■貿易赤字、最大19.9兆円 「国富流出」懸念も―22年
時事通信 2023年01月19日
~~~
資源高と円安の影響で輸入額が膨らみ、貿易赤字の拡大に歯止めがかからない。
財務省が19日発表した2022年の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は19兆9713億円の赤字と過去最大を記録。
赤字基調は23年も続くとみられ、「国富流出」懸念が高まりそうだ。
輸入額は初めて100兆円を超え、118兆1573億円となった。
うち3割近くを占めたのが、原油、液化天然ガスなどを含む鉱物性燃料だ。
ロシアのウクライナ侵攻を背景に石油などの資源価格が高騰。
日米の金利差拡大によって円安が急速に進んだことも輸入額の膨張に拍車を掛けた。
22年の円相場は平均で1ドル=130円77銭と、前年比19.5%下落した。
第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「日本の貿易構造が脆弱(ぜいじゃく)になっている」と指摘。
「海外に購買力が流出してしまう『悪い貿易赤字』になっている」と分析する。
22年12月の貿易収支は1兆4485億円の赤字で、赤字は17カ月連続と常態化しつつある。
鈴木俊一財務相はこれまで「貿易赤字を通じた資源国への国富流出に留意する必要がある」との認識を示している。
一方、輸出は今後低迷する恐れがある。
中国が新型コロナウイルスを徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策を緩和したものの、インフレ抑制へ利上げを進めた米欧の景気減速は輸出にマイナスだ。
貿易収支の先行きについて、SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「円安と原油高の一服で赤字幅は縮小するものの、23年も10兆円を超える貿易赤字となる可能性がある」と予測。
購買力が国内で消費されずに海外流出する事態が続きかねない。
~~~
貿易赤字、最大19.9兆円 「国富流出」懸念も―22年
時事通信 2023年01月19日
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023011901017&g=eco
■過去最大「20兆円」貿易赤字で日本にこれから何が起きるのか。
Business Insider Jan. 23, 2023 唐鎌大輔 [みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト]
~~~
財務省が1月19日に発表した貿易統計(速報)によれば、2022年通年の貿易収支は19兆9713億円の赤字だった。
比較可能な1979年以降で最大の赤字額となった。
従来の最大赤字記録は2014年の約12兆8000億円で、今回の数字はその1.5倍以上に相当する【図表1】。
貿易赤字の主な要因は資源価格の高騰と円安の進行だが、前者は2022年半ばに、後者は同10月をピークに調整が進んでおり、その影響で貿易赤字はこれからはっきりと減ってくるはずだ。
とは言え、原油価格はパンデミック前に比べればまだ高いし、今後もロシア抜き中国抜きで資源やサプライチェーンを回す必要があるとすれば、原油をはじめ日本が輸入するさまざまな生産要素が高くつく状況は大きく変わらないだろう。
加工貿易を得意とする日本にとっては「高く輸入して安く売る」構図が続き、損失が高止まりする展開も想定される。
~~~
過去最大「20兆円」貿易赤字で日本にこれから何が起きるのか。「23年は円高の年」論者の楽観ぶりが気になる…
Business Insider Jan. 23, 2023 唐鎌大輔 [みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト]
https://www.businessinsider.jp/post-264628
■貿易赤字20兆円の衝撃、経常収支も間もなく赤字へ? 無視できない“深刻事態”とは
FinTechJournal「ビジネス+IT」2023/01/30 野口 悠紀雄 : 一橋大学名誉教授
~~~
・衝撃的な貿易赤字となった「2つの要因」
2022年の貿易収支が約20兆円の赤字となった。
こうなった原因は、対前年比で見て、輸出が18.2%増にとどまったのに対して、輸入は39.2%という極めて高い値となったからだ。
輸入がこのように増加した主たる原因は、資源輸入額が急増したことだ。
輸入額の対前年比でみると、原粗油が91.5%、石炭178.1%、液化天然ガス97.5%だった。
資源輸入額の増加は、そのほとんどが価格の上昇による(荷動きを示す数量指数は輸入全体で対前年比0.3%減と、むしろ低下している)。
輸入価格の急騰は、ドル建て資源価格の高騰と円安という2つの要因による。
為替レートの平均は、2021年が1ドル=109.41円、2022年が130.77円なので、対前年比は19.5%の円安だ。
したがって輸入全体で見れば、対前年比39.2%のうち、ほぼ半分がドル建て価格上昇の結果であり、ほぼ半分が円安によるものだ。
ただし、原油などについてはドル建て価格上昇の影響のほうがずっと大きい。
・円安は輸出を増やすわけではない
前述のように、2022年の輸出は対前年比18.2%の増加となった。
為替レートは19.5%の円安なので、輸出額の増加は円安による名目上のものに過ぎないことがわかる。
実際、輸出数量の対前年比は、1.9%の減となっている。
しばしば「円安が輸出を増やす」と言われる。
しかし、実際にはそうした効果はないのだ。
これまでもそうだったが、2022年の急激な円安の中で改めてそのことが確認された。
輸出数量が増えないのだから、円安は国内の経済活動を活発化する効果を持たなかったことになる。
このことは2022年の第1四半期から第3四半期までの鉱工業生産指数(鉱工業の生産活動の状況を表す指標)が、95.7、93.1、98.5と、ほとんど変化していないことを見てもわかる。
それにもかかわらず、製造業(特に大企業)の利益は増加している。
これは、輸出額増加によるメリットを享受しつつ、輸入価格の上昇による原価増を売上に転嫁してしまうからだ。
資源価格高騰と円安が収まれば、貿易赤字の拡大は一時的なものに終わるかもしれない。
しかし、構造的問題もある。
それを考えると、貿易赤字20兆円というニュースは、決して無視できない深刻なものだ。
~~~
貿易赤字20兆円の衝撃、経常収支も間もなく赤字へ? 無視できない“深刻事態”とは
FinTechJournal「ビジネス+IT」2023/01/30 野口 悠紀雄 : 一橋大学名誉教授
https://www.sbbit.jp/article/fj/105244
■今年度上半期の貿易収支、赤字3898億円…ワクチン含む医薬品輸入が44・7%増
読売新聞 2021/10/20
~~~
財務省が20日発表した2021年度上半期(4~9月)の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は3898億円の赤字だった。
原油価格の高騰や医薬品の輸入が増え、半期ベースで2期ぶりの赤字となった。
輸入額は30・3%増の41兆8546億円だった。
原粗油が2・0倍になったほか、ワクチンを含む医薬品は44・7%増となった。
同時に発表された9月の貿易収支は、6228億円の赤字だった。
赤字は2か月連続となる。
輸出が7か月連続で前年同月を上回る一方で、主力の自動車は部品不足に伴う減産の影響により40・3%減だった。
~~~
今年度上半期の貿易収支、赤字3898億円…ワクチン含む医薬品輸入が44・7%増
読売新聞 2021/10/20
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20211020-OYT1T50065/
■日本のデジタル赤字4.7兆円 22年、海外ITへ支払い拡大
日本経済新聞 2023年2月8日
~~~
日本の企業や個人が使う海外のIT(情報技術)サービスへの支払いが急速に膨らんでいる。
IT大手が提供するネット広告やクラウドサービスなどの利用が増え、デジタル関連の国際収支は2022年に4.7兆円の赤字になった。
デジタル分野の競争力の弱さが経常収支に響く。
モノの輸出で稼ぐ力も陰ってきており、産業構造の転換が欠かせない。
~~~
日本のデジタル赤字4.7兆円 22年、海外ITへ支払い拡大
日本経済新聞 2023年2月8日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA064HT0W3A200C2000000/
■アメリカに押し切られたデジタル貿易協定
安易な妥協は将来に禍根を残す
論座(朝日新聞)2019年11月05日 塩原俊彦 高知大学准教授
~~~
日米首脳は2019年9月25日、デジタル貿易協定に署名した。
現在、同時に締結された貿易協定とともに国会で条約審議中だ。
後者ばかりが注目されているが、実はこのデジタル貿易協定についても十分な検討が必要である。
今後とも急成長が予想されている分野だからこそ、米国との安易な妥協は将来に禍根を残しかねない。
・EUは反対している条項も受け入れ
そもそも「デジタル貿易」とは何か。
決まった定義はなく、米国際貿易委員会(USITC)は、「あらゆる産業部門の会社によるインターネットを通じた製品・サービスおよびスマートフォンやインターネット接続センサーのような関連製品の配送」と定義している。
デジタル貿易の対象となるデジタル・プロダクツは一般に、「コンピュータ・プログラム、文字列、ビデオ、映像、録音物その他のものであって、デジタル式に符号化され、商業的販売または流通のために生産され、および電子的に送信されることができるもの(金融商品をデジタル式に表したもの[金銭を含む]を含まない)」と理解されているようだ。
具体的にどんなものがあるかは図を参照してほしい。
アナという女性は、パソコンのデスクトップなどに使う簡易アプリを世界中に販売している。
そのために彼女はクラウドサービスを利用している。
アプリの拡販のためにソーシャル・メディア・プラットホームに広告も出している。他方で、彼女の顧客は簡易アプリの拡販向けに高い評価をブログなどにアップロードしてくれている。
こんな具合にデジタル通信などを使ったさまざまの活動がデジタル貿易という概念に含まれている。
こうしたデジタル貿易の障害物には、①高い関税、②データ保管の現地化要求、③知的財産権の侵害、④フィルタリングないし遮断、⑤電子支払いシステム規制ないし暗号使用、⑥強制技術移転――などがある。
日米デジタル貿易協定の中身は外務省のサイト(英文、日本文)で確認できる。
注目したいのはその第18条「コンピューターを利用した双方向サービス」である。
これは、2018年9月末に締結された米・カナダ・メキシコ間協定(USMCA)の19.17条の英文と同じ規定を採用している(no Partyかneither Partyかという表記上の違いがあるだけ)。
この日本語訳を一部示すと、「いずれの締約国も、コンピューターを利用した双方向サービスによって保存・処理・送信・流通された、または、そのサービスによって利用可能になった、情報に関連した損害についての責任を決めるのに際して、双方向コンピューター・サービスの提供者または利用者を情報コンテンツ・プロバイダーとして取り扱う措置を採用ないし維持してはらない」となる。
なぜこの規定に注目したかというと、同規定に欧州連合(EU)は反対しているからだ。
にもかかわらず、日本政府はUSMCAと同じ規定に甘んじている。
しかも、この規定は環太平洋連携(TPP)協定にはなかったものであり、米国に押し切られた条項なのである。
・米国内の巨大IT企業を守るねらいが
こう書いても意味がわからないかもしれない。
実は、この規定は米国内法を海外にも認めさせることで、国内の巨大情報技術(IT)関連企業を守ろうとするねらいがある。
1996年制定のコミュニケーション品位法(Communications Decency Act, CDA)のセクション230で、「双方向のコンピューター・サービスの提供者ないし利用者は出版業者ないし別の情報内容供給者によって供給された情報の話者とみなしてはならない」と規定されており、第三者である利用者が供給する情報を広めるだけの双方向のコンピューター・サービスを提供する者や利用者は法的責任を免れることができるとされてきたのだ。
インターネットサービス事業者(ISP)は第三者がオンライン上で提供する内容にまで責任をもたないとされたのである。
これは、ISP、検索エンジン、その他のインターネットサイトに責任を問わないことで表現の自由を最大限に尊重するために特別に設けられた規定であったと考えられる。
結果として、言論の自由を守ろうとしたことが、インターネット上の訴訟からまだ成長途上にあったフェイスブック、ツイッター、グーグル、アマゾンなどを保護することにつながる。
ところが、これらの会社が提供するサービスへの「不干渉主義」が問題解決を難しくする事態も起きている。
たとえばISPが免責特権を錦の御旗として、「意図的で不正確な情報」であるディスインフォメーション(「情報操作 ディスインフォメーションの脅威」参照)が伝播したり、ハラスメントのためのサイトが支援されたり、プライバシー侵害が助長されたりする結果につながってもいる。
だからこそ、米国でも2018年4月、米国の上院と下院は「性的人身売買防止法」と「国家・犠牲者がオンライン性違法取引と闘うことを認める法」を合わせたFOSTA-SESTA Actを立法化し、セクション230を修正、少なくとも性にかかわる違法取引を支援したり、促したりするプロバイダーの法的責任が問えるようになった。
さらに、セクション230の免責特権を狭める法改正を求める動きが米国内に広がっている。
2016年の大統領選で、運営するサイトの内容が虚偽であったりロシア政府の資金に基づく広告であったりしても、フェイスブックが掲載しつづけたことに対して、ソーシャル・メディアへの批判が高まっているためだ。
2019年10月16日には、下院エネルギー・商業委員会の議長らがトランプ政権に対して貿易協定においてセクション230に類似した文言を含める前に委員会に意見を聴くよう求めた。
貿易協定にこんな規定を盛り込むこと自体が間違っているとの主張もある。
それだけこの部分に対する抵抗感が強いのだ。
すでにメキシコはUSMCAを批准したが、カナダと米国はまだであり、今後、この部分が問題化するのは必至の情勢にある。
EUは米国でのCDA制定後、2000年に「E-Commerce指令」を採択した。
「オンラインサービスはある当事者から別の当事者に移された実質的に修正されていない情報に対する責任を負わない」と規定されている。
つまり、仲介者たるISPの責任免責がEUでも限定つきである程度まで認められた。
とはいえ欧州委員会はオンライン・プラットホームのバランスのとれた予測可能な責任体制の擁護が基本姿勢であり、デジタルエコノミーのさらなる発展や投資機会の開放には責任体制の役割向上が不可欠との立場をとっている。
ゆえにEUはISPを何が何でも守ろうとはしていない。
だからこそ、デジタル貿易協定にセクション230の免責特権に類似した規定を盛り込もうとする米国にEUは反発しているし、E-Commerce指令の見直しも進められている。
・「広告内容の真偽より、政治家の言論の自由が大切」
10月23日、巨大なISP、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は下院金融サービス委員会の聴聞会で証言した。
4時間近くさまざまな問題について問い詰められたのだが、そこで、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員(民主党、ニューヨーク州)は、彼女らが主張する、「『グリーン・ニューディール』を一部の共和党議員も支持している」という嘘の政治広告が許されるかどうかをザッカーバーグに尋ねた。
ザッカーバーグは、広告内容の真偽よりも政治家の言論の自由の尊重が大切であるとの自説を変えなかった。
ここで問題になっているのは、意見の場としてプラットホームを運営し、虚偽の広告であっても利益に結びつけてきたフェイスブックの経営姿勢なのである。
フェイスブックのライバル、ツイッター社のジャック・ドーシー社長は米国時間の10月30日、「世界中のツイッターでのすべての政治広告を停止する決断をした」とツイートした。
同社の収益の減少につながっても、あえてこうするにしたのは英断かもしれない。
言論の自由と、その規制の問題は重大であり、ISPの責任をまったく問わないわけにはゆかない。
つまり、ここで紹介した問題はもっともっと国民的な関心事として議論すべき重大な問題なのである。
こうした状況を考慮すると、日本が米国と締結したデジタル貿易協定は米国寄りすぎるのではないかと思えてくる。
そう考えると、議員や専門家、マスコミが無知なのを利用して、デジタル貿易協定でも政府は米国政府に譲歩したのではないか。
つまり、唯々諾々と米国側の要望を受け入れたのではないかと思えてくる。
拙著『なぜ「官僚」は腐敗するのか』(潮新書、2018年)のなかで、「日本の官僚は「四流」」と書いておいた。
ただし、これは裏返せば、その狡猾さでは「一流」であることを意味している。
なにしろ、自らの無能を国民に隠していまでも偉そうにしているのだから。
デジタル貿易協定で米国政府に唯々諾々と従うばかりであったにしても、その事実をマスメディアから隠し、政治家からも糾弾されずにうまく「隠蔽する」ことに彼らは実にたけている。
その結果、有能とはとても思えない茂木敏充担当大臣が「能力抜群」と評されて外相に抜擢されたという報道が広がっている。
官僚を怒鳴りつけることで有名な彼が優秀なのではなく、彼の無能を隠しおおす手練手管をもつ官僚のずる賢さのほうが勝っている。
深刻なのは、デジタル貿易協定を真っ当に評価できない日本のジャーナリズムの能力不足だ。
役人からレクチャーを受けて報道するというばかげたやり方はいい加減に止めてほしい。
しっかりと研鑽を積んで、権力に立ち向かう姿勢を貫いてほしいと願っている。
~~~
アメリカに押し切られたデジタル貿易協定
安易な妥協は将来に禍根を残す
論座(朝日新聞)2019年11月05日 塩原俊彦 高知大学准教授
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019103100003.html
■デジタル・ファシズムへの不安
利便性の背後にあるものは~堤未果の警告・上
デジタル庁の発足で高まるIT化推進への期待の背後に垣間見える不都合な真実
論座(朝日新聞)2021年09月20日 高瀨毅
~~~
・日本政府のプラットフォームを米国のIT企業がつくる
身近な所から説明しよう。
いま各省庁は、様々な分野でデジタル化を進めている。
マイナンバーカードと国民の情報を一元管理(総務省)、デジタル教科書(文部科学省)、マイナンバーカードと健康保険証の紐づけ(厚生労働省)。
こうしたあらゆる省庁の担当プロジェクトを、デジタル庁は全て配下に収めることになる。
補助金申請などの業務もまとめてデジタル庁が管轄するという。
日本の行政は中央も地方も縦割で、手続きに時間がかかり、効率が悪いことは確かだ。
そこで各省庁、地方自治体がバラバラに運営していたデジタル情報をひとつにまとめようというのがデジタル庁だ。
必要なのが「政府共通プラットフォーム」というシステム。
製造・販売元であるベンダーとして選ばれたのは、米IT系大手の「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」である。
日本政府のプラットフォームをなぜ、米国のIT企業がつくるのか。
本書によれば、2015年に日本年金機構がサイバー攻撃を受け、個人情報が流出した事件に遠因がある。
政府は共通プラットフォームに安全ゾーンを追加するよう国内企業に依頼。
ところが、頑丈な安全システムはできたものの、使い勝手が悪く、使われないまま18億円がムダになったのだ。
そこで採用されたのがAWSだ。
・私たちの個人情報が米国に漏洩?
それでも利用しやすければいいではないか、と思うかもしれない。
しかし話はそう単純ではない。
アマゾンは「CIA(米国中央情報局)やNSA(米国国家安全保障局)など、米国の諜報機関との関係が深い企業」であり、「CIAと契約を結び、2020年にキース・アレクサンダー元NSA局長を取締役に迎えている」。
アレクサンダー氏は、NSAによる米国民の大規模な盗聴を指揮したと言われる人物。
さらに、米国に有利な協定も日米間で結ばれている。
「アマゾンのような企業が日本でデジタルビジネスをする際に、その企業に個人情報などを管理するデータ設備を日本に置く要求は、2020年1月に発効した『日米デジタル貿易協定』によってできなくなっている」という。
またアマゾンに限らず、グーグル、フェイスブック、アップル、マイクロソフトの「GAFAM」といったIT大手の持つデータを、米政府は令状なしで開示請求することもできる。
18年に米で成立した「クラウド法」に基づくもので、米国内に本拠地を持つ企業にはすべて適用される。
こうした日米のアンバランスな関係の中で、私たちの個人情報が米国に漏洩(ろうえい)したり、盗まれたりするリスクがあることを著者は示唆しているのだ。
~~~
デジタル・ファシズムへの不安
利便性の背後にあるものは~堤未果の警告・上
デジタル庁の発足で高まるIT化推進への期待の背後に垣間見える不都合な真実
論座(朝日新聞)2021年09月20日 高瀨毅
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2021091600009.html
■前年から経常黒字半減 貿易立国・日本、どこへ 貿易赤字15兆円、過去最大
毎日新聞 2023/2/9
■昨年の経常黒字、半減の11.4兆円 過去最大の貿易赤字が影響
朝日新聞 2023年2月8日 松山尚幹
■原油高と円安で日本の“赤字化”は不可避なのか
第一生命経済研究所の星野氏に見通しを聞く
東洋経済 2022/04/20
■たった1年で「1.5兆円→82億円」に…“赤字目前”の日本が直視すべき悲惨な経常収支
FinTechJournal「ビジネス+IT」2022/08/29 野口 悠紀雄 : 一橋大学名誉教授
■ワクチン輸出国だった日本が、「輸入ワクチン頼み」に落ちぶれた根本原因
開発途絶を招いた「全面敗訴」の重み
PRESIDENT Online 2021/06/01
■街も給与も教育も、米中の支配下に!?
「日本デジタル化計画」の恐るべき裏側に迫る『デジタル・ファシズム 日本の資産と主権が消える』が発売
PR TIMES 2021年8月31日 株式会社NHK出版
■グーグルやアマゾンに価値観まで変えさせてはならない
CNET News 2020年01月28日
■アマゾンの納税額が楽天より圧倒的に低い理由
アマゾンより売り上げが低い「楽天が330億円を超える法人税を納税し、一方、アマゾンは10億円強の法人税納税」
東洋経済 2019/11/11
■アマゾンに日本政府のIT基盤を丸投げ
「政府共通プラットフォームは米国企業のAmazonが提供するAWSに移る」
「現在の日本政府は黒船Amazonの単なる客だ。しかも、国民や政府の機密情報が大々的に流出するリスク」
論座(朝日新聞)2020年09月28日
1985年日航機墜落事故!日本…
【えっ!「同一労働同一賃金」っ…
【「悪魔の雇用システム」現代の…
【東芝はハゲタカのオモチャにさ…