ラクス創業者、中村崇則:ビジネスの勝率とは?

ラクス創業者、中村崇則:ビジネスの勝率とは?

ビジネスの勝率とは?

 

中村崇則/ラクス創業者

 

数々の失敗を経て、ビジネスの勝率もわかってきましたね。
主観では約3割。
時系列にそってプレイヤーの数が増減したり、相手の出方が変わったりするので、スタート時には未来を正確に予想できません。
走りながら考えて、勝率を上げていくつもりです。

 

 

中村崇則とは?

 

 

中村崇則。

中小企業向けクラウドサービスのラクス創業者。

 

大阪出身。

神戸大学経営学部経営学科卒業後、日本電信電話(NTT)に入社。

 

同社在職中に無料メーリングリストサービスの合資会社DNS(のちのインフォキャスト)を設立。

2000年インフォキャストを楽天完全子会社化させたのち、ITエンジニア育成事業のアイティーブースト設立。

 

2007年5月、メール配信システム「配配メール」の販売を開始。

2008年10月、Webデータベース「働くDB」の販売を開始。

 

2009年7月、経費精算システム「楽楽精算」の販売を開始。

2010年1月、社名を株式会社アイティーブーストから株式会社ラクスに変更。

 

2013年8月、WEB請求書発行システム「楽楽明細」の販売を開始

2014年5月、100%子会社「RAKUS Vietnam Co., Ltd.」をベトナム国ホーチミン市に設立。

 

2015年12月に東証マザーズに上場。

レンタルサーバー事業や人材事業も強化している。

 

 

厳選!中村崇則の珠玉名言

 

 

当時は実家で暮らしていたので、家賃や光熱費はタダです。交通費は原付バイクのガソリン代のみ。あとは食費を節約するために、牛乳とチョコチップパンばかり食べていました。牛乳とチョコって、栄養ありそうじゃないですか(笑)。でも、毎日のように3食それで過ごしていたら、体を壊して…。食費をケチっちゃいけないと痛感しましたね。

 

 

私自身は大学を卒業後、NTTに入社しましたが、小さな組織で自分たちの力を試してみたいと、同期の仲間とビジネスを始めたのが創業のきっかけです。

 

 

ミッションは設立時から明文化していましたよ。あの頃の日本は世界第2位の経済大国。中国経済が急成長を続けるなか、10年後も20年後も日本が世界の中心であるためには、中小企業を支援すべきと考えました。日本では雇用の約7割、GDPの約6割を中小企業が占めていますから。

 

 

昔から、なんとなくは感じていたんですよ。いろいろ失敗するなぁと。その構造を理解したのは社長という立場になってから、真剣に本を読むようになってからです。体系的な理論と経験則が合致して、腑に落ちました。失敗しないと成長しないって。だから、経営者に限らず、本は絶対に読むべきです。読まずに人生を歩むのは、説明書と攻略本を読まずにロールプレイングゲームをやるようなもの。ルールと攻略法を把握していないと、めちゃくちゃ効率が悪いんです。先人の知恵に学んだほうが、うまくいく確率が格段に上がります。

 

 

計画や理論の重要性が身にしみたんです。当社を設立する27歳の頃には、経営書を読みあさり、経営のセオリーや原理原則を書籍から学び、実践していきました。

 

 

大事にしていることは「顧客の声を聞く」ことです。お客様にとって本当に使いやすい商品を提供することにこそ、私どもの存在価値があるのです。

 

 

効率化で空いた時間を、会社のため、そして自分や家族のために使えば、企業活動も社員の生活もより充実するのではないでしょうか。

 

 

企業として成長していくためには国内でシェアを拡大しながら、海外市場を視野に入れることで、より多くの利益を狙うことが必要です。

 

 

グローバル時代では日本にいても世界との戦いに巻き込まれます。私は攻められるばかりではなく、日本から攻め入り、日本のクラウドシステムの品質の良さをもっと世界にアピールしたいと考えています。もっと世界に日本の企業の力を示したい。

 

 

どの企業でも生産性を上げるために懸命に努力しています。利益を生まない業務に人員と時間を割くのであれば営業や生産活動に回した方がいいに決まっています。無駄な業務はシステム導入で効率化し、コアビジネスに自分たちのエネルギーを費やしていくべきだと思います。

 

 

当社では社外から問い合わせメールが毎日100~200通来ていました。しかし、複数の担当者がPCメーラーで作業していたのでは、誰がどのような対応をしたのかを把握することはできません。「一般の企業でも困っているはず」という予想が的中し、問い合わせの共有・管理システム「メールディーラー」は日本のメール対応のあり方を変えるヒット商品となりました。

 

 

米国の企業は、業務システムについては外部の出来合いのものを導入します。数年かけて自社開発するのではなく、その分、本業にエネルギーを費やすべきという合理的な考え方が主流です。例えば、スーツをオーダーすれば体型にピッタリしたものが作れます。しかし、値段は高く、完成までに時間もかかります。既製服であれば安く買て、すぐに着ることができます。弊社のシステムはこの既製服と同じで、安く、すぐに利用することができます。

 

 

実は(IPOの)7年前に上場直前まで行きましたが、それを延期しました。目先の利益目標に追われるのではなく、じっくりと新規事業を育て上げてから上場後に業績をストレッチさせるためです。結果的には、BtoC事業に2億円、海外事業に5億円の投資損失を出しましたが、この失敗の経験によって勝ち方を学びました。勝つためには、勝てる市場を選び圧倒的な戦力を投入する事です。

 

 

失敗と成長はセットだからです。失敗していない理由は、できることしかやっていないから。すると、組織も個人も成長しません。ゴルフやテニスに置き換えても同じです。簡単なプレーなら失敗しないけれど、難しいプレーにチャレンジすると、どうしても失敗が発生する。これが大事なんです。

 

 



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