【国際資本が日本の「種」を根絶!?】外資が農作物種子独占『種子法廃止』は日本の種を根絶せしめるリスク~安倍政権の種子法廃止で日本の「種子」が外資に乗っ取られる~

【国際資本が日本の「種」を根絶!?】外資が農作物種子独占『種子法廃止』は日本の種を根絶せしめるリスク~安倍政権の種子法廃止で日本の「種子」が外資に乗っ取られる~

■なぜ“食の安全”への脅威?「種苗法改正」山田元農水相が解説

女性自身:2020/11/17

なぜ“食の安全”への脅威?「種苗法改正」山田元農水相が解説 | 女性自身
「種苗法の改正は今年2月の国会で可決されるところでしたが、女優の柴崎コウさん(39)などが『慎重な審議を求めます』とツイッターで声を上げた(現在は削除済み)こともあり、反対する世論が高まった。全国の県議会からも意見書が届けられたので、審議が先送りされたんです。しかし、この臨時国会では審議が始まってしまいました。委員会で...

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「種苗法の改正は今年2月の国会で可決されるところでしたが、女優の柴崎コウさん(39)などが『慎重な審議を求めます』とツイッターで声を上げた(現在は削除済み)こともあり、反対する世論が高まった。全国の県議会からも意見書が届けられたので、審議が先送りされたんです。しかし、この臨時国会では審議が始まってしまいました。委員会で可決されたら、衆参の決議を経て今臨時国会中に成立してしまう可能性が高い」

そう解説するのは、元・農水大臣で弁護士の山田正彦さん。

「ふっくらおいしい日本のお米や、しっとりと甘いさつまいも。そんな、毎日のように口にしている食品の安全性や価格が、おびやかされる事態になっているのです」

「種苗法」とは、植物の新しい品種を開発した者が、それを品種登録することで、利用する権利を独占できると定めた法律。

ただし、これまでは、農家が自分でタネをとって育てる「自家採種」に関しては権利が認められていた。

しかし、現在公開中のドキュメンタリー映画『タネは誰のもの』の中でも山田さんが指摘しているように、種苗法が改正されると、この自家採種も禁じられ、農家はタネを毎年購入しなければならなくなり、莫大な費用がかかることになる。

当然、店頭に並ぶ米や野菜、果物の価格にも跳ね返ってくるだろう。

「農水省はそれまでも、観賞用の花やきのこ類など82品目の自家増殖を禁じていました。ところが2017年に突然、コメや大豆、キャベツ、ナス、トマトなどメジャーな野菜を含む207品目も禁止に。いまでは約9,000品目に上っています」

さらに種苗法が改正され、自家採種が全面的に禁じられると、農業を続けられなくなる農家は少なくない。

山田さんが直接話を聞いた農家の多くも「農業を辞めろということか」と、種苗法改正を危惧しているという。

一方で農水省は、「シャインマスカットなどの優良品種が、韓国や中国など海外に流出しないために必要だ」と種苗法改正の理由を述べている。

しかし、山田さんは「それはウソだ」と断じる。

「2005年に山形県のサクランボの苗がオーストラリアに流出したとき、現行の種苗法で差し止めの仮処分、刑事告訴して、解決できています」

では、種苗法改正の本当の目的は何なのか――。

「これまでタネの育成・管理をしていた地方自治体に換えて、グローバル種子企業に、コメや大豆といった私たちの命の源を売り渡そうということです。たとえば、遺伝子組み換え作物で有名な『バイエル(旧・モンサント)』といった企業に」

実際にインドや中南米では30年ほど前に同じことが起こっている。

「別名“モンサント法案”と呼ばれた自家採種禁止法案が可決され、農家は種子を毎年、多国籍企業から購入せざるをえなくなった。そのうえ農薬と化学肥料もセットで売りつけ、莫大な利益を得ようとしたんです。しかし、この法案は成立したあとにコロンビアやメキシコなどで農民の暴動が起きて、次々に廃止されました」

じつは政府も、種苗法改正の目的は、企業にタネを渡すことが目的だと認めているという。

「『農業競争力強化支援法』という法律に『これまで国や県の農業試験場が管理していたタネの知見を民間企業に提供せよ』といったことが明記されています。この民間企業には『バイエル』のような海外の企業も含まれます」

農業競争力強化支援法とは2018年の「種子法」廃止と同時に作られた法律だ。

「コメ、大豆、麦などは国民の命をつなぐ大切な食料だとし、農家が安定して安く作れるように、その種子は国や県が育成・管理することを義務づけていたのが、種子法です。この法律のおかげで『コシヒカリ』や『ゆめぴりか』といったおいしいお米ができました。しかし政府は、企業の農業への参入を促進するためという理由で、種子法を廃止。代わりにできた農業競争力強化支援法は、これまで税金をつぎこんで開発・育成してきた種子の知的財産権を、積極的に企業に渡しなさいという、とんでもない内容の法律なんです」

山田さんによると、現在すでに、世界のタネの約7割は「バイエル(旧・モンサント)」「コルテバ・アグリサイエンス(旧・ダウ・デュポン)」「シンジェンタ」という3大グローバル企業が製造しているという。

そのうち、遺伝子組み換え種子は「バイエル」が90%だ。

このまま種苗法が改正され、農家が自家採種を禁じられ、多国籍企業のタネしか購入できなくなったら、どうなるのか。

いちばんの問題は私たちの“食の安全”が脅かされることだという。

「主食のコメや大豆が、グローバル企業がつくる遺伝子組み換えやゲノム編集されたタネに、徐々にですが置き換わる可能性があります。すでに、かつての『日本モンサント』である『バイエル クロップサイエンス』などはその準備を進めています。遺伝子組み換え食物を食べ続けることで、アレルギーや、がんなどが発生しやすくなることは、アメリカの消費者団体や、フランスのカーン大学のセラリーニ教授の研究によって明らかになっているのに、です」

種苗法改正案の審議中は、参議院議員会館前で座り込み抗議を行うという山田さん。

最後にこう話してくれた。

「種苗法改正案が可決してしまっても、あきらめる必要はありません。種苗についての条例を作り、タネのグローバル企業への流出に一定の規制をかけることはできます。タネは人類の“遺産”です。みんなで私たちの食を守っていきましょう」

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なぜ“食の安全”への脅威?「種苗法改正」山田元農水相が解説
女性自身:2020/11/17
https://jisin.jp/domestic/1913887/

■安倍政権の種子法廃止で、日本の「種子」が外資に乗っ取られる…価格50倍に高騰
Business Journal 2018.12.26

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元農林水産大臣で弁護士の山田正彦氏が12月5日、自由報道協会で「種子法廃止の問題点」と題する記者会見を開いた。

戦後の日本の食と農を支えてきた主要農作物種子法の廃止法案が成立し、2018年3月31日で同法は廃止された。

山田氏は、この問題についていち早く警鐘を鳴らしてきた。

今年6月には『タネはどうなる?!―種子法廃止と種苗法運用で―』(サイゾー)を上梓し、7月には「日本の種子(たね)を守る会」の設立に力を尽くした。

『タネはどうなる?!―種子法廃止と種苗法運用で―』(サイゾー/山田正彦)

山田氏はまず、12月30日から発効するTPP(環太平洋パートナーシップ)協定に言及。自身がかかわってきたTPP交渉差し止め・違憲確認等請求控訴事件で、今年1月に東京高等裁判所が言い渡した判決を引用した。

「たとえば、種子法の廃止については、その背景事情のひとつにTPP協定に関する動向があったことは否定できないものの」

東京高裁は、日本がTPP協定に加わったことが種子法廃止につながったと認めているのだ。

TPP協定について、山田氏はもうひとつ興味深い指摘をしている。

2016年、協定に署名した際、日米間で「保険等の非関税措置に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の書簡」が交わされた。

この後段に、安倍晋三政権の方向性を裏付けるような記述がある。

少々長くなるが、引用する。

「外国からの直接投資を促進し、並びに日本国の規制の枠組みの実効性及び透明性を高めることを目的として、外国投資家その他利害関係者から意見及び提言を求める。意見及び提言は、その実現可能性に関する関係省庁からの回答とともに、検討し、及び可能な場合には行動をとるため、定期的に規制改革会議に付託する。日本国政府は、規制改革会議の提言に従って必要な措置をとる」

つまり、外国や外国投資家の御用聞きのために日本は奔走しなければならない。

政府は規制改革会議の単なる下請けのようだ。

国権の最高機関・国会の出る幕はない。

種子法廃止で起きた“異変”

種子法に話を戻す。

これまで同法が果たしてきた役割を、山田氏はこう語った。

「野菜の種子は30~40年前まで、伝統的な固定種(親から子、子から孫へと代々同じ形質が受け継がれている種。味や形が固定されたものが育つ)でした。ところが、今では海外で90%を生産。伝統的な固定種のほとんどが海外生産されている。『ホームセンターで売られている243の種子をすべて調べたところ、国内生産の種子は3つしかなかった』というような状況です。かつては全部、100%国産だった。それが30年の間に海外生産となって、どう変わったか。F1(異なる親を交配させることで親とは違った新しい形質を持つ種子)になって、同時に種子の値段が上がった。たとえば、イチゴやトマトの種子はかつて1粒1~2円だったのが、今では40~50円です。どんどん高くなっている」

高価な種子を売りさばき、利益を得ているのは誰なのか。

「今、世界の種子市場は、モンサントを買収したバイエル、ダウ・デュポン、そして中国化工集団に買収された世界最大の農薬会社シンジェンタの3社にほぼ7割を握られています。日本の野菜の種子も、おおよそ押さえられたと言っていい」

野菜の惨状はわかったが、主食はどうなのだろうか。

「コメと麦と大豆は、野菜と違います。種子法によって政府が種子を管理してきました。今でも国産100%。伝統的な固定種です。日本のコメ・麦・大豆の市場規模は野菜の7倍あります。モンサント、デュポン、シンジェンタがTPP協定で狙ったのはこれだったんです」

コメを例にしてみよう。

これまでは原原種→原種→種子と3年かけてつくったものを選別した上で都道府県が保証書を発行。

4年目から一般のコメ農家がつくれるようになる仕組みだった。

しかし、種子法廃止で様相は一変する。

原原種や原種がなくなり、農家は企業が権利を持つ種子を使わざるを得ない。

すでにプロモーションが進んでいる。

「種子法廃止を受けて農林水産省の役人が全国8カ所を回った。三井化学の『みつひかり』という優良な種子があるじゃないか。それをなぜ使わないのか――そう触れて回ったわけです。この『みつひかり』の種子の価格は1キロ当たり、だいたい3500~4000円です。コシヒカリの8~10倍。すでにこれだけ高くなっている。『みつひかり』はF1です。豊田通商の『しきゆたか』もそう。日本モンサントの『とねのめぐみ』は『F1だ』とは言いませんが、僕はF1じゃないかと思っています。住友化学の『つくばSD1』も同じです。

いずれにしても、そういうかたちで民間がいよいよやってきた。『みつひかり』は牛丼の吉野家で使っているコメです。『つくばSD1』はセブン-イレブンのおにぎりに使われているといわれています。これらのコメの宣伝文句は、いずれも『収量がコシヒカリの1.2~1.4倍』『味はコシヒカリ以上』。とはいうものの、実際に食べてみましたが、そんなにおいしいものじゃない」

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安倍政権の種子法廃止で、日本の「種子」が外資に乗っ取られる…価格50倍に高騰
Business Journal 2018.12.26
https://biz-journal.jp/2018/12/post_26051.html

■種子法廃止や種苗法改定に潜む危険 外資が種子独占し農業を支配する構造

長周新聞 2018年5月24日

種子法廃止や種苗法改定に潜む危険 外資が種子独占し農業を支配する構造 | 長周新聞
 今年4月に施行された「種子法廃止」や、農水省が検討に入った「種苗の自家増殖の原則禁止」を内容とする種苗法の改定など、農業の根幹をなす種子や苗を、モンサントなどアメリカの多国籍企業の支配下に置こうとしていることが問題になっている。種子や苗を外資が牛耳ることは、日本の農業生産を外資が牛耳ることに繋がる。食料自給率は40%...

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今年4月に施行された「種子法廃止」や、農水省が検討に入った「種苗の自家増殖の原則禁止」を内容とする種苗法の改定など、農業の根幹をなす種子や苗を、モンサントなどアメリカの多国籍企業の支配下に置こうとしていることが問題になっている。

種子や苗を外資が牛耳ることは、日本の農業生産を外資が牛耳ることに繋がる。

食料自給率は40%を切っているが、TPP発効で日本の食料主権はますます剥奪され、外国勢力の属国と化す重大な問題を含んでいる。

「種子法廃止」も「種苗法改定」も元をたどればTPP交渉のなかで出てきた問題だ。

TPP協定は2016年2月に署名されたが、そのさいに日米が交わした交換文書のなかには「日本国政府が外国投資家等から意見及び提言を求め、関係省庁等からの回答とともに規制改革会議に付託し、同会議の提言にしたがって必要な措置をとる」とある。

「種子法廃止」はまさに外国企業の意向に沿って決まったものだ。

昨年2月に閣議決定し、4月には可決というスピード審議であった。

しかも「種子法廃止」とともに「農業競争力強化支援法」が昨年5月に成立している。

このなかには、「種子その他の種苗について、民間事業者が行う技術開発及び新品種の育成その他の種苗の生産及び供給を促進するとともに、独立行政法人の試験研究機関及び都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進すること」とある。

これまで「種子法」にもとづいて国民の税金を投入して蓄積・開発してきたさまざまな種子に関する知見を、民間事業者へただ同然で譲り渡すことを促進するというものだ。

そこでは外資も例外扱いしておらず、モンサントなどの参入に道を開くものになる。

「種子法廃止」は今年4月に施行されたが、それと重なるように農水省は種苗の自家増殖を原則禁止するという内容の「種苗法改定」の検討を開始した。

従来の種苗法では、農家が購入した種苗から栽培して得た種苗を次期作に使う「自家増殖」は「原則容認」とされ、例外的に禁止する作物を省令で定めている。

今後、自家増殖を「原則禁止」にすれば、農業をやろうとする人は企業からすべての種子を買わざるをえなくする方向だ。

そのモデルはアメリカにある。

アメリカでは2011年に「食品安全近代化法」が成立した。

これは、国民が自分で野菜を栽培することを禁止するものだ。

これまで自由だった家庭菜園をとり締まり、個人が種苗を持つことを禁止、政府が認める種苗だけ公認機関から買うことができる。

家庭菜園でつくった野菜を直売所で販売すると逮捕・投獄する権利が認められ、連邦政府の規則に違反して有機製品を輸送すると犯罪者となる。種子の貯蔵も犯罪になる。

この法律の狙いは、モンサントなど大企業にだけ種子を独占させ、農業生産を大企業の傘下に置くことにある。

「種子を支配する者は世界を支配する」といわれ、種子を支配することによって農業を支配し、世界の食料を支配するというのが多国籍企業の狙いだ。

世界の種子会社の売上世界ランキング上位10社を見ると、1997年には①パイオニア(アメリカ)②ノバルティス(スイス)③リマグレイングループ(フランス)④セミニス(メキシコ)⑤アドバンタ(アメリカ、オランダ)⑥デカルブ(アメリカ)⑦タキイ種苗(日本) KWS(ドイツ)⑨カーギル(アメリカ)⑩サカタのタネ(日本)となっており、純粋な種苗会社が占めていた。

これが2007年になると、①モンサント(アメリカ)②デュポン(アメリカ)③シンジェンタ(スイス)④リマグレイン(フランス)⑤ランド・オ・レールズ(アメリカ)⑥KWS(ドイツ)⑦バイエル(ドイツ)⑧DLF(デンマーク)⑨サカタ(日本)⑩タキイ(日本)となり、上位10社で世界市場(約3兆~3兆5000億円と推計)の67%を占め、なかでもモンサントが飛び抜けている。

1~3位は純粋な種苗会社ではなく、農薬及び遺伝子組み換えを手がけるバイオメジャーである。

1998年にはモンサントがカーギルの種苗部門を買収しているが、種苗会社の多くが遺伝子組み換え産業に買収されてしまった。

ノバルティスはスイスの除草剤・農薬会社であるシンジェンタに吸収。

セミニスもモンサントに買収され、パイオニアはデュポンに買収されており、遺伝子組み換え産業が世界の種苗会社を傘下に収めている。

その種子業界にも再編の波が押し寄せており、世界市場をこじ開ける圧力を強めている。

そのなかで日本市場がターゲットになっている。

・種子法廃止 種子生産の知見も提供

日本の種子法は、戦後の1952年5月に制定されたが、戦中から戦後にかけての食料難の時代を経験して、「食料を確保するためには種子が大事」とし、「2度と国民を飢えさせない」「国民に食料を供給する責任を国が負う」という、先の戦争で国民に犠牲を強いた反省に立ったものだった。

種子法では、コメや麦、大豆などの主要作物について、優良な種子の安定的な生産と普及を「国が果たすべき役割」と定めている。

種子の生産自体は、都道府県のJAや普及センターなどが担っているが、地域にあった良質な種子が農家に行き渡るように、農業試験場などに必要な予算配分などを国が責任を持っておこなってきた。

この種子法がバイオメジャーにとっては市場を争奪するうえで障害だった。

また、バイオメジャーが日本を狙うのは、種子法廃止と同時に農業競争力強化支援法が成立し、公的機関が蓄積する種子生産に関する知見を民間企業に提供することを促進していることがある。

一から新たな品種の開発・生産をおこなうにはばく大なコストがかかる。

稲の一品種開発には最低10年間かかり、その間の費用は人件費だけで約8億円とされる。

種子法廃止で、公的に蓄積された知見や公的機関で働いてきた研究者が民間に流れていくことが促進される。

バイオメジャーは日本を種子の販売市場にするとともに種子の遺伝子資源や品種開発ノウハウ、人的資源を獲得することを狙っている。

種子法は「日本古来の原種や原原種の優良品種を都道府県が管理し、農家に提供」することを定めており、農家に安価で優良な種子を提供するとともに、「遺伝子組み換え作物」の栽培を防ぐ防壁でもあった。

種子法の廃止はモンサントなどの遺伝子組み換え作物の栽培に道を開くことになるのは必至だ。

モンサントは世界の遺伝子組み換え種子市場で90%以上のシェアを握っている。

さらに遺伝子組み換え作物とセットで除草剤「ラウンドアップ」を販売しており、日本でもテレビコマーシャルなどで宣伝されている。

遺伝子組み換え作物は除草剤「ラウンドアップ」に耐性を持ち、除草剤は他の雑草だけを枯らすということだが、長期的に除草剤を散布し続けるなかで、ラウンドアップに耐性を持つ雑草が登場してきている。

そこでより強力な除草剤を使うことになり、遺伝子組み換え作物の方もより強力な「除草剤に対する耐性」を持つバクテリアを遺伝子に注入して品種改良をするという悪循環に陥る。

そのことが土地や作物にどのような影響を与えるのかは未知数だが、健康被害や環境破壊、生態系の破壊に警鐘を鳴らす専門家は多い。

種子法廃止による今後の問題点について専門家は以下の点を指摘している。

①特定企業がこれまで政府や地方自治体が蓄積した遺伝子を活用し、新品種を開発し「特許」をとることが認められる。本来公共財であった種子の遺伝子の権利が特定企業に移行し、低廉な種子を供給してきた制度が廃止され、種子価格が高騰する。

②さらに日本国内で開発された種子が外国の農場に持ち込まれ、農産物が生産され、日本に逆輸入される。

③モンサントなどの遺伝子組み換え作物の種子が広まり、日本固有の種子遺伝子が絶滅する。

モンサントなどバイオメジャーは20年前から日本の種子市場を狙ってきた。

すでに野菜の種子は多国籍企業に支配されている。

30年前まで野菜の種子はすべて国産だったが、今では90%以上を外国産が占めている。

・バイオメジャーの策動 中南米やアフリカでも

バイオメジャーによる種子支配の企みは中南米でもおこなわれてきたが、手痛い反撃を受けて失敗を重ねている。

メキシコでは2012年3月、政府が種子を保存し次の耕作に備えるという先祖代代受け継いでいる行為を犯罪として禁止し、政府に登録されている種子を毎年買うことを義務づける法案を制定しようとした。

これは農民に毎年種子を買うことを義務化するもので、バイオメジャーの意向を受けてのものだった。

だがこの法案は農民の反撃で廃案となった。

コロンビアでは、農民の種子の権利を奪う植物育苗法が成立し、2013年には施行という段階になった。

すでにコロンビアではアメリカとの自由貿易協定により、米国産の安い穀物が輸入され離農せざるをえない農民が続出していた。

そのうえ種子の権利をも奪おうというこの法施行に対し農民が立ち上がり、全国の主要幹線道路を封鎖し、学生や労働者も支援して国の交通網がまひする事態を前に、政府はこの法施行を2年間凍結せざるをえなかった。

チリでもほぼ同様の法案が下院を通過する事態となったとき、広範な反モンサント、反GMO(遺伝子組み換え作物)の運動が全国的に高揚し、2014年3月に同法案は廃案となった。

グアテマラでも2014年にまともな審議もされないまま同様の法案が議会を通過し成立した。

これに農民や市民の激しい抗議が起こり、同年9月最高裁はこの法律の無効を宣言した。

ベネズエラでも、同様の法案が登場したが、反対運動が盛り上がり、逆に遺伝子組み換え種子を禁止し、農民の種子を独占・私物化することを禁じる法律が制定された。

さらにバイオメジャーが狙っているのがアフリカだ。

アフリカはアグリビジネスにとって最後のフロンティアといわれており、「緑の革命」=化学肥料+農薬+F1種子のセットで、伝統的農法から農民を引き離し、アグリビジネスに農民を従属させていった。

だが、容易には浸透できていないともいわれている。

アフリカでは8割の種子は小規模生産者自身が管理している。

この農民から種子をとりあげるために、G8諸国やビル・ゲイツ財団などはさまざまな圧力をアフリカ諸国に加えている。

モザンビークでは、日本がODAで輸出向け大規模大豆農場を作り出そうとしており、それまで自由に無料で配付していた種子の配付中止を政府が決めた。

ガーナ政府も農民から種子の権利を奪う法案を成立させようとしている。

農民から種子を奪ってしまえば、大量の飢餓人口を産み出しかねないが、多国籍企業の利益のためには犠牲を省みない暴挙に出ている。

日本での「種子法廃止」や「農業競争力強化支援法」の成立、さらには「種苗法改定」の動きなどはこうした世界的な動きの一環だ。

モンサントなど巨大バイオメジャーが世界中の農民から種子の権利を奪い、種子を独占支配してもうけの道具にしようとしている。

一握りの巨大多国籍企業の利潤追求のために、農業生産が破壊され、農民は離農をよぎなくされ、国民の食料主権が奪われる。

TPPや日米FTAはそうした多国籍企業の利益を保証するものにほかならない。

安倍政府が推進している種子法廃止や種苗法改定は、日本農業を根こそぎつぶし、多国籍企業に日本の種子市場を丸ごと差し出すものであり、対米従属政策の最たるものといわなければならない。

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種子法廃止や種苗法改定に潜む危険 外資が種子独占し農業を支配する構造
長周新聞 2018年5月24日
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/8086

■すべての日本人よ、主要農作物種子法廃止(モンサント法)に反対せよ

まぐまぐニュース 2017年4月9日 三橋貴明

すべての日本人よ、主要農作物種子法廃止(モンサント法)に反対せよ=三橋貴明 | マネーボイス
今の日本は、穀物の種の供給不足や価格高騰に苦しんでいるわけではありません。なのになぜ安倍政権は、いきなり「種子法廃止」という過激な規制緩和に踏み切るのでしょう。

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・取り返しがつかない「遺伝子組み変え作物」による汚染が起こる「種子法」廃止へ。日本の食はどうなる

農林水産省は主要農作物種子法を「廃止する」法案を今国会に提出し3月23日に衆議院農林水産委員会が可決した。

今後、参議院で審議が行われるが、同法の廃止は国民の基礎的食料である米、麦、大豆の種子を国が守るという政策を放棄するもので、種子の供給不安、外資系企業の参入による種子の支配などの懸念が国民の間で広がっている。

法律が果たしてきた役割を議論せず、廃止ありきの政府の姿勢は問題だとして3月27日に有志が呼びかけて開いた「日本の種子(たね)を守る会」には全国から250人を超える人々が集まり、「種子の自給は農民の自立、国民の自立の問題」などの声があがったほか、議員立法で種子法に代わる法律を制定することも食と農の未来のために必要だとの意見も出た。集会の概要をもとに問題を整理する。(後略)

出典:【種子法廃止】種子の自給は農民の自立 ? JAcom 農業協同組合新聞

種子法が何のために存在しているかと言えば、「種子法によって稲・麦・大豆の種子を対象として、都道府県が自ら普及すべき優良品種(奨励品種)を指定し、原種と原原種の生産、種子生産ほ場の指定、種子の審査制度などが規定される」ためです。

要するに、「日本古来の原種や原原種の優良品種を都道府県が管理し、農家に提供せよ」という話になります。

日本の食糧安全保障、食糧自給、そして食の安全を考えたとき、これは「当然の規制」だと思います。

種子法の肝は、自治体などに対し、「その地域に合った作物の種」の開発・普及を義務づけている点です。

すなわち、日本の食糧安全保障の肝である「種」について、単純に「ビジネス」と化すことはせず、農家に安価で優良な種を提供することを、種子法が各自治体に義務付けているのです。

同時に、種子法は「遺伝子組み換え作物」の栽培としての普及を妨げる防壁でもあります。

何しろ、遺伝子組み換え作物の栽培が始まり、遺伝子組み換え作物の花粉が空中を飛び、在来種と交配してしまう危険は、誰にも防ぐことができません。

比較的、遺伝子組み換え作物の栽培に否定的なメキシコであっても、主食であるトウモロコシの「在来種」であるはずの種子から、組み換え遺伝子が発見されています。

それはまぁ、空中を散布する花粉を完全に防ぐことなど、誰にもできません。

日本が種子法を廃止し、将来的に遺伝子組み換え作物の「栽培」(※バラはすでに解禁されています)を認めた場合、最終的に日本の主食である米などが、遺伝子組み換えに全て汚染されてしまうという状況を、誰が否定することができるのでしょうか。

非常に腹立たしいのは、将来的に日本国民の食を「汚染」する可能性がある種子法改正に携わった規制改革推進会議の連中、あるいは国会議員たちは、将来的に悲惨な状況になったとしても、誰一人として責任を取らないことがわかっていることです。

遺伝子組み換え作物が、日本国民の遺伝子に致命的な障害を与えることが判明したとしても、その時点で種子法廃止に困窮した連中は、要職を退いているか、もしくは死んでいることでしょう。

断言しますが、この連中は絶対に、誰一人として責任を取りません。

無論、種子法により、優良品種が安く農家に販売され、民間企業が不利益を被っているという「可能性」は否定できません。

ならば、やるべきことは種子法の改正であり、「価格調整」や都道府県提供の種子供給に際した「数量調整」で対処すれば済む話です。

ところが、現実には「種子法の廃止」というわけです。

・種子法廃止は「モンサントの遺伝子組み換え作物」の規制緩和になり得る

我が国は、狂っています。

種子法廃止が、将来的にモンサントの遺伝子組み換え作物の「栽培」に道を開く規制緩和でないと言われても、全く信じられません。

遺伝子組み換え作物の「汚染」の恐ろしさは、あとになって遺伝子組み換え作物が健康や「人間の遺伝子」に害を与えることがわかったとしても、汚染が一定以上進んでしまうと、もはや元に戻すことはできないという点です。

一度、汚染が進んでしまうと、手遅れなのです。

さらに、モンサントの遺伝子組み換え作物とパッケージで売られる除草剤「ラウンドアップ」が、土地に長期的にいかなる影響を与えるかも未知数です。

すでにして、ラウンドアップに耐性を持つ雑草が登場しています。

すると、より強力な除草剤を使う。遺伝子組み換え作物の方も、より強力な「除草剤に対する耐性」を持つバクテリアを遺伝子に注入し、品種改良をするという、いたちごっこが続く可能性が濃厚です。

別に、現在の日本は穀物の「種」の供給不足や、価格高騰に苦しんでいるわけでも何でもありません。

それにも関わらず、なぜ安倍政権は、いきなり「種子法廃止」などというラディカル(過激)な規制緩和に踏み切るのでしょう。

本法が「モンサント法」であるという疑いは、調べれば調べるほど、高まっていっています。

三橋貴明は、日本に取り返しのつかない「遺伝子組み換え作物による汚染」をもたらしかねない、モンサント法ならぬ「主要農作物種子法廃止法案」に、断固として反対します。

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すべての日本人よ、主要農作物種子法廃止(モンサント法)に反対せよ
まぐまぐニュース 2017年4月9日 三橋貴明
https://www.mag2.com/p/money/169661

■なぜ種苗法改正はひっそり進む?農業も水道も「日本が売られる」

まぐまぐニュース 2020年11月19日 原彰宏

なぜ種苗法改正はひっそり進む?農業も水道も「日本が売られる」=原彰宏 | マネーボイス
農作物の自家増殖を制限する種苗法改正案が近日中に国会で可決される見通しです。種子法廃止、水道民営化しかり、あらゆる物事で日本が売られていきます。

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・誰に何が売られるのか?

「日本が売られる」、かなりショッキングなタイトルですが、いったい誰に何が売られるのでしょうか。

それは日本にとってはメリットなのでしょうか、デメリットなのでしょうか。

「誰に売られるか」という問いに対しては、「外資」という答えが返ってきます。

「外資」とは外国資本で、海外企業になります。円満に交渉が進めば「売却」となり、それに対して「買われる」という表現になりますが、敵対買収の場合は「乗っ取られる」という表現になるのでしょうね。

「何が売られる」となると、以下の複数のものが指摘されています。

農業 水 健康(医療・薬剤等) 食品 海洋 森・山林 教育 金融 個人情報 etc…

放送ジャーナリストのばばこうへい氏の娘で、参議院議員の川田龍平議員を夫に持ち、ベストセラー「日本が売られる(幻冬舎)」の著者であるジャーナリスト堤未果氏は「国家まるごと民営化」と表現されています。

以前も当メルマガで、「水道民営化」と「種子法廃止」「種苗法改定」について、その問題点を指摘しました。

どちらも「水が売られる」「農業が売られる」ということになります。

・日本の方針は「Sell Japan」か?

トランプ大統領の「Buy America」ならわかりますが、日本を安売りしているのですからね。

「Trust my アベノミクス」「under the control」と、英語っぽい表現で本質をごまかしてはきましたが、さすがに「Sell Japan」とは表現できないでしょう。

こちらはごまかしというよりも、あまりにも本質をついた表現ですからね。

とても日本国民にとって良いことのようには思えないのです。

日本を安くたたき売りして、なんの得があるのでしょう。

なんのため、誰のため、いったい誰が儲かるのでしょうか?

ここからは、売られていく「農業」「水」そして「金融」について個別に解説していきます。

・農業が売られる

コロナ対策の影に、というかマスコミはもうコロナと日本学術会議委員任命拒否問題に明け暮れている間に、国民の目にさらされることなく「種苗法改定」が決まりそうです。

本来は、安倍政権最後の通常国会で通すはずの法案だったのですが、黒川弘務東京高検検事長(当時)定年延長問題で審議ができず、世間の風も安倍政権に厳しかったこともあり、通常国会での成立は見送られました。

種苗法改定は、世論の目を気にしなければならない法案だということです。

女優の柴咲コウ氏が先頭に立って、種苗法改定に異を唱えたことで、一般の人の目にもとまることになりました。

黒川弘務検事長問題も、女優の小泉今日子氏が声を上げたことで世間の注目を集めることになり、やはり発言力のある人の声は大事ですね。

種子法廃止から、種苗法改定へ…この流れで「農業が売られる」を考えてみましょう。

・日本の食を危険にさらす「種子法廃止」

種子法廃止に関しては、以前に当メルマガで書いた記事を、掘り起こしてみます。

種子法は通称であって、正式には「主要農作物種子法」と言います。

主要農作物種子法は、コメ・麦・大豆などの主要な農産物に関しての優良な種子の安定的な生産と普及は国がその役割を果たすべきであることを定めたものです。

時代背景から見て、主要農作物種子法(以下通称の「種子法」を用います)は、食料の安定供給が目的だったかと思われます。

この法律が、2018年4月に廃止されました。

この背景には、農業分野への民間参入というものがありますが、問題は、民間企業の国籍です。

外資の参入に対する警戒感があるのです。

種子法廃止は、当時TPP(環太平洋パートナーシップ協定)加盟に向けての政府方針が関わっていると思われます。

「自由競争」の名のもとに、すべての産業等を開放するのがTPPの趣旨で、日本人の主要農産物を国が管理していることが不都合になったのではないでしょうか。

TPPでは、自由競争を阻害する国の関与は認められません。

コメの自由化という言葉もありましたが、日本の主食であるコメが自由市場に晒されることで、外資の競争に巻き込まれることが危惧されていました。

すでに民間が主体となっている野菜などの作物では、圧倒的な技術力と資本を持つ数社の多国籍企業が、中小の種苗会社を次々に買収し、世界中にシェアを拡大しています。

今スーパーなどで販売されている野菜の多くも、そうした多国籍企業の種子によるものなのです。

・「特許ビジネス」が日本の農業を食い物に

その競争の背景に「特許」という概念がついてきます。

ロイヤリティービジネスです。

つまり、種子法廃止の根本的な問題として、新しい品種をつくるために素材となる遺伝資源である品種は、国や都道府県が“公共の資産”として持つという考え方だったのが、民間に委ねられた場合、遺伝資源を基にして改良された新品種について、改良部分だけでなく種子全体に特許をかけ、企業がその所有権を主張するのではないかという指摘です。

ロイヤリティ(特許料)を払わなければその種子が使えなくなる、遺伝資源が企業に囲い込まれてしまう、これは「種子の私有化」を意味するというものです。

農家は、作物をつくるのに、毎年このロイヤリティ(特許料)を負担しなければならなくなるのです。

この「新しい品種をつくるために素材となる遺伝資源である品種」が、農家の努力で培われたもので、それが次の年により良い品種の作物が生まれるものとして、その財産権は各農家に委ねられることを、オープンにしろというのが、今国会で成立するであろう「種苗法改定」の主旨となるのです。

それは種子法が規定する主要農作物だけではありません。

いちごもメロンもすべてです。

種子法廃止から種苗法改定の間に、米国を含むTPPは大きく縮小されましたが、外資参入の障壁は取っ払うことは続けられ、農家が自ら生産した作物から種子を採取する「自家採種」の権利をも奪うことになっていくのです。

農家は作物栽培のためのロイヤリティ(特許料)を毎年外資企業に払うことになるのです。

・まもなく「種苗法改正案」国会通過

ポイントを整理しますと、以下の流れになっています。

農業の自由市場化 → 外資参入 → 農業の(遺伝資源である品種という)知的財産が奪われる → ロイヤリティービジネス

この流れで、今まさに国会を通過しようとしている「種苗法」を見てみましょう。

農家が登録品種のタネを自由に自家採種し、自家増殖することを禁じる「種苗法」改正案に対し、農家の不安や憤りの声を取材したドキュメンタリー映画「タネは誰のもの」(原村政樹監督)が、オンラインで有料上映されています。

種子法廃止やTPPに対して反対運動を展開してきた、弁護士で民主党政権時代に農相を経験した山田正彦氏がプロデューサーを務めた映画です。

「種苗法」に関しては、過去に当メルマガでも書きました。

NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』で主演の女優・柴咲コウさんが自身の公式ツイッターで「新型コロナウイルス感染拡大の中、種苗法の改正が行われようとしている」ことに警鐘を鳴らしていました。

種苗法の改正案には、農作物を新たに生み出した人や法人に「育成者権」を与えることなどが盛り込まれる方向で、ゴールデンウイーク明けから国会で審議される見通しです。

育成者の知的財産権が保護される反面、各農家による株分けや種取りなどが制限され、農業崩壊が起きる可能性も指摘されています。

そんな流れに対し、柴咲さんは新型コロナの水面下で、「種苗法」改正が行われようとしています。自家採取禁止。このままでは日本の農家さんが窮地に立たされてしまいます。これは、他人事ではありません。自分たちの食卓に直結することです…とつづっています。

TPP前提の種子法廃止から、種苗法改定に至るまで、主要農産物(コメ・麦・大豆など)から農業全般において、外資に日本の農業そのものを“売る”プロセスが見られると思います。

・反対意見は黙殺。強行採決で重要法案が決められていく

グローバル化の名の下、海外で模造品が作られることを防ぐということで、これらの法律の必要性を訴えていますが、その運用の仕方によっては、種苗法の改正案には、農作物を新たに生み出した人や法人に「育成者権」を与えることが盛り込まれていることから、いかようにもできる、世界のグローバル企業は、特許権、知的財産権でお金を儲ける道具に使われるということになります。

法律制定の趣旨を論じるのはわかりますが、その運用方法に抜け道はないかをチェックすることも大事なのです。

法律制定、あるいは改正・廃止する側は、その運用方法の抜け道を知って、あるいはわざと残しているようで、そこに法律制定側の意図が込められているのを、見抜く必要があります。

それゆえ、常に法案反対者の意見に耳を傾ける姿勢が大事なのですが、その余地すら与えないように、前政権から今の与党は強行採決を連発して議論をさせなようにしているところに、闇を感じ怖さを感じ、その方向性に不審を抱くのです。

まさに、種子法廃止から種苗法改定に至るまでの流れが、人目を避けてこっそりと進めていることに注目してほしいと思います。

私たちの食卓の問題です。

TPPの時も、盛んに遺伝子組み換え食材が食卓を埋め尽くす時代になると危惧されていましたが、いままさに、日本の農業が外資に売られようとしているのです。

・世界は再公営化が主流。それでも日本は水道事業を民営化へ

2018年12月、改正水道法が成立しました。

この改正案は、自治体が公共インフラである上下水道などの施設を所有権したまま、運営権(通常15~20年)を民間企業に売却するという、民営化の一つの形である「コンセッション方式」の導入を促進する内容です。

当メルマガでも、2度に渡って取り上げました。

ポイントは「コンセッション方式」です。

コンセッション方式は、災害時の水の安定供給の責任は自治体が負う、届けさえすれば厚生労働省の認可なしで企業が水道料金を変更できるという、民間企業にとってより都合がよい形にして、導入しやすくしたものです。

コンセッション方式を導入した自治体には地方債の元本一括返済の際に最大で利息の全額を免除するという改正PFI法(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律)も成立しています。

自治体にとっては、コンセッション方式を導入したら旨味があるというものです。

ただ世界の流れは「再公営化」で、2000年から2015年の間に、37か国235都市が、一度民営化した水道事業を再び公営に戻しています。

それは、民営化して不都合が生じたからです。民間企業に運営権を持たせたことによる料金高騰や水質悪化、サービスの低下などの問題が次々に出てきたからです。

まさに「貧乏人は水を飲むな」です。

・「貧乏人は水を飲むな」が現実に

以前の記事をそのまま引用します。

マニラは1997年に水道事業を民営化しましたが、米ベクテル社などが参入すると水道料金は4~5倍になり、低所得者は水道の使用を禁じられました。

またボリビアは1999年に水道事業を民営化したものの、やはりアメリカのベクテルが水道料金を一気に倍以上に引き上げ、耐えかねた住民たちは大規模デモを起こし、200人近い死傷者を出す紛争に発展しました。

当時のボリビア・コチャバンバ市の平均月収は100ドル程度で、ベクテル社は一気に月20ドルへと値上げしたのです。

大規模デモは当時の政権側は武力で鎮圧されましたが、その後、コチャバンバ市はベクテルに契約解除を申し出ると、同社は違約金と賠償金を要求してきたそうです。

外資が参入してきて水道料金を引き上げ、水道料金が支払えない低所得者層は水が飲めずに、衛生上よくない水を飲んで病気になるケースがみられ、民間の水道事業者が利益ばかり追いかけたことにより、「再公営化」が世界の潮流となりつつあるという指摘もあります。

この外資企業と言われるのが「水メジャー」と呼ばれる企業で、2強と呼ばれるのがスエズ・エンバイロメント(フランスや中国、アルゼンチンに進出)とヴェオリア・エンバイロメント(中国、メキシコ、ドイツに進出)です。

いずれもフランスの企業です。

人間が生きていくうえで必要なのは「空気」と「水」だ。

・金融が売られる

「金融」では、具体的には銀行や保険会社などで、行き着く所「日本人の資産が売られる」ということになります。

要は、いろんなことに外資(外国企業)が主導権を握り、日本国は何も言えなくなるということです。

「外資に売られる」を、見方を変えて「日本の米国化」という表現だと、これまでにいろんなものが「グローバル」の名のもとに変えさせられてきました。

企業年金制度は、日本古来の給付型年金から「確定拠出年金制度」に移行しました。

米国では「401k」と呼ばれていることから「日本版401k」と言われています。

投資信託を通して、日本株式だけでなく、米国債券や米国株を買っています。

公的年金資産も同じです。

かんぽ生命は、相次ぐ不祥事があって、その株価を下げてます。

公開株式は自由市場ですから、いま安くなった株を買い占めることもできます。

かんぽ生命は、一生懸命アフラックのがん保険を売っています。

日本の個人資産を虎視眈々と狙っているというのは、グローバルの名の下でも、また郵政民営化のときにも散々言われたことです。

雇用形態も大きく変わりました。

高度成長期に企業を支えた終身雇用は、悪のレッテルを貼られて葬り去れら、代わりに「働き方の多様化」の旗のもとに非正規雇用形態が増えました。

日本ではない海外の製薬会社のワクチンを使用することが求められています。

日本は大量に海外企業からコロナワクチンを買うことになっています。

しかも副作用が出た場合の訴訟費用は政府負担という特約付きです。

まるで日本人を利用したワクチン効果大実験です。

特効薬も、海外企業の製品が使われます。

森が、海が売られます。

ひとつひとつ細かくチェックしてみてください。

なぜこのようなことになっているのでしょうか。

いったい誰が得をするというのでしょうか。

そして、日本はどこに向かおうとしているのでしょうか?

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なぜ種苗法改正はひっそり進む?農業も水道も「日本が売られる」
まぐまぐニュース 2020年11月19日 原彰宏
https://www.mag2.com/p/money/987473

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 すずき・のぶひろ 1958年三重県生まれ。東京大学農学部卒業。農学博士。農林水産省、九州大学教授を経て、2006年より東京大学教授に就任。専門は農業経済学。日韓、日チリ、日モンゴル、日中韓、日コロンビアFTA産官学共同研究会委員などを歴任。『岩盤規制の大義』(農文協)、『悪夢の食卓 TPP批准・農協解体がもたらす未来...

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