ベンチャー企業にとって、成長の指標の一つはまずもって「売上」ですよね?
売り上げがあって、利益が計上されるわけです。
当たり前ですね。
でも、この当たり前が実際難しい。
多くの営業担当の方が実体験しているのではないでしょうか。
今回は売上において重要な意味を持つ「顧客管理」についてお伝えします!
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昨今マスコミをにぎわす飲食店の予約無断キャンセル問題。
有償化をより厳密にしていく方針のようですね。
確かに、昔に比べて増えているのが、「ネット予約」ですよね?
以前は電話でお名前や連絡先を直接話して予約していました。
それが今やネット予約の時代。
直接人と話して予約するという機会が無くなった分、無断キャンセルが心理的にもハードルが下がっているのかもしれません。
3、4名程度の予約ならまだしも、20名、30名規模のキャンセルは飲食店にとって大きなダメージではないでしょうか。
飲食店運営側として想像すると、確かに名前とメールアドレス、電話番号だけでは確かに不安です。
偽名の方もいらっしゃるでしょう。
では、飲食店として、どうすればよいのでしょうか。
そういえば、海外では昨今、飲食店の予約時に、クレジットカード情報入力する事例が増えているそうです。
もちろん、セキュリティ部分のハードルがあるものの、飲食店予約における一つの解決策かもしれません。
でも、やはり、飲食店や店舗運営における重要なポイントは、「リピーター客」の確保ではないでしょうか。
いつまでも新規顧客だけをターゲットにしても、いつかは顧客が来なくなるというリスクを抱えてしまいます。
大事なのは「リピーター」かもしれません。
いつも来ていただける顧客であれば、ドタキャンリスクも減りますよね。
そのためには、「顧客を知る」ことも重要です。
顧客を理解し、自社のどこに、何の価値を持っていただいているのか、理解し、適切な対応と暖かいコミュニケーションがあれば、きっと何度も足を運んでくれるのではないでしょうか。
BtoB事業、BtoC事業に限らず、売上を伸ばすにあたり、重要な意味を持つのが、「顧客管理」ではないでしょうか。
何となく、誰かが買ってくれるでしょ?という時代はすでに過ぎ去っています。
必要としている方に、必要としているタイミングで、ニーズにマッチしたご案内を実施することが、売上を伸ばすにあたって非常に重要かもしれません。
重要なのは「顧客管理」。
管理される顧客のほうは、少し違和感を持つかもしれませんが、しっかりと顧客を理解し、顧客と向き合う為にも、重要と言えるのではないでしょうか。
そもそも、「顧客管理」って何でしょう?
少しみてみましょう。
顧客管理とは顧客の個人情報(BtoBなら企業情報)を管理することで製品やサービスの開発、マーケティング活動に活かすことを指しているマーケティングの用語です。
顧客管理で管理する情報としては、一般的な個人の消費者を相手にするBtoCビジネスなら氏名や住所、他にも製品やサービスの購入履歴があります。
企業を相手にするBtoBビジネスの場合には企業名の他に、業種や売上規模、従業員数など、企業情報も同時に管理することになります。
BtoC、BtoBに共通して管理することには製品やサービスの購入履歴があります。
例えば、以下のような情報です。
・顧客の属性:連絡先、会社名、役職など
しかし、単なる情報を羅列することが「顧客管理」ではありません。
これでは「単なるメモ帳」ではないでしょうか。
実際、この「顧客管理」から売り上げアップや、経費削減に結び付くような活動がなければ、本当の意味での「顧客管理」とはならないかもしれません。
それでは活かす「顧客管理」にするためにはどうすればよいのでしょうか。
顧客管理は、顧客情報に加えて、顧客の購買履歴やマーケティング活動の反応、サポートまで様々な情報を記録するようになってきました。
つまり、顧客管理とは、顧客との「関係」を管理(マネージメント)することであって、顧客情報そのものを管理することだけにとどまりません。
商品やサービスを購入してもらうために、顧客との関係性(エンゲージメント)を維持することを指します。
顧客との関係管理を「エンゲージメントマネジメント」と言ったりします。
「Engagement」は日本語で「約束、婚約」、つまり親密度と表現してもいいかもしれません。
顧客との関係性を維持して売り上げを上げるのが目的のため、ただなんとなく顧客の情報を記入するのとは違います。
主に記入しておく項目は大きく分けて以下の3つです。
・顧客の属性:連絡先、会社名、役職など
・商品やサービスの購入履歴:購入商品、値段、回数
・収益性:累計の売り上げ、利益、平均の購入単価
BtoBの場合は担当者と何回目のアポイントメントかという回数を記入したり、BtoCの場合は実店舗への来店回数などを記入したりする場合もあります。
具体的にはマーケティング活動で送った宣伝・広告メッセージに対する反応、直近の購買履歴などから適切なマーケティング活動を行うこと、さらにはマーケティング活動やセールスを効率化していくことができます。
自社の顧客がどのようなニーズを抱えているのかを探ることで今後の製品やサービスの開発に活かすことができますし、また、現在の顧客との関係性を適切に管理できていれば適切な顧客に適切なメッセージを送り、効率的なマーケティングやセールスを行えます。
新規顧客を獲得して利益を上げるためには既存顧客からの利益よりも5倍のコストがかかると言われています。
顧客管理によって既存顧客の維持にもつながる顧客管理を適切に行い、戦略を構築することができれば既存顧客維持につながり、顧客維持率を伸ばすこともできます。
顧客管理を行うことによって既存顧客との関係性を維持することができれば新規顧客を獲得するよりも効率的に利益を上げることも可能となります。
熾烈な業界であればあるほど、顧客争奪戦に巻き込まれます。
顧客一人一人にきめ細かい対応を行い、顧客満足度を向上させることが重要になります。
そして、きめ細かい対応を行うためには、顧客一人一人、一社一社を『知る』ことが重要となります。
以前に比べて新規顧客の獲得コストが大きく上昇しています。
例えば、ある企業に電話営業をかけても、以前に比べてはるかに担当者に取り次いでもらえる確率が減っていると言われます。
営業を受ける側も、経験を積んで断り上手になったことが主な理由でしょう。
電話代、広告費、人件費等、新規顧客開拓には多くのコストがかかってしまいます。
例えば、広告費もそうです。
「こんな情報必要無いのに・・・」と思える、企業の宣伝・広告がぎっしりつまったメールやDMを受け取ることも少なくありません。
正直なところ、あまり気持ちの良いものでもありません。
一斉にDMを郵送しているところもあるのかもしれません。
FAXもそうです。
むやみやたらに配信する業者も多いのではないでしょうか。
適切な広告媒体の選定にもつながります。
適切なマーケティングと顧客管理が紐づくことで、自社にとって一番効率の良い広告媒体はどれか、顧客管理とリンクすることでコストパフィーマンスに優れた媒体を知ることもできます。
営業費用は、コスト増加に結び付いてしまいます。
ニーズのないところへ、コストを使うことの無意味さはご承知の通りではないでしょうか。
しっかり、ニーズのある顧客へのピンポイントでのアプローチ、これが顧客にとっても有益となるはずです。
過去を分析し、ニーズに合わせた情報を提供することでしていれば、見込み客に有益な情報がピンポイントで届くはずです。
営業活動そのものも効率化できるのではないでしょうか。
一度離反してしまった顧客は、もう二度と顧客にならないのでしょうか?
いえ、そうではないでしょう。
たまたま、その商品やサービスに必要性を感じなくなって、使わなくなってしまったなどもあるかもしれません。
忘れてしまっていた、などの理由もあるかもしれません。
継続的な顧客管理を行うことで、再顧客化もメリットの一つです。
ある製品の顧客と業務内容が似ている他の見込み客に製品の販売や、ある製品利用のお客さまに別の製品を提案するなど、顧客情報を活かした営業活動も可能になります。
時期的なセグメントや業界的なセグメントなどから、新たなニーズの発見も再顧客化に結び付く場合があります。
旧顧客から、新しい関係の糸口が見えてくるかもしれません。
顧客に関連するあらゆる情報を蓄積していくと、顧客の動向や傾向が分析できるようになります。
今後の顧客動向の予測が立てやすく、機会損失を減らすことにもつながります。
つまり、マーケティングだけではなく、経営指標における重要な判断材料にもつながっていきます。
例えば、受注や失注の要因分析、アンケート結果などから様々な情報が蓄積できます。
こういった蓄積した情報を分析することで、接客・サービスの改善であったり、新商品開発へのフィードバックとしても活きてきます。
一人一人へのきめ細かいアフターフォローの必要性も見えてくるかもしれません。
自社の製品やサービスの改善につなげることができます。
また、顧客管理を通じて営業商談状況を管理していれば、来月・再来月の見込み売り上げが見えてきます。
この数字をもとに、経営判断として人員の採用など経営リソースの先行投資もできるようになります。
新たな人員の投入は、売上拡大や顧客満足の向上につながるはずです。
つまり、「顧客管理」から重要な経営判断の情報がある、といっても過言ではないでしょう。
「顧客管理」は多くのメリットがあります。
しかしながら、顧客管理にも気を付けるべきポイントがあります。
以下、顧客管理で気を付けるべき2つのポイントです。
「なぜこれをするのか?」「何が目的なのか」をきちんと理解しておかないと、形骸化してしまいかねません。
企業や従業員が一丸となって取り組む姿勢・体制も重要です。
単なる「顧客メモ」にならないためにも、顧客管理で何を実現するのか、社員一人一人がその目的を理解する必要があります。
その意識の集約した情報こそ、多くの経営分析につながっていきます。
2005年から施行されている個人情報保護法は、個人情報を取り扱う企業は適切な情報管理をすることを求める義務規定が設けられています。
顧客情報漏えいはあってはならないことです。
特にBtoC事業の場合、個人情報の漏えいは企業の命取りにもつながってしまうリスクをはらんでいます。
情報管理の権限を限定するなど、「誰がどの情報を利用するのか?」「誰が情報を入力するのか?」ということを明確にすることも必要となります。
顧客情報管理方法の仕組み、システム化なども検討する必要があるかもしれません。
単なる名刺管理にとどまっているのでは、大きな損失につながりかねません。
顧客管理は経営全般にも大きな影響があります。
昨今は顧客管理のクラウドサービスなども充実してきています。
経理システムなどと絡めて、顧客管理や受発注管理、在庫管理などトータルにシステム化することも可能です。
以前は「経営のシステム化」は大企業が数千万円を投じ、社内システムを整備するという形態が一般的でしたが、昨今は中小企業、ベンチャー企業向けの安価な汎用クラウドサービスも充実してきています。
顧客や取引先、社員を理解することで、見えてくるのは、実は自社。
一番見えない「私たち」を映し出してくれるのではないでしょうか。
孫子の兵法、「彼を知り己を知れば百戦殆からず」に通じるのかもしれません。
経営において「感」は非常に重要なファクターです。
しかし、その重要な「感」を活かすためにも、多角的視点で自社をとらえることができれば、より的確な素晴らしい一手が打ち出せるのかもしれません。
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