business

オムロン(OMRON)創業者、立石一真:未来予測「SINIC理論」とは?

未来予測「SINIC理論」とは?

立石一真/オムロン(OMRON)創業者

 

 

「SINIC理論」

「SINIC理論」とは、立石一真が人類社会の進展の歴史を見て、これからの未来を予測した考え方で、1970年に国際未来学会で発表したものです。

SINICとはSeed-Innovation to Need-Impetus Cyclic Evolutionの略。

シーズ(種子)イノベーション(改革)ニーズ(需要)インピタス(刺激)の間に生まれるサイクリック・エボリューション(円環的関係)があることから、人間の進歩意欲から円環的に相互間を行きつ戻りつするであろうことを主張していました。

 

 

未来を描く「SINIC理論」(オムロン株式会社ホームページより抜粋)

SINICとは“Seed-Innovation to Need-Impetus Cyclic Evolution”の頭文字をとったもので、「SINIC理論」では科学と技術と社会の間には円環論的な関係があり、異なる2つの方向から相互にインパクトを与えあっているとしています。
ひとつの方向は、新しい科学が新しい技術を生み、それが社会へのインパクトとなって社会の変貌を促すというもの。
もうひとつの方向は、逆に社会のニーズが新しい技術の開発を促し、それが新しい科学への期待となるというもの。
この2つの方向が相関関係により、お互いが原因となり結果となって社会が発展していくという理論です。

「SINIC理論」 過去から現在(オムロン株式会社ホームページより抜粋)

工業社会において人類は物質的な豊かさを手にいれました。
一方で、エネルギー、資源、食料、人権などのさまざまな問題が未解決のまま取り残されています。
最適化社会では、こうした負の遺産が解決され、効率や生産性を追い求める工業社会的な価値観から、次第に人間としての生きていく喜びを追求するといった精神的な豊かさを求める価値観が高まると予測しています。

 

オムロン株式会社ホームページより

 

 

 

立石一真とは?

 

 

立石一真。精密機器製造メーカー「オムロン」の創業者。

 

熊本県熊本市新町に伊万里焼盃を製造販売する立石熊助およびエイの長男として生まれた。
立石家は祖父・孫一が佐賀県伊万里の地で焼き物を習得し熊本に移り住み、「盃屋」を店開きした。

 

熊本高等工業学校(のちの熊本大学工学部)電気科卒業。
兵庫県庁技手、井上電機製作所を経て、昭和8年大阪で立石電機製作所(現・オムロン)を創業。
継電器、自動制御装置の製造に乗り出す。

 

戦後オートメーションの必要性からマイクロスイッチなどを自社開発し、当時の立石電気の資本金の4倍もの資金をかけて中央研究所を設立する。
ここから計算能力をもつ自動販売機や自動改札機などを開発し、オートメーション機器を次々と開発し、急成長を遂げる。

 

日経連常任理事、関西経済連常任理事などをを歴任。
平成2年立石科学振興財団を創立。

 

著書に「わがベンチャー経営」「創る育てる」「企業家精神の復活」など。

 

 

厳選!立石一真の珠玉名言

 

 

研究開発はやはりトップが先頭をきってやらんと会社は燃え立たんものです。

 

 

ダメと決めつけるのはたやすい。しかし、改善の余地ありでなければ、創造の将来はない。『まずやってみる』が我々が築きあげてきた企業文化なのだ。

 

 

人にほめられて有頂天になり、人にくさされて憂うつになるなんて、およそナンセンス。なぜなら、そんなことくらいで、自分自身の価値が変わるものではない。

 

 

事業に100%安全なものはない。また、リスクのない決定は決定と言えない。というのが私の考えです。ベンチャーとは言うまでもなく冒険。未知のものに挑むことである。アメリカ人の言うフロンティア・スピリットを実践することです。立石電機は創業以来このベンチャー精神を貫いてきました。時代がどう移ろうと、企業としてどれほど大きくなろうと、ベンチャー精神を忘れてはなりません。

 

 

機械にできることは機械に任せて、人間はより創造的な分野で活躍すべきである。

 

 

リスクを冒さない決定は決定ではない。だから私は『7・3の原理』で、7分どおりいけそうなら、断固たる意思決定をしている。とりあえずやってみる、ということが重要なのだ。

 

 

人間は誰でも幸福になる権利があります。しかし、人を押しのけたり、足を引っ張ったりして自分だけ幸福になろうとしても、決して幸福にはなれない。親は子を、子は親を幸福にする。夫は妻を、妻は夫を幸福にする。兄弟姉妹を幸福にする。それから友人を、同僚を幸福にしていくと、いつのまにか幸福な人たちの中にいる自分も幸福になっているのです。

 

 

最もよく人を幸せにする人が最もよく幸せになる。これが人生70余年に及ぶ人生を振り返って得た結論であり、同時に私の信条信念である。

 

 

 

 


arashioono