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面白法人カヤック創業者、柳澤大輔:生産性の向上よりも「サボり」や「ムダ」を推奨する理由とは?

生産性の向上よりも「サボり」や「ムダ」を推奨する理由とは?

柳澤大輔/面白法人カヤック創業者

 

 

私は仕事中のサボりを奨励しています。
仕事中にサボるなんて、とんでもないと思う人が多いのではないでしょうか。
社内では「サボり方研修」も行っています。
サボりこそがクリエーティブな発想を生む源泉であり、一流のサボり方を身につけてほしいと考えるからです。
ただサボるより、サボりながら何か作業をしたほうがいい。
実際の研究結果でも、ただ休憩するより、休憩中にどうでもいい作業をするほうが、クリエーティビティが発揮されることがわかっています。

 

 

私たちは「面白法人」と名乗っている通り、カヤックは面白い職場をつくることに重点を置いてビジネスを行っています。
昨今、多くの企業で取り組みが進む「働き方改革」についても、カヤックでは生産性の向上よりも、どうすれば仕事が面白くなるかということに注力しています。
生産性を追求しすぎると、面白い発想ができなくなってしまいます。
表面上は「ムダ」と思われることに費やす時間か重要な意味を持ちます。

 

 

柳澤大輔とは?

 

 

面白法人カヤック創業者。

英国領時代の香港出身。

 

慶應義塾大学環境情報学部卒業後、ソニー・ミュージックエンタテインメントを経て面白法人カヤックを創業。

 

ユニークなネットサービスを多数展開した。主な賞に『JWDA WEBデザインアワード 奨励賞』『文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品』『東京インタラクティブ・アド・アワード ウェブサイト部門コーポレートサイト銅賞』。

 

 

厳選!柳澤大輔の珠玉名言

 

 

面白く働くことの一つの方法は、いかに主体性を持って会社に関われるかです。「会社が何をしてくれるか?」というより「どうやったら会社がより良くなっていくか?」。そのように会社の問題を「自分事(じぶんごと)化」していくと、どんどん楽しくなります。

 

 

面白法人と名付けているんですけど、面白さの定義を「 唯一である、ユニークである」としているんです。会社も個人も個性的であることが、結果として、良い効果を生み出していると思います。カヤックでは、面白さ=個性としているので「あれ?どこかで見たことあるサービスを出してきたな」となると、僕らの価値が下がっちゃいますから。

 

 

「面白法人」というコンセプトが社内に浸透するように、給料日前に全社員がサイコロを振り、「基本給×(サイコロの出目)%」が、給与に足される「サイコロ給」や、ウソをつくのも才能の一つと考え、4月1日限定でウソのエントリーシートで本当に書類選考を行う「エイプリルフール採用」など、他社にはない制度も数多くつくってきました。このような制度がその目的を達成できないこともあります。その意味ではムダなことかもしれません。しかし、たとえ失敗しても他社が行わないことを行ったという事実は残り、それによって面白法人としての価値が蓄積されていくのです。

 

 

ピカソは生涯2万点以上の絵を描き、バッハも週1回作曲していた。成功をつかんだ天才はすべからく多作です。とにかくアイデアを出す。100のうち99が面白くなくても、1つ良いものがあれば、一緒ですから。

 

 

ブレストの最中は原則、質問禁止というルールがあります。ブレストする時、誰かが議題を出すと質問が出てきますよね。「そのマーケットってどの程度の規模なの?」とか。あれは意味ないですね。それやり始めちゃうと、そもそもブレストじゃなくなるんで。ブレストは疑問じゃなくて、アイデアを出す場なんで。

 

 

基本的には一人の思いつきが発端で、その後にチームを集めてブレスト(ブレインストーミング)します。消化というか掛け算するような感じですね。何かの着眼点を踏み台に、また違うアイデアをかぶせるというか。いくら周りがあれこれ言っても本人が採用しなければ、それでもOKですし。なので、誰かが持ち込んだんだけど、最終的なアウトプットはまったく違うものになったりして。そういう組み合わせの面白さは、一人よりチームの方が勝るというのが、カヤックの考えですね。

 

 

「仕組み」や「システム」を大事にしてます。アナログな感覚のサービスが多いですけど、根っこはデジタルなんで。基本は仕組みでどうにかしようという集団です。精神論で考えないということです。例えば「ありがとう」が大事だから毎日言おう!って気合を入れるんじゃなくて、毎日ありがとうを促進するメールが届いて、対応しないと催促メールが来るようなサービスを作っちゃったら……もう、ありがとうって言わざるをえないとか。

 

 

ART-Meterという画家が2000人ぐらい登録していて、どんな画家の作品でも面積で測り売りするECサイトがあります。そこでは、そもそもこの仕組みで、こういう人に参加して下さいと言い切っちゃってる。会社だって同じですよね。鎌倉にあるとか、こういう人しか採用しないとか言い切っちゃってるんで、わかりやすいですよね。

 

 

一年前から「ぜんいん人事部」という制度を始めました。社員を全員人事部付にして、全員の名刺に「人事部」という肩書きを加えたのです。さらに、採用試験の書類選考を免除する「ファストパス」を持ち歩いてもらい、「これは!」と見込んだ人がいたら渡してもらうようにしました。たったこれだけのことなのですが、全員が採用担当者としての意識を持つことで、どんどん優れた人材を採用できるようになりました。それだけでなく、採用コストが25%ほど下がりました。

 

 

「アイデアは既存のアイデアの組み合わせに過ぎない」と言われてますから、アイデアを出せる人は、物事の関連性を見つけ出せる能力がある人だと言えます。つまり、思いもよらない組み合わせを考えられる人が一流のアイデアマンということです。

 

 

アイデアマンとそうでない人の違いは、自分がアイデアマンだと思っているかどうかというだけの話。面白いアイデアを出したいなら、「自分はアイデアマンだ」と思えばよい。

 

 

私は学生から相談を受けるとほぼ「それいいね」と言うことにしている。というのは自分自身起業するきっかけが高校時代の先生が将来起業した方がいいと背中を押してくれたから。まずはやってみるのが一番。

 

 

 

 


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