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増える訪日外国人数
「大阪万博2025」。
個人的には非常に素晴らしい結果だと思っています。
なぜならば、大坂万博が決まるまで、どの方とお話しても、「東京オリンピック後の景気後退」が懸念材料として、日本経済の先行きに不安を持っていたからです。
建設・不動産業界は当然ながら、メーカーや小売業に至るまで、東京オリンピック後は不況に再突入するだろう、という意見ばかり。
東京オリンピック後は、日本は再び、どん底に陥るだろうという、景気の見方でした。
でも、その見通しを覆す「大阪万博2025」。
人によっては、たかが経済効果2兆円、という方もいらっしゃいます。
でも、「経済」で一番影響があるのが、一人一人の「心理」ではないでしょうか。
たかが2兆円ですが、それでも一人一人の「オリンピック後」に前向きな気持ちが生まれるものだと思っています。
さて、東京オリンピックに、大阪万博2025。
これからますます外国人の来日人数が増え続けるでしょう。
以下のグラフは訪日外国人数のグラフです。(日本政府観光局統計より)
出所:日本政府観光局 (JNTO) 発表統計より
凄いですね。
素晴らしい伸び数。
ビジネスにも大きなインパクトがみられそうです。
来日外国人向けのニッチビジネスは、まだまだ可能性は多くありそうですね。
ビジネスの話だけではありません。
私たちの生活に外国人の方々がどんどん増えていく、まさに実感できるような環境になっていくのではないでしょうか。
でも。
外国の方とのコミュニケーションが苦手な日本人。
どんなに文法を覚えても、意思疎通ができない日本人。
英語の成績が良い方が、外国人とコミュニケーションが取れるとは限りませんが、本当の異文化交流には大きなハードルかもしれません。
意志疎通のむずかしさ
私個人、海外旅行は約20カ国ほど経験しています。
パック旅行なども行きましたが、必ず現地の方だけしか行かない飲食店やマーケットなどにいくようにします。
安価で、現地の独特の文化に触れられる、貴重な体験ができます。
そのとき、大事だなあ、と毎回感じるのが、「本当の意志疎通」。
表面だけではない、言葉だけではない、意思疎通ですね。
目的を達成するための伝える技術は、世界各国どこにいっても、大事な技術かもしれません。
出川イングリッシュからの学ぶ、コミュニケーション6つの秘訣
日本テレビ、世界の果てまでイッテQの「はじめてのおつかい!」をご存知でしょうか。
出川哲朗さんが外国へ行き、英語だけで目的地へ辿り着けるかというコーナーです。
今では大人気コーナーで、すでにご存知の方も多いかもしれません。
この出川さんの「はじめてのおつかい!」をご覧になった方ならわかると思いますが、出川さんは決して英語は得意だとは言えそうにありません。
でも、外国の方とコミュニケーションが成立しているのですね。
なぜ、意思疎通ができるのでしょうか。
その秘訣について、私個人の見解から、6つにわけてみました。
①目を見て話す
まず最初に、出川さんの行動で目に付くのは、「相手の目を見て話す」ことではないでしょうか。
自己アピールにも役立ちます。
そのためには、相手の正面に立つ・座るなども一つかもしれません。
「自分」に注目してもらい、まず自分を知ってもらうことではないでしょうか。
そして、やましいことがない、というアピールにもつながります。
素通りされてしまう方は、まず自己アピールするために、しっかりと相手の目を見て話すことが第一歩かもしれません。
②全身で話す
英語力に自信のない方にとって重要なのが「ジェスチャー」です。
出川さんのコミュニケーションを見ていて、手振りが多いのにも気が付きます。
手振りなども含めて、少しオーバーでもいいので、全身で伝えることは「理解してもらう」には非常に重要ではないでしょうか。
まさに「手振り身振り」。
海外のビジネスプレゼンテーションをみていても、オーバーなジェスチャーは、よく見る光景ですね。
③イメージする力
個人的に非常に大事だと思うのは「イメージする力」だと思っています。
自分の伝えたいことをどれだけ明確にイメージすることができるのかどうかです。
例えば、色。
赤なのか、青なのか、黄色なのか。
大きさもそうですね。
大きいのか、小さいのか、ジェスチャーで表現することもできますよね。
そのために大事なのは、自ら、伝えることは何か、明確にイメージすることかもしれません。
伝える際、筆記用具などがあれば、絵や数字などで伝えるのも有効です。
④自分の言葉に置き換える
自分のイメージするものを伝える際、重要なのが、そのイメージをどう伝えるのか、ではないでしょうか。
イメージする力と連動するところかもしれませんが、そのイメージした物事を、自らの言葉で伝えることが重要だと思っています。
例えば、難しい単語で返答された場合、それは「〇〇ということですか?」というように、例え間違っていても、自分の理解できる言葉に置き換えると有効かもしれません。
一番効果的な理由は、その「自分の言葉」に感情が入ることです。
イントネーションや声の高さなど、様々な直観を刺激し、相手の脳に訴えかけることができるのではないでしょうか。
その「自分の言葉」が、現地の言葉でなくて例え日本語でも、相手にダイレクトに伝わることがあります。
⑤相手の表情を読む力
出川イングリッシュを見ていると、出川さん特有の相手の表情(心理)を読む力に優れているように感じます。
相手が怒っているのか、笑っているのか、興味がないのか、あるのか。
相手に応じてその表情を瞬時に理解しているように感じます。
その表情を受けて、どのように伝えるのか、直感的に最適な伝え方をしているように思います。
当然ですが、忙しい人、気難しい人へのアプローチはあまり効果はありません。
相手の心の動きを正確にとらえる力も、コミュニケーション力の一つかもしれません。
⑥会話を楽しむ
そして、何といっても、出川さんを見て感じるのが、全身から溢れる「楽しむ力」。
英会話で大事なのは「楽しむこと」ではないでしょうか。
楽しんでいること、その表情や声の大きさ、声の高さなどから、相手に伝わり易くなるように思います。
そもそも相手に「悪意がない」ことは伝わりますよね。
相手の心を動かす一番の武器は「笑顔」かもしれません。
自分が楽しんでいることで、相手も楽しんでくれる可能性は高くなります。
「楽しむこと」で、どんな場所においても協力者は現れるものです。
文法なんて、気にしない!
そういえば、以前読んだ本に、コミュニケーションについて、興味深い研究結果があったことを思い出しました。
アメリカの心理学者、アルバート・マレービアン博士によると、人間のコミュニケーションにおいて、実際に話す言葉の内容は、相手が受け取る情報のたった7%にしかならないというのです。
残りの93%は、身振り手振りや表情、声色といった、いわゆる「ノンバーバルコミュニケーション」によるところが大きい、とのことでした。
驚きですよね。
自分が苦労して話している言葉が、相手にとっては7%しか役立っていない。
文法なんて、意思疎通において、大した比重ではないんですね。
「安全?」という警戒心
人類の歴史は、他国からの侵略は非常に大きな脅威でした。
特に様々な国家が乱立している欧州などは、異文化・異国との交流は「リスク」と「利益」は、表裏一体。
まず、最初に思うのは、「この人は大丈夫か?」という視点。
今では日本は安全、日本人は優しいと思っていただけることは多いかもしれません。
でも、外国の方と話すにあたって、最初のアプローチにおいて重要なのは安心感ではないでしょうか。
「こいつ悪い奴ではないな」と思っていただけるかどうか。
日本人でもそうですよね。
外国の方に対する警戒心は、まだ日本人の大半の方は、一部持っているのものではないでしょうか。
この警戒心、日本人特有の感覚ではないんですね。
つまり、まず一番最初にあるのは「この人は安全か?」という不安を取り除くことかもしれません。
英語力ではなくて、自分をさらけ出せる能力
異文化、外国の方との意思疎通。
出川イングリッシュをみて、一番大事だなあ、と思うことは「自分をさらけ出すこと」。
どの自信からくるのかわからないほど、出川さんは自信に満ち溢れています。
出川さんは、何を間違っても、何を言われても気にせずに、自分をさらけ出しています。
結果、「こいつ、何か、しゃべっているけど、悪い奴じゃないな」となっているように感じます。
そう考えると、異文化コミュニケーションで一番大事なのは「自分をさらけ出す勇気」かもしれません。
かっこつけなくていい。
恥ずかしくなんかない。
間違いや失敗なんか恐れるな!
出川さんをみていると、こう、聞こえてくるようです。
最後に
名言を贈ります。
ありのままの自分を見つめ、自分を思い切り表現するということは、本人にとって幸せだし、方向性が合っていれば社会にとっても一番いい。
谷家衛/投資家・CAMPFIRE取締役会長
ありのままの自分で生きている人は魅力的に映ります。その人を応援してくれる人も増えていくでしょう。人間的な魅力があれば、大勢の人が集まり、仕事の成果も大きくなるはずです。
枡野俊明/曹洞宗徳雄山建功寺住職
相手の年齢や役職が自分より上の場合、カッコつけないことが大切です。若いうちは実力がないのは当たり前だし、ましてや百戦錬磨の相手なら、若造がいくら取り繕ったところで、簡単に見破られてしまいます。それよりも、ありのままの自分を見せた方がいいですね。もちろん、そうするには勇気がいりますけれど、その勇気が案外、高く評価されたりするのです。
石渡美奈/ホッピービバレッジ3代目代表
「ありのままの自分でいる勇気」を持てると、仕事でも勉強でも「勝ち負けにこだわる」「人と自分を比べる」という考えがなくなります。だから純粋に自分を高めることにリソースを集中できる。その結果、人と競わなくても、仕事や勉強で成果が出る。
岸見一郎/『嫌われる勇気』著者
社員と接するときに大切にしていることは、「ありのままの自分を出す」ということ。これに尽きますね。弱みや苦手なところ、悪いところ、強みもいいところも、すべて出す。私はそれしかできないんです。社員も私のことを、社長というより「面白い人ね」くらいにしか思っていないかもしれません(笑)。
矢崎精二/「ロイヤルホスト」代表
よく「どうしてそんなに自信があるんですか」とか、「自信に満ちていてうらやましい」と言われる。だが、僕は自信があるとは思っていない。自信なんてものは、どうでもいいじゃないか。そんなもので行動したら、ロクなことはないと思う。ただ僕はありのままの自分を貫くしかないと覚悟を決めている。それは己自身をこそ最大の敵として、容赦なく闘い続けることなんだ。
岡本太郎
リアクション芸人の路線に、「素の自分を見せる」という面が加わったものの、僕のスタンスは何も変わっていません。僕に注目していただけている今の状況を、ネタでは「時代が僕に追いついたんだ」と言ってますけどね(笑)。
出川哲朗
海外っていうとみんな言葉の心配するでしょ。みんな堅く考えすぎ!どこへ行っても挨拶とHow much? だけ聞ければなんとかなっちゃうんだから。
ジミー大西