今では人間の癒しや介助犬など、様々な所で私たちと生活を共にしている犬ですが、その起源はなんと1万5000年も昔に遡るそうです。
オオカミが犬の先祖だと推測されています。
実際、犬とオオカミのDNAは限りなく近いそうです。
大昔から人間と共に暮らしてきた犬ですが、その語源とはどういったものだったんでしょう?
犬の語源は縄文時代まで遡る必要があるため、語源の特定は正確には難しいようです。
犬は縄文時代から人間とともに暮らしていたため、語源のには色々な見解があります。
はっきりとした語源はわからないのかもしれません。
昔、犬の鳴き声を 「インイン」ととらえていたところから「いぬ」と言うようになったとも言われています。
犬はいったん飼い主に飼われると、どんなに遠いところからでも家に帰ってくるところから、〈帰る〉を意味する「往 (い) ぬ」が起源という説もあります。
人間にまとわりついてきて、「何処かへ行け!」の古語「往ね(イネ)」が訛ったものだと言われています。
いつも人間のそばに「居ぬる」から「イヌ」になったという説もあります。
魔除けとして飼われたり、また吠えて外敵を追い払ったりするところから魔物や外敵が〈立ち去る〉という意味での「いぬ」という説です。
「家 (いへ) で寝る (ぬ)」ので 「いへぬ」と変化し、「いぬ」 となった説です。これは狼も猪も熊などほかの獣は夜は山で寝るのに対して、犬は人家で寝るところからの言い方です。また 「ぬ」 だけで〈寝る〉も意味するそうです。
犬は威嚇する際、唸ることがります。この「唸る(うなる)」の古語が「イナル」です。この「イナル」が転じて「イヌ」となったという説もあります。
以上です。
その他にも複数説があるようですが、様々見解があり、はっきりとしたことは分かっていないそうです。
日本で犬といえば「わんわん」ですが、昔の日本人の耳には違って聞こえたようです。
平安時代に書かれた「大鏡」の中では「ひよ」と書かれていますが、当時は濁点などが無かったために当時から「犬の鳴き声はびよびよ」だったといわれています。
他にも「べうべう・びやうびやう」「ぴよ」「ぴょう」などと表記されているものもあるそうです。
わんわんと書かれた最初の記録は、江戸時代からのようです。
寛永十九年(1642)年の『古本能狂言集』所収の『犬山伏』とういう本で、最初にわんわんと鳴いたと書かれています。
犬という漢字、元は象形文字なんだそうです。
大きいを意味する「大」とは関係がないようです。
耳を立てた犬の象形で、イヌの立ち姿を横から見て、それを90度立たせた形が、「けものへん」に変化し、さらに「犬」になったといわれています。
けものへんのもとの字と犬のもとの字は、同じで、猫、狐(きつね)狸(たぬき)猪(いのしし)など左側にいぬを書くことでけものということを表していたそうです。
また、奈良時代の文献には、このように明確に二種類の文字で、「犬・狗」の文字は、犬の大きさできちんと分別されていたと書かれているそうです。
「犬・いぬ」の文字は中大型犬で、「狗・いぬ」の文字は小型犬。
犬の大きさの違いは「犬の種類」での異りがあったのかもしれませんね。
ちなみに、小型犬の「チン・狆」は室町時代にやって来て、はじめ「猫犬」とか「狗猫」などとよばれていたそうです。