世界を席巻したベンチャー企業は数多くあれど、多くの人の心を動かしたベンチャー企業経営者と言えば、スティーブ・ジョブズ氏。
2011年10月5日、膵臓腫瘍の転移による呼吸停止により死去。56歳の若さでした。
生み出した製品は数多くありますが、世界中の人々に愛用されている製品と言えば、「iPhone」。
ジョブズが命を削りながら生み出された革命的芸術品とっても良いのではないでしょうか。
ジョブズは理想を追い求め、妥協することは絶対にしない、その執念にも似た姿勢を生涯貫き通しました。
優れた製品を生み出すためのパッションはまさに「命を削った執念」ともいえるものでした。
Contents
スティーブ・ジョブズ「執念の軌跡」
「iPhone」を生み出した、スティーブ・ジョブズ。
「iPhone」を生み出すまでは、簡単な道のりではありませんでした。
ジョブズの「執念の軌跡」について少し追ってみます。
自ら立ち上げたアップル社を追い出される
ジョブズ氏はオレゴン州のリード大学中退後、1976年、スティーブ・ウォズニアック氏とアップルコンピュータを設立。
順調に成長を続けます。
しかし、ジョブズ自らスカウトした元米ペプシコCEOのジョン・スカリー氏がCEOとなると、経営方針の違いからジョブズは同氏と対立。
1983年経営陣の支持を得られず、自ら創業したアップル社を追い出されることになりました。
アップル社に復帰!革命的製品「iPhone」を生み出す
ジョブズ氏は新会社NeXT社を設立。
新会社NeXT社は高価な製品ということもあり、業績は不振。
約半数の社員をリストラすることも経験。
しかし、好機が訪れます。
アップル社が業績不振となり、OS(オペレーティングシステム)の自社開発を断念します。
新会社NeXT社の強みでもあったOS「NEXTSTEP」をアップルコンピュータに搭載する提案を実施。
ジョブズが最初に立ち上げた会社アップルは、ジョブズの第二の会社NeXT社を買収することとなりました。
1997年、NeXT社吸収合併され、ジョブズはアップル社に返り咲きます。
ジョブズは温めてきたアイディアを、改めてアップル社で次々に形としていきます。
・1998年 iMac発売
・2001年 iPod発売
・2003年 iTunesストア開始
・2007年 初代「iPhone」発売
ジョブズ氏が1997年にアップル社に返り咲き、約14年で売上高を16倍にまで飛躍させます。
アップル社は時価総額で米マイクロソフトなどを抜き去って、2011年8月上旬には米国企業で首位に立ちました。
後に、ジョブズはアップルを追い出された時期が最も創造性を発揮できたと語っています。
ジョブズが、アップルから追い出されたことが、革命的芸術品「iPhone」を生み出したと言っても過言ではありません。
大きな挫折を乗り越え、自分の未来を切り開いたのではないでしょうか。
スティーブ・ジョブズ「執念のDNA」
ジョブズが後世に残したのは「iPhone」だけではありません。
ピクサーってご存知ですか?
そうです。
今はディズニー傘下にある会社です。
ジョブズは、「CGアニメーション」の生みの親的存在でもあるのです。
ジョブズは、アップル社を追い出された後、新会社NeXT社を運営する傍ら、1986年ルーカスフィルムのコンピュータ関連部門を1000万ドルで買収。
このルーカスフィルムのコンピュータ関連部門がのちのピクサー。
ピクサーは、CGアニメーションを生み出します。
ジョブズはこのピクサーでも妥協しない姿勢を貫きました。
チームの創造性を鼓舞し、CGアニメーションの新時代を創り上げることを目標に掲げます。
そしてついに、1995年、「トイストーリー」を公開、大ヒットとなります。
この大ヒットでピクサーは株式公開を果たします。
その後、ディズニーがピクサーを買収、「アナと雪の女王」などの大ヒット作につながっていきます。
つまり、スティーブ・ジョブズ氏の強い想いが「トイストーリー」を生み出し、そのDNAが「アナと雪の女王」を生み出したのです。
その後はご存知の通り。
ディズニーのCGアニメーションの新時代の幕開けとなったのです。
「塔の上のラプンツェル」「ファインディング・ニモ」「モンスターズ・インク」など数々のヒット作は、スティーブ・ジョブズのDNAが受け継がれています。
「iPhone」という革命を生み出したジョブズは、映画の世界でも「革命」を起こしたのです。
すごいですね。
2度にわたる世界的革命。
ただ、物事は、全てにおいて「トレードオフの関係」があると言われています。
何かを得るとき、何かを失う。
ジョブズは、きっと、自らの「使命」を、命を削りながら、全うさせたのだと思っています。
最後に
ジョブズの遺した名言をお伝えします。
イノベーションはリーダーとフォロワーを分ける。
他人の意見が雑音のようにあなたの内面の声をかき消したりすることのないようにしなさい。そして最も重要なのは、自分の心と、直感を信じる勇気。
死を覚悟し生きていれば、何かを失う気がするという心配をせずに済みます。あなたは初めから裸なんです。素直に自分の心に従えば良いんですよ。
今日が人生最後だとしたら、今日やることは本当にやりたいことだろうか。「NO」という答えが幾日も続いたら、何かを変える必要がある。
勇気、運命、人生、宿命……何でもいい。とにかく信じることです。点と点が結ばれていくことを信じれば、人生に失望することなんかありません。
私たちはこの世界に凹みを入れてやろうと思ってここにいるんだ。そうでないならなんでそもそもここにいる必要があるんだい?
ハングリーであれ。馬鹿であれ。
スティーブ・ジョブズ/元アップルCEO
Apple創業者、スティーブ・ジョブズ氏の「イノベーションの起こし方7つの法則」とは?
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