良い商品と売れる商品は違う。
衝撃的な商品は必ず売れる。それ自身がルートを開いていくからだ。
独創性のない商品は競争に巻き込まれ、労多くして益は少ない。
その商品には消費者が支払った対価以上の価値があるか。
売れるかどうかはそこで決まる。
大衆の声こそ神の声である。
安藤百福。日清食品創業者。
世界で初めてインスタントラーメンを発明し産業化した人物。
チキンラーメン、カップヌードルの発明者。
台湾生まれ。
日本統治時代の台湾出身で、元名呉百福。1966年(昭和41年)に日本国籍を取得。
立命館大学卒。
太平洋戦争終結後復員し商売を開始。
ある信用組合の理事長になってくれと懇願され就任。
その信用組合が倒産し、無限責任のため全財産を清算に充てるはめになり財産を失う。
唯一残った自宅の庭に研究所を立てインスタントラーメン開発を開始。
1948年(昭和23年)に(株)中交総社(後の日清食品)を設立し、日清食品の代表取締役社長、代表取締役会長、創業者会長を歴任。
(社)日本即席食品工業協会会長、(財)安藤スポーツ・食文化振興財団理事長、(財)漢方医薬研究振興財団会長、世界ラーメン協会会長、(財)いけだ市民文化振興財団会長などを務めた。
池田市名誉市民。
位階勲等は正四位勲二等。
私は事業に失敗して財産を失い、48歳から再出発した。60歳、70歳からでも新たな挑戦はある。人生に遅すぎるということはない。私の人生は波乱の連続だった。成功の喜びに浸る間もなく、何度も失意の底に突き落とされた。しかし、苦しい時の経験がいざというときに常識を超える力を発揮させてくれた。
素人の発想が正しいこともある。素人だからこそ常識を超えた発想ができる。
ラーメンを売るな。食文化を売れ。インスタントとは即時・即刻・瞬間という意味である。してみるとインスタント食品とは時間を大切にする食品ということになる。もし私が体に悪いものを売っていたのなら、土下座をしてすぐに会社をたたみます。
優れたベンチャーは新しい市場を生みだし、多くの人々に雇用機会を提供する。ベンチャー精神とは、無から有を創造することである。先手を取るから成功するものであって、後手、後手じゃ勝つわけがない。
発明はひらめきから。ひらめきは執念から。執念なきものに発明はない。ひとつこころみては捨てていく。考えて、考えて、考え抜け。私が考え抜いた時には血尿が出る。私は眠るときもメモと鉛筆を枕元に用意する。あなたも四六時中考える習慣をつけなさい。
時は命なり。時計の針は時間を刻んでいるのではない。自分の命を刻んでいるのだ。神はすべての人に1日24時間を与えられた。時間だけは金持ちにも貧乏人にも平等であるが、取り返しがつかない。最大のコストは時間である。24時間働くことは、24時間会社にいることではない。
未来とシナリオなき事業はすべて清算しなさい。企業は夢がなくてはならない。夢が現実のものになるとき、飛躍的に成長する。企業という言葉は創造と同義である。新しいものを世の中に提供していく力がなければ企業である必要はない。
明確な目標を定めた後は、執念だ。ひらめきも執念から生まれる。