サイボウズ創業者、青野慶久:給料以上の大きな報酬とは?

サイボウズ創業者、青野慶久:給料以上の大きな報酬とは?

給料以上の大きな報酬とは?

青野慶久/サイボウズ創業者

 

私たち日本人はこれまで、「働くこと」と「楽しさ」とを切り離して考えがちでした。
「会社は楽しむ場所じゃない」「仕事は苦しくて当たり前。苦しいからお金という報酬がもらえるのだ。儲からなければ、幸福も手に入らない」。
そんな固定観念にずっととらわれてきたのではないでしょうか。
私もかつてはそうでした。
でも、職場で過ごす時間は人生の多くを占めます。
それが楽しくなければ、いくら儲かっても不毛であり、お金だけでは幸福度は上がりません。
経営側から見ても、もはや「金銭的な報酬さえ保障すればいい」という時代ではないでしょう。
「得ることが嬉しいもの」をすべて報酬だと定義するならば、社員一人ひとりにとって、「楽しく働けること」や「楽しく働ける職場であること」も給料と同じくらい、いいえ、それ以上に大きな報酬だといえます。

 

 

青野慶久とは?

 

 

青野慶久。

戸籍名:西端慶久。

グループウェア大手のサイボウズ社長。

1971年、愛媛県今治市生まれ。

愛媛県立今治西高等学校を経て大阪大学工学部卒業後、松下電工へ入社し、BA・セキュリティシステム事業部営業企画部に在籍。

2人の同僚と共に1997年にサイボウズを愛媛県松山市に設立し、取締役副社長に就任。

マーケティング担当としてWebグループウエア市場を切り開くことに尽力。

その後、「サイボウズ デヂエ(旧DBメーカー)」「サイボウズ ガルーン」など、新商品のプロダクトマネージャーとしてビジネスを立ち上げ、事業企画室担当、海外事業担当を務めた。

2005年より代表取締役社長。

2001年の結婚時に婚姻届で妻の姓を選択し、戸籍上の氏は『西端』となったが、旧姓を通称として用いている。

選択的夫婦別姓制度導入に賛同の立場を取り、自身のブログにおいても、「社長になり、本名で書かなければならない公式書類が増えたので、誤解されないように、最近は本名が西端であることを併記しております。日本では夫婦別姓が認められておりませんので、婚姻届を出すときに、どちらかの姓に合わせなければなりません。名字を変えるのはたいへんです。世の女性の苦しみがわかります。早く夫婦別姓が認められるようになることを期待しています。」と述べている。

2018年1月9日には、日本人と外国人との結婚では同姓か別姓かを選べるのに、日本人同士の結婚だと選択できないのは「法の下の平等」を定めた憲法に反するとして、国へ提訴した。

法律婚した男性による夫婦別姓訴訟としては初めての訴訟となる。

 

 

厳選!青野慶久の珠玉名言

 

 

早く帰ると決めれば、人は仕事のやり方を工夫する。日本の生産性が諸外国と比べて低いのは、残業するのが当たり前で、なんの工夫もしてこなかったから。

 

 

仕事が速い人というのは、仕事の仕方が「ツイッター的」。つまり、少量のアウトプットを細かく出すことで、他人をうまく巻き込むんです。このやり方だと、相手とやりとりをする時間はかかりますが、見当違いのものをつくってしまう危険は減ります。結果的に大幅な時間ロスを防げるわけです。

 

 

会社の仕事と家事育児は、両方とも仕事ととらえるべきです。だから仕事と家事は何対何で取り組む、なんて考えないほうがいい。

 

 

「うちも働き方改革に取り組みたいが、どこから手をつけていいかわからない」という場合は、とにかく現場の社員の声に耳を傾けることから始めてみてはどうでしょうか。どうすればもっといい職場になるか、楽しく働けるようになるか、その答えは一律ではなく、彼ら一人ひとりの心の中にあるのですから。

 

 

私はパソコンを立ち上げて、空のテキストファイルに思ったことをどんどん吐きだしています。それを読み返してみると、「なるほど、事実はこれであって、それを自分がこう解釈してしまったから混乱しているんだな」というふうに、冷静に区別ができるようになります。頭の中の言葉を一度ログ(記録)として眺めてみるということが大切です。

 

 

100人の社員がいれば、100通りの働き方と人事制度があっていい。一人一人違っているはずの希望を実現できれば、みんながハッピーになれる。

 

 

時間と場所を組み合わせた9分類のワークスタイルから、自分のライフスタイルに合わせて働き方を選ぶことができる人事制度を採用しています。そこで当社のグループウェアが力を発揮します。進行中のタスクやスケジュールといったあらゆる情報をグループウェア上で共有できるので、たとえ在宅勤務でも問題なくチームの一員として仕事をこなしていますね。

 

 

私のストレス解消法はバットの素振りです。ストレス解消法には、「やっている最中に無心になれること」を選ぶことが大事です。

 

 

弊社では社員に会社の戦略を説明する会を定期的に行っています。私は毎回資料をつくって臨んでいたのですが、あるときどうにも資料をつくるのがおっくうになったことがありました。もっと日にちが迫ってからにしようとそのまま放っておいたのですが、気がついたら資料がないままに説明会の直前になってしまいました。そこでたくさんの資料をもとに説明するというスタイルをやめて、最小限の資料をもとに、社員から自由に質問してもらう質疑応答スタイルに変更しました。すると、例年にない活気にあふれたものになりました。

 

 

工場で1日にボルトを500個作っていたのが、1000個作れるようになる。これを「生産性が2倍になる」と評した時代がありました。しかし、今、求められるのは、ボルトの生産数を増やすことではなく、「今までにないボルト」を作ること。つまり、アイデアやクリエイティブを「生産性」と呼ぶ時代なのです。

 

 

現在は、優秀な経営者が一人ですべてを差配することで勝てる時代ではない。私はそう見ています。

 

 

私のTODOリストは「今日やること」「今日やらないこと」「当面やらないこと」の3つの項目があって、「今日やること」に載っている仕事の必要性を判断して、「今日やらないこと」にどんどん移動していきます。そうして1日の仕事のスリム化を図っていきます。「今日やること」から「やらなくていいこと」を探しているわけですから、私のTODOリストはむしろ、「NOT TODOリスト」といった方がふさわしいかもしれません。

 

 

多様性の高い組織をつくるためには、一人ひとりが問題を提起し、自分の意思を周囲に伝える責任から逃げてはなりません。現在、私たちはこの考え方を「質問責任」と呼び、大切な組織風土として、絶えず浸透・徹底を図っています。

 

 

企業は「川上で誰も真似できない技術を持つ企業」と「川下で多くの顧客を持つ企業」の2つに収斂されていく。

 

 

大切なのは小さな目標を立てること。小さな目標をクリアするのに慣れてくると、だんだん大きな目標が立てられるようになる。

 

 

仕事の方向性を早い段階で上司に確認するときは、少量のアウトプットでいいんです。極端な話、思ったことをひと言口に出してくれるだけでもいい。質問の形にすれば、なお良しですね。たとえば、「次の新製品の狙いはこんな感じですかね?」とか。そう聞かれたらこっちも「いや、そうじゃなくて」と乗り出さざるを得ないじゃないですか。質問には、「相手の考えを誘発する」「問題に相手を巻き込む」という力があるんです。

 

 

世の中の常識とされていることでも、それが本当に正しいことなのか一度疑ってみた方がいいでしょう。固定観念によって「事実」と、自分の「解釈」を履き違えている可能性を考えてみるべきです。

 

 

トップが本気でコミットしない限り、組織の価値観は変わらない。

 

 

モチベーションとはすなわち「夢」。夢があるから、人はそこに向かって近づこうと頑張るもの。

 

 



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