人をかき分けて進んでも、自分だけいい目をみればそれでいいと考えている人が多いが、先に行きたいと思っている人には行かせればよい。
私は世の中に喜びのタネをまいてゆきたい。
これが祈りの経営の精神です。
「人を助ける」とは思い上がりもはなはだしい、と気付いたときに「人につかえる」まして商売人の私は「お客様につかえる」のだ、と思ったらうなずけました。
自主的に、自発的に「人につかえる」即ち「人様のお世話をする」自分になろう!
なんだ、かんだ、とうまいことを言っても自分がかわいいために、自分の好きなことをしたいために、他の人をせめているのでないかという反省。
それよりも、ざっくばらんに、どうぞ許してください、どうぞやらせて下さい。
その代わり自分だけが喜ぶのだけではなく、私で喜ぶのならば、あなたのためにも、多くの人のためにも、私の生きている限りは「喜びのタネ」をまいてみたい。
鈴木清一。
1911(明治44)年、愛知県碧海郡大浜町に農家、角谷家6人兄弟の四男として生まれる。
3歳のときに鈴木家の養子となる。
東京・中央商業学校(中央学院大学の前身)を卒業後、老舗のロウソク問屋、川原商店に入社。
東京出張所に勤務。
昭和14(1938)年、戦争で入手困難となった蝋の代用品として「URワックス」を開発。
その翌年には「高度ワックス」を開発する。
昭和17(1942)年、川原商店勤務の傍ら「高度ワックス配給協議会」の専務理事に就任。
独立開業を決意すると昭和19(1944)年大阪市でユシロ航空油剤製造を設立。
昭和25(1950)年にはケントクへと社名変更し、本社を愛知から大阪に移転。
「板の間廊下のツヤ出しケントク」のキャッチフレーズで艶出しワックスを販売した。
昭和33(1958)年、ビルメンテナンス・清掃用品販売のケントク新生舎を設立すると、昭和37(1962)年には同社を同業他社と合併させサニクリーン東京を設立。
東洋一の総合ケミカルメーカーに なりたいと思い、アメリカのジョンソンと折半の合弁会社とする。
その間にジョンソンは従業員の持っている株を買い占めて昭和38年株主総会に於いて全体の75パーセントを握ったジョンソンは代表鈴木清一氏を追放。
52才で裸一貫となる。
せめて雑巾でも作って売ろうと考え、岐阜県羽島市にある中小企業、ハセトラ紡績に営業訪問。
鈴木さんに同情した長谷虎治社長が幹部の反対を押し切って鈴木さんの注文に応じます。
この受注で、ダスキンを新たに設立。
鈴木さんがジョンソンに追放された時に400人の従業員がいましたが、3人だけ裸一貫になった鈴木さんについて来たそうです。
その後、ダスキンは掃除用具のレンタル事業を全国でフランチャイズチェーン展開し急成長を遂げた。
ミスタードーナツ事業などを手がけ経営の多角化を図り、わが国初の複合フランチャイズ企業の基礎を確立。
昭和55(1980)年、68歳で死去。
自分が幸せになりたい、金儲けをしたいと思うのなら、まず自分のことを二の次において人に喜ばれることを身をもって実行していくことだ。理屈抜きに働いてみることだ。必ず食べるに事欠かないどころか、もっと豊かな暮らしができる。
なにが正しくて、なにが正しくないかは、神様にしたってわからない。でも、なにか起こったとき、たとえ自分に分が悪い損の道であっても、相手に喜んでいただければと考えて行動すれば、すべて物事は解決する。
その気になったら楽になった。損をする覚悟が出来たら楽になった。分が悪い、お詫びをしようという気になったら楽になった。水はたえず澄もうとしている。静かに落ち着くことだ。りきむな ひるむな こだわるな!生かさるるまま、水のごとくに。
信念を実行に移しなさい、迷うことはない。あなたの信念を押し通すことです。少なくともそれは、自分だけのことでなく、他人のためにもなることであるなら、さあおやりなさい。ぐずぐずして実行しないことが一番いけないことです。失敗を恐れる思想は、成功へのチャンスを見失うことです。
出会った人々その人に出会ったことから今までの人生とはちがう新しい道が開けてゆくのです。
今のままでも、いいんだ。と、私たちは、どうしても現状維持になりやすい。未知の世界は不安です。しかし、人生のロマンを求めるならば、勇気を出して新しいチャンスをつかむ事です。
朝晩のお勤めを欠かさずにするのは、人間鈴木清一があやまちも多く、悩みも深く、弱さ、もろさ、悲しさがあるがゆえに、祈ってすがっていきたいからです。
一日一日と今日こそは、あなたの人生が新しく生まれ変わるチャンスです。自分に対しては、損と得とあらば損の道をゆくこと。他人に対しては、喜びのタネまきをすること。我も他も物心ともに豊かになり生きがいのある世の中にすること。
合掌。
ありがとうございました。
どんな小さなことでも大きな喜びとすれば、大きな喜びとなって自分が幸せになる。