サントリー利益三分主義
祖父は創業の理念として、事業による利益の3分の1を顧客に、3分の1を社会に還元し、残り3分の1を事業拡大に使う「利益三分主義」を掲げました。
社会への貢献を抜きにして我々は存続できません。
佐治信忠。「サントリー」4代目社長。
サントリーホールディングス代表取締役会長。
慶應義塾大学経済学部卒業、カリフォルニア大学ロサンゼルス校経営大学院修了。
ソニー商事を経てサントリーに入社。副社長などを経て社長に就任。
そのほか、日本洋酒酒造組合理事長、日本ワイナリー協会会長、総合デザイナー協会理事長、ビール酒造組合会長代表理事などを務めた。
日本アドバタイザーズ協会理事長。ACジャパン理事長。学校法人慶應義塾評議員・理事。一般財団法人日本ウズベキスタン・シルクロード財団評議員。
なお、現在サントリー社長は元ローソン代表の新浪剛史氏。
祖父の鳥井信治郎氏はサントリー創業者。
鳥井信治郎氏名言「なんでもやってみなはれ、やらなわからしまへんで。」
父は先代佐治敬三氏。
佐治敬三氏名言「現職の社長がしなきゃならんのは、トップの心得を後継者に説くことじゃなくて、下からのイノベーションの種がどんどん出てくるようにしむけることです。それがサントリーの社是である「やってみなはれ」です。」
当社が戦後発売したウイスキーは「トリス」「オールド」「ローヤル」と、どれも非常に売れて、社内には安泰ムードが漂っていました。ビール進出という冒険に出たのには、社内に危機感を持たそうという狙いもあったと思います。赤字も大きかったが、とにかく、あの時ビールに挑戦したからこそ今のサントリーがあります。ウイスキーだけをやっていたら、今頃この会社はないかもしれません。その意味で、ビール進出は当社にとって大きな決断だったと思いますね。
祖父の鳥井信治郎は、叩き上げでワイン、ウィスキーづくりにアジアで初めて挑んだように、挑戦することが人生の目標でした。「やってみなはれ」には、頭の中で理屈をあれこれ考えるよりも、やってみないとわからない。何事もやってみて初めて結果が出るという、祖父の人となりがよく現れていると思います。
父(佐治敬三)は、「理屈を言わずに、まずはやってみなはれ」とよく言っていました。やらざるの罪といいますか、やったほうがいいと思っているのにやらないのはよくない。失敗しても真剣に取り組んだのなら、それでよろしいということです。それに、少々失敗には目をつぶって思い切ってやらせないと、この精神はなかなか定着しないと思うんです。
人のやらないことをやらないといけません。これがチャレンジ精神であり、「やってみなはれ」精神。
父(佐治敬三)が、静養していた祖父(鳥井信治郎)の枕元で「ビール事業に進出したい」と決意を打ち明けた時、祖父は「やってみなはれ」とつぶやいたそうです。そのチャレンジ精神が、今の当社のバックボーンとして続いています。
パソコンのキーを叩けば過去の記録はいくらでも出てくるけど、明日のことは誰も教えてくれない。勘がなくなったら社長を辞めるべきです。