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■なぜ欧米は執拗に消費税増税を日本へ催促したのか
【消費税増税決断の裏側】
SankeiBiz(産経新聞社)田村秀男
2013.11.13
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「増税しないと日本国債や日本株の相場が急落しかねない」といった欧米メディアの報道姿勢が、安倍首相をすっかり国際包囲してしまった。
その背景にあるのは、デフレ圧力を強める増税は、日本の余剰資金を海外に流出させることにつながるからだ。
そして、その資金流出は米欧の投資ファンドの利益に直結している。
欧米系メディアは、事あるごとに「日本の消費税増税を予定通り実行せよ」とせき立ててきた。
英国フィナンシャルタイムズ紙(アジア版)は9月13日付の社説で消費税増税を「挑戦するに値するギャンブル」「さいは投げられた」として安倍首相の増税決断を先回りして褒めたたえる始末だった。
米国ウォールストリートジャーナル紙や通信社のロイター、ブルームバーグも来年4月からの消費税率3%の引き上げが決まったと断定したり、「増税しないと日本国債や日本株の相場が急落しかねない」とする市場エコノミストたちの見解をしきりに紹介した。
これら海外メディアの報道ぶりにより、増税について慎重だった安倍首相はすっかり国際包囲されてしまったようだ。
欧米メディアは、なぜこうも執拗に日本へ増税を催促したのか。
上記の欧米メディアはいずれもウォール街など国際金融市場の利害を少なからず代弁している。
日本の増税が望ましいというコンセンサスが裏にあったのだろうか。
現に、米欧の国際金融マフィアが牛耳るIMF(国際通貨基金)は2年以上前から日本の消費税増税を求めてきた。
そしてG7(先進7カ国グループ)、先進国に新興国を加えたG20(20カ国グループ)もIMFの意向に従っている。
日本は世界最大の外国向け資金の提供国であり、その基本的な担い手は家計である。
金融機関は集めた資金の多くを日本国債や外国証券に投資して運用する。財務省は外国為替資金特別会計を通じて金融機関から円資金を調達して米国債を購入し、運用する。
(中略)
FRBが量的緩和政策の縮小に動く中で動揺する米欧の株式や債券市場にとって、これほど頼りになる資金の出し手はほかにいない。
日本はデフレで国内資金需要がない限り、余剰資金は海外に流れ出る。
デフレ圧力をいっそう強める消費税増税に日本が踏み切ることは米欧の投資ファンドに利するといえるのだ。
安倍首相は国際金融コミュニティーの声に呼応する財務省や自民党内の増税支持勢力や国内メディアに包囲され、がんじがらめにされたあげく、来年4月からの消費税率8%を予定通り行なうと発表した。
首相は「脱デフレ」を諦めず、増税に備えるための経済対策の作成を麻生財務相や甘利経済再生担当相に指示した。
補正予算と法人税減税を合計しても、財源の制約から2012年度末の真水5兆円の補正予算の規模が限度で、増税デフレを相殺するには不十分だ。
消費税増税によるデフレ圧力を政府として解消させる決め手には欠ける。
これで日本は、来年以降も世界最大の資金の出し手であり続けるだろう。
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【消費税増税決断の裏側】
なぜ欧米は執拗に日本へ催促したのか
SankeiBiz(産経新聞社)2013.11.13
田村秀男
いかがでしょうか。
消費税は、一般的に逆累進性を有し、貧しい方からも一律徴収する税体系を有しています。
富裕層に有利な税体系であることから、欧州以外、消費税(及び消費税に近いもの)は多くの国々で「悪税」としても知られています。
旧来日本も「弱きを助け強きを挫く」考え方が強く、累進課税を主に採用し、富裕層から多くの徴税を実施してきました。
しかし、親米政権の中曽根総理が消費税を強力に推進、竹下政権下で消費税導入が決定されます。
その国を支える消費、その消費意欲を大きく減退させることとなる、消費税。
経済に悪影響を与えてしまい、その国の経済力は大きく減退してしまいます。
日本も度重なる消費税増税の度に、その個人消費は一気に落ち込み、日本経済は衰退してきました。
失われた30年も、この消費税増税が背景にあると言っても過言ではないでしょう。
経済減退だけではありません。
上記記事にあるように、日本の貯蓄は米欧の投資ファンドのターゲットとなってしまいます。
このように、消費税の始まりは「外圧」が背景にあります。
そして10%にまで消費税を拡大させてきた背景は、やはり「外圧」でした。
消費税への考え方は、その政権の考え方を端的に表していくのではないでしょうか。
「強きを挫く政権なのか」、それとも「弱きを挫く政権なのか」。
今一度、政治を担う方々が、どこを見て日本を動かしているのか、その目線をしっかりと見据える必要があるのかもしれません。
<参考資料>
「日本経済は消費税10%で完全に終わります」
ポール・クルーグマン(ノーベル賞経済学者、米プリンストン大学教授)
週刊現代(講談社)
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