愛犬と一緒に過ごしている時、ふと横を見ると愛犬が自分の体にお尻をくっつけてきていることってありませんか?
筆者の愛犬も眠くなるとトコトコ歩いて来て、横に座ったと思ったらお尻をくっつけて寝る体制をとっているということがあります。
犬がおしりや背中を飼い主さんにわざわざつけてくる。
このような体験をしたことのある方は、多いのではないでしょうか。
甘えられているようで、とても嬉しく感じられる行為ですよね。
微笑ましく見守りながらも、なぜお尻?何か意味があるの?と思ったことがある人もいるかもしれません。
そう、実は犬がお尻をくっつけてくるのには意味がちゃんとあり、それは野生の時の習慣が影響していたのです!
家で寛いでいると、愛犬が隣にきて体の一部をつけてくることがありますよね。
つけてくるのがおしりや背中の場合、実はそれは愛犬からのメッセージが含まれた行為なのです。
その行為が示すもの、それは「信頼」です。
実は犬にとって、おしりや背中をつける行動には愛情表現を含めた意味があるのです。
愛犬が飼い主さんにピッタリとくっついて身をゆだねてきたら、それは飼い主さんが愛犬に信頼されている証です。
犬は飼い主におしりをくっつけることにより「安心感」を得ていると考えられています。
その昔犬の祖先たちはお互いのおしりや背中をくっつけて集団で眠ることで敵から身を守っていました。
つまり、安心できる群れの仲間(飼い主)におしりをくっつけるということは、犬たちにとって安心感を得られる行動のひとつと言われています。
本来犬にとって後ろをとられる=お尻を敵に見せることはとても危険なことで、慣れていない犬だと、腰まわりやお尻を触られることも嫌がる犬も多いです。
後ろ足にケガをしたら、走って逃げられなくなってしまいますしね。
犬は人間と暮らすようになるまで、野生で多くの犬と群れをなして生活していました。
ペットとしての生活とはるかに違うのは、住環境が安心できる環境とはいえなかったという点です。
野生動物として暮らすということは、常に天敵から襲われること、気を抜けば餌となってしまったり、命を奪われてしまうことが日常で考えられるということです。
この為、犬は休む時や眠る時などに群れでおしりをくっつけ合い、外敵が来てるかどうかを確かめ合っていたのだといわれています。
これより死角をなくすことができ、休んでいる最中に敵が近付いてきても、いち早く気付いた犬が群れ全体に指示を伝達できます。
仲間同士で助け合うという立派な防衛策を用いて、野生で生き延びてきたのですね。
また急所でもある後ろ足を守るためにも、この方法は有効でした。
野生で暮らす上で、後ろ足の怪我は命取りともなり得ます。自身の身体を守るという本能的な行動としてもとれますね。
このように犬が野生動物であった頃、おしりや背中を預ける相手は、信頼できる群れの仲間たちだったのです
それを飼い主さんや人に対して行うということは、正にその人を「信頼しているよ」というメッセージだということが分かりますね。
上記のような工夫をして生き延びていた野生の犬の習性が、家で家族として人間と暮らすようになった犬にも受け継がれているのです。
群れの皆で助け合いながら生活をしていたことから、当たり前ですが、この行為は「信頼し合っている仲間だからこそ背中を預けることが出来る」という意味を持っているのです。
したがって、もしもあなたの体に愛犬がお尻をくっつけてくることがあれば、それはあなたを信頼しているからこその行動だと言えるのです。これは愛犬を愛する飼い主にとっては嬉しい限りですね!
犬が背中やおしりを飼い主さんにつけるのは、「後ろにいても安心だよ」「信頼しているよ」というメッセージが込められた信頼感の表れなのです。
それは、自身の急所を押しつけることで安心感を得るためだといわれています。
そしてその行動には、野生時代の犬の習慣が関係しているのです。
犬は本来、信頼していない相手に無防備な背中を見せたがらない動物です。
そのため、飼い主さんにお尻をくっつける行動は、飼い主さんが犬にとって安心して背を向けられる存在である、つまり信頼の置ける相手であることを意味しています。
体の一部を飼い主さんにくっつけることでぬくもりを感じられるので、背を向けながらもリラックスしているのでしょう。
上記でお尻をくっつけてくる行為は、飼い主さんのことを信頼しているからだというお話をしました。
逆に愛犬がおしりを触らせてくれない、触ろうとすると嫌がったり怒ったりするという状態であれば、それはまだ「信頼されていない」状況を表しています。
お尻が触られるのを嫌がっている場合には、まだあなたを信頼していないということになります。
お家に来て日が浅い場合は、嫌がる子が多いかもしれませんね。
背中やおしり、後ろ足は犬の急所であり、無防備な箇所です。
信頼していない相手に突然急所を攻められたと感じ、怖い気持ちで唸ったり、ビクついたりしてしまうのでしょう。
飼い始めてから日数がたっていなかったり、警戒心の強い個体には、この状態が多くみられるかもしれません。
このような場合、飼い主さんであればもちろん愛犬からの信頼を得たいという気持ちが強くなりますよね。
信頼関係を築くことができればこの問題は解決できますが、一刻も早く!と焦るのは厳禁です。
もしも既に1~2年一緒に住んでいるというのであれば、上下関係がしっかりと築けていない可能性がありますので、まずはそこから始めましょう。
愛犬を飼い始めて日が浅いのであれば、まずできるのは愛情をかけてお世話を続けることです。
その子の性格を把握する時間も要するでしょうし、新たな住環境へ犬が慣れるのにも時間がかかる場合があります。
全然懐いてくれない…と落ち込んだり焦ったりするのではなく、毎日愛情を注ぐことが大切です。
いずれ愛情は伝わり、徐々に信頼関係も築いていけるでしょう。
1~2年程生活を共にしているのに信頼を得られていない…と感じる場合は、主従関係がきちんと築けていない可能性があります。
飼い主さんがリーダーであると認識されれば信頼を得ることができますし、頼れるリーダーが家族にいると分かれば愛犬も安心して生活を送れます。
まずは、しっかりとした主従関係を教えることから始めましょう。
犬を飼うことになったら、必ずしなければならないのが主従関係です。
本来、犬はリーダーを作り群れを成して生きる生き物なのです。
したがって、飼い主さんがリーダーになることにより、犬は飼い主さんの命令に従うようになりますが、主従関係が出来ないと、飼い主さんが犬に振り回されることにもなるので注意が必要です。
信頼関係ができたきたかな?と感じたら、まずは「おすわり」している愛犬の後ろに回ってみてください。
いきなりおしりを触るのではなく、先に飼い主さんが後ろにいるという状況に慣れさせるのです。
これが可能であれば、お腹を撫でてみて、徐々に背後やおしりに向かっていくようにステップアップしていきましょう。
もちろん犬にも個体差があり、性格もそれぞれです。
初めて会った相手にすぐにおしりや背中をつける子もいれば、長年一緒に過ごしていも背後に回られるのを嫌がる子もいます。
元々もっている性格が警戒心の強い個体であれば時間がかかるかもしれませんね。
しかし信頼関係を築くことができれば、自ずと愛犬からおしりや背中をつけてくる日がきっと訪れるはずです!
仰向けになってお腹をみせる仕草は、正に信頼の証です。
お腹は犬にとっての急所の一つであり弱点となります。そんな大切な部分をみせるという行為は、その人に心を許しており、安心感を抱いているということです。
飼い主さんを見つめながら仰向けで寝転がる、この愛らしい行動は代表的な愛情表現の一つなのです。
野生動物にとって寝ている間は、襲われる可能性が高く、1番危険な時間となります。
犬にはそんな野生時代の本能が残っています。
人に寄りかかって寝るということは、「この人の横なら寝ても安心だ」という信頼感をその人に抱いている証拠です。
また、離れた場所にいたのにわざわざ隣に来て寄りかかって寝る、という様子がみられる場合は、更に高い信頼を寄せている可能性が高いでしょう。
「隣じゃないと安心して寝れない!」と愛犬は考えているのかもしれませんよ。
興奮している時に名前を呼んで振り向くようであれば、それは信頼関係ができている証拠の一つです。
例えば、散歩中に他の犬に吠えたり吠えられている時、大好きなおもちゃで遊ぶのに夢中になっている時などに、愛犬の名前を呼んでみてください。
このような状態でも名前に反応して振り向いたのなら、飼い主さんの呼ぶ声が何よりも大切だと思っている証拠です。
振り向くだけでなく、きちんと側に寄って来るようならば、更に高い信頼を抱いているといえます。
この行為も、犬が信頼している相手や大好きな人に対してみせる代表的な愛情表現の一つです。
子犬の頃に母犬に甘える仕草の名残だといわれており、頻繁にこの行為を人に対して行うのであれば、その人を母のように慕っているという状態だといえます。
「大好きだよ」という愛情表現に加えて、「もっと甘えたいよ」という欲求を示す意味を含めた行動でもあります。
また、好意を持っている犬同士でも、このような愛情表現が行なわれます。
犬が相手を見つめる行為は敵意の現れだ、目を合わせると敵意を感じさせる、とよくいわれますよね。
しかしこれは知らない相手や、敵とみなしている相手に対しての行動で、警戒を現す意味を持ちます。
飼い主さんや仲間だと認識している相手をみつめている場合は、アイコンタクトを取り信頼の気持ちを伝えようとしている可能性が高いでしょう。
愛犬がじっとみつめてきたら、目を逸らさずに微笑みかけたり撫でるなどして愛情に応えてあげてください。
見つめ合うことがオキシトシンというホルモンの分泌を促し、お互いの信頼感を上げるとの説もあるそうですよ。
この行為も安心感を抱いている相手にしか行わないものです。
飼い主さんに対して愛犬がリラックスできていて、膝や身体の一部に顎を乗せて寛いでいる、または「撫でて」という欲求を示している状態だといえます。
但し、顎と一緒に両前足を乗せて、飼い主さんの上に乗っているような態勢であれば意味が違ってきます。
これは上下関係において、飼い主さんを自分より下にみている状態を表すのです。
前足を乗せてくる行動には抱っこを要求して甘えている場合も考えられるので、普段の様子から上下関係がきちんとできているのかを見極めてください。
抱っこの要求であれば応じる時間を作ってあげたり、上下関係の逆転を感じたのなら「ダメ」といってその行為を止めさせましょう。
犬も人間同様に、自分にとって大切なものや好きなものを、信頼できる大好きな相手と共有したいという気持ちを持っています。
自分が大好きなおもちゃなどを飼い主さんに持ってくるようであれば、それは正に信頼できる相手だと認識しているということなのです。
もちろん「一緒に遊ぼう」と誘っている場合もありますが、楽しい時間や幸せを共有したいと思っているのでしょう。
とても愛らしい愛情表現の方法ですよね。
以上です。
犬は飼い主さんや家族の感情を敏感に感じ取ります。
話すことはできなくても、時には態度で人間を慰めたり、様々な愛情表現ができるとても賢い動物なのです。
体の一部をつける仕草も野生時代の習慣とはいえ、飼い主さんにとって癒しの時間となることは間違いないですよね。
お尻とお尻の愛情あふれるコミュニケーション。
人間にとっても、暖かくて安心できる、嬉しいコミュニケーションですよね。