新しいことに挑戦できない組織は、世の中に非常に多く存在します。
業歴が長ければ長いほど、その傾向は強くなると言われています。
つまり、保守的となってしまうことです。
リスクに敏感となってしまい、現状維持を最優先してしまう組織です。
しかし、現状維持は相対的に後退を招きます。
業績不振となってしまう組織には、こういった組織風土が背景にある、ということも珍しくありません。
今回は新しい視点、新しい考え方を組織に与えてくれる人材についてお伝えします!
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「よそ者、若者、バカ者」という言葉ご存知でしょうか。
聞いたことがあるという方も多いかと思います。
古い組織が新しいことにチャレンジできず、時代に乗り遅れてしまうことはよくある話です。
しかし、時代は流れています。
変化し続けています。
組織全体が「リスクを避け」「保守的な思考」で覆われてしまうこと、これ自体が組織をつぶしてしまうことが多々あります。
よく「過去の成功体験」という言葉も使われます。
過去の成功にしがみつき、一時期成功したことが、その組織の「常識」となってしまうことです。
10年も前の成功事例と同じことを繰り返してしまい、事業が後退していく。
よくある企業廃業の形態の一つです。
事業とは、組織とは、常に時代の流れを読み、新しいことへチャレンジし続けることが必要だと言われています。
つまり、新しい視点、新しい考え方を取り入れることは、企業発展に欠かせないものです。
そのために必要なもの。
必要な人材。
それが「よそ者」「若者」「ばか者」という存在です。
「最近の若い者は・・・」という言葉はよく使われます。
旧来組織の年配上司の口からでてきそうですね。
この言葉は、古代エジプト時代にもうすでに使われていたようです。
5千年も前の古代エジプトのピラミッド遺跡の壁画にも同じような意味が記載されていたと言われています。
古代ギリシアでもありました。
哲学者として有名なプラトン「国家」にも。
「最近の若者は年長者を敬うこともせず、(中略)これでは今後どうなっていってしまうのか」といった意味の内容です。
企業にとっての「若者」は「新入社員」というイメージでしょうか。
確かに稚拙であり、短期的思考、感情的な方もいます。
しかし。
今の時代を映しだしているという面では、その意見や考え方は、まさに「時代」を表しているかもしれません。
時代は流れています。
事業経営も、マーケティングも、そして製品開発も、時代に即す必要はあります。
ビジネスにおいて「若者」の意見や考え方は、今後の事業の方向性において重要な経営指標の一つであることは間違いないでしょう。
企業にとっての「よそ者」は中途入社社員となるかもしれません。
「よそ者」はそれまでの組織の常識やそれまでの業界常識を打ち破る、ブレイクスルーを実現することも少なくありません。
カルビー株式会社はご存知でしょうか。
多くの方はご存知かと思います。
ポテトチップス・かっぱえびせん・じゃがりこなどでおなじみです。
今、そのカルビーの会長はまさに「よそ者」です。
会長は松本晃氏。
もともとは伊藤忠商事、商社マンでした。
以下、松本晃氏の経歴です。
1947年生まれ
1972年京都大学農学部修士課程卒業後、伊藤忠商事入社
1986年伊藤忠商事子会社 センチュリーメディカル 取締役営業本部長就任
1993年ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人入社 代表取締役社長、会長、最高顧問を歴任
2009年カルビー株式会社 代表取締役就任 現在に至る
すごいですね。
伊藤忠商事→ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人代表→カルビー代表。
3社とも異なる業界です。
伊藤忠商事では、クレーンやフォークリフトや医療機器を扱っていたそうです。
商社からヘルスケア、食品。
まさに「よそ者」。
しかし、松本氏は老舗企業カルビーに大改革を実施しました。
最初に着手したのは工場改革。
稼働率、効率性、経費削減。
人事組織や組織風土にも着手します。
そして、海外戦略。
松本晃氏がカルビー代表になってから増収増益を実現。
1.5%程だった営業利益率が、今は約10%になっています。
就任当時は風当たりも強かったそうです。
古参の役員からの執拗な批判もあったそうです。
しかし、改革を断行しました。
松本晃氏の口癖の一つに「経営者はホラを吹け!」という言葉があります。
無理かもしれない夢を描き、社員のやる気を出す必要性を説いています。
「よそ者」は、低収益企業を世界企業に向けた高収益企業へと変貌させています。
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」はご存知でしょうか。
大好きな映画の一つです。
その中の登場人物の一人、クリストファー・ロイド演じる、ブラウン博士。
通称「ドク」。
ドクは天才発明家という設定ですが、先生や親から、地域から「バカ者」「変わり者」扱いされます。
唯一理解してくれる友達、主人公のマーティだけ。
その年の差を超えた「友情愛」も見どころの一つです。
あるシーンの中で、過去のドクは未来の自分が作ったタイムマシンで主人公マーティが突然現れます。
驚きを隠せません。
が、ドクはすぐにその事実を受け止めます。
親友、マーティを未来に戻すことに協力してくれるんですね。
「バカ者」「変わり者」扱いされたドクは「既成の概念にとらわれない人」の典型例のように感じます。
時代や空間を超える思想、考え方というのは、こういうことなのかもしれません。
そういえば「バカ」を辞書で調べてみますと「程度が並はずれていること」という意味があります。
つまり「バカは規格外」という意味もあるんですね。
しかし、規格外であるが故、組織の中では「バカ者」はレッテルを貼られてしまいます。
組織の常識を覆す発言を繰り返す人は、軋轢・誤解・矛盾・ねたみ・軽蔑・誹謗・中傷・落胆・失望の嵐です。
現状維持を優先する「組織の常識」は、「組織の常識外」を排除してしまいがちです。
組織のトップなり、誰かがその「バカ者」をサポートしない限り、「バカ者」は必ずつぶされてしまいます。
しかし、バカ者は時代を超越する視点があります。
バカ者は世界、宇宙的視点でモノごとを考えることもあります。
小さな視点だけの人たちが集まった組織は、大きな視点の人が現れると「バカな考え」とみられてしまう。
また、リスクの高い事柄への恐怖心、安定性を求める意見が優先した場合も「バカな考えだ」と言われてしまいます。
バカは「規格外」な考え方を持ち合わせているからでしょうか。
「よそ者、若者、バカ者」は既存の価値観を変える力を持っています。
つまり、新しい視点、新しい価値観です。
でも、世界は新しい視点、新しい考え方が世の中を変えてきました。
インターネットが現れたとき、皆どう感じたのでしょうか。
パーソナルコンピュータができたとき、世間はどう感じたでしょうか。
発売当時のアイフォンはどうでしょうか。
HONDAの「シティ」が発売されたとき。
SONYの「ウォークマン」が発売されたとき。
最初は、多くの常識外なものではなかったでしょうか。
未来は「よそ者、若者、バカ者」が担っているのです。
未来を創るための名言を贈ります。
原子を割るよりも偏見を割るほうが難しい
アルベルト・アインシュタイン
新しいものを考えついた人も、それが成功するまでは、ただの変人にすぎない
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