かわいい猫ちゃんのつぶらな瞳。
でも、猫の目をよく見ていると、その時々で様々な形をしているのはご存じでしょうか。
お昼の目と夜の目。
いつもその表情を変える、不思議な猫ちゃんの目。
そのかわいい猫の目について調べてみました。
猫は本来それほど表情豊かではないはずなのですが、同じ猫でもいろいろ印象が変わります。
その理由としては黒目、すなわち瞳孔の大きさが変わることが考えられます。
それも、人間や犬のように瞳孔の形が丸いまま縮小拡大するのではなく、まん丸から縦棒1本まで縦方向で変化するため、顔の印象も大きく変わるのでしょう。
瞳孔は目に入る光の量を調節する働きをしています。
瞳孔が大きく開けば光の量が増え、小さくなれば光の量は減ります。
人間と猫で瞳孔の動き方が違うのは、瞳孔を収縮させる「瞳孔括約筋」の構造が違うから。
人間の瞳孔括約筋が丸い形をしている一方、猫の瞳孔括約筋は上下に細長くなっているため、猫の瞳孔の幅は縦に変化していくのです。
ちなみに、猫の瞳孔の幅(平均値)は最大14mm、最小1mm以下、瞳孔の最大面積は160平方mm。
人間の瞳孔の幅は、最大8mm、最小2mm、最大面積が50平方mm、という研究データがあります。
この黒目の大きさも猫の大きな魅力なのでしょうね。
猫ちゃんの目は明るいところでは猫の瞳孔は縮まり、針のように細くなります。
そして水平に閉じるまぶたで光の入ってくる量を調節します。
暗いところでは光に反応し大きく広がり、瞳孔の面積を広げることで、より光を取り入れることができるので、星明かり程度の明るさでも見ることができます。
明るい場所で猫が瞳をまん丸にしていたら、何かで興奮状態になっているときなので、近寄らず刺激しない方が無難です。
では、なぜ瞳孔が縦方向に変化するのでしょうか。
瞳孔が縦方向に変化するメリットとしては、
・素早く開閉できる
・目に入る光の量の微調整がしやすい(暗い所では瞳孔を大きく開いてより多くの光を取り入れ、明るい所では瞳孔を細くしたり瞼を閉じたりすることによってまぶしさを軽減できる)
・獲物にピントを合わせやすい
・草むらで狩りをする場合に、草と草の縦長のすき間から獲物を見つけやすい
などが挙げられています。
夜間や薄暗い時間帯に狩りをして暮らしてきた猫にとっては、実に効率的な仕組みといえるでしょう。
「六つ丸く 五七は卵 四つ八つ柿の実にて 九つは針」。
これは、時間によって猫の黒目の大きさが変わる様子を表現した昔の言葉です。
天気の良い日中ならばある程度合っていたことから、猫の目を時計代わりにしていた人もいたようです。
昔は、猫の目を見て時間を確認していたこともあり、島津義弘が時計代わりに猫7匹を朝鮮へ連れて行き、猫の目の瞳孔の開き具合によって時刻を推察したという言い伝えがあるほどです。
また忍者がその昔、時間を知るために猫の目をみてある程度の時間を知ったという話もあります。
忍者は時間を知るために砂時計を持ち歩いていましたが、それ以外にも時間を知る方法を知っていました。
それが「猫の目時計」といって、猫の目の開きぐあいによって時刻を知る方法です。
猫の目玉は、夜明けの頃と日暮れの頃、昔の時刻でいうと明け六つ、暮れ六つにはいっぱいに開いていて丸く見えます。
五つ、七つといわれる午前8時頃と午後4時頃には、卵形ぐらいに細くなります。
四つ。八つといわれる午前10時頃と午後2時頃には、卵形がだんだん細くなって、柿の種ぐらいになります。
九つといわれる正午頃にはいっそう細くなり、針のように一直線に見えます。
忍者や、昔の使徒たちは、この猫の目の習性をよく知っていたので利用できたのでしょう。
すごいですね!