【米国による教育支配?!教科書が染まりゆく、安倍カラー】「はだしのゲン」「第五福竜丸」教材から削除!『はだしのゲン』と原爆を「なかったこと」にしようとする意図か?~忌野清志郎「表現の自由を奪う圧力」との闘い~
■「はだしのゲン」に込められた反戦メッセージを“不都合”と考える人たちがいる?
日刊ゲンダイ:2023/02/23 ラサール石井
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広島市教委が、現在平和教育に使っている教材において、来年度から「はだしのゲン」を他の絵本などと差し替えると発表した。
もちろん広島の学校から「はだしのゲン」をみな廃棄するというような話ではない。
だから鬼の首を取ったように騒ぐほどのことはないかもしれないが、少なからず反響は大きかった。
まず差し替えの理由がよくわからない。
現在小3の教材には、父親を助けるところ、(父親が反戦を唱えたために非国民扱いされ、仕事もなく)家族を助けるために町で浪曲を歌い金を稼ぐところ、母親に精をつけさせようと鯉を盗むところ、が使われている。
「浪曲は児童になじみがなく、鯉を盗んでもいいという誤解を与える」おいおいそんなバカな。
なじみがなければ説明すればいい。
それが授業ではないのか。
じゃあ世界史なんかなじみのないことだらけだぞ。
鯉を盗む行為に関しては皆で話し合えばいい。
そここそ大事なのではないのか。
「漫画では被爆の実相に迫りにくい」ともあった。
いや「はだしのゲン」ほどリアルに描かれたものはないだろう。
体中に割れガラスが刺さったままさまよう人。
体中の皮膚が剥がれ指先からその皮膚が垂れ下がったまま歩く人。
むしろトラウマになりそうな描写で、以前は残酷すぎると閲覧禁止になりそうになったこともあるぐらいだ。
しかし原爆の悲惨さだけが「はだしのゲン」の特徴ではない。
その反戦のメッセージが素晴らしいのだ。
母親のセリフ「いつも戦争をおこそうとする企てをはやく見破って、みんなで声を張り上げ反対してふせぐのよ。国のためだと言って戦争して、かげでもうけるやつがいつもおるんじゃけえ」
先生のセリフ「政治をしっかりみつめてほしいのじゃ。政治から目を離し背を向けると知らぬまに戦争の準備がされ、気がついたときはおそいのじゃ」
これは今の子供たちに絶対に教えなければいけないことだろう。
ひょっとしたらそう思ってもらっては困るのでは。
子供たちにはすすんで戦争に行く気持ちを持ってもらいたい人たちがいるのでは。そう勘繰りたくなる。
再び母親のセリフ「また戦争をよろこぶ流れがおきてしまったらもうおそいのよ。つぎつぎと治安維持法みたいな法律をつくられ完全ににげられないようにされ、人間がただの戦争する道具にされるんだから」
まさに今現在への警鐘ではないか。
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「はだしのゲン」に込められた反戦メッセージを“不都合”と考える人たちがいる?
日刊ゲンダイ:2023/02/23
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/319150
「はだしのゲン」貸出禁止にモノ申す!
言論の自由が、ヘイトスピーチに屈する社会
東洋経済 2013/08/18
https://toyokeizai.net/articles/-/17839
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なに、ついに「はだしのゲン」が禁止される時代が来たか・・・。
松江市教育委員会がなんと、市内にある市立の全小中学校に対し、あの伝説の名著「はだしのゲン」を小学生に対して自由に閲覧できない閉架の措置をとるよう要請したことが注目を集めている。
これは「教育委員会、何やっとるねん!」ですむ問題ではなく、その背景に根深い現代社会の“言論の不自由”という問題点がある。
そこで本日も香港の高層ビルの一室から、せっかくの日曜日で香港ディズニーに行くはずだったのに、地球の平和を守るため急旋回して出撃しよう。
・「はだしのゲン」貸出禁止の背景にあるもの
皆様ご存じのとおり、「はだしのゲン」は実際に原子爆弾を被爆した作者によって書かれたもので戦争の真実を映し出しており、当時を知るための資料としても価値が高い。
実際に戦争や原爆の悲惨さを伝える一級資料として、日本のみならず世界20か国で翻訳されて読まれ映画化もされてきた。
そこには戦争で焼け野原になり、罪のない一般市民が殺されるという被害者としての側面と、戦争の加害者としての両面が鮮明かつ本質的に描き出されている。
したがって戦争の実態を捻じ曲げて教えたい歴史修正主義の人々に対しては目の上のタンコブとうことで、“はだしのゲン”は歴史を書き換えようとする勢力にとって、極めて都合の悪い歴史の証拠でもあった。
教育委員会側は“表現が過激だ”としているが、何十年の間、何千万の人に読まれた 「はだしのゲン」で、PTSDになった人でもいるのだろうか。
戦後70年の月日を経て、戦争と歴史の記憶にどう抗うかを考えるときに、教科書からもメディアからも歴史の実態を消そうという動きがある中で、メディアや報道機関があまりに無力なのが残念だ。
・教科書が染まりゆく、安倍カラー
ちなみに一般の方々は関心もなく、全然ご存じない話だと思うのだが、歴史教科書が安倍政権の政策で次々と“静かな環境下”で書き換えられている。
“教科書検定特別委員会”の結論などというと中立的な印象があるものの、実際には、近代史の記述を“安倍カラー”に変えるための人員選定がなされている。
表向きは“村山談話を踏襲する”と海外向けには話し、外から見えにくい内政では着実に歴史の書き換えを進めるという、安倍政権おなじみの(そして実に上手く行っている)やり方である。
教育界の政治思想からの独立は日本ではもはや破たんしているわけだが、この危険性は時間がかかりかつ大人は学校に通わずわからないので、教育への政治介入は今後も簡単に見過ごされていくのだろう。
・「はだしのゲン」にモノ申している市民団体とは…
松江市教育委員会には市民団体から“はだしのゲン”が歴史歪曲・ねつ造が多いとの陳情があったとのことだが、その“市民団体”とは “チーム関西”と呼ばれるいわゆるヘイトスピーチ”で知られるザイトク会に似たような団体の数人であり、その脅しのような模様がこちらに掲載されている。
こうした活動が、松江市教育委員による“はだしのゲン貸出禁止”の直接的原因だとは言わないが、可能性として、今後もこのような大人たちによって、子供たちから「はだしのゲン」が奪われるかもしれないと思うと、嘆かわしい。
「はだしのゲン」の貸出禁止は、終戦式典で首相が20年来で初めてアジアにもたらした苦痛と被害に対する言及および、戦後ずっと受け継がれてきた“不戦の誓い”という一文を削除したのと同根である。
忘れ去りたい歴史や都合の悪い史実を子供たちに見せたくないという、現在の社会的風潮が“はだしのゲン貸出禁止”の背後にあるより本質的な問題点なのだ。
・“アベ”コベな現状
今までも右派政治グループによる歴史教科書会社に対する圧力や、NHKの戦争犯罪特集に関する番組への圧力があったが、今は言論の自由への圧力が「はだしのゲン」にまで及ぶようになってしまった。
「はだしのゲン」の表現を「過激で不適切」と圧力をかけてきた団体が、白昼堂々と道端でヘイトスピーチを行う一方で、「チャンコロ(中国人への蔑称)を殺せ!」「ゴキブリ朝鮮人を皆殺しにしろ!」と叫ぶ野蛮な言葉の暴力は“言論の自由”として容認されている。
これらの不幸は、ほかの多くの国々と同様(ヨーロッパではドイツだけでなく、ほとんどの国で他民族への憎悪を煽る言動が法律で禁止されている)“他民族への憎悪を煽る言動は表現の自由の範疇ではない”と当然の法的判断をすることで解決できるはずの問題だが、それがなされないところに、政治的意図を感じる。
・ゲンの記憶が、大人たちに消されていく
最近サザンオールスターズの歌でもあったが、近代史はまともに教えられずあっという間に表層をなぞって終わる、という状況が戦後70年近く続いてきた。
無機的で乾燥したあの年号と歴史人物の名前の暗記だらけの無意味な教科書で、戦争のむごさや不戦への想いを育んだ人はいないだろう。
しかし「はだしのゲン」を通じて、筆者の中沢氏が伝えたかった戦争の悲惨さや原爆への怒りを、幼心の胸の痛みを通じて痛感した人も多いのではないか。
戦争の教訓には、残虐行為への怒り、悲しみ、償いといった痛切な感情の共有が必要であり、心の動かない頭に入れるだけの単語や年号は何の教育にもなっていない。
むしろ中沢氏が戦争の実態を描いた「はだしのゲン」を歴史教科書に採用したほうが“戦争の悲惨さを知り、戦争を繰り返さない”という最も大切な教訓を伝える上でよっぽど効果的だろう。
しかし、この「はだしのゲン」の貴重な記憶が、教科書での歴史の暗部の記述とともに集団的忘却の憂き目にあっている。
・言論の自由が、ヘイトスピーチに屈する社会
今回の「はだしのゲン」小中校貸出禁止にまつわる問題の本質は、実は一部の極端な暴力的言動をする人たちや政治圧力に、言論の自由や教育の機会がどんどん奪われていく日本社会の現状そのものにある。
実際今の日本社会で、思っていることを口にするのが怖いと思っている人はかなり多いのではないか。
何かを言えばすぐに過激な罵詈雑言を浴びせられ(ちなみに「はだしのゲン」は“反日漫画”としてこの”右派市民団体“に攻撃されていた)、それが野放しになり法律や政治・社会が守ってくれないので、メディア企業も炎上を恐れて過激な言葉の暴力による威嚇行為に簡単に屈するようになっている。
そして結果的に、皆が匿名に逃げるか、意見を表明しないことでどんどん下劣な暴力に屈する社会に転落していっている。
メディア企業に携わる人々には、メディア業界に入った時に志したであろう“正しい情報を伝え、正しい世論を形成する”“民主主義のインフラ・番人としての役割を果たす”といった使命感を思い起こしてほしい。
また社会の同調圧力や政治家の言論統制圧力に負けないよう、現状に怒りと危機感をもって使命を果たしてほしい。
・私たちひとりひとりに出来ること
これらの暴力的圧力から言論の自由が守られるよう、法的整備に向けた世論喚起が急務であるが、政治家が自分たちの手足を縛るようなことを自らするわけもなく、かといって今のジャーナリストやメディアに政治圧力に抗う世論喚起などできそうにない。
結局のところ、政治や学校に歴史教育を任せず、市民一人ひとりが自主的に“政治や学校、社会的風潮が押し付ける歴史”以外の史実を自主的に学び、仮に図書館から「はだしのゲン」が消える日が来ても、子供に史実を教える責任を痛感せよ、というのが今回の現実的なメッセージだろうか。
今後も苦境と戦争の惨禍にめげず未来を切り開いたゲンから、子供たちが学び続けられることを願ってやまない。
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「はだしのゲン」貸出禁止にモノ申す!
言論の自由が、ヘイトスピーチに屈する社会
東洋経済 2013/08/18
https://toyokeizai.net/articles/-/17839
■10回忌を迎えた「忌野清志郎」かつて本誌で改憲批判していた
FLASH:2019.05.05
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5月2日、忌野清志郎の10回忌にともない執筆された「天声人語」が話題だ。
今から50年前、清志郎の母による人生相談が朝日新聞に掲載されていたというのだ。
当時清志郎は高校2年生で、TBSテレビ『ヤング720』に出演し、本格的なバンド活動を始めていたころだ。
「十八になる私の子供は、高校を卒業したら美術大学へはいる予定でしたが、最近では進学したくないと申します。お友達と三人で組んでギターをひき、自分で作詞、作曲したのをレコードに吹込んだり、あちらのホール、こちらの放送局と時々出演して多少は受けているようです。ギターのプロになるのだと申します。プロには簡単になれるものでしょうか。学校へまじめに行かせるにはどうしたらよろしいでしょうか」(『朝日新聞』1969年11月4日)
回答者である映画監督の羽仁進は「十八歳というお子さんのことを、こうまでいちいち立ちいって心配されるのは、かえって甘やかしているということにならないでしょうか。ギターなど才能を要し、しかも職業としては人気を要するものを一生の仕事としてえらぶには、お子さん自身不安があるにちがいありません。好きな道で努力してみて、それがだめなら、先生や親の指示に従うとか、あるいは自立するとか、決断させてみるのも、ひとつの方法ではないかと思います」とコメント。
羽仁進の母である羽仁説子も「ギターをやめろではなく、ギターにうちこんでゆくにはいざというときの経済的社会的バックをつくっておかなくては心配だから、とにかく大学だけは出ておいてとそれだけにしぼって、折りをみては親の希望をのべる」とアドバイスしていた。
母は心配していたようだが、高校時代の清志郎は、破天荒というよりは、むしろ目立たない存在だった。かつての同級生は、かつて本誌に「おとなしい人。すごいシャイな人だったけど、ギターを持つと生き生きとしていた。でもホームルームでみんなの前でギターを披露したときは真っ赤になって、恥ずかしそうにしていた」と話している。
美術室によくこもっており、清志郎自身、「もしロックで飯が食えなかったら、絵描きになるしかなかったと思うね」と語っている。
清志郎の恩師であり、楽曲『ぼくの好きな先生』のモデルになった美術教師・小林晴雄さん(故人)が過去に本誌の取材にこう答えている。
「やはり僕ら、絵を描いたり音楽を演ったりする人間というのは、どうしても縛られることが嫌なんでしょう。栗原(忌野清志郎の本名)がいろんなものに束縛感を感じるように、私にとっても職員室は決して居心地のいい場所ではありませんでした。美術室にはひとりでいられたし、栗原もよく遊びにきてました」
1970年3月5日、清志郎は高校3年にして『宝くじは買わない』で東芝音工からデビューする。
清志郎伝説はここから始まったのだ。
その後は1980年に『雨上がりの夜空に』『トランジスタ・ラジオ』、1982年に坂本龍一とコラボした『い・け・な・いルージュマジック』などヒットを連発し、黄金期を迎えていく。
「ラブ&ピース」を歌い続けた清志郎は、過去に本誌の取材で、憲法改正について語っている。
その中では、安倍首相を批判する場面もあった。
「(戦争放棄は)画期的なことだと思うんですよ。アメリカ人なんかには理解できないだろうこの9条を削除していくのは、なんかつまんないよね。小泉(純一郎元首相)になってから地方の切り捨てが激しい。俺が夏休みに遊びに行ってた鹿児島の遊園地もつぶれてたし(笑)。俺なんかが言っても説得力はないかもしれないけど、やっぱり『右寄りの政治家』にはモノ申したい。安倍晋三とか小泉とか、あのへんの輩ですよ。たいして俺と年も変わらないのにね」
清志郎はこんな言葉を残している。
「ロックでメッセージを伝えるのはダサいなんて言ってる奴は、ロックをわかってないと思う」
肉体は滅んでも、清志郎のロック魂は永遠なのだ。
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10回忌を迎えた「忌野清志郎」かつて本誌で改憲批判していた
FLASH:2019.05.05
https://smart-flash.jp/entame/68881/1
■原発安全、ウソだったんだぜ 反原発曲、ネットで話題に
朝日新聞 2011年4月27日
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東京電力の福島第一原発事故をめぐり、反原発の姿勢を打ち出す楽曲が話題になっている。
新曲に加え、改めて注目された曲も。
レコード会社やラジオ局には「自粛」の動きがあるが、インターネットの投稿サイトなどで広がり続ける。
「この国を歩けば、原発が54基/教科書もCMも言ってたよ、安全です/俺たちをだまして、言い訳は『想定外』」「ずっとウソだったんだぜ/やっぱ、ばれてしまったな/ホント、ウソだったんだぜ/原子力は安全です」
4月上旬からネットの投稿サイトで話題になっている反原発の曲がある。
題名は「ずっとウソだった」。
ロック歌手斉藤和義さんのヒット曲「ずっと好きだった」の替え歌だ。
替え歌だが、歌っているのは斉藤さん本人だ。
最初に投稿されたのは7日。斉藤さんが所属するビクターエンタテインメントは「プライベートで撮影した動画が、本人が意図しない形で流出した」と削除を求め、サイト側も応じたが、動画をみた人たちが相次いでコピーを投稿。今もネット上で広がる。
斉藤さんの所属事務所によると、動画は斉藤さんが自ら撮影した。
公表も検討したが、本人と所属事務所、レコード会社で協議した末、関連する会社への配慮や、原発問題については様々な意見があることを考慮し、見送ったという。
関連する会社の詳細は明らかにしていないが、ビクター社の親会社は電機メーカーで、元の曲は大手化粧品メーカーとのタイアップだ。
一方、映像は斉藤さんが友人に渡していたため、そこからネットに広がったらしいと説明する。
斉藤さん自身はこの件についてコメントしていない。
福島第一原発の事故を受けてよみがえった反原発の曲もある。
ロックバンド、RCサクセションの「ラヴ・ミー・テンダー」「サマータイム・ブルース」だ。1988年のアルバム「COVERS」に収録されていた。
86年のチェルノブイリ原発事故の影響もあり、反核の姿勢が鮮明だった。
リーダーの故・忌野清志郎さんは「ラヴ・ミー・テンダー」に「放射能はいらねえ/牛乳を飲みてえ」と日本語の歌詞を付けた。
「サマータイム・ブルース」は「人気のない所で泳いだら/原子力発電所が建っていた/さっぱりわかんねえ、何のため/狭い日本のサマータイム・ブルース」となった。
88年当時、所属レコード会社の東芝EMIは新聞広告で「素晴らしすぎて発売できません」と表明し、詳しい理由を明らかにしないまま発売を中止。
その後、別会社から発売された。
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原発安全、ウソだったんだぜ 反原発曲、ネットで話題に
朝日新聞 2011年4月27日
https://www.asahi.com/special/10005/TKY201104270182.html
■今こそ読んでほしい! 忌野清志郎の「表現の自由を奪う圧力」との闘い、そして憲法9条への美しすぎるメッセージ
2017年05月02日 リテラ
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本日5月2日は、忌野清志郎の命日となる。
ここ1年ほどを振り返るとき、とりわけ印象に残るのは、昨年6月に巻き起こった「フジロックに政治をもちこむな」「音楽に政治をもちこむな」論争だ。
これは、「FUJI ROCK FESTIVAL’16」のトークステージにSEALDs(当時)の奥田愛基氏の出演がアナウンスされたことから始まる。
これをきっかけにネット上には〈今年は絶対フジロックいかない 政治色本当やだ〉〈最近フジロックが妙に政治色おびてきてなーんか〉といったコメントが投稿され大炎上。テレビや新聞にも取り上げられる事態に発展した。
フジロックは、言うまでもなく忌野清志郎とはとても縁の深い野外音楽フェス。
生前は何度もステージに立ち、「キング・オブ・フジロック」との異名もとった。
忌野清志郎はミュージシャンとしてのキャリアを通じ、一貫して権力への疑義を歌い続けてきた。
反戦や反原発といったテーマについて、たとえレコード会社から「発売中止」を言い渡されたとしても、それらに屈することなく自分の主張を歌い通した。
それはフジロックも同じ。
エルヴィス・コステロ、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、パティ・スミスなど社会的なトピックを扱うミュージシャンを呼び、フェスとしても環境問題や反戦、反原発といった問題に関してもメッセージを発信してきた。
だからこそ、忌野清志郎は「キング・オブ・フジロック」と呼ばれてもいるのである。
そんなフジロックが、忌野清志郎亡き後、そういったフェスの歩んできた歴史を学ぶこともせず権力服従に毒されたリスナーたちの「音楽に政治を持ち込むな」という本末転倒な主張が跋扈するまでに至ってしまった。
とても残念で怒りすらおぼえる。
しかし、だからこそ、あらためて忌野清志郎を思い出し、彼の言葉にふれてもらいたい。
今こそ、私たちは清志郎のメッセージをもう一度胸に刻み込みたい。
本サイトでは、昨年の5月2日にも、忌野清志郎が反骨のメッセージを貫き通した戦いの歴史をまとめた記事を配信している。
清志郎はたとえば、日本国憲法第9条について〈この国の憲法第9条はまるでジョン・レノンの考え方みたいじゃないか?〉と語っていた。明日は憲法記念日でもある。
ここにその記事を再録するので、ぜひとも改めて忌野清志郎の残したメッセージに耳を傾けてほしい。
2009年の5月2日に忌野清志郎が亡くなってから今日で7年。
しかし、今でも未公開ライブ映像や音源などが定期的に発売されるなど、彼の人気は衰えない。
今月14日公開の阿部サダヲ、瑛太、妻夫木聡、竹内結子、松田龍平ら出演の『殿、利息でござる!』の主題歌にもRCサクセション「上を向いて歩こう」が使われるなど、映画やドラマ、舞台などでも今でも絶えることなく彼の歌は人々に求められ続けている。
毎年行われている追悼ライブイベント「忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー」も、今年はサニーデイ・サービスなどをゲストに迎え、今月7日に日比谷野外音楽堂で行われる予定だ。
そんななか、リテラは忌野清志郎の楽曲をめぐって起きた発売中止、放送中止の圧力事件、その圧力に抗し続けた清志郎の言動にフォーカスをあてて、彼の歴史を振り返ってみたいと思う。
周知の通り、日本は今、政権からの圧力は日増しに強くなり、メディアが為政者を批判することがどんどん難しくなっている。
国境なき記者団が先日発表した報道の自由度ランキングでついに日本は72位にまで転落した。
そんな状況だからこそ、忌野清志郎の表現の自由への姿勢に改めて触れてみたい。
忌野清志郎の最初の「圧力」と闘いは、1988年、反核・反原発のメッセージソング「ラヴ・ミー・テンダー/サマータイム・ブルース」が発売中止になったことから始まる。
同曲は痛烈な社会風刺の歌詞が満載の過激な作品ではあったが、レコード倫理審査会の審査も通過し、シングルは6月25日、同曲を収録したアルバム『COVERS』は広島原爆投下の日8月6日発売で決定していた。
しかし、シングル発売の2週間前、清志郎は当時所属していた東芝EMIの重役から呼び出されシングルおよびアルバム発売中止の通告を受ける。
そして、朝日、毎日、読売の朝刊に「素晴らしすぎて発売出来ません」というキャッチコピーとともに発売中止が発表されることになる。
その理由について詳細は明かされなかったが、以下のような収録曲の歌詞に対し、親会社である東芝からEMI上層部に圧力がかかっていたというのが通説だ。
言うまでもなく、東芝は原発プラント企業である。
〈何言ってんだー/ふざけんじゃねー/核などいらねー〉(「ラヴ・ミー・テンダー」)
〈熱い炎が先っちょまで出てる/東海地震もそこまで来てる/だけどもまだまだ増えていく/原子力発電所が建っていく/さっぱりわかんねぇ 誰のため?/狭い日本のサマータイム・ブルース〉(「サマータイム・ブルース」)
かなり直接的な歌詞だが、RCサクセションというバンドは、それまで政治的なメッセージを掲げているバンドではなかった。
それがなぜ原発や核に関する歌を歌うことになったのか。
その理由について、彼は後にこのように語っている。
「70年代の途中から、反戦歌とかメッセージソングっていうのが一挙になくなったじゃないですか。で、フォークなんかもどんどん軟弱になってって、そのまんま延々きちゃったでしょ。ふと、それはおかしいと気づいたんですよね」
「外国ではスティングがレーガン大統領のことを名指しで歌ったり、とかいうことがたくさんあるのに、日本の音楽界はおかしいぞって思ったんですよね」(「Views」95年2月号/講談社)
この発売中止騒動の後、アルバム『COVERS』は、発売を強く求めるファンの声に応え、キティレコードから発売されることになるが、この一件が、表現の自由を規制しようとする体制側に対する清志郎の反骨精神に火をつける。
それがかたちとなったのが、この直後に結成された覆面バンド・タイマーズだ。
タイマーズというバンド名は、「大麻」と「タイマー」をかけたダブルミーニングなのだが、その名前が生まれたのは『COVERS』騒動のあと行われたレコード会社側とのある会議がきっかけだった。
〈「じゃあ、今後、なにとなにを歌っちゃいけないのか、きちんと教えておいてほしい」と清志郎は単刀直入に聞いた。
「原発のこと、そして天皇を侮辱するようなこと」と、東芝の人間は答えた。
「あ、そうですか。じゃあ、マリファナのことは歌ってもいいんですね」と清志郎が言うと「いいですよ」という答えが返ってきたという〉(「週刊プレイボーイ」99年10月19日号/集英社)
その結果、〈Hey Hey We’re THE TIMERS/Timerが大好き/かわいい君とトリップしたいな〉(「タイマーズのテーマ」)というテーマ曲を携えたバンドが誕生。
彼らは89年にアルバム『TIMERS』をリリースするのだが、その作品は、表現の自由を奪ったレコード会社に対する皮肉に満ちた作品となっていた。
〈もしも僕が偉くなったなら/偉くない人の邪魔をしたりしないさ(中略)もしも僕が偉くなったなら/君が歌う歌を止めたりしないさ〉(「偉人のうた」)
〈冗談のひとつもいえねぇ/好きな歌さえうたえねぇ/替え歌のひとつにもいちいちめくじらを立てる/いやな世の中になっちまったもんでござんすねぇ〉(「ロックン仁義」)
そして、怒りがおさまらない清志郎は、そのアルバム発売直前の10月13日深夜に出演した『夜のヒットスタジオ ROCK&MUSIC』(フジテレビ)で事件を起こす。
生放送の番組のゲストライブコーナーに出演した彼らは、リハーサルで歌った楽曲を突如変更。
いきなりこんな歌を歌い始めたのである。
〈FM東京腐ったラジオ/FM東京最低のラジオ/何でもかんでも放送禁止さ/FM東京バカのラジオ/FM東京こそこそすんじゃねぇ/おまんこ野郎FM東京〉
FM東京への執拗な悪罵とともに〈おまんこ野郎〉という放送禁止用語が叫ばれスタジオは騒然。
生放送のため演奏を途中で止めることもできず、ライブ後、司会の古館伊知郎が「放送上不適切な表現があったことをおわびいたします」と謝罪することになった。
ここで清志郎がFM東京を罵ったのは、先の発売中止騒動に原因がある。
シングル「ラヴ・ミー・テンダー/サマータイム・ブルース」が発売中止となったのはあまりにも直前だったため、各放送局にはもうすでに見本盤シングルは配られていた。
だが、EMI側はそのサンプルを回収せず、エアプレイに関しても通常通り放送してもらって構わないとしていた。
実際、日本有線、ニッポン放送、文化放送などではリクエストに応じてオンエアーしていたのだが、そんななかFM東京は「教育番組を流している会社であり、ふさわしくないと判断した」として放送を自粛した。
局側は「圧力があったわけではない」としているが、実際は、FM東京が番組を売っている地方FM局のなかには原発誘致に積極的な地方の局もあり、そのことが放送自粛に影響していたのだろう。
この大騒動ののち、91年にはRCサクセションが活動を休止し、その後の清志郎は数々のユニットを渡り歩くなど流動的なキャリアを歩む時期となるが、それでも彼の反骨精神は消えることはなかった。
そして起きた騒動が、99年、忌野清志郎 Little Screaming Revue名義のアルバム『冬の十字架』が、「君が代」のパンクアレンジバージョンを収録していることにより、「政治的、社会的に見解が別れている重要事項に関して、一方の立場によって立つかのような印象を与える恐れがあり、発売を差し控えた」として、当時所属していたポリドールがアルバムの発売を中止した一件だ。これは大々的にニュースにも取り上げられ、当時官房長官だった野中広務まで「君が代の演奏のあり方については、われわれがとやかく申し上げるべきことではないと考えている」と記者会見で発言するほどの騒動にまで発展する。
(中略)
「ユーモア」精神が最も突き抜けていたのが、タイマーズの「原発賛成音頭」であろう。
この曲は、原発反対のメッセージを出してトラブルに巻き込まれたことを逆手に取り、あえて原発賛成と歌ったものだった。
〈さあさ皆さん聴いとくれゲンパツ賛成音頭だよ/これなら問題ないだろーみんな大好き原子力/ゲンパツ賛成! ゲンパツ賛成!/うれしいゲンパツ楽しいな日本のゲンパツ世界一/なんにも危険はございませんみんな仲間だ原子力〉
ライブではこのような歌詞を完全にバカにしきった歌い方で歌われ、〈一家に一台、原子力〉という一節まで登場する。
そして観客は音頭調に合わせ笑いながら〈ゲンパツ賛成! ゲンパツ賛成!〉と歌う。
〈自衛隊に入ろう入ろう入ろう/自衛隊に入ればこの世は天国/男の中の男はみんな/自衛隊に入って花と散る〉と歌った高田渡「自衛隊に入ろう」にも通ずる諧謔的な表現手法である。
彼の死後に起きた東日本大震災では福島第一原発が放射能事故を起こし、また、そんな大事故が起きたのにも関わらず、その反省を活かそうともせずこの国は原発再稼働へと急速に歩みを進めている。
また、昨年は、十分な議論もなされないまま安保法案が強行可決され、憲法9条の存在すら危ういものとなり始めている。
天国の清志郎が見たら、さぞや嘆き悲しむであろう状況に我々はいる。
そして、おそらく、私たちが彼ほどの過激な行動をとり続けることは無理だろう。
どんな圧力を受けても、決して自分のメッセージを曲げなかった清志郎のような強さを持ち続けることも常人には難しい。
しかし、それでも、忌野清志郎のことを思い出し、彼の言葉にふれたら、少しだけ勇気がわいてくる。
明日は憲法記念日、清志郎はこんなメッセージも残している。
〈この国の憲法第9条はまるでジョン・レノンの考え方みたいじゃないか? 戦争を放棄して世界の平和のためにがんばるって言っているんだぜ。俺たちはジョン・レノンみたいじゃないか。戦争はやめよう。平和に生きよう。そしてみんな平等に暮らそう。きっと幸せになれるよ〉(『瀕死の双六問屋』/小学館)
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今こそ読んでほしい! 忌野清志郎の「表現の自由を奪う圧力」との闘い、そして憲法9条への美しすぎるメッセージ
2017年05月02日 リテラ
https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_3125/
■教材から『はだしのゲン』削除しないで
NHK 2023年03月01日
■日本被団協「怒りを禁じ得ない」 「はだしのゲン」教材掲載終了
毎日新聞 2023/2/28
■第五福竜丸の記述も教材から削除 はだしのゲンに続き、広島市教委
東京新聞 2023年3月1日
■コロナ禍のなかで『はだしのゲン』を一気読みした
論座(朝日新聞) 2020年06月09日 大槻慎二
■『はだしのゲン』と私 どんな過去も「なかったこと」にはできない
NEWSポストセブン(小学館) 2023.02.25
■「はだしのゲン」貸出禁止にモノ申す!
言論の自由が、ヘイトスピーチに屈する社会
東洋経済 2013/08/18
■『はだしのゲン』続編の舞台は原発大国フランスだった…
AERA dot. (アエラドット) 2013/08/06 週刊朝日
■反原発ソング発売中止への怒りがタイマーズを誕生させた
日刊ゲンダイ:2018/06/09
■忌野清志郎の呪いか、東芝の苦難
発売中止の反原発「COVERS」から30年
J-CASTニュース 2017年04月03日
■日本人の7人に1人が「原爆投下は仕方ない」と答えてしまう根本原因
公文書が示すGHQが仕掛けた心理戦
PRESIDENT Online 2020/08/08
■これが戦後の元凶だ! 米占領軍の日本洗脳工作「WGIP」文書、ついに発掘
「日本政府や日本の報道機関を通じて実施した間接統治」
産経新聞 2015/4/8 関野通夫
■『日本人はなぜ自虐的になったのか―占領とWGIP―』(有馬哲夫/著)
全てアメリカの狙い通りに――。
WGIPと心理戦の全貌を第1次資料をもとに明かす
新潮社 発売日:2020/07/17
■「大東亜戦争」と呼ぼう 岡部伸
産経新聞 2021/12/7
■政治による教育支配をやめよ
高校教科書検定
「安倍晋三政権が教科書への統制をエスカレートさせています。2017年度から使われる高校教科書の検定結果では、集団的自衛権の行使容認などにかかわって、文部科学省が政権の主張通りに記述内容を書き直させた事例が続出しました。国民の間で見解が分かれる問題で、政府が自らの言い分を「正解」として教科書に書かせるのは、政治による教育支配そのものです。民主主義社会ではあってはならないことで許されません。」
2016年3月27日 しんぶん赤旗
■「日本はまだ米軍の占領下」は真実だった
「私はずっと自衛隊は日本を防衛するための組織だと思ってきたのだが、そうではない。自衛隊は、米軍支援のための部隊だったのだ」
日刊ゲンダイ(講談社)2016/07/1
■なぜ日本はアメリカの「いいなり」なのか?
・知ってはいけないウラの掟
「日本の空は、すべてアメリカに支配されている」
「自衛隊は米軍の指揮のもとで戦う」
週刊現代(講談社)2017.08.05
■日本人が知らない「闇歴史」
~アメリカに支配された70年の真実~
「日本の主体的な意思によって行われたものではない。政治も経済も文化も勝者であるアメリカに操られてきた」
「日本はアメリカの属国のままでよいのだろうか」
日刊大衆(双葉社)2015/9/21
■日本を裏で操っている? ~アメリカの巧妙な世界戦略~
・アメリカにとっては好都合となる日本の官僚主義
幻冬舎:石角完爾:2016.10.21
■コロナ禍で改憲目論む 自民案「緊急事態条項」の正体とは
日刊ゲンダイ:2021/05/07
■緊急事態条項の実態は「内閣独裁権条項」である
自民党草案の問題点を考える
論座(朝日新聞) 2022年07月02日 木村草太 首都大学東京教授(憲法学)
■時代の正体〈258〉緊急事態条項は「独裁許す全権委任」
神奈川新聞 | 2016年2月14日
■ナチ研究の第一人者が看破 自民案「緊急事態条項」の正体
日刊ゲンダイ:2017/09/19
■9条改憲より恐ろしい「緊急事態宣言」条項!
NetIB-News 2015年11月13日
■『報ステ』古舘伊知郎が最後の反撃! ドイツ取材で緊急事態条項の危険性、安倍首相とヒトラーの類似点を示唆
excite.ニュース 2016年03月19日
■コロナ対応でも頻発、「閣議決定」ってそもそも何だ
こんな時でも安倍内閣の「閣議決定」に厳しい目が必要な理由
jbpress 2020.3.12
■安倍首相が日本を「戦争ができる国」に変えた…歴史に残る強引な大転換
週刊現代 2020.09.03
■中沢啓治/はだしのゲン作者
『なにもアメリカのいいなりに(湾岸戦争に)お金を出し、掃海艇を出すことが「国際的貢献」というのではないと思います。戦争が起こらない環境づくりや、戦争が起こっても停戦・和平への調停をするなど、平和のための貢献を日本はちゃんとすべきではないかと私は思います。(中沢啓治)』
なにもアメリカのいいなりに(湾岸戦争に)お金を出し、掃海艇を出すことが「国際的貢献」というのではないと思います。戦争が起こらない環境づくりや、戦争が起こっても停戦・和平への調停をするなど、平和のための貢献を日本はちゃんとすべきではないかと私は思います。(中沢啓治)
— はだしのゲン/中沢啓治bot (@genhiroshima) February 25, 2023
■忌野清志郎「この国はおかしくなってる。戦争に加担し、いずれ軍事政権を作ろうとしてる。いずれ軍隊を持とうとしてるんだ。
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