「どうせ無理。」「意味なくね?」を乗り越える力~下町ロケットモデル人物から学ぶ~


TBSドラマ「下町ロケット」の新シリーズが始まりますね!

それにしても、池井戸潤の小説は「半沢直樹」「陸王」も含めて人気が高いですね。

続編となる「下町ロケット」。

この「下町ロケット」にモデルの人物がいたことはご存知でしょうか。

それが、植松務氏。

今回は「下町ロケット」モデル、植松務氏についてお伝えします!

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Contents

植松務氏とは?

TBSドラマ「下町ロケット」モデルの植松務氏。

北海道の中小企業、植松電機の専務だった方です。

この植松電機、そもそもリサイクル用のマグネットを製造する会社です。

金属などのごみをがっつり電磁石にくっつけて解体場やごみ処理場で使用されるマグネットで、もともとはロケット製造とは程遠い事業でした。

では、なぜ、この地方の中小企業、マグネット製造会社がロケット製造にまで踏み出したのか、その背景について少し見てみましょう。

植松務氏は、北海道芦別市出身、北見工大応用機械工学科卒業。

植松務氏はあることがきっかけで宇宙開発事業の夢を追いかけるようになります。

植松氏の幼少の頃の悔しい思い出

社員17名の地方の中小企業の子どもとして育った植松氏。

なぜ、関係のない宇宙開発事業に挑むようになったのでしょうか。

そのきっかけが幼少期の悔しい想いでした。

以下、植松氏のTED講演『思うは招く』~「どうせ無理」「だったらこうしてみたら?」~より、抜粋です。

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僕は小学校に上がってすぐに担任の先生にものすごく嫌われたんです。
僕が信じていたことやばあちゃんが教えてくれた事は全部否定されました。

僕の夢は、お前なんかができるわけがないとさんざん言われました。
じいちゃんが撫でてくれた頭を先生に散々殴られました。

とっても辛かったです。
でも、それを助けてくれる大人はいなかったです。

僕はその先生が言った言葉を忘れていませんでした。
その先生は「どうせ無理」という言葉をよく使っていたんです。

このどうせ無理という言葉が恐ろしい言葉なんだなと思いました。
これは人間の自信と可能性を奪ってしまう最悪の言葉です。

でも、とっても簡単な言葉なんです。
これを唱えるだけで何もせずに済んでしまうから、とってもらくちんになれる恐ろしい言葉でもあるんです。

こんな言葉で未来を諦めさせられてしまった人たちは自信を失ってしまうんです。

植松努TED講演『思うは招く』~「どうせ無理」「だったらこうしてみたら?」~より。

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どうせ無理。

他人の無理だという言葉、それは子どもにとって大きな影響があったのかもしれません。

可能性を奪う言葉ですね。

可能性を伸ばすべき立場の人が、可能性を奪ってしまうことは、絶対にあってはないことではないでしょうか。

しかし、さらに、植松氏は小学校に続き、中学校の先生にも恵まれなかったようです。

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そして、中学生になった頃には僕の夢というのは飛行機やロケットの仕事をすることになっていました。
自分なりに一生懸命勉強しました。

でも、中学校の先生が僕に教えてくれました。
夢みたいなことを言ってないでテスト勉強しなさい!」と言われました。

確かに僕は飛行機やロケットの事は勉強したけれども、学校の勉強はほったらかしだったんです。
何もしていませんでした。

そして先生はさらに教えてくれます。
そもそも宇宙なんちゅうものはよほど頭が良くないと無理だ。凄くお金もかかるだぞ!だから、それは別世界の話だ。お前なんかが出来るわけ無い。」と教えてくれました。

僕はとっても悲しくなりました。
そして、考えたんです。

夢ってなんだろう?
できそうな夢しか見ちゃダメなんでしょうか?

でも出来るか出来ないかは一体誰が決めるんだろう?と思いました。
やってみなきゃわかんないはずなのに、やったこともない人が決めるのは変じゃないかと思いました。

僕は、今出来ないことを追いかけるのが夢っていうんじゃないのかな?と思ったんです。

植松努TED講演『思うは招く』~「どうせ無理」「だったらこうしてみたら?」~より。

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地方の弱小企業の息子。

身分をわきまえる、分相応。

特に保守的な地域は、ある意味、実社会の現実を教えるために、夢を否定することはあるのかもしれません。

生徒の将来の生活のためを想って、伝えている言葉なのでしょうか。

もし、多くの子どもたちが、このような先生方から将来を限定された人生を歩んでいるとしたら。

影響力のある指導者の言葉、それは子どもたちにとって、とても重い言葉なのかもしれません。

さらなる誹謗中傷

植松氏を否定する言葉は、先生ばかりではありませんでした。

それが以下です。

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でも、周りの人に理解されなくなりました。
友達からも、先生からも、そして親からも「そんなことしてて大丈夫なの?」と言われるんです。

意味なくね?」と。

何それ自慢?」と言われて、僕はどんどん1人ぼっちになっていくんです。

自分の好きなことを人にしゃべることができなくなってしまうんです。
(中略)

やがて僕は成長して、えげつないことも冷酷なことも出来るようになって、競争相手をやっつけたり陥れたりすることが出来るようになりました。

その人にどんな家族がいるかなんて1つも考えませんでした。
やがて売り上げが増えていくと銀行の人は褒めてくれました。

でも僕の心はすっかりおかしくなっていて、誰も信じることができません。
独りぼっちなんです。
そして、何もかも合理的にしか考えることができないんです。

植松努TED講演『思うは招く』~「どうせ無理」「だったらこうしてみたら?」~より。

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「どうせ無理。」「意味なくね?」

強い言葉ですね。

素直で感受性に強い人であれば、尚更、傷ついた言葉かもしれません。

宇宙開発事業へ想い、その根底にあるものとは?

でも、植松氏がすごいところは、これからでした。

青年会議所でのボランティア活動がきっかけで、このままではいけないと、気づきます。

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だからこそ僕は、「どうせ無理」という言葉を無くそうと思いました。
これが無くなったらいじめや暴力や戦争がなくなるかもしれない。

児童虐待もなくなるかもしれないと思いました。
だから、僕は誰もがどうせ無理だと思っている宇宙開発をしてみようと思ったんです。

植松努TED講演『思うは招く』~「どうせ無理」「だったらこうしてみたら?」~より。

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「どうせ無理」を無くすために、宇宙開発?!

驚きますね。

ある意味、人の足を引っ張る人への対抗心かもしれません。

まさに半沢直樹の「倍返し!」ではないでしょうか。

私も以前、ベンチャーキャピタリストとして宇宙開発企業の代表とお会いしていたことがありますが、当時はまだ国策事業の領域。

中小企業どころか、大企業をも二の足を踏んでいる状況でした。

地方の中小企業が参入する土台は全くなかったといっても過言ではないかもしれません。

そんな状況から敢えての参入。

まさにチャレンジャーかもしれませんね。

植松流、失敗したときの考え方!

とはいえ、未知の領域、宇宙開発事業。

失敗続き。

当然うまくいきません。

当たり前ですね、新しいことに挑戦するわけですし、簡単に成功なんてしません。

植松氏は、失敗した時の考え方についても、私たちに伝えています。

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でも、その時に失敗した自分を、逃げた自分を、諦めた自分を責めないでください。
へこまないでください。

そんなことする必要ないんです。

そんな時に自分の心中はもう苦しいとか、辛いとか、申し訳ないとか、悔しいとか、悲しいとか、恥ずかしいがもうぐるぐるして大変なことになってるんです。

でも、このグルングルンしてる最中は、「只今成長中」って言えばいいんです。

そしたらプリっと一皮むけるんです。

だからぜひ、「ただいま成長中」って言って見てください。

そんな僕らは生まれて初めての1回きりの人生をぶっつけ本番で生きているんです。

そんな僕らは何のために生まれてきたのか。

僕らにとって失敗というものはよりよくするためのデータに過ぎません。

ぶっつけ本番だから失敗して当たり前です。

失敗はよりよくするためのデータだと思って乗り越えて欲しいです。

植松努TED講演『思うは招く』~「どうせ無理」「だったらこうしてみたら?」~より。

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17人しかいない、地方のマグネット製造中小企業の専務だった植松氏。

2006年株式会社カムイスペースワークスを設立し代表取締役に就任しています。

大企業でも二の足を踏む宇宙事業に挑むために、中小企業間の連携を重視しています。

できないから、諦める。

大企業に勝てないからあきらめる。

それで良いのですか?

勝てないならどうするか、ですよね?

私が植松氏から元気をもらえるのは、宇宙事業の先に、人の価値観、社会の価値観を良い方向に変革しようとする思想があることです。

人を否定するのは、簡単です。

挑戦する人を馬鹿にしてはいけない。

少なくても、戦う勇気のない者は、せめて戦う者を笑ってほしくない、そう思います。

最後に

植松務氏の名言を贈ります。

そしてこれから先、僕らがやっていくべきことは、できない理由を探すことではありません。できる理由を考えることです。ただそれだけで世界はきっとあっという間に良くなるんです。

だから自信をなくしてしまった人たちの中には、お金で自信を買うようになって、身を飾るようになったり、また、それを自慢しなくてはいけなくなったり、そのために人を見下すことをしてしまったり、他の人が頑張ったら困るから努力を邪魔するようになってしまうと思うんです。こういう人が皆さんの身の回りにも、もしかしたらいるかもしれません。でも、その人たちは自信をなくしてしまった可哀想な人たちなんです。その人たちが自分の自信を守りたくて、しょうがなく他の人の自信を奪ってしまっているのかもしれません。

やりたいことや、大好きなこと。それは、本当は、小さい頃から、大切に育てていくべきことです。でもそれは、多くの場合、受験を意識した頃から、「テストに関係ないからやめなさい」と奪い取られていきます。でも本当は、その中に、大事な進路が隠れている可能性が高いです。

「意味なくね?」これは、実は、「私は思考能力がありません。」を宣言する言葉です。「意味」は、自分で考えて、自分の人生に活かすものです。そして、どんなことにも意味があります。

たしかに、頑張った結果がよろしくない、ということは多いです。でも、努力は無駄ではないです。なぜなら、頑張った段階で、以前の自分とは確実に変わっているからです。成長しています。ただ、やり方を間違えただけです。だから、違う方法でやってみればいいだけです。

考えるためには美しい言葉が必要です。美しい言葉を身につけたら発明ができます。美しい言葉を身につけるために素敵な本を読んでください。そしてその言葉を使って下さい。

実は、生まれた時から「諦め方」を知ってる人間なんてこの世に一人もいないんです。みなさんは全員、諦め方を知らないで輝いて生まれてきたんです。でも僕たちが諦め方をちょっと習っちゃっているのかもしれません。そんな自分たちの自信を取り戻すためのとてもいい方法が一つだけあります。それは「やったことがないことをやってみる」なんです。やったことがないことをやってみるだけで、小っこい自信が湧いてきますから、是非皆さんは「やったことがないこと」に挑んでみてほしいって思います。

「どーせ無理禁止条例誓約書」
1.私は、どーせ無理禁止条例を遵守し、今後一切「どーせ無理」を使いません。
2、私は、上記1の記載事項に反した場合、下記3の罰則事項を遵守します。
3、私は、上記1の記載事項に反した場合、罰則「どうすればできるかを考える」を実践します。

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