フロンティア・マネジメント株式会社創業者:大西正一郎、案件審査会議とは?

フロンティア・マネジメント株式会社創業者:大西正一郎、案件審査会議とは?

 

案件審査会議とは?

 

大西正一郎/フロンティア・マネジメント

 

 

『中長期的に会社をサポートする』という本質論を非常に重視しています。

チェックポイントは『そのソリューションで、10年後もお客様の企業価値が維持又は向上できているか。』。

目の前にいるお客様の満足だけを考えていると、結果として、短期的な視野のソリューションにしか結びつかないこともあり、それは結局お客様の中長期的な利益に繋がらない可能性がありますからね。

お客様のご要望をそのままを絵にして、それでコンサルティングができれば、そこには何らの独創性が不要であることから、仕事としては楽です。

しかしながら、プロとしての専門性と付加価値を示すためには、『私達フロンティア・マネジメントの意見はこうです。』という独自の考察部分を提供しなければならないのです。

案件審査会議は、まさにそれを問う場に他なりません。

これは、お客様のことを生真面目に考える、うちの会社のカルチャーのひとつですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大西正一郎(フロンティア・マネジメント創業者)とは?

 

 

 

大西正一郎。

1992年に東京弁護士会弁護士登録(44期)後、奥野総合法律事務所(現、奥野総合法律事務所・外国法共同事業)に勤務し、1997年にパートナー弁護士に就任。

 

奥野総合法律事務所では、訴訟案件のみならず、ホテルや総合スーパー、アパレルメーカー、ノンバンク等の数々の企業再生案件(会社更生、民事再生、和議、会社整理、私的整理等)で申立代理人又は管財人代理を務める。

 

1998年以降、当時の日本最大の会社更生案件である㈱日本リース(負債額2兆3,000億円)にて管財人代理等を務め、リース事業の営業譲渡及び更生計画策定の責任者として同社の会社更生に貢献。

 

2000年に㈱ライフ(負債額9,600億円)の会社更生案件の管財人代理として、2001年には大成火災海上保険㈱(負債額4,000億円)の更生特例法による会社更生案件の管財人代理として、それぞれM&A及び更生計画の策定に中心的に携わり、同社等の会社更生に重要な役割を果たす。

 

2003年に㈱産業再生機構に入社し、マネージングディレクターに就任。

㈱産業再生機構では、三井鉱山㈱の事業再生計画策定や金融機関との利害調整等に携わり、2004年に同社監査役に就任。

 

また、2004年にカネボウ㈱の事業再生計画策定等にも携わり、同社取締役に就任して再生計画の実行を支援。

更に、2004年より㈱ダイエーの事業再生計画策定にも携わり、2005年からは同社取締役としてターンアラウンドを主導。

 

なお、これら大型案件以外にも、栃木レザー㈱(旧商号栃木皮革㈱)といった地方案件でも案件責任者を務める。

2007年にフロンティア・マネジメント㈱を設立し、代表取締役に就任。

 

フロンティア・マネジメント㈱設立後は、2008年にアルピコホールディングス㈱取締役、2009年にJAL再生タスクフォースのメンバー、2010年に更生会社㈱ウィルコム事業管財人、2011年には内閣官房 東京電力経営・財務調査タスクフォース事務局の事務局次長を務める。

 

2012年のフロンティア・ターンアラウンド㈱(100%子会社)設立時に代表取締役社長、2016年に代表取締役会長に就任。

2018年09月 東証マザーズ上場。

 

2020年に東京電力ホールディングス㈱社外取締役。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大西正一郎(フロンティア・マネジメント創業者)の「コトバ」

 

 

 

 

法学部を卒業して、1992年に東京弁護士会に弁護士登録しました。就職した奥野総合法律事務所で企業再生系の案件を数多く担当し、97年にパートナー弁護士に就任。企業再生に特化して弁護士としてのキャリアを極めたいと思ったことと、バブル崩壊後に大型の法的整理が続いた後に政府主導で始まった早期事業再生という時代の流れにキャッチアップしたいとの思いから、2003年にできた(株)産業再生機構 (債務超過に陥っている事業者の事業再生を目的として、2003年4月に政府が設立した特殊法人) に入社しました。そこで松岡と出会って、一緒にカネボウ様やダイエー様の再建に取り組みました。それまでも法律の専門家として再生に関わってきましたが、弁護士が担う再生とは全ての債権者の合意を取ることが基本であり、その会社の事業を再生のスタートラインまで立たせるまでをサポートする仕事でした。ところが(株)産業再生機構では、担当する企業の経営に取締役として踏み込んで、リストラを含めて事業構造を実際に再構築していく経験をしました。法律だけにとどまらず、事業運営に関するあらゆる知見が求められる業務であり、より深く極めたいと思うようになりました。 「この仕事を民間でやるとしたら、どうすべきだろう?」 と起業を考えるようになったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

企業再生における弁護士事務所の役割は、再生計画を作成し、債権者の合意をとることがメインです。再生のスタートラインに立つまでをサポートをするという役割ですが、本来の企業再生は、再び企業が安定した軌道に乗るまでをサポートすることです。産業再生機構では、再生を担当する企業に取締役として入り、リストラ等を含めて事業を再構築するという経験を積むことができました。再生では一つ一つの案件で状況が全く異なっていて、ソリューションやその実行のステップもどれ一つ同じものはありません。法律だけではなく、企業経営に関するあらゆる知見が求められるタフな現場でしたが、企業再生の面白さを改めて実感するとともに、それをより深く極めたいと思うようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

企業のマネジメントは、常時、法律、ファイナンス、ビジネス、会計、税務など複数の分野を総合した最適解を探しだすことが必要となります。従来の専門特化型のプロフェッショナルサービスでは、それぞれの専門領域ではプロですが、複数の専門領域に跨るビジネス課題を総合的に捉えた解を出すことは難しい。そのため、複数の分野の専門家を擁し、総合的な解決策を提供できる会社を目指しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

たとえばM&Aアドバイザリーだけの会社であれば、M&Aを行う必要がない、自力で再建できるお客様に、M&Aを勧めることになるかもしれない。また経営コンサルティングだけの会社であれば、自主再生できない状況なのに、無理な改善計画を策定してしまうことになるかもしれません。お客様のニーズを無視して、サービスの供給者側のニーズでソリューションの内容が決まることは本末転倒と考えております。お客様にとってベストなサービスは何かと考えると、自分たちが法律、金融、会計・税務、オペレーション、組織・人事、IT等の企業経営に必要な各分野にプロフェッショナルな人材を擁し、お客様に何が必要かを適切に診断し、それに応じたソリューションを提供することがベストですね。フロンティア・マネジメントは企業にとっての所謂『総合病院』のようなものだと考えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

フロンティア・マネジメントでは、多様なバックグラウンドを持つプロフェッショナルが、お客様のニーズに応じて、その都度柔軟にプロジェクトチームを編成し、課題解決へと導きます。その大前提として、メンバーの一人ひとりがそれぞれの専門分野において『一流』であることが非常に重要です。一人ひとりのメンバーの専門性が不足していれば、総合的な視点があったとしても、決して価値あるソリューションは提供できません。お客様に満足して頂くためには、提供するそれぞれのソリューションの質についても併せて追求していきたいと考えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

オフサイトミーティングでは、半分が経営理念の話、残り半分がこれからの経営戦略の話をします。やはり色々な専門家が集まっているだけではダメで、そこで持っている情報とか知見を混ぜ合わせて化学反応を起こすことが大事ですが、そのためには当社の経営理念を全員が共有していることが必要なのです。それをやっていく仕組みを作らないと、全社的な一体感が無い状態になり、当社としての強みを発揮することができなくなってしまいますから、定期的に経営理念と成長戦略を共有する場を作ることが大切だと考えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

フロンティア・マネジメントを『世界で一番難しい案件をやるファーム』にしたいんです。そうすれば指名で仕事が来ますからね。すでに再生では難しい案件が弊社に集まってくるようになっていますが、ほかの分野でもそうなることを目指しています。

 

 

 

 

 

 

例えば事業再生では、性格の異なる複数の事業を運営しているコングロマリットは難しい案件の一つです。また、銀行、株主、労働組合など関係者の利害が複雑に絡み合っていて、その絡んだ紐を少しずつ解いていく必要があるような案件も、難しい案件の一つでしょう。そのようなケースでは、高い経験値が要求されますし、関係者を説得する力量を併せ持つ必要がありますから、誰でできるという仕事ではありません。そういった仕事をやることが、会社にとっても、メンバーにとっても大切だと考え得ています。

 

 

 

 

 

 

楽に稼げて、早く帰れる仕事が、ワークライフバランスもとれて良いと考える方もいるでしょう。しかしながら、高い専門性を身につけることができなければ、その人の仕事は他の何者かに代替されてしまうようになります。我々は、メンバーの一人ひとりが、『どこへ行ってもプロフェッショナルとして勝負できる人材』に成長して欲しいと心から願っています。そのために、フロンティア・マネジメントは、経験値を高めることができる良質な案件、リスペクトできる先輩、適切な報酬が揃っているという環境をメンバーに提供しています。

 

 

 

 

 

 

 

ある人が大きな案件を獲得したとします。それは勿論素晴らしいことですが、それはその人だけの努力で成し得たものではありません。必ずその前に、種をまいて、じっくりと関係を育てていた人がいるんです。そのような相互の互恵関係の中で私達は仕事をしていますから、誰が受注をしたかということだけを重要視することはありません。確かに、フロンティア・マネジメントの担当案件には、世間でいう著名な案件も多く含まれていますが、そうでない仕事も多々あります。私達は、日本各地における地域色の高い小さな事業再生案件からスタートして、一つ一つの案件で成果を出すことで、顧客や金融機関の信頼を得て、ここまで成長してきました。案件の大小関係なく、クライアントの企業価値をいかに上げるのか、ということ自体に喜びを感じて仕事をしてほしいと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バックボーンが違う人たちが集まっていることが、フロンティア・マネジメントの面白さだと思います。違う分野の人がデスクを並べてチームを組んで仕事をするという機会は、世の中にあまり無いですが、フロンティア・マネジメントでは日常茶飯事です。 他分野のプロフェッショナルからのアドバイスに対し『素人は口出さないでほしい!』と考えるような、専門縦割りで考える人は、うちでは厳しいでしょう。逆に『そういう風に見るんだ、面白いな』と、他分野の人のアドバイスや意見を前向きに捉えることができる人には、とても知的好奇心が満たされる楽しい職場だと思います。分野を超えてコミュニケーションをして、分かりあって、リスペクトし合うのがフロンティア・マネジメントの良き文化です。

 

 

 

 

 

 

 

例えば法律事務所であれば、彼らはやはりリスクをヘッジしなければいけないので、スキームに対しいろいろと条件を付けたりした上で保守的なアドバイスをしがちであり、会計事務所もそういう傾向があります。一方で、コンサルティングファームは、クライアントの決めたスコープをどう実現するかが重要なので、その両者とは異なって、多少リスクを含む提案をしてくることもあります。では、そこで意見が食い違っているとき、クライアントはどうすればいいか。法律面からはこうです、会計面や税務面からはこうです、ビジネス面からはこうです、あとはそちらで考えてください、と言われても物事は進まないですよね。そこで我々は、前もって社内で法律や会計、ファイナンス、ビジネス等のすべて側面を総合的に検証したうえでソリューション案を複数策定し、それをクライアントに提示するというスタイルをとります。

 

 

 

 

 

 

 

 

再生機構出身ではあるものの、そもそも再生を長らくやっていたのは恐らく私くらいで、他のメンバーは、そもそも成長企業のコンサルティングやリサーチやアドバイザリーを実際に行ってきた多様なスキルを持った人材でしたから、経営戦略コンサルティングへの広がり、また成長戦略としてのM&Aアドバイザリーへの業務の広がりというのは比較的容易な動きでした。M&Aについては、ほとんどの年で年間30件以上の案件をやってきて、ブティックファームとして一定の地位を確立し、国内の年間ランキングにも毎年ほぼTOP10以内に入ってきています。ここ1、2年は、アジア進出サポートやクロスボーダーM&Aに力を入れていますが、これも何が起点かというと、我々がやりたいか否かというよりは、お客様の関心が海外進出等に向いてきたため、そのニーズに迅速に応えなければ、ということがきっかけになっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

成長戦略や産業分析に詳しい専門家が同じフロアにいるというのは大きいと思います。M&Aだけの会社が外部のコンサルティングファームと一緒にM&Aを仕掛けようとしてもなかなかスムーズにはいかないですが、FMIでは社内の2つのチームが組んで戦略とM&Aの話を同時に提案できる、こういうファームは恐らく他にないと思います。M&Aファームでも、コンサルティングの機能を多少持っている会社はあると思いますが、我々のようにM&Aとコンサルをそれぞれ本業、等価値のサービスとしてやっていて、かつどちらもそれぞれ十分な実績があるという会社は他には見当たらないように思います。次は、再生がからむような難易度の高いM&A案件が得意であるということ。例えば負債過多だったり株主の問題があったりという、普通のM&Aではデッドロックに乗り上げてしまうような案件も、FMIは非常に得意としています。我々が出来なければ他では出来ないんじゃないでしょうかというくらい自信を持ったうえで、そのような難易度の高いM&Aをこなしています。今では、そういった案件があると、我々を指名して話が来るようになっています。最後はグローバル。我々は自前で上海とシンガポールに海外拠点を持っています。大手グローバルファームの場合、グローバルといっても各国で独立した組織がやっているので別法人と組むのとそれほど変わりません。その点、我々は少なくともアジアについてはオーガニックで展開していますから、日本の企業がアジアに進出して成長していく過程を、日本からのコントロールでフルサポートすることが出来ます。

 

 

 

 

 

 

 

 

お客様が「それでいい」と言っているのに、社内で通らないということも度々あります。それだけ高いものを求めるし、特に代表の我々からは「そのソリューションで5年後10年後も大丈夫ですか、そこまで考えていますか」と問うことが多いですね。例えば再生のシーンで、収益が悪かったら経費を削るというような、一般的なソリューションというものがあると思います。それはそれで大事ですが、それだけではその会社の本当の課題、もしくは顔が見えてこないのです。企業にはそれぞれ固有の歴史や特徴があって、働いている人も違うのだから、課題や解決策が全く同じになるはずがない。そこをきちんと捉えているか、視野が狭くなっていないか、それを外の視点から確認することで全体のクオリティを維持しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

業種や売上規模を問わず、日本企業は今、複雑化・高度化、そしてグローバル化する経営課題と直面しており、それを単一分野のソリューションで解決することは難しくなっています。現代の経営課題の多くは、幅広い専門知識が求められる 「応用問題」 なのです。従って企業が経営改革を推進しようとすれば、複数の専門ファームとの協働が必要になります。例えば、的確なリサーチに基づいて新たな成長戦略を立案できる経営コンサルティング会社、組織再編やM&Aなど金融アドバイザリー機能を持つ証券会社、事業再生計画に基づき各種の手続きや利害関係者との交渉を担う弁護士事務所、財務に関する課題を解決する会計事務所などです。これらの会社と個別に契約し、専門分野ごとに一つずつ課題の解決を図っていかなければなりません。企業からすれば非効率ですし、また全ての専門分野に精通し、改革の実務全体をコントロールできるマルチな人材が自社内にいることはまずありません。こうした悩みと向き合う企業の経営陣と同じ目線に立って、実効が伴う経営改革を支援するためには、 「経営コンサルティング」 「M&A」 「事業再生」 という3つの専門分野にまたがるビジネスソリューションをワンパッケージで提供できる総合的な機能を内包することが重要であると考えました。余り前例のない事業ドメインでありサービス・ラインナップですが、だからこそ当社はベンチャー精神を持って、高いレベルでのサービス提供を目指しています。

 

 

 

 

 

 

 

企業の経営改革は、継続的な取り組みを現場に定着させることにより、初めて、成果に結びつくものです。当社ではお客様の複雑な経営課題を紐解き、長期的な視野に立って、例えば 「会計や税務の論点ではこうです」 「事業戦略上の答えはこうなります」 「金融アドバイザリーの最適解はこれです」 と様々な観点から論点を整理し、それらを融合した上でいくつかの採りうる選択肢を提示して、顧客の最適な経営判断を導いていくことを基本スタンスとしています。また、企業再生の実務を支援するターンアラウンド業務についても、経営者派遣を専門とする子会社を設立し、3年から5年といった期間をかけて経営改革マネジメントを支援しています。当社では、法律、金融、会計、税務、IT、人材・組織、ビジネス、経済学、経営学等、多様なバックグラウンドを持つ専門家集団がデスクを並べています。クライアント企業ごとの改革ニーズに応じて柔軟にチームを編成しますが、前提として、それぞれの専門分野において “一流の人材” であることがとても重要です。一人ひとりの専門家の力量が不足しているのに、組織として総合力だけがあっても競争力のあるファームにはなりません。その上で、経営改革という地道で時に険しい道を伴走しながら、常にお客様にとってのベストを考え続ける姿勢を維持できるかどうか。これは 「人間力」 と言い換える事ができると思っています。

 

 

 

 

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