ブサイクでかわいい!「フレンチブルドック」~フレンチブルドックの歴史・特徴・性格・飼い方のコツ・かかりやすい病気について~

ワンちゃん

 

フレンチブルドッグは、愛嬌いっぱいの鼻ぺちゃな小型犬として、パグとともに人気の犬種です。

 

ユニークな顔をしているので、そこに注目されがちですが、フレンチブルドッグは性格もとてもかわいいんです。

イビキはかくし、とにかく愛嬌たっぷり。

その上飼い主べったりの甘えん坊だから「ハマったら抜け出せない」中毒者が続出中!

 

今回はフレンチブルドックについてお伝えいたします!

 

 

 

フレンチブルドッグの歴史

 

フレンチ・ブルドッグの起源には諸説ありますが、18世紀頃、イギリスで飼われていたイングリッシュ・ブルドッグがフランスに渡り、パグやテリアと交配されて誕生したという説が広くいわれているようです。

18世紀、産業革命を機にイギリス人がフランスにわたったとき、いっしょに連れていたブルドッグ(イングリッシュブルドッグ)が元となり、パグやテリアと交配させて誕生したといわれています(諸説あり)。

 

ブルドッグは、当時イギリスで流行していた「牛いじめ(bullbaiting)」という見せ物で、“牛と戦える犬種”を目的に誕生しました。

鼻がつぶれているのは、牛に噛みつきやすくするためだったのです。

闘犬としてイギリスで一躍有名になったブルドッグですが、1835年に同国で動物虐待法が成立。牛いじめを含めた、さまざまなブラッドスポーツ(動物を虐待し、見せ物にするスポーツ)が禁止されました。

これをきっかけにブルドッグを小型化し、闘争心を排除しようということになり、誕生したのがフレンチブルドッグだといわれています。

さまざまな背景のもと誕生したフレンチブルドッグですが、ブルドッグが主流のイギリス人にとって、小柄で優しいフレンチブルドッグは受け入れ難い存在でした。

そのため、皮肉をこめて「トイ・ブルドッグ」なんて呼ばれていたそうです。犬種登録にも時間がかかり、1912年にようやくイギリスのケネルクラブ(ザ・ケネルクラブ)に登録されました。

 

イギリスでは評価されなかったフレンチブルドッグですが、フランスでは爆発的な人気を得たようで、どんどん輸出されていきました。

カフェのオーナーやファッション業界で働く人など、オシャレな人たちを中心に瞬く間に広まったそうです。

そして、このフランスでの人気に目をつけたのが、アメリカ人のブリーダー。1897年にアメリカへ持ち帰り、繁殖にいどみました。

アメリカ人が持ち帰るまで、フレンチブルドッグは今のような立ち耳ではなく、「ローズ耳」といわれる垂れ耳だったそうです。

 

凛とした顔立ちを好むアメリカ人は、改良を重ね今の立ち耳のフレンチブルドッグを誕生させました。

1897年に、アメリカで誕生した「立ち耳」のフレンチブルドッグ。アメリカのケネルクラブに登録する際、一悶着あったそうです。

犬種登録におけるショーにエントリーされたのは、「立ち耳」と「垂れ耳」の両種類。

しかし、イギリス人審査員が評価したのは「垂れ耳」のフレンチブルドッグでした。

 

この結果に納得いかないアメリカ人は、すぐさま「フレンチブルドッグ・クラブ・オブ・アメリカ」を設立し、立ち耳だけを認める新たな評価基準を設けました。

これが、世界で一番初めにできたフレンチブルドッグ専門のクラブだといわれています。

このような熱心な取組みもあり、アメリカでフレンチブルドッグが大ヒット。かの有名なロックフェラーも愛してやまなかったそうです。

何をきっかけに立ち耳が主流になったのかは定かではありませんが、立ち耳を誕生させたアメリカで爆発的人気を得たのが一番の理由かもしれません。

 

フレンチブルドッグが日本にやってきたのは大正時代。

昭和初期には多く飼われたものの、バブル崩壊などによって人気が低迷。

暑さに弱いフレンチブルドッグにとって、エアコンが一般化しておらず飼いにくかったのも原因のひとつかもしれません。

ところが、2000年代に入ってからはさまざまなアーティストも飼い始めたことから、人気が復活し、今ではJKC(ジャパン・ケネルクラブ)の人気犬種ランキングでベスト10入りの常連になっています。

 

 

 

 

フレンチブルドッグの特徴

 

 

フレンチブルドッグは鼻が短い短頭種(たんとうしゅ)で、頭が大きく筋肉質のがっちり体型。

ブルドッグを祖先とする犬です。

体の大きさは小型犬に近いですが、筋肉質で体が重いので、中型犬に分類されます。

ブルドッグと違って、幅が広くぴんと立った「コウモリ耳」を持っているのが特徴です。

 

筋肉質で重心の低い体つきや、大きくて四角い頭、幅の広い胴体、頭から肩までのしわしわの皮膚などがブルドッグと似ているところです。

フレンチブルドッグのしっぽは短くて、あまり振ることができませんが、豊かな表情で感情を表現します。

どこかおどけたような表情も、人間みたいにいびきをかくところも可愛いです。

体高は28〜33cm、体重は11kgが平均とされています。

 

日本で血統書を発行する機関であるジャパンケネルクラブ(JKC)では「体重は8kgを下回ってはならず、14kgを越えてもならない。体高は体重と釣り合いが取れていなければならない」とされています。

フレンチ・ブルドッグの毛色は大きく分けて4種類。

やや褐色がかった茶系の「フォーン」、ホワイトをベースに、部分的に黒い模様が入った「パイド」、体のほとんどがブラックでわずかに褐色などの色が入った「ブリンドル」、そして「クリーム」があります。

 

フォーンの中でも顔が黒いものは「ブラックマスク」、パイドのうち白に茶が入った珍しい「ハニーパイド」、ブリンドルのうち縦に模様の入ったものを「タイガーブリンドル」と呼びます。

さらに、ブリンドル×ホワイト、フォーン×ホワイトなど、組み合わせによって実にさまざまなバリエーションがあります。

 

 

 

 

 

フレンチブルドッグの性格

 

 

フレンチブルドッグは、好奇心旺盛で度胸があり、活発な性格です。

フレンドリーで、他の犬や人ともすぐに仲良くなることができます。

人懐こく甘えん坊なところも、フレンチブルドッグの可愛さです。

テリアやパグらしい陽気で明るい性格と、ブルドッグらしい頑固さを持ちあわせています。

 

また、フレンチブルドッグは愛情深く、家族が喜ぶ顔を見るのが大好きです。遊び好きでやんちゃなところもあります。

好奇心が旺盛な一方、大らかな性格なので子どもがいるご家庭でもよいパートナーとなってくれるでしょう。

遊びが大好きで気に入った遊びを何度もおねだりしてきたり、叱られると見るからに落ち込んだ仕草をしたり、人間のようないびきをかく子も多く、ほほえましい面を見せてくれます。

 

甘えるときは、おしゃべりするような鳴き声をすることもあります。

賢くよく学習する犬種ですがブルドッグ特有の頑固な面もあるので、褒めながら根気強くしつけましょう。

叱りすぎると落ち込んでしまうので、悪いことをしたときは無視または静観が原則です。

フレンチブルドッグは基本的に穏やかな性格のため、めったに吠えることはありません。

 

しかし、男の子は縄張り意識が強く、上下関係をハッキリさせたいという潜在意識があるため、同性に対して吠える(威嚇する)傾向にあります。

女の子でも気の強い子は威嚇目的で吠えることもありますが、よくある無駄吠えは、ほぼないと考えていいでしょう。

 

 

 

 

 

 

フレンチブルドッグの飼い方

 

 

暑さや寒さに弱いので外飼いはNG。

室内飼いでも外出時にはエアコンで温度管理が必要です。

遊び好きな性格ですが、体温調節が苦手なことから暑さに弱く、暑い日にたくさん運動をすると体調が悪くなり、けいれんしてしまうこともあるので、様子を見ながら遊ばせてください。

 

暑い時は、バンダナや手ぬぐいなどで結んで、首の後ろに保冷剤をつけてあげると、体温を下げられます。

長時間の散歩は必要ありませんが、毎日引き運動などの運動をさせてあげると喜びます。

のどの気管や関節が弱いので、お散歩は朝夕10分程度でいいでしょう。

室内での遊びも加えてストレスを発散させてあげてください。

 

被毛は軽くブラッシングをしたり、濡れたタオルで拭いたりしてあげましょう。

換毛期があるので、特に換毛期には毎日ブラッシングをしましょう。

フレンチブルドッグは、短毛のわりに抜け毛が多いと言われています。

また、顔としっぽの根元のしわの間は汚れが溜まってしまうので、きれいに拭いて清潔に保つようにしてください。

 

また、フレンチブルドッグはよく食べるので、太りやすい傾向にあります。

肥満にならないように食事内容には気をつけましょう。

 

 

 

 

 

フレンチブルドッグの気をつけたい病気

 

尿石症(シスチン)

 

 

尿に含まれるミネラルが結石になり、腎臓や尿管、膀胱、尿道といった尿路をふさいでしまう病気です。

アルカリ性の結石はストルバイト結石、酸性の結石はシュウ酸カルシウム結石といいます。

尿石症は膀胱炎や尿路閉塞を引き起こすことが多いので注意が必要です。

血尿、頻尿、排尿困難といった症状が現れます。

 

シスチン尿石症は遺伝性疾患で、若齢で発症するタイプと、成犬になってから発症するタイプがあり、フレンチ・ブルドッグは後者です。

細菌に感染したり、水をあまり飲まなかったり、ミネラルを摂り過ぎたりすることが原因になります。

通常、1日に2〜5回、20〜50mlのおしっこをします。

それより少なくなったら、尿路結石を疑ってみましょう。

 

 

 

角膜炎

 

角膜炎は、目の表面を覆っている角膜に炎症がおきてしまう病気です。

外傷によるものとそうでないものがありますが、フレンチブルドッグは目が大きく、前に飛び出しているので、角膜が傷ついてしまいやすいです。

 

他の犬とのけんかや事故、シャンプーによる刺激、ウイルスなどが原因となります。

 

 

乾性角結膜炎(ドライアイ)

 

ある原因によって涙の分泌量が減り、目が乾燥することでおこる角膜と結膜の炎症です。失明してしまうこともあるので、重症化する前に治療しましょう。

 

免疫介在性疾患(免疫の防御反応がおかしくなることで生じる病気)や神経性の障害などが原因となります。

 

第三眼瞼腺脱出(チェリーアイ)

 

目頭にある第三眼瞼(瞬膜)が飛び出している状態がさくらんぼに見えることから「チェリーアイ」と呼ばれる病気です。

正式には「第三眼瞼腺突出」といいます。

 

第三眼瞼は下まぶたの内側にあり、眼球の保護や涙の産生など、大切な役割を担っています。

 

短頭種気道症候群

 

短頭種の顔や首の構造上、呼吸がうまく行えないことがあり、その総称を短頭種気道症候群といいます。

 

肺へ空気を送る気管がつぶれてしまう気管虚脱、鼻の穴が狭くなる鼻腔狹窄、口の中の上あごの肉が垂れてくる軟口蓋過長などにより、激しいパンティング、呼吸困難、呼吸時のゼイゼイとした雑音などが確認されます。

 

 

食物アレルギー(食物過敏症)

 

食べ物の中にふくまれるタンパク質に対して起こるアレルギーで、痒みが主な症状ですが、下痢などの消化器症状が起こることもあります。

特に、目の周り、口の周り、耳、肢先、四肢のつけ根など、皮膚がこすれる場所を中心に皮膚炎が起こります。

 

原因となる食べ物は、牛肉、鶏肉、小麦、卵、大豆、乳製品などさまざまです。

 

 

難産

 

小型犬、短頭種、頭が大きく腰が細い犬などは難産になりやすいです。

シーズー、チワワ、ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ、ペキニーズなどが挙げられます。

 

また、肥満犬、高齢犬、栄養状態が悪い犬なども難産になりやすい傾向にあります。

最初から帝王切開が選択される犬種もありますが、そうではない場合は、陣痛が始まってもなかなか子供が生まれないようであればすぐに動物病院を受診しましょう。

 

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