テンセントという企業をご存知でしょうか。
中国の企業ですが、インターネット関連事業を軸として、アジアではトップクラスの巨大企業です。
あのトヨタよりも時価総額は上回っています。
現在人工知能(AI)分野、フィンテック分野、Iot分野などにも積極的展開し、さらなる成長を目指しています。
今回はこの謎のマンモスベンチャー企業テンセント、その他、中国のメガベンチャーについてお伝えします。
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テンセントは創業、1998年。2004年に香港証券取引所に上場しました。
中国広東省に本社を構え、IT・インターネットサービス関連事業を手掛けています。
具体的な事業内容としては、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、インスタントメッセンジャー、Webホスティングサービスなどを中心にサービス提供をしている企業です。
急成長を遂げたテンセントは、世界でも大注目企業で、時価総額ではトヨタ自動車よりも上に位置しています。
そして何といっても驚きの数字が、アクティブユーザー数です。
IM(インターネットメッセージング)サービス「QQ」は8億人を超え、モバイル向けメッセンジャー「WeChat」もほぼ同数のユーザー8億を抱えるまでに成長しています。
8億!
すごいですね、さすが中国。
中国人口は13~14億人ですが、国民半数以上が上記2つのサービスを利用している計算となります。
そして強みはサービス領域の幅の広さです。
「Facebook」のようなSNSから、音楽・動画配信事業、ゲーム事業、決済事業に至るまで、インターネット関連サービスを中国国内で網羅する勢いがあります。
さらには昨今、人工知能(AI)分野、フィンテック分野、Iot分野にも注力するなど、さらに事業領域を拡大させています。
テンセントの事業は幅広く展開していますが、その中でも「QQ」「WeChat」「Tencent Video」の3つのサービスが中心軸となっています。
1つ1つ見てみましょう。
オンラインメッセージサービスです。
テンセントの黎明期を支えたサービスの一つで、創業翌年にはインターネットメッセージングサービスを開始しています。
MSNメッセンジャーや Yahooメッセンジャーに相当するサービスで、チャットソフトです。
中国のIMサービスのスタンダードとして、当初は主にPC利用が中心でした。
何といっても特筆すべきはアクティブユーザー。
現在でも8億人以上のアクティブユーザーを誇っています。
次に「WeChat」。
これはモバイル版メッセンジャーアプリです。
モバイル向けSMSや通話機能を提供し、日本の「LINE」と「Facebook」のコンセプトに近いサービスです。
スマホ利用者拡大に伴って大きく利用者が伸び、現在約9億人が利用しています。
しかし、この「WeChat」がすごいのは、活用方法の多様化です。
メッセンジャーアプリとして急成長し、昨今注目されているのは、そのユーザーが活用する「モバイル決済機能」です。
中国のスマホ決済額は中国全土で600億円を超えたというニュースもありましたが、それまでアリババのモバイル決済「アリペイ」の独占市場を崩し、2強の一角に食い込んでいます。
「WeChat」の決済利用者は年間8億人を超えるまでに成長しています。
3つ目は「Tencent Video」。
中国最大の動画配信プラットフォームです。
中国国内の動画コンテンツは当然のことながら、海外の動画コンテンツへの投資の他、自社制作にまで幅を広げています。
特筆すべきなのは動画コンテンツのみならず、各種ゲームアプリも含めてコンテンツを網羅しつつあるのが、テンセントの強みとなっています。
現状テンセントの全体売上の大半をゲーム売上でカバーできており、「Facebook」の広告売上が基盤を支えているのとは異なり、今後、様々なコンテンツがさらなる業績拡大の可能性を秘めています。
いかがでしょうか。
テンセントの戦略は緻密でかつ合理的です。
「QQ」や「WeChat」で入り口として一気に利用者を拡大させ、ゲームや動画、音楽などのコンテンツでしっかりと売上を確保します。
今後はリアル、EC共に決済機能をカバーし、FinTech分野への拡大、人工知能(AI)などと融合させながら巨大市場に展開を目指しているようです。
しかしながら、課題もあります。
現状中国国内がメイン市場でもあり、今後海外への展開が可能かどうか、という視点です。
現状、中国政府からも厚い庇護があり、海外同様のサービスとの競合が少なかったことが急成長を可能としました。
しかし、中国人口以外の市場を目指す場合、同様の欧米巨大企業との競争が大きな壁として存在します。
中国国内での横展開(新分野)を成長の軸として考えていくのか、中国以外の国外地域への進出、グローバル化を目指すのか、これからの戦略が一つの転換点となるかもしれません。
テンセント以外にも、中国のベンチャーは驚きの成長を続けています。
ご存知、有名中国ベンチャーとしては、ネット通販最大手アリババ、ネット検索大手百度(バイドゥ)、低価格スマホで急成長した小米科技(シャオミ)などもありますが、それ以外にも多数のベンチャーが生まれ、進化しています。
中国は人口も多く、サービスが一旦臨界点を超えると、その分野で一気にシェアを確保し、世界有数のベンチャーに急成長することも背景にあります。
中国の驚くべき急成長巨大ベンチャーを一部見てみましょう。
自動車配車ウェブサイト及びタクシー配車アプリの米ウーバー(Uber)の中国版、テンセントが株主でもあります。
このアプリで1日100万件のタクシーブッキングが行われているそうです。
米ウーバー(Uber)中国事業を吸収合併し、現在この分野では市場シェアほぼ100%独占、時価総額は500億ドル(5.6兆円)にも及んでいます。
中国のニュースキュレーションアプリの「今日頭条」(トーティアオ)を運営するバイトダンス社は、創業5年にして企業価値が1.2兆円。
TouTiaoはデイリーアクティブユーザー(DAU)が8000万ユーザー、月間ユーザー(MAU)は1億7000万ユーザー、広告売上は一部報道によれば年間8億ドル(約883億円)以上と言われています。
中国発のシェア自転車のメガベンチャー「モバイク(Mobike)」。
サービスイン後わずか1年で1日の総利用回数2000万回を突破、評価額1000億円超となり、中国のメガベンチャーの仲間入りを果たしました。
IoTやAIなど「技術による効率化」を最大限活用し、利用者のすべての情報を把握、ビックデータとしての情報収集にも長けています。
上記の他、太陽光発電事業、EV事業など、新規分野でも巨大中国ベンチャーが次々に産まれています。
1998年に創業したテンセント、8億人以上利用するサービスを複数有し、今では中国を代表する企業にまで成長している、大注目企業です。
特筆すべきは、急成長した中国の巨大ベンチャー企業は、自らサービスや事業を生み出す以外に、新興ベンチャー企業への投資を積極的に行っていることです。
特に、決済などFinTech分野、人工知能(AI)分野、さらにはAIを活用した医療分野にまで広げ、中国全土、いや、世界各国に不可欠な存在として君臨しつつあります。
今までは技術やサービスを「マネ」「パクリ」するのは中国、という一般的固定概念でした。
しかし、今後は新しい分野での世界的イノベーションが中国から生まれる、という時代が来るかもしれません。
日本も負けてはいられません。
今、日本は、中国を超える、グローバルでダイナミックな創造性が求められているのではないでしょうか。
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