地球上の生物に似た特徴を持つ超越生命体。
「アンノウン」の名は警察が氷川誠からの報告を受けて、未確認生命体に代わる新たな敵、謎の存在として警察が命名した呼称であり、軍事用語で「国籍不明機」を意味する「unknown」が語源。
正式名称は「ロード怪人」であり、種族ごとに「(モチーフとなる動物の名前)ロード」と呼称されており、高位の怪人は「エルロード」と呼ばれる。
その正体は神に仕える天使の如き存在…いわば本物の天使であり、ロードの名が示す通り厳密には人間以外の地球上の生物の原型でもある。
その目的は、人類を創造したとされる神の如き存在=闇の力が恐れるアギトの殲滅であり、主にアギトになる可能性のある人間(超能力者)を血族ごとに殺し回っている。
殺人を行う際や特殊能力を発揮する際には、左手で右手の甲を闇の力の文字の形に辿るという、サインを切るような仕草をみせる。
殺害方法は、今までのライダー怪人が殴る蹴る斬り付ける火を噴いて焼き殺す・猛毒で溶かすなどといった原始的な方法を使っていたのに対し、彼らは人間を生きたまま木のウロに詰めこんだり、コンクリートの壁に埋め込んだり、高層ビルの屋上から床を通過させて転落死させたり、さらには対象の体組織を別の物体に変えたりなど、人間には実行不可能な犯行を起こしていた。
その能力から、彼らの起こした殺人は「不可能犯罪」と呼ばれる。
一方で、闇の力が自分の生み出した人間達を愛しているために、アギトの力を持たない人間を殺すことは極力禁じられており、ターゲット及びそれの殺害を妨害する者以外の人間を襲うことはなく、もし仮に禁を破ったアンノウンは闇の力から制裁が下される。
アンノウンの黒幕で、「アギト」の力を持つ人間を抹殺すべく、エルロードをはじめとする「アンノウン」を送り込む。
ロード怪人(アンノウン、マラーク)の支配者にして創造神。
なお、オーヴァーロードとは「ロードを超える者」という意味であり、真名は「テオス」(θεός、ギリシャ語で「神」)とされる。
しかし劇中でその呼び名が明かされる事はなく、終始「闇の力」、あるいは「闇の青年」「謎の青年」という名で通されていた。
その正体は宇宙開闢と同時に生まれた、宇宙を構成する光と闇のうち「闇」の力が具現化したもの。
彼は世界を創った後、自らの分身であるエルロード、そしてその部下として天使たるロード怪人を創り、さらにその世界に住まう住人としてロード怪人に似せて動物を、そして自身に似せて人間を創り、特に人間を自分の子供としてこよなく愛していた。
しかし、時が経つにつれて人類は「自分たちは神に似せて創られたから他の動物より偉い」と考えるようになり、動物を過度に虐げ始めた。
この事態に怒ったのが、動物の元となったロード怪人=天使たち。
彼らは人類に宣戦布告し、以後40年に渡って繰り広げられる人類と天使との全面戦争へと発展してしまった。
この結果、人類の敗北は決定的なものになり、戦いは天使軍の勝利に終わった。
そして天使たちの長であるエルロードは、地上の全てをリセットするため洪水を起こし、地上のあらゆるものを洗い流した。
これを悲しんだテオスは情けとして、全人類、全動物の中からつがいを一組ずつ方舟に乗せて生き残らせるという行動を起こす。
ところが、プロメスは最後の力を振り絞り、人類に直接アギトの力を授けてしまった。
そればかりか、プロメスは時空を超え、遥か未来――西暦2001年へと降臨し、その場に偶然居合わせた人間=あかつき号の乗客の一人である沢木哲也の持つアギトの力を強制的に引き出した。
水のエルから事の次第を聞いたテオスは遥か未来、人類が再び繁栄し、プロメスがもたらしたアギトの力が覚醒した時に備え、アギトの力に覚醒した人間を抹殺させるべくエルロードを放ち、自身も人間の進化に伴い現世に復活できるよう自らの遺伝子情報をオーパーツに残し永い眠りについた。
終盤、津上翔一/アギト、葦原涼/ギルス、木野薫/仮面ライダーアナザーアギトからアギトの力を奪うが、その際、氷川誠/G3-Xの援護を受けた翔一に殴られてアギトの力を奪い返される。
愛していた人類から攻撃を受けた…その事実に狼狽した闇の青年はもはや人類は愛すべき対象ではなくなったと判断し、人類自体を滅ぼそうとする。
手始めとして、「蠍座の人間にドッペルゲンガーを見せて死なせる」というゲゲル…じゃなくて殺害計画を実行。
この時涼の恋人の水原リサも犠牲となった。
そして自身を「風のエル」「地のエル」に護衛させ、翔一達にぶつける。
しかし「風のエル」「地のエル」は敗れ、アギトの攻撃を受け、人類を見守る方向に考えを改め、姿を消した。
「アンノウン」の中で、最高位に位置する怪人。
水・風・地の3体の最高位のアンノウン。
下位のアンノウンよりも進化が進んでいるため、背の羽はより大型化しており、知能や能力が発達した事により、人間の言語を理解し、話すことも可能。
貴族、様式、美意識のような風格、そしてライダーと共通する複眼を持つ。
オープニングで登場したイコン画には、エルロードらしきものが全部で7体描かれている。
その正体はテオス(闇の力)によって、古代に誕生した生命体・マラークで、7人存在し、そのうちの一人であるプロメス(光の力)は、マラークから人間を守るため、人間との間にネフェリム(アギト)という戦士を生み出した。
クジラに似た姿のエルロード。
使用武器は二股の槍怨嗟のドゥ・サンガ。
口からは人間を即死させる息を吐き、手からは衝撃波を放つ。
闇の力に代わって地上を監視し、「あかつき号事件」を引き起こした張本人。
事件を引き起こしたあと、監視のため乗客の1人・関谷真澄に憑依し静観していた。
真澄が相良が死んだと聞き、あかつき号の乗客に接触した際に同事件の関係者を次々と殺害する。
その後、真澄を殺害し実体化するとアギトを狙うが、バーニングボンバーを受け致命傷を負ったため、闇の力の体内で回復、強化復活する。
タカに似た姿のエルロード。
使用武器は長弓憐憫のカマサ。
時速500キロの烈風を起こし、バーニングフォームの炎をも無力化する。
G3-XのGXランチャーとエクシードギルスのダブルエクシードヒールクロウを受け、爆死した。
ライオンに似た姿のエルロード。
使用武器は長剣敬虔のカンダ。
掌からは相手を灰塵化させる熱砂を放つ。
超能力者の殺害を使命とし、可奈に狙いを定めるが、止めに入った翔一と戦闘になり、シャイニングクラッシュを受け、敗北する。
「そう、怖いんだね、僕が。いいよ、好きにして」
「人が人を殺してはならない」
「あなただけではない、人間という、種そのものに、私は、裏切られたようだ。もう一度、最初からやり直しましょう。」