私達を毎日癒してくれる、かわいいワンちゃん。
ペットがかかる病気は色々ありますが、特にかかりやすい病気というものもあります。
今回はワンちゃんがかかりやすい病気についてまとめてみました。
犬種・犬の年齢問わず発症しやすいのが外耳炎。
どの犬種、年齢でも外耳炎になる可能性は高いと言えます。
特にゴールデン・レトリーバーなどの耳が垂れている犬種、フレンチブルドッグなどの皮膚が弱い犬種がかかりやすいです。
外耳炎・外耳道炎にかかる原因は細菌や耳ダニ、アレルギー皮膚疾患など様々です。
初期症状では耳から普段と違う臭いがして、首のあたりを頻繁に掻く、頭を強く振るなどで痛みを訴えることが多いようです。
【症状】
とにかく痒がって、耳の部分をひっかいたり、壁にこすりつけたりします。
ひどくなると痛みが伴ってくるので、耳のまわりを触るだけでも嫌がるようになります。
耳の中をのぞいてみると、臭いがあったり、黄褐色の耳だれがみられたりします。
軽度の症状であれば点耳薬で治る場合が多いようですが、痒みや感染がひどい場合は治療に通院が必要な場合があります。
重症だと何度も通院する必要があり、治療が長期化します。
外耳炎が慢性化すると難聴になることもあります。
【予防】
定期的な耳掃除。
外耳道に毛がはえていたら、ピンセットなどで抜いて、お湯やオイルで湿らした綿棒で丁寧に掃除してあげるようにしましょう。
掃除する時に、必ず、耳の中に異常がないかチェックするようにしましょう。
ただし、あまりに頻繁に掃除をすると逆効果になることもあります。
目安としては、10日間から2週間に1回程度がおすすめです。
湿疹を生じたり、脱毛したり、ときには皮膚の色がかわったり、出血したり症状は様々です。
皮膚病は症状が軽いうちに予防すれば恐れることはありませんが、ひろがった場合には大変治りにくく、長期に渡って治療が必要になります。
定期的に入浴させて清潔にし、ノミなどが発生するような環境をつくらないよう、心がけましょう。
また、シャンプーのしすぎは乾燥を引き起こし、皮膚炎の原因になります
皮膚炎は、その原因により治療法が大きく変わりますが、主に使用する薬はダニなどを駆除する駆虫剤やアレルギーの反応を抑える薬、かゆみ止めの薬などです。
皮膚の免疫機能が完全でない1才未満の頃は、ブドウ球菌やニキビダニ、皮膚疥癬(かいせん)、真菌・寄生虫など、感染症による皮膚の病気が多く見られます。
食べ物や花粉などのアレルギー性皮膚炎にも注意が必要です。
また、年齢を重ね、シニア犬となりますと皮膚病にかかる可能性も高くなります。
特にシー・ズーやパグ、フレンチ・ブルドッグなどの皮膚がべたつきがちな犬種は、かゆみやフケ、脱毛などを伴う「脂漏症(しろうしょう)」に気を付けましょう。
皮膚病は、その原因によって治療法は様々です。
ワンちゃんに異常が見られたらすぐに獣医師に診てもらいましょう。
子犬は環境の変化に弱く、家に迎えたばかりだとストレスを感じたり、ウイルスや寄生虫が原因で下痢を起こすことがあります。
これは、子犬は成犬と比べて免疫力・体力ともに不十分なためです。
子犬が下痢をした場合、原因を突き止めるため、病院で便の検査をするのが一般的です。
原因によって、抗生剤や駆虫剤、整腸剤を投与します。
特に子犬が何回も下痢をしていると脱水に陥っている可能性があるので、その際は点滴を行います。
たかが下痢、と軽視しがちですが、重症化すると入院が必要になることもあるので、下痢の症状が見られたら、すぐに病院へ連れて行ってあげてください。
犬の免疫力は4才くらいで出来上がるといわれています。
成犬期後半頃になると感染性の病気リスクが低くなり、今までかかった病気の症状も落ち着いてくる傾向があります。
しかし、胃腸炎などの病気は食べ物やストレスからくる場合が多いので、年齢を問わず注意が必要です。
また、胃腸の病気には気を付けましょう。
胃の粘膜が炎症を起こす胃腸炎や胃潰瘍、食べ過ぎが原因の胃拡張などにも要注意です。
母犬の胎盤を通して子犬に感染する回虫は、ペットショップで感染が広がっているケースもあります。
家族に迎え入れた時点ですでに回虫に感染しているかもしれないので、下痢や血便、嘔吐、食欲不振などの症状がみられたら獣医師へ相談しましょう。
症状としては、貧血や消化障害等を起こし、発育を妨げたり、伝染病に対する抵抗力を弱めたりします。
また子犬がかかった場合は症状が激しく、ときには死んでしまうケースも少なくありません。
多くの寄生虫卵は便に排泄されますが放っておくと再び犬の体内に取り込まれて感染する場合があります。
予防対策として犬の排泄物の処理を速やかに行い、飲み水に気を使い、常に清潔にしていれば寄生虫の感染を滅らすことができます。
駆虫剤を使用する場合もありますが、駆虫剤は虫の種類によって異なりますし、また駆虫剤による中毒も少なくありませんので十分注意する必要があります。
【症状】
その寄生種類によって症状は様々ですが、多くの場合、食欲不振、軟便または下痢、削痩などの症状が現れます。
たくさんある歯の病気。
その中でも最も多い病気は歯肉炎です。
歯肉炎を起すと、食欲はあっても痛みのため口をうまく開けられずエサが食べられなくなったりします。
年を取ってきたら、かかりやすくなる病気で歯肉炎がひどくなると、他の病気をひき起すことがありますので、定期的に近くの獣医師に歯の検査をしてもらうことをオススメします。
また歯周病は、重症化すると細菌によって内臓疾患を引き起こすこともある恐ろしい病気です。
歯と歯茎の間の「歯周ポケット」に細菌が入り込んで歯周病になります。
歯周病の予防は人と同じ様に歯磨きをしっかりすることが大切です。
年齢を重ねるほど歯垢や歯石がたまりやすくなります。
そして同時に免疫力が下がり始めるシニア期前半は、細菌に感染しやすくなり、歯周病をはじめとする歯・口腔内の病気にかかりやすくなります。
【症状】
初め、歯肉が腫れてきたり、出血したりしますが、初期の段階ではみつけにくく、「口臭が強い」「歯が縦長になった」「歯の色が茶色になった」など明らかな変化に気づいた時には、重症になっている場合がほとんどです。
歯の病気と思って軽く考えると細菌が全身に回って、ほかの病気をひき起こすこともあります。
【予防】
初期の段階では、歯垢や歯石を取り除いて清潔にしておけば、自然に回復します。
歯周病はむし歯と同じで、日頃のチェックと予防が肝心。
歯磨きに加え、一年に一度は獣医師に歯石を取ってもらうようにしましょう。
一般に多いのは細菌やウイルスによる結膜炎や外傷による角膜炎です。
症状は目が赤く腫れて、目の表面の一部分が白く濁ったり、目の周囲がいつも涙でぬれたりします。
予防としては目の病気を持っている犬と一緒にしないように気をつけることが大切です。
特に子犬は、遊んでいるうちに誤って角膜に傷をつけることがありますので、注意してください。
年齢を重ねると、犬も人と同じように目の機能が衰えてきます。
ドライアイや白内障、緑内障などの病気を抱えやすくなるでしょう。
今まで出ていなかった症状を発症する場合もあります。
シー・ズーやジャック・ラッセル・テリアなどのテリア系は、結膜炎、緑内障、パンヌスと目の病気が上位に入っていることが特徴です。
目が丸く大きいことと、長毛種なので目に毛が入って炎症を起こしやすいのが原因です。
またパグや柴犬なども目の病気が多い犬種と言われています。
結膜炎や緑内障は、まず点眼薬の治療が行われます。
点眼薬で改善しない場合は外科手術が必要になります。
重症化すると失明する恐れがありますから、早い段階で治療してあげることが大切です。
【症状】
まぶたのあたりを触ると痛がったり、痒がったりします。
前足で目のあたりをしきりにこすります。角膜炎になると、激しい痛を伴います。
犬は、まぶたを何回もパチパチしたり、前足で目をこすったりします。
涙がたくさん出たり、こすりすぎて目が腫れることもあります。
症状が軽い時は、痒み程度でおさまりますが、中等度になると角膜が白く濁り、重傷になると白く濁った角膜が盛り上がり、まわりにこれまでになかった血管がみえます。
目の奥をよくみて、瞳孔の奥が白くなっていたら白内障と考えて間違いありません。
目がみえにくくなるため、フラフラと歩行したり、何かにしょっちゅうぶつかったり、物音に強く反応したりします。
加齢により、心臓の機能は低下します。
一般的に心機能の低下による病気がよく発症します。
その代表的な心臓の病気が僧帽弁(そうぼうべん)閉鎖不全症と心筋症と言われています。
どちらも放置すると心臓の機能の不全を引き起こします。
僧帽弁とは、血流が逆転しないように左心房と左心室を隔てている弁ですが、僧帽弁閉鎖不全症になるとこの弁が完全に閉じなくなってしまいます。
チワワ、ダックスフント、マルチーズなど小型のワンちゃんに多い病気としても知られています。
心筋症は心臓を構成している筋肉に障害が起こり、心臓の機能が正常に果たせなくなってしまう病気です。
一般的に一度かかってしまうと治ることはなく、特に大型犬に多いとされています。
加齢により心臓内の弁が閉じにくくなり肺に負担がかかる病気で、犬の心疾患の多くが僧帽弁閉鎖不全症であるとも言われています。
心疾患は命にかかわる病気。
チワワは身体が小さいため、その分、心臓など内臓に負担をかけやすいようです。
10才以上になると足腰が弱り、運動不足から体型が肥満へと変化するなる犬が多いようです。
老化による心臓の機能低下に加え、肥満体型になることで心臓へ負担がかかりやすくなり、全体的に心臓病のリスクが高くなります。
【僧帽弁閉鎖不全の症状】
興奮するとせきが出ます。
しばらくするとせきの間隔が短くなり、乾いたせきをします。
ひどくなると呼吸困難や貧血になる場合もあります心音を聞くと心雑音が聞こえます。
X線検査や心電図で調べると、左心室の肥大が認められます。
ミニチュア・ダックスフンドは、他の犬より椎間板ヘルニアになりやすいことは、よく知られていますよね。
足が短く胴が長い特徴から腰に負担がかかりやすいためです。
ラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーといった大型犬は、前足に負担がかかりやすいため関節炎のリスクが高く、ポメラニアンやチワワなどの小型犬は、骨が細いため骨折が心配されます。
また、運動不足による肥満が原因で骨に負担がかかるケースもあるので、ダイエットフードなどを検討してもよいでしょう。
遺伝的に代謝障害がある傾向の犬種にできやすい結石。
結晶ができやすい体質の犬は、結石が膀胱の粘膜を傷つけ、そこから細菌に感染し、慢性膀胱炎を発症するリスクが高くなるのがシニア期前半です。
食事内容の見直しや、水分を多く摂らせるなどの健康管理が必要です。
また体内の老廃物や有害物質を取り除き、尿として排出する役割を果たしている腎臓もまた、加齢によって機能が衰えやすい臓器です。
年を取ると腎臓の組織は劣化し、ろ過システムの機能が低下します。
それが腎不全です。
厄介なのは、一度衰えてしまった腎臓の機能は復活することがありません。
血液中のブドウ糖をうまく活用できなくなるのが糖尿病で、7~9歳の高齢犬の病気として多く見られます。
食事で摂取したブドウ糖をエネルギーとして使うには、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンが欠かせません。
このインスリンが分泌されなかったり、効き目が弱くなると、ブドウ糖が処理されず血液中に残ったままになってしまい、尿として排出されるのが、糖尿病です。
発症の原因はまだはっきりとはわかっていませんが、進行してしまうと白内障や腎不全など様々な合併症を起こします。
がんは圧倒的に10才以上の犬の発症率が高い病気です。
獣医学の進歩や栄養面の向上、飼い主さんの知識向上により犬の寿命が延びた半面、犬の高齢化が進みがんを発症する犬が多く見られるようになりました。
高齢になったワンちゃんの病気の代表です。
あるデータによれば、10頭に1頭の割合でワンちゃんはガンで亡くなるそうです。
また、10歳以上のワンちゃんの約半数の死因は、ガンだとされています。
以上です。
大切なワンちゃん。
かかりやすい病気をチェックしながら、少しの変化も気づくようにしたいですね!