常識とは、大多数の意見であって、正解ではない!~パラダイムシフトとは~


私たちが生活している、取り巻く物事は常識で固められています。

また一般的には組織に属している場合、「空気を読む」必要があって、常識ある行動が求められます。

しかし、新しい時代を作り出すベンチャー企業は、この常識を敢えて取り除く必要があります。

今回は私たちが無意識に雁字搦めとなっている「常識」とは何か、お伝えできればと思います。



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Contents

パラダイムシフトとは?!

・・・・昔、イギリスの靴貿易商の会社A社とB社がありました。

その2社がアフリカで靴を販売しようとして、各社調査のため1人づつ、アフリカに調査員を派遣しました。

当時、アフリカでは靴を履いている人はいません。

そこで、A社、B社それぞれの調査員が、その状況を本社に報告しました。

A社調査員は本社に「アフリカでは靴を履いている人はいません!アフリカでは靴は売れません!ここでは販売できません。撤退します。」と報告。

一方、B社調査員は本社に「アフリカでは靴を履いている人はいません!すべての人に売れます!凄い市場があるはずです。全力でアフリカに進出しましょう!」と報告しました。

このお話は有名ですので、ご存知の方も多いとは思います。

A社調査員は靴を履いている人がいないから→「どうせ売れないや!」と考えてしまいました。

B社調査員は靴を履いている人がいないからこそ→「靴の良さを伝えれば、全員に売れる!」と考えたのです。

つまり、物事を見定める視点、考え方が違うのです。

物事に対し、発想を転換できるのか、前向きに物事を考えることができるのか、ということではないでしょうか。

固定観念で固められて、人の意見を聞けない人、すべての物事にダメだ、ダメだと考えてしまう人・・・。

これでは仕事も、生活もマイナス思考になってしまいます。

有名なコップ半分のお話も同じですね。

コップ一杯の水が半分こぼれてしまった時、もう半分しかない!と思う人と、あと半分もある!と思える人。

このように発想を転換を、「パラダイムシフト」といいます。

例えば、天動説。

昔は太陽や月、星が動いているのは、天が動いているからと考えられていました。

それが、それまでの常識でした。

しかし、実際は地球、つまり地が動いていたと証明されます。

天動説→地動説となりました。

このように今までの常識が移行すること、それがパラダイムシフトです。

私達は、多くの人たちは常識や価値観に縛られています。

クマンバチが飛べる理由!

クマンバチ、怖いですね。

大きくて黒くて、「ブーーン!ブーーーン!!」と飛ぶ音も大きい。

クマンバチがなぜ飛べるか知っていますか?

クマンバチは航空力学的には飛べないといわれています。

クマンバチの大きな体重に対し、あまりにも小さな羽があるためです。

このクマンバチがなぜ飛べるのか、過去にはある常識がありました。

「クマンバチは“飛べると信じているから”だ。だから、信じることが重要なんだ」

と考えられていたのです。

これは広く知られた「常識」でした。

多くの著名人が本の中でも引用されたため、「信じれば奇跡が起きる」という話の証拠として知られるようになっていました。

実際、航空力学的に分析するとクマンバチの羽は小さすぎるため十分な浮力を得られないようです。

信じれば・・・実現する・・・。

精神論ですね。

しかし、その後、クマンバチの飛行について専門家が改めて調査をしたところ、意外なことを発見したのです。

これまでの空を飛ぶ物体は常識では、羽を動かすことで地面に対して浮く力を出します。

しかし、クマンバチの場合はまるで逆でした。

クマンバチは、小さな羽を超高速で動かすことで、羽の上に真空状態を作っていました。

その真空状態が、クマンバチの体を上に引っ張る力になっていたのです。

簡単に言えば、クマンバチの上から掃除機で吸い上げているような理屈だったのです。

PANASONIC創業者、松下幸之助もパラダイムシフトの重要性を説いていた?!

レジェンド経営者の一人、「PANASINIC」松下電器産業創業者の松下幸之助氏の逸話からです。

松下幸之助氏は、社長当時、ある取引先メーカーから難題を持ち掛けられました。

それは「更なる1割のコストカット」ができないか、という要望です。

プロジェクトに関わる社員全員が「無理だ!」と結論付けました。

しかし、松下幸之助氏はこう言いました。

原価が1割下がらんのやったら、3割下げることを考えたらどうや。」

鶴の一声で改めてコストカットについて検討することとなりました。

それまでのコストカットは、細かい部分をさらに切り詰める方式の見直しばかりでしたが、それでは3割カットにはどうしても届かない。

つまり、現状の路線上にある「改善」にのみ、注目していたのです。

この考え方、常識では目標は達成できません。

そこでチームは、素材や設計から再検討し、製品の根本的な部分から再検討することにしました。

結果、プロジェクトチームは、全く新しい「革新」な設計・製造で、3割コストカットを実現することができたそうです。

すごいですね。

1割の原価を下げる時には、従来の延長線上で考えるもの。

つまり、現状の「改善」程度。

しかし、3割なら、設計や素材、組立等を根本から考え直さないと達成出来ない。

「発想の転換」が必要となったのです。

ベンチャー企業経営者は常に常識を疑っている

「常識」とは、これまでの歴史や経験の中で一般化された「当たり前のルール」です。

したがって効率化という観点から見ると「常識」はとても有益なものです。

しかし、この効率化を追求してしまうと、一般的に、人はその「常識」に対し、全く考えなくなります。

つまり、思考停止状態となるのです。

私たちは何も疑わずに同じこと、「常識」を繰り返す。

このとき、人の成長は止まるのかもしれません。

世界には驚きの革命的サービスや製品が出てきます。

IT技術、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)、iPhone、AI(人工知能)など、次の世界を創造するのは、日本の弱いところかもしれません。

革命的なサービス、製品は、既存のサービスや製品の延長上にはありません。

携帯電話は人と話すのが使用目的?

ネットはパソコンを購入して使うもの?

藻が石油の代替ともなりえる?

地上波テレビがなくなる?

会社のすべての業務はアウトソーシングできる?社長一人だけでも企業は運営できる?

仮想通貨が国家という枠を乗り越え、世界中の通貨概念がなくなる?

まわりを「常識」という枠を取り除くことで、様々な視点が得られるかもしれません。

発想の転換をすることで、今の生活やビジネスが大きく動き出す、そんなことも十分あり得るのではないでしょうか。

最後に

取り巻く常識を覆すための勇気をくれる名言をお伝えします!

自分が出したアイデアを、少なくとも一回は人に笑われるようでなければ、独創的な発想をしているとは言えない

ビル・ゲイツ

創業当時、私が「世界的視野に立ってものを考えよう」と言ったら噴き出したヤツがいた

本田宗一郎

常識とは、大多数の意見であって、正解ではない!

安田佳生



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