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死んだら葬儀屋も悲しんでくれるくらいに、一生懸命生きよう!~ドラッガーの真摯さとは~

世界では大成功したベンチャー企業経営者が次々排出されています。

新しいことに挑戦し、チャレンジし、自らの成功を手にしています。

ただ、「成功者」=「成幸者」ではありません。

本当の意味で成幸するためには、何が必要なのでしょうか。

今回は「成幸者」になるために必要な考え方についてお伝えします!


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Contents

人間が死んだ時には、集めたものではなく、与えたものだけが残る

「人間が死んだ時には、集めたものではなく、与えたものだけが残る」

これは、あるお坊さんから聴いた言葉です。

最近、ビジネスの世界に浸っていて「Give&Take」(ギブアンドテイク)という貸し借りの概念が周りに多くなっていることが少し気になりました。

欧米のマネジメント手法が日本国内に浸透する中、「Up or Out」(アップオアアウト)、つまり「2年で実績を残し昇進できなければ会社を去れ!」という言葉も多く聞かれます。

勝ちか負けか、上か下か、という2者択一のビジネス社会が蔓延しているように感じます。

組織内においても、意図的に競争させて勝者と敗者を明確化。

結果、敗者が組織を去る、よく目にする光景ではあります。

もちろん、日本の企業自体、グローバル化の波にさらされ、世界中の競争社会に勝たなければなりません。

世界のベンチャー企業をはじめ、巨大企業も次々に生まれ、新しい技術、新しいサービスは産まれ続けています。

業界内での生き残りは熾烈を極めています。

企業はその競争に打ち勝たなければなりません。

そのために、より強い企業体となるための施策は不可欠です。

とはいえ、勝ち負けの2者択一だけでは、企業そして働く社員、いずれにとっても良い結果には結びつかないように思います。

保険のおばちゃんと駐車場のおじさん

私の友人にこのような人がいます。

どんな人にも同じように暖かく接する人です。

例えばですが、保険のおばちゃんから届く定型のビジネス年賀状に対して、毎年年賀状のお返しをしているのだそうです。

保険会社などがまとめて作っている販促用の年賀状に、です。

そしてバレンタインもそうです。

保険会社が用意している販促用のバレンタインチョコを保険のおばちゃんからもらうと、毎年ホワイトデーにはお菓子でお返ししています。

そしてもう一つ。

この友人は駐車場を利用しているのですが、駐車場の管理人のおじさんに毎日必ず挨拶をしています。

毎日笑顔で。

すごいですね。

ビジネス的には全くメリットはありません。

でも、その友人は今では、組織内でマネジメントリーダー的存在にまで昇進しています。

なぜその友人がマネジメントリーダーになったのか、詳細は分かりませんが、その友人に「思いやり」があり、「他人に対して施す人格」があったことは確かです。

世界最高峰、マネジメントのプロが重視していたキーワード

ピーター・ドラッカー(Peter Drucker)という世界的に有名な経営学者がいます。

1909年にオーストリアで生まれた経営学者で、人類史上初めてマネジメントという分野を体系化した人です。

「マネジメントの発明者」、「マネジメントの父」などと呼ばれています。

世界的に著名な経営者はほぼもれなく、このピータードラッガーの著書を読んでいると言われており、経営学者の中でも群を抜いています。

日本の大企業経営者も必ずと言っていいほど目を通しています。

このピーター・ドラッカーの著書『現代の経営』(the practice of management)での有名な一説が以下です。

「マネージャーとして、始めから身につけていなければならないといけない資質が一つだけある。才能ではない、それは、『真摯さ』である」

マネージャーに必要な資質、それは真摯さ、なんですね。

でも、真摯さってなに?と思い調べてみました。

原文では、この「真摯さ」は、「integrity」という英単語。

英和辞典では、以下に訳されています。

1、正直さ、誠実、高潔、清廉、品位
2、完全、無傷、無欠の状態

などです。

ピーター・ドラッカー『現代の経営』の前後の文章から鑑みると、この「integrity」は一貫した「人間性」「道徳性」というニュアンスが強く出ていることがわかりました。

つまり、マネージャーが持っていなければならない素質は、「ビジネススキル」でもなく「頭の良さ」でもないのです。

周りの信頼を得られる人間性、周りから協力を得られる人格、こういった素質がなければ、マネージャーには適さない、そうドラッガーがメッセージしているように思います。

三尺三寸の箸

「三尺三寸の箸」という話を知っていますか?

仏教の教えの一つです。

以下、「地獄」と「極楽」の食卓のお話です。

「地獄」と「極楽」の食卓において、食事するうえで一つだけ条件があります。

どちらも三尺(約91cm)もある長い箸を使って食べなければならないという条件です。

「地獄」の住人たちは、先を争って食べようとしますが、長すぎる箸は自分で食べることができません。

やがて周囲と争いを起こし、結局全員食べることができません。

一方、「極楽」の住民たちは、ちゃんと食べています。

どうしてでしょうか。

「極楽」の住民は三尺の箸でご馳走をつまみ、隣や前にいる人の口元にもっていき、食べさせてあげます。

そして、同じようにその人達も、食事を隣の人や前の人にもご馳走をつまみ、食べさせてあげます。

結局、巡り巡って全員が食事ができ、全員が幸せに暮らしている、というお話です。

いかがでしょうか。

本当の意味で強い会社にする方法のヒントが隠されている、そう思います。

本当の成幸者とは?

昨今、企業内でうつなどのメンタル不調者が急増しています。

ある統計では、うつやうつ予備軍は全国で500万人に上っているそうです。

また、社会人の3人に1人は精神面の配慮またはサポートが必要だと言われています。

実際に手帳を保持する精神障害者の数も増加傾向にあるそうです。

強い企業、成長するベンチャー企業にはプレッシャーや競争原理があることも確かです。

ただ、組織内競争が行き過ぎると、敗者を定期的に生み出し、退職者を増やしてしまう結果になりかねません。

人財の新陳代謝を推進しすぎると、中長期視点で鑑みると、企業体としては弱体化に進んでしまいます。

競争力のある強い企業を目指した結果、企業が弱体化してしまうというパラドックスに陥りかねません。

「競争力のある強い企業になる」ことと「敗者を作り出す」ことは、別の話ではないでしょうか。

敗者を作り出さない経営。

今、本当の意味で多くの「成幸者」リーダーが求められているのかもしれません。

最後に

成幸者となるための名言を贈ります。

同僚が成功し繁栄するのを喜びなさい。それが自然にできるようになれば、あなたはよき同僚に囲まれ、富にも囲まれていくでしょう。
ジョセフ・マーフィー

死んだら葬儀屋も悲しんでくれるくらいに、一生懸命生きよう。
マーク・トゥエイン

人間はの、最も多くの人間を喜ばせたものが最も大きく栄えるものじゃ
山岡 荘八『徳川家康』

人のためにしていることが、実はとても自分のためになっているということがあるのよ
オノ・ヨーコ

arashidaisuki

2,000社以上訪問してきた東証一部上場企業のベンチャーキャピタリストです!「新しいことに挑戦する人を一人でも増やしたい」をフィロソフィーとして、元気や勇気を贈ります!元気になれる「ベンチャーブログ」と様々なニュースや為になる記事の「コラム」の二種類で更新していきます!

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