たった一日でも、一瞬でも、忘れたくない時間はあるんだ
ある人が言った。俺たちは正義のために戦うんじゃない。俺たちは人間の自由のために戦うんだ、ってな。
たとえ世界の全てを敵に回しても、たった1人を守るために戦う、それが仲間ってもんだ。
俺はこれからも世界を繋ぎ、物語を繋ぐ…それこそが俺の旅、ディケイドの物語は、ここから始まる。
この男は、誰にも声が届かない世界で、孤独に耐えながら、みんなを守ってきた、誰より強い男だ。
人生が退屈とか、学校がつまらないとか・・・。それって結局、自分たちがつまらない人間だから。
どんな旅にも無駄はないよ。どんな人生にも無駄がないのと同じようにね。
人は誰でも自分のいるべき世界を探している。そこは偽りの無い、陽のあたる場所。人はそこへ行くために旅を続ける。そして旅を恐れない!その旅を汚したり、利用したりする権利は誰にも無い!
俺たちは時に、自分一人で戦うこともある!この手で…だが、この手で相手の手を握ることもできる!その時俺たちは、弱くても、愚かでも一人じゃない。
進化だ!失敗しても成功しても共に働く仲間を励まし、助け合い、一緒に進化していく。そのために働いているんだ!
最初は人のイメージでも、お前の中にちゃんとお前がいるはずだ!
この世に一か所だけ、例え世界のすべてを敵に回しても、家族の帰りを待ってる場所がある。そしてこの世に一人だけ、例え世界のすべてを敵に回しても、家族のために戦う男がいる。
例え勝ち目がなくても、戦わなくてはならないときがある。この男はそうやって一人で戦ってきた。大切なものを取り戻すために。確かに一人では無理かもしれない。だからこそ助け合い一緒に支え合う相手が必要なんだ。世間ではそれを『仲間』と呼ぶらしい。
本作は平成仮面ライダーシリーズ10作目にあたる。”decade”とは10年間、10周年などを意味する。
略称は「DCD」である事が多い。
主人公らが、これまでのライダーシリーズ作品をモチーフにした様々な平行世界を巡るという、一種のロードムービー的な要素も備えている。
主役の仮面ライダーディケイドは本来の姿に加え、『仮面ライダークウガ』から『仮面ライダーキバ』までの主役ライダー9人にも変身可能。主役以外のライダー達も様々な場面で登場する。
最大の特徴は「10年に一度のお祭り」とのコンセプトの元、これまで放映された平成ライダー+一部の昭和ライダーが登場するクロスオーバー作品であり、さまざまな世界を巡るという一種の旅番組でもある。
ただし、作中の各世界は一部の作品を除き、「リ・イマジネーション(再創造)」と呼ばれる構想の下、オリジナルとは登場人物や世界観等の設定変更がされている。
一番の特徴は最終回で話が終わらないことである。
最終回はグレー決着にして「続きは劇場版」という事に。
西暦2009年。
光夏海は無数の仮面ライダーが「1人の標的=ディケイド」に総攻撃を仕掛けて全滅するという夢を繰り返し見てはうなされていた。
現実に戻れば家業の「光写真館」に居候している青年・門矢士がきちんと写真を撮らないと客から苦情を受け、謝罪と士への説教をする毎日。
ある日、突如世界のあちこちで謎のオーロラと共に無数の怪人が現れ、人々を襲い始める。
それぞれの世界はひとつとなり、崩壊を始める。
夏海と離れ離れになった士は謎の青年・紅渡と接触する。
その青年は、士に9つの世界に9人の仮面ライダーが現れ、それが原因で世界が一つに融合、すなわち、全ての世界が消滅すると語る。
「貴方は全てのライダーを破壊する者です」
世界を救い、全てのライダーを破壊する者だと言われた士は、訳が分からないまま元の空間に戻るが、そこでは多数の怪物が人を襲っていた。
士が居候している写真館の娘、光夏海もまた、怪人に襲われ危機に陥る。
士は夏海が拾ったバックルとカードを受け取り、
世界の破壊者〈仮面ライダーディケイド〉に変身した。
彼が伝説のベルトを手にしたとき、世界を巡る旅が始まる。
こうして士は自分の写せる世界を探すために、夏海は夢で見たディケイドへの不安から、異世界への旅に出ることを決意する。
世界の破壊者、ディケイド。
9つの世界を巡り、その瞳は何を見る・・・
通称もやし。
記憶喪失の青年。
常に偉そうで自信満々な俺様タイプ。
よく写真を撮るが、摩訶不思議なピンぼけ写真しか撮れない。
口癖は「だいたいわかった」
クールかつ自信家で誰に対しても尊大な態度で接し、傲岸不遜な態度を取ることが多い。
「世界の終わり」に際する現象で紅渡と遭遇し、自分が全てのライダーを破壊する存在・ディケイドであること、そして世界の消滅を防ぐために旅をしなければならないことを告げられる。
旅する世界のどこかで自分の世界が見つかるかもしれないと考え、「世界の全てを写真に収める」という目的のもと行動する。
鳴滝や訪れた世界のライダーからは「破壊者」「悪魔」などと忌み嫌われ、時折自身を皮肉ってそう呼ぶこともある。
また全ての世界を救おうという意思はあるのだが、意図しなくとも訪れた世界が自分の存在で崩壊することを知り、苦悩する事もあった。
しかし旅を続ける内、そうした自分を受け入れてくれる夏海のことを大切に思う様になる。
『クウガの世界』で仮面ライダークウガとしてグロンギと戦っていた青年。
士と出会い、旅に加わる。
当初は「自分を認めてもらう」為にグロンギと戦い、八代藍からの称賛とその笑顔を支えとしていた。
しかし彼女が遺した言葉によって「世界中の人々を笑顔にする」という願いに目覚める。
「クウガの世界」にてディケイドとの共闘でグロンギを壊滅させた後、キバーラによって「キバの世界」に連れて来られ、士達と合流して異世界を巡る旅に同行する。
主に情報収集やその世界のライダーへの激励などで士をサポートする。
ヒロイン。
光写真館で受付係をしている女性。
常に敬語で話し、礼儀正しく真面目な性格。
士から“夏みかん”というあだ名を付けられている。
首にある『笑いのツボ』を突く事で相手を笑わせるという謎な特技を持つ。
大勢の仮面ライダーがディケイドに倒される夢をよく見ており、士が変身したディケイドにも警戒心を抱いていた。
士が世界を旅する様告げられたことを知り、前述の夢に対する不安からその旅に同行する。
度々鳴滝から接触を受けディケイドの危険性を訴えられているが、自身は士の優しさを信じており、あらゆる世界から迫害を受ける士の「帰る場所」になりたいと願う様になる。
士と同じく世界を旅する青年。
士の過去を知っているらしい。
ディエンドに変身する。
感傷に浸ること無く“お宝”にのみ価値を見出すドライな性格。
士は彼の“お宝”への執着について、かつて自分が信じていた物に裏切られたことで自分自身をも信じられなくなり、“お宝”を集めることでその気持ちを誤魔化しているのだと推測している。
さらに料理の腕前も達者で、指鉄砲で他人に狙いを定める癖がある。
士達との馴れ合いや人付き合いを好まず別行動を取り、目的の相違から彼らの旅を妨害することもしばしば。
士達に同行する白いコウモリ。
ライダーに変身する者に噛み付くことでその能力を活性化させる。
明るい性格を装っているが、時折冷酷な一面を覗かせる。
鳴滝に加担しており、彼と同様に次元に干渉して他者を異世界に送る能力を持つ。