎年金番号、健康保険の記号番号、所得税の整理番号などは前者である。
用途限定番号による制度も含めると、日本にも既に番号制度があることになる。
一方、マイナンバー制度は後者であり、10月までは「番号制度はまだない」ことになる。
NHKの解説委員は、この程度のことは知っているであろうから「先進国で番号制度がないのは日本だけ」の番号が、この用途限定番号を指しているとは到底考えられない。
解説委員の発言の趣旨は「共通番号制度がないのは日本だけ」ということで間違いないであろう。
・イギリスにもドイツにもフランスにもマイナンバーのような共通番号制度は存在しない
しかし、「先進国の中で共通番号を入れていないのは日本だけ」は事実ではない。
イギリス【→】は、マイナンバーのような共通番号制度を創設しようと法を通し、具体的な準備まで進めていたのだが、制度廃止を唱える政権の誕生により実現することはなかった。
またドイツ【→】には納税者番号はあるが共通番号制度はない。
フランス【→】には社会保障番号はあるが共通番号としての利用をしないというのが国の方針となっている。
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「先進国は全てマイナンバーのような制度を入れている」のウソ (1)
黒田充(大阪経済大学非常勤講師)2015年4月22日
http://blog.jjseisakuken.jp/blog/2015/04/post-d673.html
■【マイナンバー制度をスタートさせたらダメだ!】
協働 公認会計士共同事務所 岡本治好
https://www.kyodo-cpa.com/report/2015/0902_212.html
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マイナンバーは、基本的に一生変わらず消えない背番号が全国民に強制され、それを行政と民間が共通して利用する制度である。
共通番号制度の先輩であるアメリカやカナダでは、成りすまし犯罪の被害が深刻で社会問題化し、分野別の個別番号制度に舵を切り直している。
イギリスでは一旦導入したが、人権侵害として数年で廃止している。
日本においては適切に管理するから安全だなどという宣伝は、各種パスワードを頻繁に変えることが推奨される時代に、素人目にもウソとしか思えない。
原発再稼働の新たな安全神話と同じく根拠の無いごまかしであり、破滅的な負の遺産になる恐怖を感じる。
マイナンバー成立の国会審議では施行後3年間の状況を慎重に見るとしていたが、施行されてもいないのに利用拡大の具体的検討がされ、年金情報の流出が無ければ6月に法改正が予定されていた。
戸籍、パスポート、預金、医療介護健康情報、自動車登録などが揚げられ、ビッグデータとして商業利用する方策も盛り込まれている。
マイナンバーの預金口座適用は税の不公平是正には不可欠だと喧伝されている。
税の不公平が語られるとき「ク・ロ・ヨン」が持ち出される。
国が所得を補足できる割合が、サラリーマン9割・自営業6割・農業4割で不公平だということである。
国民の資金の流れが把握できないから不公平が生じており、脱税も把握できないので、不公平や脱税を無くすためには預金口座にマイナンバーを適用するということである。
しかし、昔から「ク・ロ・ヨン」の議論はされているが、全ての取引や所得を把握しても不正な申告や不正受給を無くすのは困難だと政府自身が言っていたと記憶している。
扶養控除の不正も持ち出されるが、扶養控除の適用手続きの厳格化や縮減或いは廃止を検討している一方で扶養控除の不正を持ち出す意味はどこにあるのか。
不公平や脱税の対策としてどれほどの効果があるのかは、イメージだけ喧伝され、税収の増加額など具体的な効果が語られることはない。
縦割行政を見直して制度を修正することで対応可能な部分も多いことが報道番組でも指摘されている。
マイナンバーを預金口座に適用する目的が不公平や脱税の対策では無いことが見透かされ、弱い庶民だけが懐に手を突っ込まれる結果になり、公平になるはずも無いと思われる。
利権とアメリカのための無駄な公共事業や軍備拡大などのために、莫大に膨れあがった国の借金の裏付けは国民の納める税金である。
日銀が国債を買い支えるという禁じ手と、国民の大切な年金資産を株式市場に投入することでアベノミクスは維持されているが、出口が見えない危険な状況は続いていると思われる。
万一国の借金の解消に迫られた時に危惧されるのが預金封鎖と預金元本への課税などだろう。
預金封鎖を簡単にできるとも思えないが、実行する際には日本人の預金だけに絞らないと国際問題になるため、区別しておく必要がある。
テレビの特番やドラマでも取り上げられ、財務大臣がシミュレーションを認めたという報道もあり、マイナンバーの預金口座適用の目的の一つだと思われる。
また、資産課税を強化する議論が政府筋で行われているとの報道もされている。
国民の金融資産を掌握して「公平な税制」と言って課税する意図は十分にあるものと思われ、そのための預金口座へのマイナンバーの適用だろう。
そのとき狙い撃ちされるのは「対策」を考える余地のない普通の庶民だろう。
医療健康情報へのマイナンバーの適用だが、予防接種から健診結果や診療情報といった高度なプライバシーが一元管理されるということである。
国家が国民の健康権を擁護し健康向上を図ることと、健康情報を一元管理して無制限に利用することは全く別物である。
所得と健康を紐付けたデータの商業的な利用価値は極めて高く、そのため経済界は諸手を挙げてマイナンバーを推進している。
公的医療介護を縮小して市場化することと併せて、低金利と少子化で収益力が落ちている生保会社等とTPPで日本の保険市場を狙うアメリカにとって、喉から手が出るデータであろう。
個人を特定できないデータとしての民間活用ということだが、「名簿屋」や犯罪組織等は複数のデータベースを名寄せして既に一定の個人情報をデータベース化しており、そのデータベースが量質ともに格段に強化されるという報道もある。
マイナンバーが漏れれば簡単に名寄せでき、丸裸の個人情報が把握されてしまうという恐怖を感じる。
そもそも健康情報と所得情報は、たとえ親しい間柄でも赤裸々にしたくないもので、個人の尊厳に深く関わる情報である。
個人にとって最大のウィークポイントなり得る情報が本人や家族の同意も無く国家に筒抜けになり、それが勤め先に伝わることや広範に流出する可能性があるということは、職場での差別や悪徳商法や詐欺被害など非常に高いリスクを負い、安心して生活する根本が脅かされることになると思われる。
また、国は国民に内緒で具体的個人を特定したデータとして使用可能であり、効率的な経済徴兵制には非常に有益なデータになる。
既に貧困層をターゲットにした自衛隊勧誘はあからさまであり、奨学金の返済を滞納している人は自衛隊に入隊してもらうといった発言がされている。
その先には教育の国家統制と相まった高度な健兵健民政策が待っている恐怖を感じる。
マイナンバーは犯罪捜査で自由に使える。
法律で定められた目的以外でマイナンバーを提供した場合は重い罰則が課されるが、「政令で定める公益上の必要」があれば捜査機関などに提供できるものとされている。
公安調査庁が具体的な事件の捜査でなくても裁判所の令状もなしにマイナンバーを収集できるという報道もある。
具体的な事件捜査でなくマイナンバーを収集する意図はどこにあるのか。
暴力団やオウムなどもイメージされるが、基地反対の市民運動などが監視されていることも事実である。
警察が共産党国会議員を盗聴した事実が裁判で明確になっている。
捜査機関が制限なしにマイナンバーを収集でき、更に盗聴も自由に行えるということは、国家に異議を唱えるもの、唱える恐れのある人物はマークされる世の中になるということではないか。
アベ政治は憲法を超えて有能な政治家が統治するという独裁の発想を強くしている。
国民の情報は徹底して収集管理する一方で、国家の情報は秘密保護法で国民が近づくことすら排除する。
そして国民の疑問やフラストレーションに対しては治安法制(盗聴法、共謀罪など)で蓋をする準備を進めていると思われる。
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【マイナンバー制度をスタートさせたらダメだ!】
協働 公認会計士共同事務所 岡本治好
https://www.kyodo-cpa.com/report/2015/0902_212.html
■【特集】マジありえない共謀罪・盗聴法・マイナンバー
IWJ(2015年11月)
https://iwj.co.jp/wj/open/%E5%85%B1%E8%AC%80%E7%BD%AA
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特定秘密保護法、安保関連法の次は「共謀罪」の創設か。
「共謀罪」の創設は国民の「思想・信条の自由」を奪う法律に他ならない。
憲法で保障された基本的人権を蔑ろにした、途方もない悪法である。
パリの同時多発テロ事件を受け、自民党の谷垣禎一幹事長が2015年11月17日、テロ撲滅のためには「共謀罪」の創設が必要との認識を示した。谷垣氏は「来年5月に日本は伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)を開く。
前から(共謀罪を含めた)法改正は必要と思っている」と強調した。
菅義偉官房長官は参院選への影響を懸念したのか、法整備について、「これまでの国会審議で不安や懸念が示されているので、慎重に検討をする段階だ」と述べた。
一方で、「国際社会と連携して組織犯罪と戦うことは重要な課題であって、国連国際組織犯罪防止条約締結に伴う法整備は進めていく必要がある」と、前向きな考えを示した。
政府・自民党は「テロ対策」を名目にしているが、過去に3度も国会提出されてきたことからも、テロ対策がこじつけに過ぎないことは明白だ。
「共謀罪」の創設は、2000年11月に国連総会で採択された「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」に批准するための措置であるとされている。
現在177カ国が同条約に批准しているが、多くの国は新たに共謀罪を創設せずに批准している。
日本は署名したものの、共謀罪の創設にこだわるあまり、いまだに批准ができていない。
政府原案によると「共謀罪」とは、4年以上の懲役刑に該当する犯罪について、「共謀」することを罰するものである。
「4年以上の懲役刑」に該当する犯罪は600種類以上にものぼり、これらに該当する犯罪の共謀をした者は、原則2年以下の懲役刑に処される。
ただし、死刑、無期、10年以上の懲役に該当する犯罪に限っては、懲役5年以下の刑罰が下されることとなっている。
「共謀罪」は、「未遂罪」や「予備罪」とは、まるで異なる。
犯罪の実行に着手したが、結果的に遂げられなかったものが「未遂罪」、計画した殺人に使用する目的で凶器を購入することなどが「予備罪」。
つまり、「未遂」以前の、そのまた「予備」以前の、「話し合って合意したとみなされる段階」で裁くことが「共謀罪」なのだ。
「未遂罪」「予備罪」ですら、ごく一部の重大犯罪にのみ、例外的に設けられたものだ。
具体的な犯罪の実行があり、被害があらわれて初めて処罰対象になるという「近代刑法の原則」から根本的に逸脱するからである。
「共謀罪」が創設されるということは、刑法の原則、根幹が崩れることを意味し、日本が近代刑法を採用する近代的な法治国家であるとはいえなくなることをも意味する。日弁連は「共謀罪が成立しない犯罪はごく限られたものだけであると言っても過言ではない」と指摘している。
懲役4年以上の犯罪には、窃盗、 収賄、傷害、詐欺、恐喝、有印私文書偽造などの犯罪も含まれる。
傷害を例に挙げれば、
A「あの上司ムカつくよな、殴ってやりたい」
B「いいね! じゃあおれがそれとなく屋上に呼び出してみようか」
…といった、居酒屋で交わす同僚との愚痴までもが「共謀罪」として成立しうる。
これだけ聞けば、あまりにも突飛な話で「マジありえない」と思うかもしれないが、「マジありえない」ことが十分に起こりうる。
そんな杜撰な法案なのである。
それどころか、「密告」によって、言ってもいない言動が問題にされ、冤罪に陥れられる可能性も格段に高まる。
誰の身にもふりかかりうるのだ。
戦前の「治安維持法」では、「協議罪」が乱用されたという。
治安維持法とは、特定の思想を持った結社や、そうした組織への加入を処罰することを主な目的としたものだ。
そこに、話し合いを処罰する「協議罪」を設けたことで、組織加入などの実行行為以前から取り締まりが可能となった。
この「協議罪」の典型が、全国で1600人近くが逮捕、拘留された1928(昭和3)年の3・15事件だ。
逮捕された人の多くは、共産党や労働農民党などに入党していなかったという。
「共謀段階」から裁くためには、いったい、どのような捜査が行われるのだろうか。
「共謀しているかどうか」を判断するために、捜査機関は、捜査対象者の日常的な会話やメール内容を把握する必要がある。
国家による国民の監視、盗聴法の拡大も同時並行で進められるだろう。
安倍政権は歴史に学ぼうとせず、近代刑法の原則を破壊し、戦前の「協議罪」を復活させてしまうのだろうか。
秘密保護法や安保関連法のように、世論の反対を押し切り、少数派の意見を尊重せず、自民・公明両与党が「数の暴力」で強行採決に持ち込めば、「共謀罪」も、簡単に可決・成立してしまうだろう。(2015年11月)
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【特集】マジありえない共謀罪・盗聴法・マイナンバー
IWJ(2015年11月)
https://iwj.co.jp/wj/open/%E5%85%B1%E8%AC%80%E7%BD%AA
■共謀罪、盗聴法、マイナンバーのセットで「監視社会」実現、憲法に緊急事態条項…安倍政権はヒトラーと同じだ
excite.ニュース 2015年11月24日
https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_1713/
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共謀罪とは、実行せずとも、2名以上が犯罪行為について話し合い、合意しただけで摘発されるというもの。
ここでいう「合意」とは、たとえ目配せ等であっても、捜査当局や裁判所から”暗黙の共謀”と解釈されうることが、過去に廃案となった法案の国会審議から判明している。
その基準は極めて曖昧だ。
しかも現在、共謀罪が適用されるであろう犯罪は実に700近くに及ぶ。
もちろん”テロ”とは無関係のものがほとんどだ。
すなわち捜査当局の恣意的な運用により、人々をいずれかの犯罪の”共謀”に仕立てることで、われわれの思想・良心の自由、言論の自由がいとも簡単に奪われてしまいかねないのだ。
そして、実のところ、安倍政権が熱望する共謀罪は、別の法律・法案と掛け合わせて考えると、おおよそ民主主義国家とは思えない”監視社会”をつくりだすものでもある。
後編では、引き続きこの問題に詳しい山下幸夫弁護士の解説を交え、その恐怖の現実を追及していきたい。
まずは視点を替えてみよう。
共謀罪は、逆に当局からしてみれば、その前提となる「犯罪行為について話し合う」という行為自体をいかにして把握するのかというのがポイントになる。
実はこの夏の国会では、世の中の話題を席巻した安保法制の審議の裏で、あるひとつの法案が国会に上程されていた。
通信傍受法、いわゆる”盗聴法”の改正案だ。
現行法では薬物、銃器、集団密航の4つに限り警察が電話やメールの通信を傍受することができたが、改正案ではそれを詐欺や窃盗など、一般犯罪にまで拡大しようとしていた。
山下弁護士がこう説明する。
「当然、共謀罪を取り締まるためには盗聴が不可欠です。共謀罪の法案が通れば、適用される600から700の犯罪について、すべて盗聴できるようにするため法改正することは間違いないと思います。さらに、今回の通信傍受法改正案には入りませんでしたが、室内盗聴という部屋のなかの会話の盗聴も必要になる。これは会話傍受とも呼ばれます。さらに、街角の防犯カメラも比較的新しいものは、人の声も捕捉することができると言われています。したがって、公園等で会話しているものもすべて記録されてしまうことも考えられる。こうしたかたちで監視が強化されると、そのなかで、共謀にあたる可能性がある、ということで摘発される例がでてくると思います」
さらに、こうした共謀罪、盗聴に関わる情報は、もちろん捜査当局の情報として扱われるが、これに関係するのが昨年12月に施行された秘密保護法だ。
防衛、外交、特定有害活動(すなわちスパイ)、テロリズムの4つを「特定秘密」として、これらに関する情報を漏らした公務員に最高懲役10年の罰則を設けた秘密保護法だが、条文が非常に曖昧で、政府により「特定秘密」が恣意的に指定されうると多くの法律専門家が指摘している。
さらに市民側も「特定秘密」の取得を「共謀」すると最高5年の懲役が科せられると明記されており、これもまた解釈を拡大して、摘発が濫用される恐れがある。
共謀罪、盗聴法、秘密保護法を接続し、俯瞰するとどうなるか。
ひっきょう、市民は言論の自由、プライバシーの権利、知る権利の3つを、がっちりと政府に押さえ込まれてしまうことになる。
加えて山下弁護士が警鐘を鳴らすのは、来年1月から開始されるマイナンバー制度の存在。これが全体像を捉える補助線となる。
「さらに言えば、マイナンバー制度が来年から動き出しますが、これも実は、国民のさまざまな情報、特に経済的なお金の流れなどを捕捉することができますし、将来的には銀行のお金の流れも把握できるようになります。一応、第三者機関が不適切な運用がないかチェックするとされていますが、警察の捜査に関する場合は、その対象外です。つまり、警察がマイナンバーを捜査に利用することが想定されているわけですね。警察がお金の流れを把握して、これを犯罪の資金として集めていると見なせば、そこには共謀があるはずだと考える」
決してSFの話ではない。
現代ではある種のクリシェとなっている”監視社会”という言葉だが、これは現実に施行された法律、あるいは成立一歩手前の法案の話なのだ。
「そういう世界を狙っているのが共謀罪。これができれば、ある意味でほぼ完成形だと思うんです」と山下弁護士は言う。
これらは同時に運用されることによって、その本質を見せる。安倍政権は”テロ防止のため”と繰り返すが、それはほんの一面にすぎないのだ。
もっとも、これらすべてが安倍晋三首相の思惑のうちにあるのかと言えば、それは急激に陰謀論に傾くだろう。
しかし、少なくとも各法律は、それぞれの官僚組織の要望を反映させたものなのは確かだ。
それが結果として何を導くのかについて、考えねばならない。
これを踏まえたうえで、パリ同時多発テロをきっかけとして再浮上してきた共謀罪新設と前後して、安倍政権が何を目指していたかについて確認したい。
11月19日、ポータルサイト最大手の「Yahoo!ニュース」に、こんな見出しの記事が踊った──「日本は『非常事態宣言』ができるか 憲法への緊急事態条項創設が課題」。産経新聞の記事だ。
記事は、フランスのオランド大統領が、パリ同時多発テロ発生後に「非常事態宣言」を発令したことを口火として、日本でも一時的に国民の権利を制限する国家緊急権の必要性を強調する。
曰く、日本国憲法には同種の規定がないがゆえに「『テロとの戦い』の欠陥となっている」と。
一方、安倍首相は今月11日、参院予算委員会で来夏の参院選後の改憲について、「緊急事態条項」すなわち国家緊急権の創設を重視すると明言していた。
産経は、パリのテロ事件で機を見るに、明らかに安倍政権による改憲を後押しするための世論をつくりだそうとしたと見ていいだろう。
だが、本サイトでなんども指摘しているように、緊急事態条項はそれ自体が非常に危険なものである。
以下、自民党が公開している「日本国憲法改正草案」の当該箇所を抜粋する。
《(緊急事態の宣言)
第九十八条 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。
2 緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なければならない。(後略)》
《(緊急事態の宣言の効果)
第九十九条 緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対しても必要な指示をすることができる。(略)
3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。(後略)》
まず、注目すべきは「緊急事態の宣言」は総理大臣の権限として定められているが、国会では事後承認でもよいとされていることだ。
事実上、これは与党による内閣の決定だけで緊急事態を宣言することを意味する。
そして、ひとたび宣言されれば、内閣はこれまた事実上の”法律”を好きなだけ発令することができ、税金も使い放題、さらに地方自治をも完全に手中におさめることが可能となる。
そして、国民は宣言下での「措置」に「従わなければならない」とくる。
山下弁護士はこの緊急事態条項の本質をこう喝破する。
「つまり、首相が『今が非常事態だ』というふうに考え、宣言すれば、憲法が人々に保障している様々な権利を停止することができるのです。しかも何が緊急事態なのかという判断自体が曖昧。しかしその間、法律と同じ効力のある政令をつくるなど、内閣がいろいろなことを勝手に決められる。そういう意味では非常に危険と言えます。人権を停止するということは、例えば集会の自由などもすべて禁止されてしまう。ゆえに国民は何の意見も述べられないし、反対もできない」
この緊急事態宣言を利用すれば、政府は国民の人権を制約する新たな法律に代わる政令をつくることも可能だと、山下弁護士は注意を喚起する。
「これは、まさにドイツでヒトラーがやったやり方です。かつて麻生(太郎・副総理)さんは『ナチスを見習ったらどうか』と言いました。この発言は国家緊急権について言っていたわけです。緊急事態に関する規定をつくることで、一気になんでもやりたいことをやってしまおう、と。非常に怖い。憲法を停止することで、憲法をなし崩しにできるわけですから」
ヒトラーがワイマール憲法を骨抜きにした、かの有名な全権委任法は、政府に憲法で制限されない特別な立法権を委ねるものだった。
一方の自民党草案では、首相は緊急事態宣言をすることで、事実上、立法権を独占する。
「ですから、本来そういうものを憲法に書くことが自己矛盾と言えます。いずれにせよ、国民が知らないところで一切の反対を許さない状況のなか、なんでも政府がやりたいことを決められるということですから、憲法がないものになってしまう。今回、フランスでは憲法を改正して緊急事態に関する規定を改正しようという動きもありますが、それはある意味憲法の否定にもなりえること。大変危険な状態ですね。とりわけ、日本はいま安倍首相のもとで、非常に独裁的な事柄が起こっている。緊急事態条項を新設すると、本当に大変なことになってしまう。絶対に認めてはいけないと思います」(山下弁護士)
いずれも”テロ対策”が名目となっている共謀罪の新設、盗聴法の改正、秘密保護法。
すべて捜査のために市民の人権を制限するものでありながら、恣意的な運用を許す法文上の瑕疵がある。
そして、安倍首相自らが名言した緊急事態条項の創設──。
自民党憲法草案のなかには、首相が緊急事態を宣言するシチュエーションのなかに、《内乱等による社会秩序の混乱》が息を潜めている。
この抽象的な文言が意味する”最悪のケース”について、われわれは思考を止めるべきではない。(梶田陽介)
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共謀罪、盗聴法、マイナンバーのセットで「監視社会」実現、憲法に緊急事態条項…安倍政権はヒトラーと同じだ
excite.ニュース 2015年11月24日
https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_1713/
■マイナンバーカード 世界で廃案廃止
TikTok sktmami 真実探求家マミ・2022-12-16
■世界中でマイナンバーカード 廃案廃止
■アメリカ、ドイツ、フランス、イギリスなどの諸外国ではマイナンバーカードは廃止されている。
ドイツ→違憲判決で廃案
フランス→国民の抵抗で導入せず
イギリス→運用後1年で廃止
オーストラリア→国民の猛反発で廃案
アメリカ→任意になったが漏洩・不正で
問題化
■マイナンバー制度の利用拡大を中止し、制度を廃止することに関する請願
参議院 第208回国会 請願の要旨
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/seigan/208/yousi/yo2082776.htm
■普及に「強硬策」なぜ?マイナンバーカード取得を事実上義務化 24年秋に廃止する健康保険証の機能と一体に
東京新聞 2022年10月14日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/208036
■“コンビニ 年齢確認にマイナンバーカード活用検討”官房長官
NHK 2022年11月30日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221130/k10013908201000.html
■マイナンバーカード不保持者への差別が酷すぎる…制度開始後に行政サービス低下も
文=明石昇二郎
Business Journal 2022.01.10
https://biz-journal.jp/2022/01/post_273614.html
■大増税よりも恐ろしい? マイナンバー制度の威力
毎日新聞 2015年11月12日 岩佐孝彦・税理士
https://mainichi.jp/premier/business/articles/20151111/biz/00m/010/002000c
■マイナンバーで大混乱 国民管理を優先する政府が繰り返す失敗
GLOBE+(朝日新聞) 2020.05.22
https://globe.asahi.com/article/13388850
■マイナンバーというゾンビ 新型コロナで義務化を仕掛ける政府が隠す過去
GLOBE+(朝日新聞) 2020.05.29
https://globe.asahi.com/article/13409974
■アメリカ版「マイナンバー制度」の明と暗…国に収入を把握される怖さ
日本国民よ、同じ轍を踏むな
週刊現代 2020.06.14 笹野大輔
https://gendai.media/articles/-/73304
■なぜ政府は全国民にマイナンバーカードを持たせたいのか?2021年、健康保険証と一体化へ
まぐまぐニュース 2019年3月10日
https://www.mag2.com/p/money/648744
■トラブル急増!? 欧米の「国民背番号制」
PRESIDENT 2016年1月4日号 川口 昌人
https://president.jp/articles/-/18627?page=1
■G7参加国(日本・アメリカ・カナダ・フランス・ドイツ・イギリス・アメリカ)でマイナンバーを義務付けているのは日本だけ
2022年10月19日
https://rapt-plusalpha.com/57158/
■マイナンバー(社会保障・税番号)制度の危険な企み
税経新人会全国協議会 東京会 清水和雄
http://www.zsk.ne.jp/zeikei637/ronbun4.html
■マイナンバーを導入した海外の事例がヤバイ!トラブルが続出?
2015.11.02 お金の救急車
https://okanenokyuukyuusha.com/mainanba-kaigai/
■オランダ ホロコーストを効率的に進めた「ユダヤ人登録カード」公開:アンネ・フランクのカードも
Yahoo!ニュース 2021/3/2 佐藤仁学
https://news.yahoo.co.jp/byline/satohitoshi/20210302-00225192
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