【東京都東村山市】国宝!正福寺地蔵堂・地蔵まつり~東京北多摩の歴史散歩~

えっ!東村山市に国宝?!

鎌倉街道上道が通る東村山市には都内唯一、関東でも数少ない国宝の建造物である地蔵堂の建つ「正福寺」があるのです!

弘安元年(1278)に臨済宗建長寺派の末寺として、北条時宗によって開創されたと伝えられています。

 

 

東村山市・正福寺とは?

 

臨済宗建長寺派寺院の正福寺は、金剛山と号します。

創建年代は不詳ですが、心月禅師(文永年中1264-1274示寂)を請じて、北条時頼(或いは北条時宗)が開基となり創建したと伝えられます。

場所は東村山駅から約15分、北山公園からは約5分ほどです。

正福寺地蔵堂は平坦な武蔵野の鎌倉街道から近い場所にあります。

 

 

【国宝】正福寺地蔵堂(東村山市)

正福寺千体地蔵堂は、都内唯一の国宝建造物です。

正福寺山門から一直線に伸びる参道の正面奥に、室町時代に建てられた立派な仏堂が鎮座しています。

大きく沿った屋根が特徴的なこの仏堂は、地蔵菩薩を祀る事から地蔵堂、あるいは千体地蔵堂と呼ばれ、東村山やその近隣の人々からの信仰を集め、崇敬されてきました。

 

鎌倉時代に宋より日本に伝わった建築様式である、禅宗様の特徴を余すこと無く今に伝えるこの正福寺地蔵堂は、建築年代が明らかな禅宗様の建築として貴重であり、同じく禅宗様の仏堂で、まるで双子のようにそっくりな鎌倉の円覚寺舎利殿と共に、禅宗様を代表する建築のとして国宝に指定されています。

唐様建築を代表する建物で波形欄間、花頭窓、屋根の反りなどに特徴があります。

地蔵堂はもともと茅葺でしたが、昭和8(1993)年に解体修理。

当時の断面模型は国立歴史民族博物館に展示されています。

昭和8年-9年に屋根の茅葺きをこけら葺きに改修した際に発見された墨書銘により、室町時代の応永14年(1407)の建立とわかりました。

地蔵堂本尊は、昭和48年の修理のとき文化8年(1811)、江戸神田須田町万屋市兵衛弟子善兵衛と書かれた墨書銘が発見されました。

また小地蔵尊像については、江戸時代の地蔵信仰が盛んなとき、多くの小さな地蔵尊の木像が奉納され、堂内の天井に近い長押に置かれ、千体地蔵堂の名もここに由来します。

祈願する人は、小地蔵尊像を一体借りて、家に持ち帰り、願いが成就すれば別に一体添えて奉納するというもので、像の裏側には祈願者の名前や年号が入っており、大ささは10cmから30cmほどのもので正徳4年(1714)から享保14年(1729)のものが多く、奉納者は、地元は勿論、前沢・国分寺・小金井などに及んでいます。

正福寺地蔵堂の内部は年3回ある一般公開日のみ見学可能です。

公開日は、8月8日、9月24日と、地蔵まつりの行われる11月3日です。

 

 

 

正福寺地蔵堂・地蔵まつり(東村山市)

毎年11 月3 日(文化の日)には「地蔵まつり」が行われています。

正福寺地蔵堂の開帳の日にあたり、堂内への立ち入りが許され一般見学が可能となります。

また、これに合わせて「地蔵まつり」が開催されます。

地蔵まつりでは厄除け手彫り地蔵の有料頒布、子ども向け縁日、東村山名物店の出店のほか、八坂神社において雅楽・浦安の舞(東村山市無形民俗文化財)が奉納されます。