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ナノキャリア株式会社創業者:中冨一郎、癌細胞へ従来のミサイル療法より精度が高い方法とは?

 

癌細胞へ従来のミサイル療法より精度が高い方法とは?

 

 

中冨一郎/ナノキャリア

 

 

従来のミサイル療法より精度が高く、がんに直接アタックできる方法です。

また、これまでの低分子抗がん剤だけではなく、核酸も対象にしており、がん細胞の中にある増殖のキーになる成分にくっついてブロックし、がん細胞の増殖を抑制するような研究も行っています。

 

核酸はとても不安定な物質で、血液中に入ると直ぐに壊れてしまうのです。

これを安定的にミサイルに閉じ込めて、がん細胞だけに投射することで効果的にがんにアタックする方法を試しています。

 

従来の方法ではミサイルは通り道にある他の細胞にも少なからず影響を与えてしまいます。

新たな方法では、がん細胞の増殖の原動力になっている部分だけに到達させます。

 

さらに、核酸は、原因となる成分がなければ作用しないため、副作用がでない究極の治療薬になります。

現在のところは臨床試験までは到達していませんが、今後に大変期待しています。

 

副作用がまったくゼロで、がん細胞だけに作用するという、真の究極を目指しているのです。

 

 

 

 

 

 

 

中冨一郎(ナノキャリア創業者)とは?

 

 

1950年生まれ、佐賀県出身。

久光製薬の創業家出身。

 

昭和49年東京理科大学薬学部卒業

昭和53年ノースイースタン大学大学院修士取得

 

昭和53年4月久光製薬㈱入社

昭和63年岐阜薬科大学薬学博士取得

 

平成3年1月米国セラテック・インク入社ビジネス開発担当副社長

平成5年10月日本セラテック㈱代表取締役社長兼任

 

平成8年6月ナノテクノロジーを利用したミセル化ナノ粒子を医薬品開発に応用・実用化することを目的として、ナノキャリア㈱を設立

平成8年6月ナノキャリア㈱代表取締役社長CEO

 

平成14年「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」アカデミア部門優秀賞受賞

平成20年3月ナノキャリア㈱東京証券取引所マザーズに株式を上場

 

平成20年8月iPSアカデミアジャパン㈱取締役

平成20年10月大学発ベンチャー協会副会長

 

平成21年2月日本ライセンス協会副会長

平成26年2月日本ライセンス協会会長

 

平成26年7月㈱iPSポータル取締役

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中冨一郎(ナノキャリア創業者)の「コトバ」

 

 

 

 

 

リーマンショック後で厳しい状況が続きましたが、台湾とアジアの試験から始め、資金を調達しながら日本やアメリカ、ヨーロッパに拡張して臨床試験を行ってきた経緯があります。パイプラインひとつに複数のプロジェクトがあり、例えばNC-6004は、膵臓がんに関してはアジア地域と日本で、非小細胞肺がん、胆道がん、膀胱がんは欧米で、頭頸部がんについては、アジア地域と欧米でと、様々な戦略のもとに臨床開発を行っています。抗がん剤の適応症というのはいろいろな試験をしてみないと分からないことが多いのです。医薬品ごとに、適応症を見つけ、拡大していくために、一つの医薬品候補においても広く臨床試験を行っているのです

 

 

 

 

 

 

 

抗腫瘍作用と、強い副作用を軽減するという意味では高い臨床効果が得られています。DDSによって、非常に強い副作用を軽減することはできます。しかし、まだゼロではありません。他の組織に影響を与えないわけではありません。これをゼロにする。これは大変難しいことです

 

 

 

 

 

 

 

さらに効果を上げて副作用を軽減する、究極の薬の開発を目指しています。これは抗体/薬物結合型ミセルADCM(Antibody/Drug-conjugated Micelle)と呼ぶ技術で、薬物を大量に内包する粒子の表面に抗体が結合しているもので、簡単に言うとセンサーがついているカプセルです。がんを探すセンサーを付けて抗がん剤を直接大量にがん細胞に伝達させるシステムです

 

 

 

 

 

 

 

化粧品への展開は、美白美容液を2010年に自社で発売して以降、付加価値のある高級化粧品を販売する化粧品会社と共同開発を進めました。アマゾン地域に生息するフルーツのオイルや紫外線の強い地域で生息する沖縄のブドウオイルを配合し、抗酸化成分と皮膚細胞を整える成分をミセルに閉じ込めて皮膚の再生に必要な部分に届けてあげるコンセプトを持つ製品です。2013年秋に化粧品メーカーより発売され、急速な勢いで販売が伸びた商品となりました。当社は共同開発したミセル原料を供給しています。今年10月にはリニューアルし、さらにパワーアップした製品として発売され、ロングセラー商品として位置づけられています。さらに美白成分をミセルに入れ、別の美容液にも展開しています。また、新たな展開として、2016年に発売したスカルプケアシリーズ「Depth」という男性向けの育毛剤も発売しました。さらに2017年には女性向けも発売し、ヘアケアシリーズも次々と生まれています。今後、化粧品向けの販売促進を図るとともに、新規に皮膚科医薬品にも展開していくつもりです

 

 

 

 

 

 

抗がん剤と育毛剤では分野が違いますが、がん治療を受けられて脱毛に悩む方も多くいらっしゃいます。こうした方のケアに利用できないか検討しているところです。いずれの分野でも、さらに面白いものができ上がりつつあるのが現状です。これを早く世に出したいと思っています

 

 

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