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ダイソー創業者、矢野博丈:上場キャンセルした理由とは?

上場キャンセルした理由とは?

 

矢野博丈/ダイソー創業者

 

 

以前当社は店頭上場しようと準備をしていました。

でも、私の判断で上場予定日の二か月前にキャンセルしたんです。

いまでも、いつでも上場できる状態にあります。

しかし、上場すると投資家からの目を意識して短期のことばかり考えるようになります。

結果として、この土壇場の上場中止があったからこそ、いまの大創産業があります。

 

 

矢野博丈とは?

 

 

矢野博丈。

ダイソーを展開する大創産業創業者。

 

広島県出身。

中央大学理工学部土木工学科卒業後、妻の実家のハマチ養殖業を引き継ぐも失敗。

 

借金を抱えながら様々職を転々としたのち、移動販売業の矢野商店(のちの大創産業)を創業。

国内有数の100円ショップチェーンに成長させた経営者。

 

 

厳選!矢野博丈の珠玉名言

 

 

急成長してきたセリアや、キャンドゥのおかげで「潰れるかもしれない」と思えた。その危機感があったから持ち直すことができました。

 

 

うちの本社は創業以来、東広島にあります。全国展開するようになってからもずっと動いていないので、「何か特別な理由があるんでしょうね」と言われますが、何もありません。私の地元なので、個人的な愛着はあるけれど、海外展開のことを考えたら、将来はもっと便利なところに本社を移すかもしれません。先のことはわかりません。すべては状況次第です。

 

 

自分が能力も運もないことに気がついたらありがたいもんです。

 

 

我々は在庫にしろアイテム数にしろ「無駄」で生きている会社なのです。POSシステムを一部の店に導入しましたが、売れ筋ばかりの店にすると面白くなくなります。効率や成長より、会社が続くことの方が大切です。

 

 

もう守っているだけでは駄目。何でもいいから新しいことをせんといかん。とにかく自ら変化せんと滅ぶしかない。

 

 

私と話したことがある人はよく知っていると思うけれど、私はダジャレやジョークが大好きで、隙があればどんどん会話の中に挟み込む。休憩時間や食事のときの会話だけじゃなく、仕事中でもジョークを思いついたら、すかさず口にする。なぜ私がジョークを言うかというと、それは場を明るくしたいから。もちろん、仕事は真剣にやるもの。かといって、しかめっ面でやっていても上手くいくというものでもない。どうせやるなら、楽しく明るくやった方がいいに決まっている。

 

 

いいことは長く続かない。そもそも悪い状態が当たり前。

 

 

一人で始めた移動販売が社員3人規模まで大きくなったとき、「よし、ワシも経営の勉強をせにゃいかん」と思って、本を3冊買ってきたことがある。3冊とも松下 幸之助さんの本だった。読んでみると、私が考えたこともないようなことがいろいろ書いてある。さすが経営の神様だと思った。その中のひとつに、「経営者には権限移譲する力、部下に仕事を任せる力が必要だ」と書いてあった。だからそれに倣って、それまで平社員だった社員3人をそれぞれ専務、部長、課長にしていろいろ任せることにした。ところがこれは上手くいかなかった。大きな会社で、ふさわしい年月と経験を重ねてきた社員に権限を委譲するのは、効果的なのかもしれない。だけど、当時のうちの社員は年月も経験も浅い。苦労もしないまま役職が与えられると何か勘違いしてしまって、権限移譲の悪い面ばかりが出てしまった。このとき私は、本に書いてあることをそのまま鵜呑みにしたらいけないと思った。

 

 

明るく店をやっていると、そのお客さんが何も買わなくても、ほかのお客さんが引き寄せられてくる。やはり明るさは、接客の基本なんだね。

 

 

焦る必要はまったくない。一歩ずつでも、自分をいい方向に導いていけばいいんだよ。

 

 

 


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