家の掃除をしていたらソファの下からペットである愛犬に与えた餌が出てきた…、そんな経験をしたことのある飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
それではなぜ、犬は餌を隠すのでしょう。
犬が餌を隠す行動は、野生の本能が関係している!?
愛犬が与えたドッグフードを隠しているのを発見したら、飼い主として愛犬へのしつけに不十分な点があるのかな…と不安な気持ちを抱く飼い主さんもいるかもしれません。
でも安心してください。
犬が餌を隠すのは飼い主さんによるしつけが原因ではなく、犬本来の動物としての本能、その習性が原因なのです。
野生の犬は、一度に食べきれないだけのご飯を取れることが多々あります。
野生時代はいつでもご飯を食べられるわけではないので一度狩りで獲物を得ると、食べきれない分は穴を掘って隠し、取られないようにしていました。
そんな時、他の犬に自分が取ったご飯を取られないように地面に穴を掘ってご飯を隠していたのです。
犬は野生時代の名残で食べ物に近付く者には強い警戒心を持ちます。
つまり犬には、もともと他者に自分のご飯を取られないようにとご飯を隠す習性があるのです。
そういえば、エサを隠すのは、犬だけではないですよね。
有名な動物ではリス、キツネ、猫、鳥類の一部も近い行動をする種類がいますし、ハムスターもこうした「隠す」ということをよくやります。
では、犬が餌以外のものを隠す理由って?
犬がエサを隠すのは、その習性が原因であることは分かりました。
しかしながら、中には飼い主さんが与えたドッグフード以外のおもちゃや飼い主のスリッパを隠す犬もいます。
こういったえさ以外のものを犬が隠す場合、その理由は何でしょうか。
愛犬がおもちゃを隠している場合、これはおもちゃを大切な宝物のように思って誰かに取られないようにするために隠しているからだといわれています。
隠すことで「誰にも取られないぞ」という安心感を得たいようです。
人間が大切なものを金庫に入れて保管するような安心感に近いのでしょう。
貴重なものほど「失いたくない。いつまでも残しておきたい」という気持ちは、犬も変わらないようです。
また、愛犬が飼い主さんの香りがついている飼い主のスリッパ等を隠す場合、これは犬がもっと飼い主さんから構ってもらいたいというアピールの一種であるともいわれています。
愛犬が穴を掘るような行動をとっている。その理由は?
しかし、穴掘りが常に保管目的とも限りません。
単に、穴を掘って終わりになる場合もよくあります。
これはほとんどの場合、退屈しのぎでやっているようです。
リードで小屋につながれているときは、暇な時間も多くなります。
「退屈しのぎに穴でも掘るか」と思っています。
また、野生の犬は巣穴を掘ってその中で寝ていたことから、寝る前に穴を掘るような行動をとる場合もあります。
こうした習性は、犬によって違いがありますが、特にテリア系の犬は、頻繁に穴を掘ることでしょう。
スコティッシュテリア、ヨークシャーテリア、ジャック・ラッセル・テリアなどのテリア系の犬です。
テリア系の犬は、もともと土の中にいる小動物の狩猟用として育成されてきたため、穴を掘る習性が特に強いです。
犬のための理想としていえば、犬の好きなように穴を掘らせてあげるのが一番です。
穴を掘ることで運動にもなりますし、ストレス発散にもなります。
餌を隠す犬の行動。飼い主さんはどう対応したらいいの?
それでは、犬が餌として与えたドッグフードを隠す行動が続く場合、飼い主さんはペットである犬にどのようにして接していけばよいのでしょうか。
ご説明した通り、ごはんを隠す行動は犬の習性が原因です。
決して犬が違反行為のような行動をとっているわけではありません。
よって、飼い主さんがきつく叱ることは避けましょう。
きつく叱ってしまうと、犬は飼い主さんが犬自身のごはんを取る相手だと勘違いし、それまで以上にえさを隠すようになる場合もあります。
まずは、犬に与えているドッグフードの量を見直しましょう。
ペットとして飼育されている犬が餌を隠すのは、そもそも飼い主さんが与えたドッグフードを食べきれずに残っている場合がほとんどです。
ドッグフードを残しているのを見つけたら、愛犬がどこかに隠す前にさっさと片付けることも大切かもしれませんね!
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