日本犬、狆(ちん)って知っていますか?
えー!初めて聞いた!という人もいるかもしれません。
日本犬と言えば、柴犬や秋田犬などを思い浮かべますが、この狆も立派な日本犬です。
江戸時代では大名をはじめ、女性の間でも人気の犬種でした。
数が減ってしまったのは、戦争による激減と、他国の犬種が広まったためと考えられています。
狆の名称の由来は「ちいさいいぬ」が「ちいさいぬ」、「ちいぬ」、「ちぬ」とだんだんつまっていき「ちん」になったと云われています。
また、『狆』という文字は和製漢字で中国にはなく、屋内で飼う(日本では犬は屋外で飼うものと認識されていた)犬と猫の中間の獣の意味から作られたようです。
開国後に各種の洋犬が入ってくるまでは、姿・形に関係なくいわゆる小型犬のことを狆と呼んでいたことから名づけられたのかもしれません。
古くは日本書紀の記録による632年頃に朝鮮から贈られたという記録があるそうです。
1853年には、黒船で来日した米国人ペリー提督により数頭が持ち帰られ、このうちの2頭は、犬好きで知られたイギリスのビクトリア女王に献上されたとも伝えられています。
狆と言えば、有名なのが、徳川家の5代将軍綱吉。
徳川綱吉というと「生類憐みの令」を思い出す人も多いでしょう。
そんな綱吉が当時可愛がっていた犬がなんと「狆」なのだとか…!
狆は、江戸城をはじめ、多くの武士や貴族など高貴なお屋敷で「お犬さま」として大切に扱われていた存在でした。
こんなにかわいい、れっきとした日本犬がいるんですね!