目の前の仕事に忙殺される毎日。
やらなければならないことが山のようにある、忙しい日々。
でも、それは本当にやるべきものでしょうか?
一日は24時間、一年は365日、限られています。
何を優先にし、何を捨てるのか、この取捨選択は企業の未来も、人生をも大きく変えてしまいます。
今回はタイムマネジメントの取捨選択、優先順位に対する考え方についてお伝えします!
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『7つの習慣』という書籍はご存知でしょうか。
だいぶ前の書籍ですが、全世界3000万部発行したもので、著者はスティーブン・R・コヴィー氏です。
スティーブン・R・コヴィー氏はハーバード大学MBA、ブリガムヤング大学で博士号を取得した、リーダーシップ研究の第一人者です。
英・『エコノミスト』誌より「世界で最も大きな影響力を有する経営コンサルタント」と評されました。
2012年7月に他界しています。
そのスティーブン・R・コヴィー氏の著書『7つの習慣』では、成功する人の習慣について述べられています。
「成功する人の7つの習慣」、概要は以下です。
第一の習慣:主体的である
第二の習慣:終わりを思い描くことから始める
第三の習慣:最優先事項を優先する
第四の習慣:Win-Winを考える
第五の習慣:まず理解に徹し、そして理解される
第六の習慣:シナジーを創り出す
第七の習慣:刃を砥ぐ
その中でも今回クローズアップするのが、「第三の習慣:最優先事項を優先する」です。
スティーブン・R・コヴィー氏は、「第三の習慣」において、時間管理について述べられています。
世界中の人たちに共通していること、それが一日24時間という限られた時間です。
成果を出す人も、出さない人もすべて同じ24時間。
やらなければならないこと、やる必要がないこと、様々です。
しかし、成功している人たちは、この限られた時間内に、取捨選択しながら、「やるべきこと」を「選択」しています。
人は一日に約1万回の意志決定をしているとも言われています。
何をするのか、何をしないのか、10年後、20年後には大きな差として開いてくるのではないでしょうか。
何をするのか、優先順位付けは、人生を大きく左右するものかもしれません。
前項で紹介したスティーブン・R・コヴィー氏は、「第三の習慣」において、優先順位を決定するためのマトリックスを2軸、4領域で区分けされています。
まずは、スティーブン・R・コヴィー氏の「時間管理のマトリックス」図をご覧ください。
縦軸が「重要性」、横軸が「緊急性」です。
「緊急性」は、今すぐに対処することを求められていることで、「重要性」は非常に大切にしなければならないこと、あるいは大切にしたいことです。
この2軸を元に、4領域に区分けされています。
第一領域「必須:緊急かつ重要」
第二領域「価値:緊急ではないが重要」
第三領域「錯覚:緊急だが重要ではない」
第四領域「無駄:緊急でも重要でもない」
第一領域の「緊急かつ重要」なことは、客先からのクレーム対応、突然の電話、上司から依頼された急ぎの仕事などなどです。
第二領域の「緊急ではないが重要」は、業務の効率を良くする案を考えること、人材を育成すること、自分の能力を高める勉強や読書、健康維持のためのスポーツなどです。
第三領域の「緊急だが重要ではない」は、重要ではない多くの電話や、無意味な会議など、自分にとっては重要ではないけれども、自分以外の誰かにとっては重要なことです。
第四領域の「緊急でも重要でもない」ことは、噂話などの暇つぶしや、無意味な長電話など、単なる時間の浪費にあたることです。
特に部下などに時間管理が必須だと伝える立場の管理者、リーダーは意識したいマトリックスかもしれません。
すべての人にとって、まず手を付けなければならないことは、第一領域「必須:緊急かつ重要」ですね。
これはまずは必須かもしれません。
そして、すべての人にとって、できる限り捨てる必要があるのが、第四領域「無駄:緊急でも重要でもない」です。
これは、ある意味、意識して「捨てる」必要がありそうです。
そして、この図の最大のポイント、それが、「第二領域」と「第三領域」です。
スティーブン・R・コヴィー氏は、この第二領域を「価値」、第三領域を「錯覚」という言葉を使用しています。
まさに、第三領域は「価値と錯覚」している領域なんですね。
もっというと、緊急でも何でもない。
改めて考えてみると「第四領域」だった、ということが少なくありません。
この第三領域をどれだけ減らせるのか、一日の時間管理にとって非常に重要なポイントとなるのではないでしょうか。
私がベンチャーキャピタリストとして多くの経営者にお会いしてきた中で感じるのが、経営者やリーダーが本当に忙しいことです。
1分1秒を無駄にできないタイムスケジュール。
その中で、特に感じるのが「第二領域」の重要性です。
日々、第一領域に翻弄され、第一領域をこなすだけで一日が終わる毎日。
改めて一歩下がって、自らの時間管理を振り返ってみてください。
第一領域と、第三領域で一日が終わっていませんか?
有能な経営者やリーダーを見ていると、実は第二領域に時間をしっかりと費やしていることに気づくはずです。
第二領域の物事は、往々にして時間がかかり、結果が出にくいものばかり。
やってもやっても、すぐに目に見えないものばかりなんですね。
決算書にも、収入にも、すぐに反映されないものばかりです。
でも、だからこそ、実は「意識して」続けて実行していく必要があるのですね。
その継続が、やがて「価値」を生み出すものではないでしょうか。
会社の「価値」、そして個人の「価値」。
差別化にもつながりますし、競争力にもつながります。
企業で例えるならば、人材育成、研究開発などに当たるかもしれません。
すぐに実績に現れないもの。
だけど、中長期視点では、必ず必要なものではないでしょうか。
企業運営では、同業他社との差別化、競争力が問われます。
同意業他社と比べて、何が強いのか。
でも。
その強みが短期間で形成されるものであるならば、それは、同業他社でも簡単に習得できます。
すぐにキャッチアップされていまいます。
しかし、その強み・価値が10年、20年積み上げてきたものであるならば、それは、同業他社も簡単にマネできないものとなるのではないでしょうか。
中長期で創り上げるもの。
それは、自社が自社であるための、存在意義にもつながっていくのかもしれません。
名言を贈ります。
アマゾンには原動力となる3つの考え方があります。ひとつは「常に顧客中心に考える」こと。ふたつ目は「発明を続ける」こと。3つ目は「長期的な視野で考える」ことです。この経営哲学は10年後も変わりません。将来どのようなビジネスをやっていくかを話すのは難しいですが、アマゾンはこの3つに基づいた企業であると自信を持って言えます。
ジェフ・ベゾス/Amazon創業者
もちろんどこかの時点で顧みる必要は出てくるでしょう。上手くいかないものにいつまでも投資することはできませんから。しかし、ひとつの事業を構築するために5~7年にわたって投資する用意は常にあります。
ジェフ・ベゾス/Amazon創業者
マイクロソフトは、長期的視野でものを見る。未来の方向性を見極めつつ、現時点での製品開発でも後れを取らないように、研究開発に莫大な投資をしている。業界での重要な位置を保ちながら、需要に応じた新しいビジネスモデルへの転換を成功させるのは、どんな企業にとっても大きな挑戦だろう。
ビル・ゲイツ/Microsoft創業者
投資に際して大切なのは、ビジネスそのものです。最近投資したIBMにも同じことが言えます。経営者が素晴らしいうえに、顧客基盤が強固です。最も大切なのは、土台としている事業が自分の一生涯と考えてもいいぐらいの、今後何十年にもわたって持続可能な競争力を持っていることなのです。
ウォーレン・バフェット/投資家
企業は一体何のために存在するのか?事業を興し、社会や経済に富を創出した結果として、報酬をいただくといったところだろう。そこで大事なのが、富を創出するという一点である。富といっても最終利益、つまり金銭的リターンだけではない。雇用を増やし、研究開発や設備増強の投資を積極的に進め、賃借料や利子を支払うのも、また税金を納めるのも、全て富の創出に入ってくる。これらを合わせて付加価値という。この「付加価値をどれだけ高めているか」が、我々長期投資家から見た投資価値の高まりである。どれだけ最終利益を積み上げるかだけではないのだ。企業がどれだけ付加価値を高めようとしているかの分析こそが、5年先10年先の投資価値の高まりの読みでもあるのだ。
澤上篤人/さわかみ投信株式会社創業者
得意技を見極める基準も効率です。資本効率の高い分野は、それだけ付加価値のある仕事をしていることになります。なぜなら、市場経済においては付加価値のある商品やサービスでなければ市場で売れず、利益も上がらないからです。したがって、利益の上がるビジネスが得意分野で、儲からないビジネスは不得意分野ということになります。もちろん、儲からないビジネスの中でも中長期的な成長の糧となる先行投資分野については別です。
宮内義彦/オリックス創業者
最大の長期投資という意味でも、「自己投資」には惜しまずお金を使いたい。将来活かせそうな趣味、本やセミナーだけでなく、人と会って話を聞くための飲み代、視野を広げる海外旅行も自己投資です。私は、子供のいない20~30代前半のビジネスマンは、貯金などせずにすべて自分の価値向上に回すべきだとすら思っています。
午堂登紀雄/米国公認会計士、経営コンサルタント
最も大切なことは、最も大切なことを最も大切にすることである。
スティーブン・R・コヴィー/経営コンサルタント「7つの習慣」著者
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