私たち人間は水を飲むときに息を止めていますよね?
あまり意識していないかもしれませんが、私たち人間は水を飲むとき、呼吸できないような体の仕組みになっています。
これは、人間が喉頭と喉頭蓋(こうとうがい)がたくみに機能し、気管に蓋をして水などの異物が入らないようにしているためです。
気管に水が入ってしまうと、肺に水が入ったりして、窒息のリスクがあるだけでなく、誤嚥性肺炎につながる可能性もあります。
非常に危険ですね。
これを避けるため、人間は一旦息を止め、気管に蓋をしているわけです。
犬が呼吸しながら水が飲める理由!
しかし、犬は違います。
犬は水を飲む際も呼吸をすることができるのです。
なぜでしょうか。
それは犬と人間の体のつくりの違いにあります。
犬の喉頭は人よりも口の奥側にあります。
動物は大抵、呼吸をするとき空気を気管に通し、食べ物や水は食道を通します。
私たちの体の中にはその気管と食道は隣り合わせに通っています。
そして気管と食道の仕分けを担っているのがいくつかの軟骨により形成された「喉頭(こうとう)」という部分です。
この喉頭の上部には「喉頭蓋(こうとうがい)」があり普段は開いていて呼吸の際の空気を流し込みやすくしていて、食べ物や液体が飲み込まれている時にそれらが気管に入らないように、文字通り入口に”蓋”をするものです。
また口腔の奥の部分で鼻腔とを分断しているのは「軟口蓋(なんこうがい)」とという場所です。
これがあることにより上に持ち上げて鼻腔への通路を遮ることができ、口から食べた物が鼻へと流れるのを防いでいます。
人間はこの口と鼻の境である「軟口蓋」がそれほど長くなく、犬はこの部分が人間よりも長いため「軟口蓋」の下方にある「喉頭蓋」まで届いて重なるようになっています。
ですので犬は鼻から吸い込んだ空気が通る気管への道と、口から取り入れた食べ物や水が通る食道への道はほぼ分かれているため、水は喉頭の横をすり抜けていくようにして食道へ流れのです。
つまり人間は息を止めないと水が気管に入ってしまう危険性があるが、犬は鼻で息継ぎをしながら水を飲むことができるのです。
四足歩行と二足歩行の違いが原因
このような喉の構造に違いが見られるのは人間が直立姿勢に進化したので、本来四足歩行時にはくっついていた喉頭口と軟口蓋が離れたことによるものです。
そのため、犬などの四足歩行の哺乳類のほとんどが鼻で呼吸をして、人間は口呼吸ができるようになったと言われています。
鼻呼吸で生活しているほとんどの哺乳類たちが鼻づまりで呼吸困難にならないのは、四足歩行で鼻腔が曲がっていないためです。
犬が長時間水を飲んでも苦しくないのは、息をしながら水を飲めるからなのです。
しかし、水飲み容器を床に置いた状態で飲ませると、犬が首を下げて飲む事になりますので気道が圧迫され咽る場合があります。
ですから水飲み容器の下に台を敷いたりして、出来るだけ頭を下げない状態で飲ませるのが良いでしょう。
とくに暑い日は水分補給、気を付けたいですね。
それにしても、暑い日、ワンちゃんが長い間水を飲める理由は、こんな理由があったんですね!
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