【社会保険料を引き上げ72%が反対!】一揆寸前?令和の時代の「五公五民」~「維新は減税政党ではない」減税公約を反故にして増税議論を求める維新~
■「そろそろ一揆」「もうお金ない」少子化対策で社保料アップ72%が反対、庶民の切実な声を聞け
FLASH 2023.04.17
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4月15・16両日、毎日新聞が実施した全国世論調査で、少子化対策の財源を確保するために、社会保険料を引き上げることについて、「反対」が72%と、「賛成」18%を大幅に上回った。増税による財源確保については、「反対」67%「賛成」24%だった。
岸田内閣の支持率は36%で、前回調査から3ポイント増加。内閣支持率は上昇傾向を示している。
社会保険料引き上げ「反対」が高い数字を示したことに、SNSでは納得するとともに、苦境を切実に訴える声が多くあがった。
《ただでさえ「税金+社会保険料」でほぼ5割を政府に召し上げられているというのに、さらに保険料引き上げとなれば反対が多いのは当然。そろそろ一揆が起きるかも》
《子供産まないのは金銭的負担が一番の原因なのに現役世代の負担重たくしてどうすんだよ》
《岸田さん!みんなもうお金ないんですよ》
政府は4月7日、「こども未来戦略会議」の初会合を開いた。児童手当拡充など「次元の異なる少子化対策」の財源を議論し、6月にまとめる「骨太方針」で大枠を示す方針だ。
財源については、医療や年金、介護などの社会保険料に上乗せする案が軸となっている。
4月13日、「こども未来戦略会議」のメンバーの一人で、連合の芳野友子会長は定例会見で、「徴収しやすいところから取るという方法はどうなのか」と異論を唱えた。
「社会保険料を活用すると労使折半で負担することになり、賃金に影響してくる。今は賃上げの方が非常に重要だ」とも指摘した。
これに対し、公明党の石井啓一幹事長は、14日の記者会見で、「(社会保険料は)財源の一つだ。批判する方もいるが代替の財源をどう考えるのか示して議論したらよい」と苦言を呈した。
「少子化対策は将来の現役世代を確保していく意味で社会保険制度の安定性に寄与していく政策だ。
そこから拠出していくことは一貫性がある」とも強調した。
だが、社会保険料の引き上げにも限界がある。
社会保険料には、「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」「雇用保険」「労災保険」の5つある。
健康保険料率は2003年度に8.2%だったが、現在の全国平均は10.00%に上昇した。
厚生年金保険料率は2004年度の13.58%から年々上がり、2017年度以降は18.3%となっている。
2000年度から始まった介護保険料率は、当初0.6%だったが、2023年度には1.82%と3倍に増加した。
また、雇用保険料率は、労働者の負担は賃金の0.3%だったが、2023年度は0.6%に引き上げられた。
なお、労災保険料率は業態によって異なり、3年ごとに改定されるが、事業者負担なので労働者の負担はない。
2月に公表された財務省の資料では、2023年度、税負担と社会保障負担をあわせた「国民負担率」は46.8%となる見込みだ。
社会保険料の引き上げに「反対が72%」という数字を、政府には真剣に考えてほしいものだ。
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「そろそろ一揆」「もうお金ない」少子化対策で社保料アップ72%が反対、庶民の切実な声を聞け
FLASH 2023.04.17
https://smart-flash.jp/sociopolitics/231451
■少子化対策で社会保険料を引き上げ 72%が反対 毎日新聞世論調査
毎日新聞 2023/4/16
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毎日新聞は15、16の両日、全国世論調査を実施した。
政府が3月に発表した少子化対策の案を評価するか尋ねたところ、「評価する」は26%にとどまり、「評価しない」の53%を下回った。
岸田政権は「異次元の少子化対策」を打ち出し、3月末に発表したたたき台には、児童手当の所得制限撤廃や男性育休の取得率向上策などを盛り込んだ。
少子化対策の財源を確保するために、社会保険料を引き上げることについては、「賛成」が18%で、「反対」の72%を大幅に下回った。
また、財源確保で増税することについては、「賛成」が24%、「反対」が67%だった。
岸田文雄首相は6月にまとめる経済財政運営の指針「骨太の方針」までに、子ども予算倍増に向けた大枠を示すと表明している。
政府は少子化対策の財源について、社会保険料に上乗せして集める案を検討しているが、増税よりも反対の割合が多い結果となった。
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少子化対策で社会保険料を引き上げ 72%が反対 毎日新聞世論調査
毎日新聞 2023/4/16
https://mainichi.jp/articles/20230416/k00/00m/010/062000c
■一揆寸前?令和の時代の「五公五民」は本当か 「国民負担率47.5%」の意味を考える
東京新聞 2023年2月25日
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財務省は2022年度の「国民負担率」が47.5%になる見込みだと発表した。
国民や企業が所得の中からどれだけ税金や社会保険料を払っているかを示すという率で、防衛増税も取りざたされる中、世間では「江戸時代の五公五民と同じ」などと嘆きの声も。
だが、この国民負担率という概念や言葉、実は世界的には使われていない日本独自のものだという。
いったいこの数字、どう受け取ればいいのか。
改めて考えてみる。(中山岳、岸本拓也)
・税金・社会保障負担/個人や企業のもうけ
国民負担率とは何か。財務省のホームページには、「租税負担率と社会保障負担率の合計」とある。
租税負担は、個人が納める住民税や所得税、企業が納める法人税などを指す。
社会保障負担は、労使で分けあって払う年金、雇用保険、介護保険などの保険料だ。
国民負担率を計算するには、こうした租税・社会保障負担の合計を、個人や企業が稼いだ「国民所得」で割る。
ざっくり言うと、個人や企業のもうけ(分母)に対し税金・社会保障の負担(分子)が占める割合を表している。
国民負担率は1967年の財政制度等審議会で政府側が出した資料に初めて登場した。
財務省の西川昌孝調査課課長補佐は「昭和40年代(1965年~)から算出していたようだ」と話す。
公表が始まった1970年度は24.3%で、年ごとの増減はあるもの、79年度(30.2%)に3割を超え、2013年度(40.1%)に4割を突破。21年度は48.1%で過去最高になるなど、近年は5割近い。負担部分の推移では、少子高齢化にともない社会保障の増加傾向が続いてきた。
ツイッターでは、江戸時代に領民が領主に納める年貢割合を引き合いにして「令和の時代に”五公五民” 江戸時代とどっちがマシなのか」と嘆く声も出ている。
ただ、「財務省として国民負担率が高いと悪い、低いと良いといった評価はしていない」と西川氏。
例えば社会保障負担の増加は、裏を返せば年金、介護などの公的サービスの受益部分を支えており、「給付と負担のバランスを考えるための一つの材料として提示している」と説明する。
・歴史的には抑制を目指してきたはず
とはいえ、歴史的には、日本は負担率抑制を目指す方向で議論が進んできた。
1980年代前半に行政改革の方向性を示した「第2次臨時行政調査会」(第2臨調)委員だった瀬島龍三・元伊藤忠会長は、83年の参院特別委員会で「受益と負担という観点で、租税負担率よりも社会保障負担はある程度上がることはやむを得ない」としつつ、国民負担率を巡る臨調内の議論を紹介。
「できれば40(%)で抑えたい、真にやむを得なくても45(%)以下にすべきである、そしてヨーロッパの水準より低くしておかにゃいかぬ」などと述べた。
第2臨調解散後、中曽根康弘政権下で発足し瀬島氏が委員を務めた「臨時行政改革推進審議会」(行革審)も、こうした方針を堅持。
90年の第2次行革審最終答申は、21世紀初頭の目標として「高齢化のピーク時でも国民負担率が50%を下回る簡素で効率的な政府」を目指すとした。
こうした方針からは、5割近い国民負担率なら高齢化が進むなかで許容すべき水準のようにも取れる。
だが、元財務官僚で明治大の田中秀明教授(公共政策)は「借金でまかなう財政赤字を考慮していない」と語り、国民の負担を測る指標にふさわしいのか疑問を呈する。
近年の財政は赤字が続いて国債発行も膨らみ、将来に負担を先送りしている面があると指摘。
財務省が毎年公表するのも「途中でやめると批判されると考え、続けているにすぎないのではないか」と本気度を疑う。
・国際的には低い方に見えるが…
では、世界はどうなっているのか。
たとえば財務省が作成した資料によると、ルクセンブルクの国民負担率は84.6%(2020年)と突出している。
ただ、ルクセンブルクは、隣国のフランスやドイツなどから通勤する越境労働者の割合が約半分に上り、これらの労働者の所得は、国民所得に入らない。
このため国民負担率の分母が小さくなり、実態より負担率が高くなっているとみられる。
これは例外としても、同資料では、経済協力開発機構(OECD)加盟36カ国のうち、日本の国民負担率は欧州諸国より低く、米韓などよりは高い22位。
一見して負担率が小さい部類のように思える。
しかし、本当にそうなのか。
そもそも、国民負担率という用語は日本独特だという。
ニッセイ基礎研究所の篠原拓也主席研究員は「諸外国には国民負担率に該当する言葉はない。海外では国民所得ではなく、国内総生産(GDP)比でみた租税や社会保障負担の指標を用いることが一般的だ」と指摘する。
・負担は重いのに高福祉は受けられない
国民所得とGDPの違いで大きいのが消費税などの間接税の扱いだ。
GDPを基に算出される国民所得は、間接税が省かれるため、間接税率の高い欧州諸国は、国民負担率が高めに出やすい傾向がある。
GDP比で負担率をみると、日本と欧州諸国の差は縮まる。
さらに、日本は社会保障などを借金(国債)に依存しており、財政赤字分も加味したGDP比の「潜在的国民負担率」はコロナ禍前の19年度で35.8%と、福祉が充実したスウェーデンの37.1%に迫る。
コロナ禍で財政支出が増えた20年度には、日本が上回った。
単純比較ではあるが、日本は、スウェーデンほどの高福祉は受けられない一方、同等以上の負担を強いられていることになる。
受益と負担のバランスはどうあるべきか。
負担率を下げるには、分子となる税金と社会保険料を減らすか、分母の国民所得を増やすかだ。
理想は両方を追求することだろうが、篠原氏は「租税や社会保険料は、高齢者福祉に使わざるを得ない。伸びを抑制するのが精いっぱいで、そうそう削れない」と指摘する。
年金や医療、介護などに国が支払う社会保障給付費は22年度で約131兆円。
高齢化がさらに進み、25年度には約140兆円、40年度に約190兆円になると政府は試算する。
・「負担が重いから成長できない」
経済をもっと活性化して分母を増やす方向を目指すにしても、「日本は長年ずっと経済を発展させようと取り組んできて、なかなか形にならなかった。
少子高齢化で労働人口が減る中、リスキリングで既存労働者の生産性と賃金を上げないといけないが、どれも道半ば。これをやったらうまくいくという明確な解決策は見当たらない」と話す。
一方、「日本が経済成長できていないのは国民負担が重すぎることが要因の可能性が高い」と指摘するのは、イトモス研究所の小倉健一所長。
国民負担率が1%上昇すれば、成長率が0.3%低下する「負の相関関係」があるとする、日銀の分析を踏まえて、こう訴える。
「国民負担が増えて経済成長に良い影響を与えるわけがない。大盤振る舞いのガソリン補助金などバラマキ政策を見直す一方、減税で国民負担を減らせば、長い目で見て経済成長につながっていく」
前出の田中教授は、年金などの社会保険料に、所得の高い人ほど負担割合の少ない「逆進性」があることを問題視する。
「国民の負担を議論するならば、逆進性のある保険料負担をどう改めるかを、まず考えるべきだ」と現行の枠組みの見直し、あるべき受益と負担のバランスを議論する必要があると説く。
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一揆寸前?令和の時代の「五公五民」は本当か 「国民負担率47.5%」の意味を考える
東京新聞 2023年2月25日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/233074
■国民負担率47.5%で「五公五民」がトレンド入り「日本中で一揆が」「江戸時代とどっちがマシ」の声
FLASH:2023.02.22
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2月21日、財務省は、2022年度の「国民負担率」が47.5%になる見込みだと発表した。
過去最大だった2021年度の48.1%をやや下回ったものの、国民所得のほぼ半分を占めている。
「国民負担率」は、国民所得に占める税金や社会保険料(年金・医療保険など)の割合で、いかに公的負担が大きいかを国際的に比較する指標の一つ。
2022年度は、税負担が28.6%、社会保障負担が18.8%で、合計で47.5%と見込まれている。
国民所得のほぼ半分が公的負担に奪われる事態に、Twitterでは悲鳴にも似た声が多くあがり、《五公五民》がトレンド入りした。
《五公五民やん。一揆起こさなあかんレペルですやん》
《令和の時代に“五公五民”江戸時代とどっちがマシなのか》
《日本は五公五民にまできた。防衛費倍増になると、六公四民か七公三民になりそう》
「五公五民は、江戸時代の年貢率を表現した言葉で、全収穫量の5割を領主が取り、残り5割が農民の手元に残ることを示しています。江戸時代の初期は四公六民でしたが、徳川吉宗によって推し進められた享保の改革以降、五公五民に。大飢饉に見舞われた享保から天明年間には、村役人や富農の屋敷を破壊するような『百姓一揆』が増えたといわれています。
国民負担率の統計が始まったのは1970年度ですが、実はこのときは24.3%しかなかったんです。20年前の2002年度でも35.0%でしたが、高齢化にともなう社会保険料の増加などで、2013年度に40%を超えました。今後も、大きく減る見込みはありません」(週刊誌記者)
国民負担率の高さについては、2020年10月20日、参院予算委員会で、浜田聡議員が岸田首相の見解を問うている。
「稼いだ額の半分を “お上” が召し上げる状況であると考えられます。国民の活力がなくなるのは当然だと思います。高すぎる国民負担率を下げて、国民が自由に使えるお金を増やしていく必要があると考えます」
これに対し、岸田首相は、社会保障給付も負担も上昇傾向が続いているとしたうえで、こう答えた。
「適正で負担可能な範囲にとどめ、同時に今後とも国民の活力を損なわないようにするため、社会課題を成長のエンジンに転換し、持続可能な経済成長を実現することで、国民負担率の分母である国民所得を増やしていきたいと考えます」
岸田首相の「国民所得を増やしていく」との発言に、浜田氏は「国民負担率半減計画」を提案し、「令和の所得倍増計画を実現することを切に願います」とした。
実際のところ、分母となる「国民所得」が倍増するか、労働人口が激増でもしない限り、「五公五民」の状態は変わらない。
岸田首相が掲げた「令和版所得倍増計画」は、いったいどこに行ってしまったのか。
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国民負担率47.5%で「五公五民」がトレンド入り「日本中で一揆が」「江戸時代とどっちがマシ」の声
FLASH:2023.02.22
https://smart-flash.jp/sociopolitics/223086
■”大減税”で大繁栄した江戸時代の日本
「新」経世済民新聞 2013年8月30日【古谷経衡】
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「五公五民」とか「六公四民」という単語を聞いたことがありますね。
これ、中学や高校の歴史教科書に書いてある江戸時代の税率のことを指します。
つまり、「五公」だと税率が50%、「六公」だと税率60%という意味です。
この数字だと「なんとも税金が高いなぁ!」という印象を持たれる方も多いと思います。
江戸時代は税の取り立てが過酷で、貧窮した百姓(本来は”ひゃくせい”と読みます)が一揆を起こす。
悪徳なお代官様が商人から袖の下を貰って私服を肥やし、税金(年貢)が払えない農民には代わりに生娘を要求する…こんな「江戸時代は暗かった」イメージが、時代劇や歴史ドラマで定着しているから、尚の事、江戸時代の税制は現代に比べてとてつもなく厳しく、そしてお上からの取り立てもきついと思われている。
「そろそろ年貢の納め時」という言葉もあるくらいです。
しかし、この「江戸時代は税金が高かった」というイメージ、実は全部嘘です。
江戸時代は暗い…というイメージ自体、戦後の歴史学者の主流を占めていたマルクス主義者による階級闘争史観に基づいたものですが、その話は長くなるので置いておいて、実際の江戸時代の税率というのは、本当のところどうだったのでしょうか。
江戸時代は米が経済単位の基本です。
米の産出量=石高で国力が決定します。江戸時代では全国で収穫された米が一旦、大坂(現在の大阪とは一字違います)に運搬され、そこの米相場で米の価格が決定し、貨幣に変換されます。
その貨幣で、例えば武士は生活必需品を買う。
260年間ずっとそういう仕組みになっていたのです。
金本位制ならぬ米本位制。ですから江戸時代の農民に課せられた税金というのも、当然全部米で支払うことになります。
ちなみに、税金が米から現金で払うようになったのは、明治に入ってからの地租改正が初めてです。
では当時の政府(幕府)は、農民から取る税金をどのように計算していたのか。
ここからが本題。
例えば「五公五民」で税率50%なら、農民Aが所有する農地の生産力100石から、50石を取ります。
このためには農地の生産力を予め算定しなければなりません。
そこで行われたのが「検地」です。
全国の農地の生産力を調査して、税率の母数を決めるために、徳川幕府は慶長年間(1596?1615)に大規模な検地を行います。
これを「慶長検地」といいます。
これによって、日本全国の農地の生産力が確定し、徳川幕府は安定的に農民から税を取ることが出来るようになりました。
ところがその後、70年から80年間にわたって、徳川幕府は国をあげて新田開発を推奨します。
つまり「土地を開墾して新しい水田をどんどん作りなさい」という方針になります。
徳川の平和の世(“元和偃武=げんなえんぶ”といいます)になって、日本は経済発展に突き進んだわけです。
現在、日本各地に「◯◯新田」という地名があると思いますが、そのほとんどがこの江戸時代の最初の80年くらいに開発された新しい農地という意味です。
大開発の結果、日本の農地面積はこの間、2倍になり、日本の人口は1,600万人から3,200万人に倍増します。
江戸時代の最初の80年間で、日本の経済規模は倍になった、という大繁栄の時代を迎えるのです。
この生産力の向上が招いた町人文化の発展と都市人口の増加で、日本は未曽有の大好況になります。
それこそが、17世紀半ばから始まる「元禄時代」(1688?1704)で知られる黄金時代です。
ここで問題なのは「五公五民」の税率。実は、江戸時代の大規模な検地は、「慶長検地」1回きりです。
つまり生産力が倍になっても、最初の基準の母数を幕府は使い続けたのです。
お分かりでしょうか?
つまり実質的な税率は、50%から半分の25%になった、というカラクリです。
江戸時代はこのように “大減税の時代”だったのです。
江戸時代のほとんどの時期、「五公五民」というのは建前で、せいぜい2割から3割程度が実効税率。
場所によっては1割という場合も。
あれ、現在よりもだいぶ税金安いかも?
なんだ、江戸時代って、実はぜんぜん厳しい時代ではなかったんですね。羨ましい!
では何故、江戸幕府は検地を最初の1回きりしか行わなかったのでしょうか。
幕府は金山等の鉱山を独占していたのと、対外貿易も取り仕切っていました。
収入源が他に沢山あったのです。
そしてなにより、実質的な減税を行うことによって、経済成長が達成され、人々の勤労意欲が増す、ということを経験的に知っていたと言われています。
強きをくじき弱きを助ける“武士道”を重んじる支配階級たる士族が、民衆から必要以上に過酷な税金の取り立てをするのは恥である、という道徳的意味合いもあったと言われています。
当時の「お上」は、実にこんな具合にいろいろと余裕があって、大人なところがあったのです。
江戸時代は暗かったというのは、真っ赤な嘘であることがお分かりいただけたと思います。
消費税増税を遮二無二になそうとする、どこかの財務省は、是非この江戸幕府の姿勢を見習って頂きたい。
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”大減税”で大繁栄した江戸時代の日本
「新」経世済民新聞 2013年8月30日【古谷経衡】
https://38news.jp/archives/02237
■「維新は減税政党ではない」で炎上、政策の根幹もブレる党内のお家騒動
週刊ダイヤモンド 2022.5.17 小倉健一
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・「#維新に入れたら貯金に課税」がTwitterトレンド入りした理由
ゴールデンウィーク中、あるフレーズが異例の「トレンド入り」を果たした。「トレンド入り」とは、Twitterで短期間に数多くツイートされ、同サービスの「トレンド」として表示されることだ。
そのフレーズとは、「#維新に入れたら貯金に課税」というものだ。「維新」とは、昨秋の衆議院選挙で議席を3倍以上に増やす躍進を果たした、「日本維新の会」を指す。
私が確認できただけでも2万件を超えるツイートがなされ、今なお、多くの人に「#維新に入れたら貯金に課税」という投稿が繰り返されている。
政敵のちょっとした誤記やミスにはこれでもかと集中砲火的な反論を繰り出す維新の議員たちだが、このツイートにはほぼ無反応だ。つまり、反論できないでいる。
しかし、維新の衆院選時の公約を見ても増税という言葉はなかった。最近公開された政策を説明する漫画冊子では、正義の味方である「維新ジャイ」が敵の言い分をろくに聞かずに必殺技で“瞬殺”する描写が続く一方で、「増税」という言葉はない。
むしろ、先の衆院選前に発表された政策提言(事実上の選挙公約〈マニフェスト〉)である「維新八策」では、「減税と規制改革、日本をダイナミックに飛躍させる成長戦略」と大きく掲げられている。また、維新のマニフェストサイトには、維新が戦う対立軸として「とりあえず増税で景気後退・格差拡大」と訴えられている。「成長できる減税」という文言も大きくある。
これらを一般の有権者が見れば、維新は増税を否定し、減税によって日本経済を成長させることを選挙戦で訴えていると思うはずだ。
果たして、維新は先の衆院選で大躍進を遂げた。このままいけば政権を狙える位置にまで勢力を拡大したのだ。維新に投票した有権者の多くは、維新が公約通りの政策を掲げて、岸田政権に対峙すると考えたはずだ。
しかし実態は、有権者の期待とは全く違うことになってしまった。
その背景には、維新党内における“お家騒動”がある。選挙公約とは正反対と思える政策議論を選挙後に繰り広げたり、「2人の政調会長」が表舞台でいがみ合ったりと、野党第1党を視野に入れた政党とは思えない体たらくぶりを見せているのだ。
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「維新は減税政党ではない」で炎上、政策の根幹もブレる党内のお家騒動
週刊ダイヤモンド 2022.5.17 小倉健一
https://diamond.jp/articles/-/303262
■「大減税」公約で大勝した維新が、とつぜん「国民イジメ」に転換した理由
週刊現代 2022.01.15
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「やっぱり資産課税を始めろ!」
「日本維新の会」国会議員団の政調会長・足立康史衆院議員の発言が波紋を広げている。
維新は、先の衆院選挙で「大減税」を公約の一番に掲げ、大躍進。議席を11から41へと大きく伸ばした。
維新のサイトにも「増税」(停滞)VS「減税」(維新)と大きく打ち、「減税と規制改革、日本をダイナミックに飛躍させる成長戦略。」を「2021維新八策」として前面に出した。
選挙後、足立康史衆院議員は、『総選挙前ドタバタの中で落とした資産課税について、本当に党として「捨てる」ということでいいのか事後検証したかった次第です』(1月4日付Twitter)と、堂々の増税議論の開始を宣言、維新内部にも衝撃が走った。
足立氏のいう「資産課税」とは何か。
維新が昨年一度公表して撤回した日本大改革プラン当初案によると、日本にあるすべての資産(家計・非金融法人・政府資産)合計約3600兆円に1%の課税をするものである。
維新の試算によれば、36兆円の増税となる。
日本政府の2020年度の税収が106兆6580億円であることから、全税収の3分の1を上回る規模の増税だ。
例えば、定期預金(スーパー定期・1か月・三井住友銀行の金利が0.002%)をしていくだけで、預金残高は毎年0.998%減っていくことになる。
ネット上では「貯金税」として酷評されている。
・同僚議員のTwitterをブロック
維新は、「大減税」を公約のいちばんの柱に掲げておきながら、選挙が終わると自ら積極的に36兆円もの大増税議論を開始したことになる。
維新関係者はこう話す。
「選挙前に、自身の持論である『資産課税』を選挙公約から落とされたのがよほど悔しかったのか、機会を伺っていたのでしょう。しかし、減税を信じた有権者を裏切るように見えてしまった。『事後検証』という言葉も変です。法律を施行したあとに、うまくいったかを検証するというならわかりますが、今回の場合、『事後』とは選挙後を意味します。有権者の立場になれば、公約なら選挙前に精査してくれよ、と考えると思います。選挙終わって、自分たちが掲げた政策が正しかったかを検証する政党なんて聞いたことがありません」
足立康史氏ウェブサイトより足立康史氏ウェブサイトより
この発言を皮切りに、足立氏は、自身の行動に異を唱える同僚議員のTwitterをブロックするなど、不可解な行動を起こし、また、フルオープンを連呼しながら、事の経緯がほぼ明らかにならないまま、党幹部への「クローズド」での相談をした結果、事実上の「停戦」を宣言してしまった。
何が起きているのか、イチ有権者である私には、さっぱりわからない。
先述の維新関係者に、解説をお願いした。
「参院選に向けた公約策定作業は近く始まるので、自身に主導権を取り戻そうとしたのでしょう。自分の意見が若い執行部に通らないので、上から目線でモノを申す、みたいな態度を取ったのでしょうが失敗でした。『大減税』を衆院選で有権者には公約したけれど、党是として増税しますよということを言っています」
・自民党も公約違反では?
他方、自民党だ。
こちらは公約違反を犯しつつあるのは、政調会長の高市早苗氏でなく、岸田文雄首相だ。
政府は近く、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)黒字化目標の検証作業に着手する。
しかし、自民党は、衆議院議員選挙の公約に大きく掲げた「財政の単年度主義の弊害を是正する」を進めるべきだ。
岸田首相は、「財政は国の信頼の礎だ。足元の新型コロナウイルス対策と中長期的に財政健全化を考えることは決して矛盾しない」と党本部で開かれた「財政健全化推進本部」の役員会初会合で発言したが、財政の健全化やPBの黒字化とは、「財政の単年度主義」に他ならない。
有権者の立場からは、暴走しているのは岸田首相なのだが、首相側近は「重要案件に高市氏を関わらせたくない」として、高市氏に決定権を握らせず、茂木敏充幹事長にすべてを一任してしまった。
自民、維新の両執行部は「暴走する政調会長を抱えて大変だ」という認識を持っているのだろうが、「国民との約束」という観点から考えれば、答えは違う。
選挙公約はきっちり果たすべきだし、そもそも選挙から数ヵ月しか経っていないこの段階で、平然と公約違反、つまりは大増税に走る姿勢は許しがたいものがある。
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「大減税」公約で大勝した維新が、とつぜん「国民イジメ」に転換した理由
週刊現代 2022.01.15
https://gendai.media/articles/-/91452
■減税公約を反故にして増税議論を求める維新のトンチンカン
日刊ゲンダイ:2022/01/10
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選挙戦で大躍進した維新が掲げたのが「日本大改革プランの三本柱」であり、その三本柱の1番目が「大減税」であった。
具体的には、課税見直しとして、消費税減税(2年間の5%、恒常的に8%へ)、法人税減税 (既得権益化した租税特別措置の廃止)、所得税実質減税、固定資産税の適正化と相続税の廃止が謳われている。
早稲田大学公共政策研究所招聘研究員の渡瀬裕哉氏は、この公約の歴史的意味をこう解説する。
「自民党、公明党、そして野党である立憲民主党、共産党まで、日本では政府歳出拡大によるバラマキによる景気対策を主張する政党しかいませんでした。その政治劣化が不毛な55年体制による与野党合作の巨大な政府を生み出し、日本全国津々浦々、補助金と規制で雁字搦めにした疑似社会主義経済を創り出している原因です」
野党でありながら、大阪では市長・知事職を担う維新である。
「大盤振る舞いに見える公約でも、絵に描いた餅にならないかもしれない」と、大減税を期待してしまった有権者も多かったはずだ。
しかし、である。
維新の政調会長(国会議員団)の足立康史衆院議員は、ツイッターで<総選挙前ドタバタの中で落とした資産課税について、本当に党として「捨てる」ということでいいのか事後検証したかった次第です>(1月4日)と投稿。
選挙公約である大減税でなく、堂々の増税議論の開始を宣言し、維新内部にも衝撃が走った。
維新関係者はこう話す。
「足立氏は、政策論と運動論を分けろと主張しています。その主張は、『政策の議論』と『選挙で有権者に提示すること』は違うということです。選挙公約から外したはずの増税案を優先的に議論する姿勢を示すことは、有権者への欺きでしかありません。橋下徹元代表と足立氏が文章交通費で激しくやりあっているのをみて、橋下氏と表立ってやりあいたくない馬場伸幸共同代表がウラで足立氏を操っているのではという噂が維新内部でありましたが、そうではない。足立氏の『暴走』でしょうね」
足立氏のツイッターを読み返していても、「維新はフルオープン」の議論を強調していると思ったら、「別途、クローズドで相談させてください」と言葉を翻す。
幹事長が「政策論と運動論は分けられるものではない」旨の軌道修正をしたが、それに対して足立氏は「政策論と運動論は分けるべき」と二元論を頑なに主張。最後には「(本音と建前という)矮小な二元論ではない」との発言を残している。
フルオープンという建前、クローズドでの本音、選挙での公約という建前、政策論という本音、足立氏は議論を通じてどんな二元論を提示したかったのだろうか。
まるで意味がわからない。
「足立氏個人の暴走」と維新内部で認識があったとしても、足立氏は政調会長であり、公党の政策立案の責任者だ。大減税公約を公約のいちばんの柱に掲げておきながら、選挙が終わると自ら積極的に増税議論を開始する。
多くの維新議員はだんまりを決め込んでいるようだが、そんな政党はさっさと解散してほしい。
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減税公約を反故にして増税議論を求める維新のトンチンカン
日刊ゲンダイ:2022/01/10
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/299727
■池上彰の「35%必要論」でさらなる増税後押しも? 安倍政権が捻じ曲げた消費税悪用のゆくえ
日刊サイゾー 2019/10/03
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安倍政権の消費税悪用は、2012年の「税と社会保障の一体改革」からスタートした。
社会保障費の増大が財政悪化の要因にもなっているという理由から、「社会保障改革と財政健全化の同時達成のために、2010年代半ばまでに 消費税率の5%引き上げが必要」との方針をするりと打ち出しはじめたのだ。
消費税は社会保障費の財政負担を軽減するために導入したはずなのに、「財政健全化の同時達成」という目標に“すり替え”られたわけだ。
「税と社会保障の一体改革」では、消費税率を5%から10%へ引き上げを行うにあたり、その4%分は「社会保障の安定化」として、国債に依存していた社会保障経費を増税分で賄い国債発行を減らす……つまり、財政健全化に使い、残りの1%分を「社会保障の充実」として、介護、医療、子育てなどに充てるとした。
つまり、消費税率引き上げのほとんどは、「社会保障の安定化」という名目で財政健全化に利用し、「社会保障の充実」という本来の目的への利用割合は5分の1に縮小された。
さらに、2017 年9 月に安倍首相は「消費税の使い道を私は思い切って変えたい」と表明。
消費税収を幼稚園・保育所の無償化などに充当することを打ち出した。
それまで、消費税による税収については、「年金、医療、介護の 3 分野」と財政再建に活用することになっていたが、安倍首相の一声で、「少子化対策・子育てを加えた社会保障 4 経費」と財政再建に活用することになったのだ。
そして今回、消費税率10%への引き上げについて、2018年10月に安倍首相は2%の増収分の分配を、「教育負担の軽減・子育て層支援・介護人材の確保等と財政再建とに、それぞれ概ね半分ずつ充当する」とし、今度は財政再建への利用を大幅に縮小した。
こうなると、もう消費税は安倍首相に“私物化”され、政権にとって都合の良いように使われているとしか言いようがない。
・法人税減税の“穴埋め”を消費税で補ってる?
そもそも、消費税率を引き上げる以外に税収を増やす方法はないのかと言えば、答えは「ノー」だ。
まず、法人税を引き上げればいいのだ。
否、引き上げというのは正確ではない。安倍政権以前の水準に戻すと言う方が正確だろう。
安倍首相はアベノミクスの成長戦略の一環として法人税率の引き下げを進め、第二次安倍政権発足時に37%だった法人実効税率は29.74%まで減少している。
さらに、研究開発費については租税特別措置法による減税が行われるなど、企業は税制面で個人に比べて非常に優遇されている。
その反面、企業は減税で浮いた利益を従業員に分配することなく、貯めこんでいる。
実質賃金は上昇するどころか低下しているのに、企業の内部留保は増大を続けているのだ。
財務省の法人企業統計によると、2018年度の企業の内部留保は16兆6000億円増加し、過去最高の463兆1308億円となった。
安倍政権になってから、企業の内部留保は過去最高を更新し続けている。
つまり、法人税減税の“穴埋め”を消費税で行っているという構図となっている。
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池上彰の「35%必要論」でさらなる増税後押しも? 安倍政権が捻じ曲げた消費税悪用のゆくえ
日刊サイゾー 2019/10/03
https://www.cyzo.com/2019/10/post_218087_entry.html
■消費増税の使途変更のウラ事情
Yahoo!ニュース 2017/9/22 土居丈朗
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安倍晋三首相は、9月25日に、消費増税による増収分の使途を変更するとともに、2020年度の財政健全化目標の達成を先送りすることを表明する見通し、と報じられている。
高齢者だけでなく現役世代にも手厚い「全世代型社会保障」を掲げ、消費税率を10%に引き上げる際に借金返済に充てる予定だった財源を、子育て支援や教育無償化など歳出拡大に振り向ける意向で、これにより財政収支が悪化することから、2020年度の基礎的財政収支を黒字化する財政健全化目標を先送りするという。
そもそも、2012年の民主・自民・公明3党合意に基づく社会保障・税一体改革では、消費税増税時の増収分は、全額社会保障財源に充てることとした。
消費税率5%から8%への増収分(2017年度で8.2兆円)は、すべて社会保障財源となっている。
そして、2019年10月に予定されている10%への増税時の増収分も、新たに社会保障財源とすることとしている。
目下の予定では、5%から10%への増税による増収分14兆円のうち、社会保障の充実に2.8兆円(税率1%分に相当)、残り11.2兆円を社会保障の安定化に使うこととされている。
この社会保障の安定化とは、具体的にいえば、基礎年金の国庫負担の財源不足の穴埋め(国庫負担割合の2分の1への引上げ)に3.2兆円、消費税率引上げに伴う社会保障4経費増への対応に0.8兆円、後代への負担のつけ回しの軽減に7.3兆円である。
後代への負担のつけ回しの軽減とは、目下の社会保障経費を赤字公債等で賄っているところを、消費税の増収分で賄えるようにすることである。
赤字公債の発行が抑制できる分、今の社会保障給付から恩恵を受けられない将来世代が負う借金返済の負担を軽くできることになる。
この後代への負担のつけ回しの軽減分7.3兆円の一部を、子育て支援や教育無償化など歳出拡大の財源に充てようという話が出てきた。
「全世代型社会保障」の理念を打ち出し、高齢者偏重を見直して現役世代向け施策を拡充するため、財政収支の改善が遅れることから、2020年度の財政健全化目標の達成を先送りする。
そうした説明だ。
表向きはそうだ。
しかし、実情はむしろ正反対。
2019年10月に予定通り消費税率を10%に引き上げても2020年度の財政健全化目標の達成が困難となり、その未達は「アベノミクス」の失敗が原因と批判されるのを恐れて、目標達成の先送りの口実として「全世代型社会保障」を掲げて、借金返済に充てる予定の財源を歳出拡大に充てる。
これが実情ではなかろうか。
その痕跡は、過去の議論の経緯にいくつも残されている。
まず、「全世代型社会保障」は今回初めて示された考え方ではない。
社会保障・税一体改革における社会保障改革の具体策を検討した社会保障制度改革国民会議が2013年8月に取りまとめた報告書に、「全世代型の社会保障に転換することを目指」すと記された。
4年前のことである。前掲の消費税増税時の増収分を借金返済(後代への負担のつけ回しの軽減)に充てることも、これを踏まえて決めていたことだった。
消費税率の10%への引上げは、2012年8月に民主・自民・公明3党が賛成し、2015年10月に行うことが決まったが、2度にわたり延期された。
さらに、2016年8月には、完全失業率が3%まで下がる中、事業規模28.1兆円(うち財政支出13.5兆円)の経済対策を発表し、財政出動した。その結果、2014年6月に「基本方針2014」として安倍内閣が閣議決定していた2020年度の財政健全化目標の達成が見通せなくなった。
2020年度の基礎的財政収支の赤字は、2016年7月時点での内閣府の見通し(中長期の経済財政に関する試算)では、5.5兆円にまで縮小したのに、2017年1月時点の見通しでは8.3兆円に拡大した。
その背景には、内閣府の見通しよりも名目経済成長率が低かったことがある。
「アベノミクス」で経済成長を喚起し、インフレ目標を掲げて物価上昇率を2%まで引き上げることを目指したにもかかわらず、である。
このままでは、2020年度に財政健全化目標が達成できず、さりとて目標達成をあきらめると、「アベノミクス」ではデフレ脱却と経済成長促進がうまくいかなかったことを自ら認めたと解される。
消費増税を2度も先送りしたものの降ろさなかった2020年度の財政健全化目標の達成という旗を、どうすれば守れるか。
今年6月に閣議決定した「基本方針2017」で、2020年度の財政健全化目標の書きぶりを、「基礎的財政収支を2020年度までに黒字化し、同時に債務残高対GDP比の安定的な引き下げを目指す。」と改めた。
基礎的財政収支を黒字化できなくても、債務残高対GDP比が下げられれば、目標は達成できたことにする。
そうとも読めるような文言だ。
この文言のいきさつは、拙稿「消費増税『3度目延期』の布石は打たれたか 骨太方針2017で財政健全化棚上げの危機」で触れられている。
しかし、債務残高対GDP比を引き下げるにしても、基礎的財政収支を大幅に改善できなければ実現できない。
この文言で、目標のハードルを下げたつもりだったがそうではなかった。
その根拠は、拙稿「財政健全化目標を債務対GDP比に代えてもぬか喜び」に示されており、財政健全化目標を、基礎的財政収支に代えて債務対GDP比としても、財政収支改善の必要性から決して逃れることができない様がわかる。
もはや、消費税率を10%に上げても、歳出の大幅に抑制しなければ財政健全化目標を2020年度に達成できない。
目標が達成できなかったのは「アベノミクス」が失敗したからではない、と理解される「論理」が必要となった。
それが、「全世代型社会保障」を強化するため財政収支の改善が遅れることから目標達成を先送りする、という説明だったのか。
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消費増税の使途変更のウラ事情
Yahoo!ニュース 2017/9/22 土居丈朗
https://news.yahoo.co.jp/byline/takerodoi/20170922-00076050
■消費税増税分〝すべて社会保障に〟のウソ 政策部
兵庫保険医新聞(兵庫県保険医協会) 2014年4月25日
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4月に強行された消費税増税について、政府は「消費税増税分はすべて社会保障に」とキャンペーンを行っているが、本当なのか。
検証を行う。
4月1日、多くの国民の反対を押し切って消費税が5%から8%に引き上げられた。
消費税増税に苦しむ国民を納得させるため、政府は「消費税率の引上げによる増収分を含む消費税収のすべてを社会保障の財源とします」(政府広報「社会保障・税一体改革 みんなの安心をもっと。ずっと。消費税は8%に。」)という宣伝を強めている。
全国3600万世帯に新聞折り込みで届けられた政府広報には2億9000万円、その他にもテレビ㎝など合わせて12億6000万円が投じられた(表1)。
しかし、この「消費税増税分はすべて社会保障に」という政府の宣伝はごまかしで、消費税増税分は実際には、大型公共事業や防衛予算、法人税減税の原資にされようとしている。
政府は消費税増税分5兆円の使い道を、(1)「年金国庫負担2分の1の恒久化」に2.95兆円、(2)「既存の社会保障の安定財源確保」に1.3兆円、(3)「社会保障の充実」に5000億円を投じると説明している。
・「年金国庫負担2分の1の恒久化」?
第1の「年金国庫負担2分の1の恒久化」に2.95兆円から検証してみよう。
年金の国庫負担2分の1への引き上げは「年金100年安心」のスローガンのもと、2004年の通常国会で決められ、財源も用意されたもので、同じ年に所得税の配偶者特別控除上乗せ部分が廃止されたのはそのためである。
また、2005年に65歳以上の所得税の老年者控除廃止と公的年金等控除が引き下げられ、住民税の配偶者控除の上乗せ部分が廃止されたのも、同じく年金の財源とするためであった。
さらに、2006年の所得税と住民税の定率減税半減と翌2007年の定率減税廃止も財源確保のためとされた。
これらによって政府は2.8兆円の財源を生み出した。
すでに財源は確保されたはずなのに、なぜ、年金の財源が必要なのか。
年金の国庫負担の引き上げには、その4分の1の6780億円しか使われておらず、それ以外の財源は何に使われているのか、分からないのである。
年金の国庫負担を2分の1に引き上げるとされた2009年度予算では、「財源がない」として財政投融資特別会計の「埋蔵金」などをあてている。
「年金のため」と称して国民に負担を押しつけながら、実際には他に転用し、またしても年金財源に消費税増税分を充てるとしているのである。
結局、いくら消費税を投入しても、名目を消費税に変えるだけで、これまで、「年金のため」と国民負担を強いてねん出してきた財源や「埋蔵金」を、堂々と他の事業の財源に移し替えるだけなのである。
・「既存の社会保障の安定財源確保」?
第2の「既存の社会保障財源確保」に1.3兆円を投じるはどうか。
これは「次世代へのつけ回し軽減」として、国債発行を減らすために消費税増税を行うというものだ。
しかし、ここにもごまかしがある。
それは、社会保障費に使われる国庫負担が赤字国債によって賄われているかのようにごまかしていることである。
社会保障費の国庫負担分は一般会計から支出されている。
赤字国債は歳入の一部に過ぎず直接、社会保障費と結びつけることはできない。
国債発行の主因は歳入が激減しているためである。
89年には、法人税の対GDP比は4.6%だったが、09年には、1.4%に減少している。
また所得税も対GDP比で5.1%から2.7%へ減少している。
その減少分が消費税によって穴埋めされてきたのが、財政の実態である。
赤字国債はそれでも不足する歳入を補うために発行されているにすぎない。
・「社会保障の充実」?
第3の「社会保障の充実」に5000億円を使うというのも実態は逆さまである。
診療報酬改定でも消費税増税への対応分を除いた実質改定率はマイナス1.26%と充実とはほど遠い。
さらに、現在の国会で審議されている「医療・介護総合法案」など、政府の進める「社会保障改悪」では、70歳から74歳の医療費窓口負担倍増や介護保険利用料の引き上げ、入院時の食費負担引き上げ、介護保険施設の食費・居住費の負担軽減制度見直し、後期高齢者医療制度の保険料軽減措置見直し、介護保険要支援者への予防給付の市町村事業への移行、特別養護老人ホームの入所要件厳格化、生活保護支給額の引き下げ、年金支給額の2.5%引き下げなどが行われようとしている。
これで、どこが「社会保障の充実」なのか。
政府が消費税増税分を財源に行うとしている「社会保障の充実」策として「高額療養費制度の拡充」に50億円、「難病対策」に300億円を投入することなどを挙げている。
確かに、これらの「改革」では部分的な改善はあるものの、一方で、負担増となる改悪も行われる。
高額療養費制度では、一定の所得があれば、月額上限が引き上げられるし、「難病対策」でも、負担額がこれまでの4倍になる患者も出てくる。
つまり、政府には、消費税増税財源を使って抜本的に社会保障制度を充実させる気はなく、わずかな財源と国民同士の負担の付け替えによって、「社会保障を充実した」と強弁しているだけなのである。
また、5000億円のうち、最も多い3000億円を投入するとしている「子育て支援」では、保育を充実するどころか、自治体の責任を後退させ、民間事業者のサービスにゆだねるとしている。
つまり、これまでの国や自治体の責任を後退させて、民間事業者に社会保障分野で儲けさせるために消費税を使うというのである。
・本当は何に使われるのか
政府は、消費税を導入する時も、増税する時も繰り返し「社会保障の充実」を理由にしてきた。
しかし、消費税導入以来、社会保障は改悪され続けてきた。
それは、今回同様、消費税を社会保障財源とせず、他の財源としてきたためである。
その手法は、これまで法人税や所得税も含む一般会計からの支出を削減し、消費税収に名目的に置き換えるというものである(図1)。
そして、それで浮いた財源はこれまで、法人税減税の原資とされてきた(図2)。
今回も、すでに政府税制調査会では、法人税減税の議論が始まっている。
税制調査会の法人課税ディスカッショングループでは、座長である大田弘子政策研究大学院大学教授が法人税減税のための財源として、「法人税の枠内でなく、より広い税目で税収中立をはかる」としており、消費税増税分を他の財源とすることが示唆されている。
国民を「社会保障のため」と欺いて得た財源を、アベノミクスによる円安と大型公共事業などの財政出動で空前の利益を上げる大企業の法人税減税に使うことは許されない。
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消費税増税分〝すべて社会保障に〟のウソ 政策部
兵庫保険医新聞(兵庫県保険医協会) 2014年4月25日
http://hhk.jp/hyogo-hokeni-shinbun/backnumber/2014/0425/070003.php
■『消費税が社会保障を破壊する』(著者 伊藤周平 角川新書 2016年06月10日)
・政府は庶民を見捨てた 欠陥税制が貧困と格差を拡大させる
「増税再延期だから社会保障削減は仕方がない」の嘘を暴く!
社会保障のガイドブックの登場。
社会保障の充実が目的とされる消費税。
しかし、現実は充実どころか削減が続く。
日本の消費税は実は貧困と格差を拡大する欠陥税制なのだ。
消費税増税が2019年10月に再延期となった今、このままでは社会保障の削減もやむを得ない……、と考えることは間違いなのだ。
本書では、その真実を明らかにしつつ、社会保障改革と税制改革のあるべき方向を提示する。
消費税増税が再延期となった今こそ、日本の消費税と社会保障の本当の関係を知り、最善の社会保障を考えるべきときなのだ。
[主な内容]
・格差を解消するには消費税を廃止すべし!
序章 悲鳴続出! 消費税増税と社会保障削減
第1章 消費税が増税されたのに、なぜ社会保障が削減されているのか?
第2章 少子化対策 解消されない待機児童、保育料の値上がり、深刻化する子どもの貧困
第3章 医療・介護制度改革 給付抑制と負担増で、介護離職ゼロどころか激増の危険
第4章 生活保護制度改革と年金制度改革 遠のく生活の安心、高まる老後の不安
第5章 消費税 その本質と問題点
第6章 憲法にもとづく公平な税制で、社会保障の充実を!
終章 課題と展望 対案の実現のために
『消費税が社会保障を破壊する』(著者 伊藤周平 角川新書 2016年06月10日)
https://www.kadokawa.co.jp/product/321511000688/
■増税予想なのに「国民負担率は下がる」!? 本当か、財務省の論理
「五公五民」国家、日本の現実
週刊現代 2023.02.27
■消費税は社会保障に 実際は大企業や高額所得者の減税穴埋めに?
~元国税が暴露。「消費税は社会保障のため不可欠」が大ウソな理由~
ライブドアニュース 2018年11月20日
■安倍首相「消費税上げても大企業・富裕層に増税はダメ」443万回再生の動画が暴露、年金の「国家的詐欺」
Yahoo!ニュース 2019/6/27 志葉玲
■迫る消費税11%超えと日本衰退。富裕層・大企業だけ税逃れ、一般市民は「消費したら罰金」のコロナ増税へ=鈴木傾城
まぐまぐニュース 2021年9月23日
■消費税7つの問題/消費税減税がコロナ経済危機打開の特効薬!
全国商工団体連合会
■消費税アップが「景気悪化」を加速させる納得理由
お金を使えば使うほど損と思う人が増えるだけ
東洋経済 2021/08/09 和田 秀樹 : 精神科医
■消費税10%で家計の負担増は年間4.4万円、景気悪化の懸念も
女性セブン 2019.07.27
■消費税ゼロ%で救える命。コロナ恐慌で死ぬ間際にも黙って10%を払い続けるのか?
日本の内需を破壊し、日本の景気を破壊し、日本の経済を破壊するのが消費税――
まぐまぐニュース 2020年4月13日 鈴木傾城
■「消費税の増税がなければ日本は豊かなままだった」京大教授がそう嘆くワケ
給料が減って、経済成長も止まった
PRESIDENT Online 2021/05/20
■世界が「消費税減税」を進めるなか、日本では「まさかの増税」へ準備が進んでいた…!
週刊現代 2021.09.02 荻原 博子
■ふざけるな! 政府税調「消費税増税」大合唱の不可解 日本だけ物価高に苦しむ庶民に追い打ち
日刊ゲンダイ:2022/10/27
■“天下の悪税”消費税、今こそ5%に減税か廃止すべき…「日本は世界一の借金大国」のウソ
ビズジャーナル 2020.03.17
■政府やメディアが刷り込んだ“消費税の目的”の嘘
“社会保障の充実と安定化”のための増税という謳い文句とは正反対の現実
論座 2019年09月20日
■消費増税の「ヤバい真実」…40人のエコノミストが明かす衝撃の中身
元日銀総裁、元内閣参与らが緊急提言
小川 匡則週刊現代記者
■望ましい緊急対策トップは消費税減税43%
「望ましい緊急経済対策は「消費税率を引き下げる」が43・4%でトップ。現金給付32・6%、商品券給付17・8%と続いた」
共同通信社 2020/3/28
■緊急アンケート!消費税増税~若者たちは7割が反対~
「賛成派26%に対して反対が74%」
・増税になれば5割超が買い物を控える
・消費税増税反対が圧勝
ダイヤモンドオンライン 2013.9.25
■新型コロナ経済対策~世論が望むのは消費税減税
・世論調査では消費税引き下げを望む声がダントツで多かった
「政治が世論の動きをどう汲み上げるかが、いま問われているところ」
ニッポン放送 NEWS ONLINE 2020-03-30
■「消費税を廃止した国、マレーシア」
2018年5月に実施された総選挙で、消費税廃止を掲げたマハティール元首相率いる希望連盟が勝利し、2018年6月1日より6%の消費税が事実上廃止された
熊谷聡(JETRO:アジア経済研究所開発研究センター経済地理研究グループ長)2019/09/01
■消費税廃止でニッポン復活!~消費税を引き下げた国~
・マレーシアはゼロ達成
「世界に視線を向けると消費税の廃止や減税は必ずしも無謀なことではない」
「日本の消費税にあたる物品・サービス税の廃止で税率を6%から0%にしている」
日刊ゲンダイ(2019/7/25)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/258985
■「消費減税」が経済政策の常識である明白な理由
景気対策として、ドイツ、イギリス、ベルギーなどは消費税減免を実施。
この3ヵ国のほかにも、20ヵ国が、コロナ禍の経済対策として消費税の減免措置を講じているのである。
ダイヤモンドオンライン(2020.8.4)
■「日本経済は消費税10%で完全に終わります」
最悪の場合、世界の危機が日本経済を壊滅的に破壊する可能性すらあるのです。
ポール・クルーグマン(ノーベル賞経済学者、米プリンストン大学教授)
週刊現代(講談社)2014/9/16
■「消費税は消費をすることへの罰金としての機能がある」
コロナ&消費増税の「ダブル危機」で令和大恐慌へ…?
週刊現代(講談社)2020.3.12(小川匡則)
■コロナ経済対策を誤れば日本の後進国化が確定する件
「消費増税のデフレ効果はリーマン・ショックを超える」
ダイヤモンドオンライン(週刊ダイヤモンド)2020.4.7
■米国が今も消費税を導入しない「もっともな理由」
PRESIDENT(2013年9月30日)岩本沙弓
■資産家にとって消費税が「おいしい税制」である理由
Forbes(フォーブス) 2022/04/27
■GDP年6.3%減、消費増税は最悪だったと判明…安倍政権が「景気後退」を招いた可能性
ビズジャーナル 2020.02.19 高橋洋一/嘉悦大学教授
■消費増税は最悪のタイミング。低所得者と老人の生活を壊し、企業と富裕層を喜ばせる愚策=斎藤満
「MONEY VOICE」(まぐまぐ) 2019年8月22日
■経営者、開業医、地主…本物の富裕層が「日本の税金は世界一安い」とこっそり笑う大きな抜け穴の正体
PRESIDENT 2023/4/21
■消費増税で輸出企業と金持ちが得するカラクリ。一方で「庶民の非正規雇用は拡大」
2019年9月10日 週刊女性PRIME
■インボイス制度開始で大混乱?個人・小規模事業者、消費税「益税」消滅で収入減少
Business Journal 2022.03.06
■税理士団体がインボイス制度に異議 「消費税負担が生活を脅かすレベルになる」
ITmedia 2022年06月09日
■世の中にこんなにある「二重課税」への疑問
ガソリン・酒・たばこ税へさらに消費税を加算
東洋経済 2018/05/19 細川 幸一 : 日本女子大学教授
■消費税の逆進性 ~所得少ないほど負担重く~
日本経済新聞(2012年5月16日)
■大金持ちに「富裕税」をかけたら、社会はここまで変わります
~アメリカでは導入に現実味が出てきた~
・中間層以下が資産を持つ方が消費は拡大する
週刊現代(講談社)2019.12.25
■元財務官僚「消費税引き上げは本当は必要ない」
「1000兆円の借金」という大ウソ
PRESIDENT Online 髙橋 洋一 2019/09/18
■借金1220兆円でも日本の財政が「絶対破綻しない」驚きの理由
幻冬舎ゴールドオンライン 2022.4.12
■日本の借金1200兆円…それでも「日本は絶対に破綻しない」と言えるワケ
現代ビジネス 2021.05.02
■日本の財政が「絶対破綻しない」これだけの理由
東洋経済オンライン 2019/12/26
■三橋貴明「“国の借金”というウソ!」 政府の負債・日本国債所有者 [モーニングCROSS]
■【なぜ欧米は消費税を執拗に日本へ催促したのか?】消費税増税は米欧の投資ファンドに利する~消費税増税決断の裏側(SankeiBiz 2013.11.13 田村秀男)~
■消費税増税決断の裏に国際金融市場の思惑あり
ライブドアニュース 2013年11月28日 ネットマネー
■なぜ消費税が10%に上がるの?【アベノミクスの裏事情 その背景に迫る】国際金融資本家たちの策
1985年日航機墜落事故!日本…
【えっ!「同一労働同一賃金」っ…
【「悪魔の雇用システム」現代の…
【東芝はハゲタカのオモチャにさ…