【北野武「ヤワな優しさを捨て、野性を取り戻せ。国の理不尽に本気で怒るのも〈新しい生活様式〉」 婦人公論2020/08/03】
少し一部記事をご紹介いたします。
「日本の政治家もよその国を笑ってられないよ。小池都知事だけでなく安倍(晋三)首相や大臣、与野党議員も揃ってひどい。マヌケの集まりに見えたもん。国民全員から消費税を巻き上げておいて、あんなケチくさいマスク配ってる。笑っちゃうのは安倍さん以外、与党の誰もアレつけないんだよ(笑)。そんなのに466億円出すんなら、生活困窮者に小切手でも送ればいいのにさ。人種差別抗議デモに軍隊を呼ぼうとしたトランプ(大統領)ですら、小切手配布したんだよ。
野党も必死で闘えよと思ったね。緊急事態宣言を解除してもまだ内閣は倒れないし、みんなでのん気にやってる。第二波に備えて自粛要請したらどう商売をやっていけばいいのかとか、残業してでも委員会でガイドラインを決めておくべきなのに働かないんだもん。ほかの国だったら暴動だよ。なんてお行儀のいい、優しさに満ちた国民に恵まれたんだと、政治家は手を合わせて感謝しろよって思うね。
しかし、「新しい生活様式を」なんて、いきなり国に言われてもね。それを言ってるのがイヤイヤ人助けするような連中だから、「まず、お前らがやってみせろよ」としか言いようがない。逆に国民が国の理不尽に本気で怒ってみるのも、「新しい生活様式」なのかもしれないね。だって、優しすぎるもの。
いつから「優しさ」ってことに世間は価値を見出しちゃったんだろうね。本来なら優しさは素っ気なく見せるもんだったはず。今じゃ「ほら、親切だろ」って押しつけてみせるじゃない。みっともないよ。優しいってのは、本当に思う相手へ厳しく接することもあるんで、わかりにくいんだ。これみよがしの優しさに心動かされることを「ヤワになった」と思わないんじゃ、ダメだね。
俺は、感性から変えないと「新しい生活様式」とは言えないと思ってる。リモートだのステイホームだのは格好だけで、本質は変わらないんだもの。俺が最近思うのは、「野生」の感性ってものが日本からなくなりつつあるということ。」
【北野武「ヤワな優しさを捨て、野性を取り戻せ。国の理不尽に本気で怒るのも〈新しい生活様式〉」 婦人公論2020/08/03】より引用
以上です。
いかがでしょうか。
北野武さんらしい、皮肉のある、ユーモアのあるコメントではないでしょうか。
この北野武さんのコメントを拝見して感じたのが「国民と政治の乖離」です。
日本に住んでいる日本人が、政治と生活を分けて考えているように感じます。
ビジネスの場面では「政治」と「野球」の話はNGだと、以前の会社の先輩にも教えられました。
ビジネスだけではなりません。
少し距離のある友人と話すときも、政治の話を持ち出すことは、なんとなく気が引けます。
これは多くの日本の方が感じる部分ではないでしょうか。
政治のネタはタブー。
ただ、私たちの生活、地域の生活、地域の経済は、必ず「政治」と密接につながっています。
地域の政治方針、行政の方針、そして国の方針は、回りまわって「私たちの生活」にフィードバックされます。
リーマンショックを超えるコロナ不況は、確実に私たちの足元に及んできます。
だから「政治」は私たちの収入や家計、そして子供たちの進学や就職にも大きな影響が及ぼされるのではないでしょうか。
「国の政治はわからない」と他人事のように思うのではなく、自分たちの家族や友人にも大きな影響を及ぼしています。
もっと身近に「日本の将来」「日本経済のゆくえ」など話し合うことも、必要なのかもしれません。
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