完璧な人間などいない。互いに支え合って生きているのが、人生というゲーム。
オレが操り人形? 上等だ。それで悪を砕けるなら、人形でもなんでもかまわん。
罪のない人生など、スパイスの効かない料理だよ。
罪を暴きつつ、心をいたわる。それが鳴海壮吉のやろうとしていた、厳しさと優しさだった。
でも、忘れないでくれ相棒。僕は消えない。君の心に悪魔と相乗りする勇気がある限り…
生きているんだろ!? お前たちはまだ…。過去が消えていくなら、オレはせめて明日がほしい。だから足掻き続けてるんだよ。
お前が相棒だと思ってくれてるうちは、俺は二度と折れねえ!
僕は大事なことを忘れていたんだ。鳴海壮吉の意志を受け継いだWは、戦闘マシンであってはならない。強いだけのWに価値はない。きみの優しさが必要だ、翔太郎。それがもし弱さだとしても、ぼくは受け入れる。
俺は依頼人のために戦う…命がけで、あんたの教えを守る。それを邪魔するのがあんた自身なら、それでも戦う。本物は、俺の胸の中で生きてるあんただけだ!
男の仕事の8割は決断だ。そっから先はおまけみたいなものだってな。だから結果がどうだろうと興味はねぇ。
平成仮面ライダー10周年記念企画”秋の陣”にして、本シリーズ”第二期”の1作目。
仮面ライダーシリーズ初、2人の人間が1人の仮面ライダーとなる内容である。
体の色が完全な左右非対称という、奇抜ぞろいの平成ライダーの中でも特に奇抜な配色が最大の特徴となっている。
Wのデザインは上記の設定ゆえに左右半身で色が違うという異色のフォームだが、造形自体は大きな複眼やあるフォームにおけるマフラー装備など今まで以上に昭和ライダーを意識したデザインになっている。
実際、基本形態のカラーは仮面ライダー1号と仮面ライダーBLACKを意識したもの。
「ソフト帽を愛用し、ハードボイルドを気取るもののズッコケる事の多い探偵が主人公」「一風変わった街の仲間たち」「主人公に突っかかってくる刑事」など、世界観やキャラクター造形は、松田優作主演の「探偵物語」をオマージュした部分が多い。
鳴海探偵事務所に置いてあるデスクは、「探偵物語」の撮影時に実際に使われていたものとの事。
前後編構成や相棒キャラの登場、コメディ要素を交えた内容など後続の作品に受け継がれた要素も多い。
電王ほどコミカルではないものの、シリアスとコメディがバランスよくミックスされたストーリーの他、変形換装するライダーバイクやガジェットメカ等、低年齢層が興味を引くような要素が多数盛り込まれている。
作りこまれた設定の他、シナリオやキャラの完成度なども高く、現在でも平成ライダーの中ではトップクラスの根強い人気を誇る。
放映終了後もVシネマによるスピンオフ作品『仮面ライダーW_RETURNS』や、漫画媒体による純粋な続編『風都探偵』等が展開されている。
今作の敵怪人であるドーパントもまた、ガイアメモリを使用して変身する。
一般ドーパントの場合は、市販のガイアメモリを手術によって施した生体コネクタへ挿して変身する。
園咲家(ミュージアム)の幹部ドーパントの場合は、腰に装着したガイアドライバーにメモリを挿して変身することになる。
幹部たちがガイアドライバーを使用しているのは、ガイアメモリの毒を濾過して有益な力のみを得るため。
メモリを”直挿し”している一般のドーパントはガイアメモリの毒に当てられ、心身ともに中毒症状を呈していく。
ちなみに、彼らが変身する際には仮面ライダーたちのような掛け声はない。
なお仮面ライダーが使用するガイアメモリは、専用に精錬されたものであるため、ミュージアムが流通させているガイアメモリとは外装が異なっている。
実は正体が女性であることも多い。
このことから「悪女が多い仮面ライダー」とも云われている。
日本のどこかにあるエコの街「風都(ふうと)」。
風が豊富に吹く土地で、いたるところに風車が回っている。
街の人たちは“我が街”を愛し、今日も街に生きている。
だが、一見平和に見えるこの理想都市の裏側では、奇妙な犯罪が横行していた。
その街の裏では、人間を超人〈ドーパント〉に変える〈ガイアメモリ〉というアイテムが流れていた。
「ドーパント」……USBメモリのようなアイテム「ガイアメモリ」を突き刺すと人間は、そう呼ばれる超人になるという。
ドーパントが起こす奇怪な事件の数々に、警察も無力。
しかし、風都には〈ドーパント〉の力を使った犯罪が横行する反面、それを退治する正義の味方〈仮面ライダー〉も存在した。
左翔太郎。ハードボイルドを標榜する「ハーフボイルド(半熟野郎)」。
フィリップ。脳内に「地球の記憶」を有する謎多き魔少年。
二人は、ふたりでひとりの探偵コンビ。
運命の街「風都」を守るため数々の事件に立ち向かっていく!
二人は、ふたりでひとりの仮面ライダー・・・
仮面ライダーWの左側に変身する私立探偵。
足で調べる行動派。
自称ハードボイルドだが、なりきれてない。
情に厚い熱血漢だが、かっこつけたがりでもある。
演じる桐山自ら認めるほどの三枚目。
いわゆる「ハーフボイルド」。
「ジョーカー」「トリガー」「メタル」のガイアメモリと「ダブルドライバー」を所持。
仮面ライダーWの右側に変身する少年。
引きこもりもとい安楽椅子探偵的ポジション。
頭の中に地球上のほぼ全ての情報が詰まっているが、彼の過去に関する情報は意図的に削除されている模様。
脅威の好奇心の持ち主で、知りたいことは徹底的に調べないと気がすまない反面、知り尽くしたものには一切興味を示さず軽くあしらう。
園咲若菜のラジオのファン。
ある事件で彼女と知り合い、若菜に特別な感情を抱くようになる。
「サイクロン」「ヒート」「ルナ」「ファング」のガイアメモリを持っている。
名前の由来はフィリップ・マーロウから。
翔太郎達の経営する鳴海探偵事務所の中学生大家。
事件に首を突っ込んだせいで巻き込まれてしまった。
大阪出身のツッコミ役で、口癖は「アタシきいてない!」。
いつもは標準語を喋っているが、感情が高ぶったときや派手なツッコミを入れるときに関西弁が出てしまう。
ツッコミには便所スリッパを使用し、例え相手がドーパントであろうとも堂々とツッコむ。
夢の中ではあったが仮面ライダーWに変身したこともある。
照井竜に恋心を抱いており、たまに積極的行動に出ようとする。
仮面ライダーアクセルに変身する風都署の刑事。
風都のことは嫌いらしい。
家族の仇である井坂深紅郎への復讐を目的としているハードボイルドな男。
のちに憎しみを振り切りアクセルトライアルを得て、井坂を倒した。
が、その後は普段の性格まであらぬ方向に振り切れそうになっている。
キャラのノリといいやたら熱の入った変身といいどことなく昭和ライダー臭のする男である。
「アクセル」「エンジン」「トライアル」のメモリと「アクセルドライバー」を持っている。
鳴海探偵事務所の所長、通称おやっさん。
1話で敵の凶弾に倒れ、殉職した。
しかし、今もなお翔太郎達の精神の大きな支えとなっている。
劇場版「AtoZ 運命のガイアメモリ」において危機に瀕した翔太郎のもとに現れ、彼にロストドライバーを託して去っていった。