「中小は消えてもらうしかない」コロナ経済支援打ち切りの狙いは中小企業の淘汰!~中小企業を見殺し~


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菅首相のコロナ経済支援打ち切りの狙いは中小企業の淘汰!

ブレーンの「中小は消えてもらうしかない」発言を現実化

エキサイトニュース(2020年12月11日)

https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_litera_11405/

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今回の追加経済対策でもっとも菅首相の「自助」思想が全開となっているのが、国民の生活を支えるさまざまな支援策の打ち切り、要件の厳格化だ。

たとえば、「雇用調整助成金」の特例措置は〈来年2月末まで延長のうえ、3月以降、段階的に縮減〉と明言。

「延長」といえば聞こえはいいが、実態はコロナ感染拡大がつづくと予想される時期で縮小させるということ。

さらに、今回の追加経済対策では「持続化給付金」と「家賃支援給付金」についての言及はなく、来年1月に終了する。

また、実質無利子・無担保の融資についても来年3月末までの延長が発表され、それ以降は新たな融資制度が設けるというが、日本経済新聞にはこんなことが書かれていた。

〈民間の金融機関を通じた実質無利子・無担保の融資制度は21年度からは条件を厳しくする。政府は金融機関による融資を保証しつつ、融資先の企業が健全な経営体制かどうかを監視する仕組みにする。〉(日本経済新聞8日付)

帝国データバンクによると、11月に全国で倒産した企業数は563件。

じつはこの数字、11月としては民事再生法が施行された2000年以降でもっとも少ないものだ。

その要因を、帝国データバンクでは〈実質無利子無担保の融資や雇用調整助成金などの資金繰り支援策で倒産が少なくなっている〉と分析している(NHKニュース8日付)。

逆にいえば、支援策の打ち切りや融資条件の厳格化によって、倒産件数が増加することは目に見えているのだ。

実際、東京商工リサーチが10月に公開した倒産状況の分析では、〈全体では倒産は落ち着いているが、零細企業では倒産や廃業が増えている。倒産がより規模の大きい企業にも広がり、増勢をたどる可能性が高まるなかで、次の支援の一手をどうするかが重要になっている〉と指摘。

また、全国労働組合総連合も「雇用調整助成金」の特例措置について「措置が終われば、解雇や雇い止めが広がりかねない」と懸念を示している(東京新聞11月16日付)。

現在の感染拡大の状況から考えても、とりわけ中小・零細企業が大打撃を受けることは必至で、春以降の手厚い支援が必要なのははっきりとしている。

にもかかわらず、菅首相は倒産・廃業や解雇、雇い止めを止めるための支援策を打ち出そうとはしないのだ。

しかも、これはたんに菅首相が支援をケチっているというような問題ではない。

むしろ、支援を打ち切って中小企業の淘汰をおこなうことこそが菅首相の狙いなのだ。

現に「持続化給付金」は、10月26日に開かれた財政制度等審議会の歳出改革部会で「事業が振るわない企業の長い延命に懸念する」「人材の流動化やM&A(合併・買収)が阻害され、経済成長につながらない」などという意見が噴出し、予定通り来年1月までで終了すべきという意見が大勢を占めたといい(日本経済新聞10月26日付)、会合後に部会長代理である土居丈朗・慶應義塾大学教授もこう述べていた。

「期限をずるずると先延ばしすると、本来はよりよく新陳代謝が促される機会が奪われてしまう」

新型コロナという未曾有の“災害”の影響を受け、生活苦や先行き不安で自殺者が増加するなかで、その国民の生活を守るための支援策を「新陳代謝が促される機会が奪われてしまう」と口にする──。

土居教授といえば、政府税制調査会でも、コロナによる景気悪化のために減税措置をとるべきという意見が高まるなかで「消費減税をすることによって格差拡大を助長するということをまず国民にしっかりと訴えるべき」などというトンデモ発言をおこなった人物だが、この「新陳代謝」発言にも新自由主義的な弱者切り捨ての思想がありありと見える。

だが、この財政制度等審議会による「持続化給付金」打ち切りの提言を政府が採用するかどうかは「不透明」だとされていた。

“来年に衆院選を控えるなかで打ち切りは困難”というのがその理由だ(「日経ビジネス」11月9日号)。

しかし、菅首相はこの提言を受け入れ、「持続化給付金」打ち切りを決めた。

菅首相は政権維持のため衆院選に神経を尖らせていると言われているが、その衆院選に悪影響をおよぼしかねないにもかかわらず、だ。

さらに、前述したように、菅首相は「持続化給付金」打ち切りのみならず、企業倒産を防ぐために設けた「家賃支援給付金」の打ち切りや実質無利子・無担保融資の条件厳格化を決めたが、これも、菅首相が「心酔」していると言われる、例のあの人物の“教え”が頭にあるからだろう。

その人物とは、竹中平蔵氏と並ぶ菅首相のブレーンで、「成長戦略会議」のメンバーにも選ばれた、小西美術工藝社社長であるデービッド・アトキンソン氏。

アトキンソン氏はゴールドマン・サックス証券の元アナリストだが、菅首相の入れ込みようは相当で、講演では「私はアトキンソンさんの言うとおりにやっている」と発言しているほど(朝日新聞9月19日付)。

そのアトキンソン氏の主張こそが、“中小企業の淘汰”なのだ。

アトキンソン氏といえば“最低賃金の引き上げをおこなうべき”という主張で知られ、格差是正や貧困問題の観点からもその主張に肯首しそうになるものだ。

しかし、アトキンソン氏の主眼は、最低賃金の引き上げによって中小企業を淘汰することにある。

たとえば、アトキンソン氏はこんな発言をおこなっている。

「人口減少の観点からして、小規模事業者の中でも中堅企業にはならない、なろうとしない、慢性的な赤字企業はただの寄生虫ですから、退場してもらったほうがいい」「中小企業は、小さいこと自体が問題。ですから、中小企業を成長させたり再編したりして、器を大きくすることをまず考えるべきです。それができない中小企業は、どうすべきか。誤解を恐れずに言うと、消えてもらうしかありません」(「プレジデント」5月29日号)

雇用を守ることを最優先すべきこのコロナ禍にあって「ただの寄生虫」「消えてもらうしかない」と言い切ることには背筋が凍るが、恐ろしいことに、菅首相はこうしたアトキンソン氏の考えを政策に反映させ、実行に移そうとしているのだ。

実際、閣議決定された追加経済対策のなかの中小企業の支援策は、事業転換が条件。

わざわざ〈淘汰を目的とするものではない〉と記しているが、体力がないなかでの事業転換は容易なものではなく、〈人材やノウハウの乏しい中小が取り残される懸念がある〉という指摘も出ている(毎日新聞9日付)。

さらに、アトキンソン氏は観光業こそが日本の成長戦略を担うという考えであり、菅首相が官房長官時代の昨年末、「日本各地に世界レベルのホテルを50カ所程度新設する」と言い出した際も、安倍官邸では「アトキンソン案件」と呼ばれていた(前出・朝日新聞9月19日付)。

菅首相が感染拡大中でも固執しつづけ、中小企業の支援策を軒並み打ち切り決定する一方で来年6月までの延長を決めて3000億円もの追加予算をつけようとしている「GoToトラベル」も、ある意味「アトキンソン案件」とも言えるものだが、さらに追加経済対策では〈インバウンドの段階的回復に向けた取組を進める〉とまで明言している。

国内の医療提供・検査体制が危機的状況で、欧米でも感染拡大に歯止めがきかない状態にあるというのに、肝心の感染拡大防止策にわずかな予算しか付けないばかりか、まるで現実味のないインバウンドに力を入れる──。

もはや支離滅裂と言うほかないだろう。

繰り返すが、コロナの影響による生活苦で自殺者が増加するなかで、最優先すべきは国民の暮らしと命を守ることだ。

だが、菅首相が打ち出した経済対策は、「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」と銘打ちながら、その実態は中小企業の倒産・廃業、解雇、雇い止めを推進しようという「国民を絶望に追い込むための経済対策」でしかないのである。

菅首相のこの恐ろしい狙いに、国民は気づかなくてはならない。

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菅首相のコロナ経済支援打ち切りの狙いは中小企業の淘汰!
ブレーンの「中小は消えてもらうしかない」発言を現実化
エキサイトニュース(2020年12月11日)
https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_litera_11405/

コロナ過、日本の中小企業、そして零細企業、個人企業の方々が危機に陥っています。

中小企業、そして零細企業が淘汰された場合、日本には、多国籍の外資系大企業と、日本の大企業だけしか残らない世界がやってくるかもしれません。

その先には、日本の大企業も淘汰され、日本には、巨大外資系IT企業とビッグファーマ(巨大製薬企業)を中心とした「多国籍外資系超大手企業」しか残らない世界がやってくる可能性すら考えられます。

いわゆる、行き過ぎた「資本主義」かもしれません。

そうならないために、今、私たちは何をするかが問われているのではないでしょうか。

非効率な「中小企業はなくていい」という声も聞いたことがあります。

しかしながら、私が経験してきた中では、中小企業やベンチャー企業の中には、光り輝く技術や開発能力、優れた製品やサービスを多く見てきました。

決して大手企業の社員と比べても給与水準が高いとは言えない方々です。

ベンチャー企業経営者も、上場するまでは、大手企業の社員の方々よりも低い給与で頑張っている方々が大半です。

多くの中小企業が、大手企業を支え、その足元をしっかりと固めています。

トヨタも、ユニクロも、ソニーも、任天堂も、その他多くの日本の大企業は、日本の中小企業が、その下支えとなって、日本経済が構成されています。

日本で働いている人の約70%は、中小企業で働いていると言われています。

中小企業が淘汰された場合、日本の働く人、約70%近くが大きな影響を受けてしまいます。

その方々、そしてその家族が、路頭に迷ってしまうのではないでしょうか。

経済だけの問題ではありません。

日本の商慣習、風習、地域に根付いた温かみ、連帯感など「日本の良い文化」そのものが、失われかねません。

飲食店、クリーニング店、八百屋さん、肉屋さん、花屋さん、本屋さん、美容室、電気屋さん、などなど、私たちの身近な生活を支え、時には相談役にもなってくれています。

中小企業や、零細企業、そして個人企業が、私たちの生活・営みそのものを支えてくれている、大事な存在ではないでしょうか。

人と人との関係は、そもそも「非効率」なものです。

その「非効率」なところから、人は幸せを感じることも多いのかもしれません。

商店街からの活気が、私たちを元気づけてくれることもあるでしょう。

行き過ぎた資本主義。

収益や効率化だけを追求してしまうことでは、中小企業を淘汰したい方々の、まさに思うつぼかもしれません。

中小企業は日本の大企業を支え、日本の雇用と経済を担う不可欠、かつ重要なファクターです。

そして、中小企業は人と人とのつながりや幸福感、文化等を映し出していると言えるのではないでしょうか。

中小企業の存続。

今、「日本そのものの存続」が問われている、と言えるのかもしれません。

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